この作品は「蜘蛛ですが、なにか?」の二次創作で、軽度の性描写を含みます。
原作様URL:https://ncode.syosetu.com/n7975cr/

カティア(元・男)とシュン(男)のIF展開です。


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薬酒

 ◆ 序 ◆

 貴族の結婚は政治で決まる。好き合った相手と結ばれることなど稀だ。

 だが、貴族の義務として夫を寝室に迎えなくてはいけない。なんとか気分を盛り上げて、夫のモノが入り込めるように、カラダを寛がせて。

 現代日本と違って科学的な性教育はない。何も知らないまま夫に任せて、カエルのように脚を開いて受け入れるなど、恐怖で精神に異常をきたしてしまうこともある。

 そんな過酷な夜を迎える花嫁のために、この薬酒が存在する。

 

 ◆ プロポーズ ◆

  ◆ 1 ◆

「もしかしてだけどよ、婚約の話じゃねえか?」

「は? 誰の?」

「だから、俺と、お前」

 

 カティアと婚約なんて、考えたこともなかった。

「……、いつかはそういうことになるんだろうし、どこの誰とも知れないやつよりかは、お互いの事情を知ってるし、……。」

 でも、カティアの言い分を聞いていると、確かにいい話だと思う。

 

「じゃ、婚約するか。」

「お前、そんな簡単に。」

 カティアは反論しながら、目を逸らしてしまった。

 

「ところで、お前、本当に女なんだろうな。」

「言ったな。明日、もう一遍会おうぜ。」

 明日は一体どんな豪華なドレスを着てくるつもりなのか。

 

  ◆ 2 ◆

「なんのために一人で脱ぎ着できる服で来たと思ってんだよ。」

 そういうとカティアは立ち上がってズボンの前ホックを外した。そのまま腰骨までずり降ろし、下着まで掴み直して更に降ろした。

 

 立ちあがったままヒザを閉じてズボンがずり落ちるのを止めているが、カティアの両脚の間にはスキ間が空いていて、今世のカティアが女であることが見て取れた。

 カティアに頭を掴まれて、引き寄せられた。バランスを崩したオレはカティアの腰を左右から捕まえる形になった。

 間違いなく女だ。無臭スキルの訓練なのか、アンダーヘアが整えられている。まだ初潮が来ていないという、その下はスッと一本の縦線があるだけで、ピッタリと閉じていた。

「なっ、女だろ。」

 食い入るように見つめるオレの髪を、カティアが撫でつけている。

 オレは片手をスキ間に入れ、指で触れてみた。乾いている。カティアが黙っているので、オレはそのまま指を押し込もうとした。

「痛っ。」

 

 カティアが腰を引いた動きでオレは冷静さを取り戻し、カティアがオレの手をそっと払い除けるのを受け入れた。

「お前、乱暴すぎ。」

「いや、別に乱暴には。」

「そう思うのは男だけだよ。」

 カティアはズボンをずり上げ、ホックを嵌めてしまった。

 

 叱られた気分で項垂れているオレに「じゃ、婚約成立、ということで。」と言って、カティアはオレにキスをした。

 

  ◆ 3 ◆

 後日、オレも男であることを見せなきゃ、と思い至ったのだが、カティアにグーで腹筋を殴られた。まだ筋肉ついてないのに。

 

 ◆ 結婚式 ◆

  ◆ 1 ◆

 年月が流れ年頃になり、結婚を前にしてオレは母から女の心得を説かれている。

 その中には、こんな話もあった。

 

 この世界には、初夜の花嫁が飲む薬酒があるのだそうだ。

 ん?

 薬酒の効果は、ただ女の器官をリラックスさせるだけだ。決して女を興奮させるわけでも、ふしだらな気分にさせるわけでもない。

 んん?

 薄く潤滑液を分泌して、男のモノを滑らかに奥まで受け入れるようにする。

 んんん!?

 遠方からの嫁入りや本人同士に馴染みがない場合などに用意されるもので、母上の姉君がお仕えするシュンの異母姉君も隣国に嫁がれた時にお使いになったのだそうだ。シュレイン様とあなたなら必要ないだろうが用意だけはする、と言われた。

 

 ええ貰いますとも!

 ありがたく貰わせていただきますとも!

 いやっほう!

 これがあれば、シュンの前戯でカラダを疼かせて、なんて手間を素っ飛ばせるってことじゃん!

 誰かと結婚はしなくちゃいけないにしても、夜のことは事務的に済ませてしまえるんなら、そのほうがいい。元・男の沽券にかけて考えるだけでも抵抗があるのに、シュンと二人で努力してヤり遂げるなんて無理!

 うえっへへへへへへ!

 

  ◆ 2 ◆

「別に今夜必ずしなきゃって訳でもないだろ。」

 シュンがなにか危機感のないことを言い出した。

 薬酒が用意されるのは初夜だけだ。女の、受け入れない自由、というものとの兼ね合いらしい。ここを見逃せば、あとは自力でヤるしかなくなる。元・男のオレが。

 

「ばっか、お前を相手に気分を盛り上げるなんてできるかよ。」

「まあ、それはそうだが。」

 一旦、男のモノで穴を通してしまいさえすれば、馴れが出て、二夜目以降はどうにでもなるらしい。

 

「今夜のうちに、穴を通すまでするぞ。そうでないとオレが大変なんだから。」

「ああ、わかった。」

 シュンが返事をするのを聞いて、オレはグラスを傾けた。見ている前で薬酒を飲み干し、雛壇を立った。

 

  ◆ 3 ◆

 侍女が下がった寝室で、ベッドに腰掛けながら⸺。

 下腹で何かが動いた感じ。薬酒が効いてきたのか。なんだか緊張してきた。

 

 しかし、これがスイッチが入るってことかー。

 なんか変な感じ。

 痛くも痒くもないけど、体が内側から作り替えられてるような感覚。

 全く別のものになっている感じ。

 けど、不思議と恐怖とか嫌悪感はない。

 

 ◆ 結 ◆

 その後、カティアはシュンのことがすっかり大好きになりました。そんなカティアをシュンもとても大事にするようになりました。

 

 <終>

 




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