神の都合で全てが変わる世界で主人公探してます   作:謎謎おじさん

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一章 刺客は誰だ?
1話 刺客の到来


世界は変わり続ける。俺が元いた世界では誰しもが理解していたことだ。子供の頃通っていた駄菓子屋が潰れてしまうように、誰かがコウモリを食べた事で起きたパンデミックのせいで街を歩く人がいなくなるように、人の営みは大小の違いはあれど人の行動によって変わり続けている。

 

「今日は転校生がいるぞ!さあ自己紹介を頼む!」

 

「わかりました!初めまして!隣町から来ました西園菜花(にしぞの さいか)です!これからよろしくお願いします!」

 

だがこの世界では神の意思によって突然世界が変わる。今みたいに、

 

「あ!忘れてた…種族は獣人です!尻尾は珍しいかもしれませんが触っちゃだめですよ!」

 

昨日までこの世界にいなかった生物が我が物顔でこの街を歩き始めるのだから…

 

神のくそ野郎…最近刺客を送ってこないと思ったらまたトンデモ設定作りやがって…俺は目の前の状況に頭を抱えながらやるべき事の優先順位を確認する。

 

新しく物語が始まった時に俺がやるべき事…それは刺客誰なのか確認する事。

 

この世界には歴史や世界の仕組みすら覆して来る存在が神の意思によって定期的に湧いて来る。湧いたら最後それまでの世界は一夜で変わり、刺客がいても矛盾がない様に世界が修正される。そして人々は今までの世界を忘れ新しい世界に順応し、刺客を中心に新しく世界に組み込まれた設定が主題となった出来事が起こっていく…

 

まさに新しい物語の主人公の様な奴らだ。

 

俺はそんな存在を刺客と呼んでいる。そういう風に呼ぶのは世界を書き換えて来る世界にとって刺客の様な存在だからじゃない。もっと単純で困った理由だ、

 

実は俺にも特殊な能力がある。それは、この世界でただ1人世界改変の影響を受けない事。俺だけは世界が変わった事を認識できるし変わる前の世界を覚えている。

 

そんな世界が変わった事を認識できている俺自体が神によって作られたのか転生特典で影響を受けないのかはわからないがそれ自体に問題はない。ぶっちゃけ新しい人種が生えて来ようともそれが人である以上生活自体が大きく変わることなどない。偏見を捨て新しい世界に慣れていけばいいだけだ。…問題は神は俺の能力をおそらく認識していて定期的に俺の周りにそんな危険人物を送り込んでくる事だ…

 

その後は大体刺客達が何かと理由をつけて俺に纏わりついて来て俺の前で問題が起きる。そして何故かいつも俺が事件解決の鍵を握って死ぬほど苦労させられるんだ…

 

俺は前の世界では25歳で死んだ。未練だってあるしやりたい事だって山ほどあった。転生できた事は心の底から嬉しいしもしそれが神のおかげなら少しくらいは俺の生活を見られる事だって許容する。

 

だが…俺が望んでいる生活は平穏で当たり前の幸福を感じれる生活だ!断じて超能力者の戦いに巻き込まれて死にかけたり、アイドルのストーカー被害に巻き込まれて死の鬼ごっこを始めたりする生活じゃない!これ以上クソみたいな設定には巻き込まれてたまるか…今回は爆速で物語を終わらせて神に吠えずらをかかせてやる!

 

そんな風に心の中で意気込んでいると、

 

「おい…!翔見てみろよこれ」

 

隣の席に座っている友人のユウジが話しかけて来た。

 

「なんだよ…今それどころじゃ…」

 

「最近この町で起きてた公共物の破壊事件の原因がわかったんだってよ…これやばくね?女の子がこんなでかいやつと戦ってんだけど…」

 

ミーハーなユウジは何故か転校生には興味がない様でネットで話題になっている映像を見せて来る。俺はユウジが見せて来る動画を見て、

 

「……は?」

 

思わず声を上げる。動画には褐色肌で金髪の獣人の魔法少女がが可愛い衣装に身を包み、ステッキを持って光り輝く光線を撃ちながら10mはありそうな人型の化け物と戦っている様子が写っている…これ西園だよな…見た目まんま一緒だし…

 

なるほど…つまり西園は刺客でしかも…魔法少女かよ!

 

俺はこれから起きるめんどくさそうな展開に今すぐ帰りたくなった…

 

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