神の都合で全てが変わる世界で主人公探してます   作:ラ メ ル テ オ ン

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21話 分析と口撃

 

「そうじゃろ?そうじゃろ!お前もやっとわかってくれたようじゃな〜もっと褒めて良いぞ〜!」

 

モルグは俺の適当な褒め言葉に異常な喜び方を見せている。俺は恐怖に歪んだ笑顔を顔に貼り付けたまま魂で思考を回す。このクソ野郎に一杯食わせるためにもまずは今までモルグの言動からわかるこいつの情報の整理だ。

 

こいつは最初舐めた口を聞いた俺の指を折り表面上は下手に出ながら情報を集めようと画策する俺の僅かな機微を見逃さずにその事実を俺に伝えて精神的優位を取った。そしてその後洗脳している奴らを使って若干自分の事を舐めていた俺に自分がどれだけすごいのか教えようとしてきた……

 

そこからわかるこいつの人物像は『分析力と思考力が高く、人を楽しそうに痛ぶるほど残忍で俺が恐怖で震える様に手を尽くすほど性格が悪く、自分のことを舐めていたやつにわざわざ称賛させるくらい承認欲求とプライドが高いジジイ』って感じだな……

 

改めて分析してみると何だこの人格破綻者は……俺だって人の事言えるほどまともじゃないが…それにしてもこいつはまともじゃなさすぎる。下手に刺激すれば何をされるかわからない奴だ…こいつが使っている魔法の情報を集め終えるまではここら辺を意識して言葉を選ばないとな……俺はモルグの人格面の分析を終えた後、

 

「ところで……モルグ様は何でこの街に?やっぱり采花を捕まえる為ですかね?」

 

使う魔法の情報を引き出す為にボスにご機嫌を伺う三下の様に舌を回す。いきなり魔法について聞くのはおかしいから会話を弾ませて流れで聞き出してやる。そんな俺の思惑に、

 

「そう言えば言っておらんかったの〜聞いて驚け!ワシはな魔法少女をコレクションする為に来たんじゃ!」

 

モルグはあっさりと乗ってくれる。俺はモルグの機嫌を取れる様に言葉を選びながら会話を続ける。

 

「魔法少女ってコレクションするほどいるんですか?」

 

「基本的にはおらんの。だが〜この国日本は違う!この国は各都道府県に最低2人の魔法少女が治安維持に勤めておる。洗脳する過程で多少殺したとしてもうまくいけば50人くらいの魔法少女が手に入るんじゃ!」

 

「…それはすごい計画ですね!集めた後は何するんですか?世界征服とか?」

 

「世界征服もよいが……征服する前に魔法少女で遊ばんとな〜昔から魔法少女はワシの邪魔ばかりしてきおったからの〜ワシが考えている計画はこうじゃ!まずはそこら辺から一般人を意識だけ残して10人ほど奴隷にするじゃろ?そして意識だけ残した魔法少女の前で奴隷達に命ずるんじゃ……恨み言吐きながら死ねと」

 

モルグは相変わらず反吐が出る様な妄想を気持ちよさそうにに語る。そんなモルグに水を刺したのは、

 

「自分の実力が足りず守れなかった者達の末路を見て魔法少女達の顔は絶望で歪みそして……」

 

「「「かしこまりました!」」」

 

「は?かしこまりました?」

 

モルグに洗脳されている人達だった。洗脳されている人たちはアトリウムへと続く手すりに腰をかけると、

 

「モルグのクソ野郎!」

 

「鼻だけじゃなくて器もデカくしやがれ!」

 

「どうせ操られるなら美女が良かった!」

 

恨み言を吐きなが次々とアトリウムに向かって飛び降りていく。そんな奴らを、

 

「ちょ!?何やってんのお前ら!!今の命令じゃないぞ!!今すぐ死のうとするのをやめろ!!まだやってもらわんとあかんことがあるんじゃから!!」

 

モルグは自由に動かせるマントで救出しながら新たな命令を出す。

 

「「「かしこまりました!」」」

 

そのモルグの言葉を受けて飛び降りようとしていた洗脳されている人達も腰を下しモルグの周りに集まり出した。

 

何だこいつら……もしかして本当にモルグの言う事ならなんでも聞くのか?いや……それは少し違うな……この感じ『言葉をそのまま受け取ってる』が正しいと思う。詠唱と言う形を取っているからかモルグの言葉が誰に対して向いているのか考えてすらいない程にモルグの言葉だけを遵守している。洗脳して奴隷にしてるだけじゃここまで考えなしに動かない。

 

洗脳魔法というよりはおそらく…身体の制御権を奪いモルグの言葉によって操られる人形にする魔法……ならモルグがする命令によっては隙が生まれるかもしれない……やっとわかったなこいつが使う魔法の仕組みが。ここまでわかったなら後はこの情報を一ノ瀬に伝えれば俺の仕事は終わりだ。そして…時間を稼ぐならこんなクソ野郎に媚びるなんてムカつく方法じゃなくてもいい。どうせ命を賭けるんだ……死んでも悔いが残らねえ様に一発かましてやる。そんな事を思い、

 

「全く……普通こういう洗脳魔法を作る時条件付けとかするじゃろう……見た目も醜ければ頭も悪い…そりゃこんな呪いを刻むわけじゃ」

 

「へえ〜やっぱりモルグ様は闇の魔法使いって感じがしますね〜だからこそ疑問に思うことがひとつあるんですけど質問してもいいですか?」

 

俺は考察が深まりそうな事を言っているモルグに笑みを溢しながら話しかける。

 

「まあ…良いぞ〜なんでも聞け」

 

「なんでモルグ様は魔王の師匠なんですか?」

 

「…………何が言いたい?」

 

「ちょっと話してただけでもわかるんですけどモルグ様って承認欲求の塊じゃないですか。あなたなら世界に魔王と畏怖されるチャンスがあったなら迷わず魔王になるでしょ?」

 

「……。」

 

俺の言葉にモルグは言い返す事なくただ黙って立ち尽くす。その沈黙が教えてくる、これ以上踏み込めばお前を殺すと言うモルグの意思を。魂で感じ取れるくらいの殺意を……でも…ここで黙ったら死ぬほどダサいよな?だから俺は、

 

「ここからは勝手な想像なんですけど……あんた本当は魔王になろうとしてたんじゃねえの?そんでくだらねえ承認欲求を満たす為に育ててた弟子に出し抜かれ……ッ!?」

 

口を止めなかった。モルグは俺が言おうとした事を把握したのか話している途中でマントを操り俺の首を絞めて俺の口を強制的に閉ざしてくる。やばい…!腕も足も折りたたみ椅子に縛られて固定されてるせいで全体重が首にかかって息ができないし意識が遠のく…!だが…

 

「はは……!それなりに頭が良くてワシの偉大さをしっかりと理解したと言うのに肝心な時には感情で動く馬鹿な奴……やはりお前は采花が近くにおきたいと思う人間じゃ。……お前が苦しんで死んだと知った時のあいつの顔が今から楽しみじゃの〜」

 

「ゲホッ…!ゲホ!」

 

モルグはそう言い終えると俺の事を地面に下ろし椅子に俺を縛り付けている縄をマントを素早く動かして切り解く。

 

やっぱり…こいつはこのまま締め殺すなんて楽な方法を取らない。てめえは性格悪いからプライドを傷つけた奴の事はできるだけ苦しめて殺すよな…!俺は予想していた展開に呼吸を整える事すら行わず走り抜けて奴隷たちの包囲網を突破する。命令されてない今ならこいつらはただの置き物だ…命令される前に距離をとって呼吸を整える!モルグは逃げる俺を意に介さず、

 

「さて…自由にしてやった所で授業の時間じゃ…議題は人が真に恐怖する瞬間とは….?答えは簡単打つ手が無くなった時じゃ。人は命が懸かればどんな手段でもとる……だからワシは今からお前を追い詰め手段を1つずつ奪ってやる。そして持ちうる手段を全て使い果たして恐怖に包まれたお前で遊びワシを舐め腐った事を後悔させてやる」

 

恐怖の美学とやらを離れていく俺に聞こえる様に大きな声で伝えてくる。今更そんな脅しでビビる訳ねえだろば〜か!

 

「さて奴隷共!楽しいショーの時間じゃ!命令は簡単あいつを捕まえろ!捕まえた後はワシが四肢の中から好きな物を1つだけ千切る!その後は解放して四肢が全部なくなるまでそれの繰り返しじゃ!」

 

「「「かしこまりました!」」」

 

モルグの言葉と共に洗脳されてる奴らが呼吸を整えている俺に向かってくる。さて……命懸けの鬼ごっこの始まりだな。頼むぜ采花。俺の四肢のどれかが欠損する前に一ノ瀬を呼び出せよ…!

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