神の都合で全てが変わる世界で主人公探してます 作:ラ メ ル テ オ ン
「あのクソガキ共……!絶対に殺してやる!」
モルグは身体の中で暴れる魔力を抑えながら立花翔と魔力の調律を乱す爆弾を置いていった魔法少女に対して憎悪を燃やす。
モルグは分析能力が高いだからこそ確信があった。采花は一ノ瀬家に助けを求めることはないと、だから時間をかけて面白いおもちゃで遊んでいたのに……
「大体何でこんなに早く出動しとるんじゃ!ワシの人よけ魔法は完璧なのに!」
自分の能力不足を押し付けられる様な現実に怒りが止まらない、言葉を吐いても怒りは身体から出ないこの怒りを注ぐには……
「天才魔法使いと聞いていましたが5分経っても苦しんでいるとは……魔力の扱いが小学生の頃の私より下手くそですね」
あの女をできる限り苦しめて殺すしかない。
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「天才魔法使いと聞いていましたが5分経っても苦しんでいるとは……魔力の扱いが小学生の頃の私より下手くそですね」
一ノ瀬がモルグの注意を引いた瞬間、俺はモルグと洗脳されてる奴らににバレない範囲で会話が聞こえる様にモルグに近づいていく。
モルグはショッピングモールの1階で奴隷達に囲まれながらぱっと見でわかるほどに憎悪を燃やし一ノ瀬はそれを見下ろすかの様にショッピングモールの2階から語りかけている。モルグは見晴らしのいい場所にいるから……30mくらい離れているこの物陰がバレない限界距離だろう。
短い時間の中一ノ瀬と色々作戦を話し合ったが、やはり人質を救いつつモルグを殺す為にはモルグからとある命令を引き出さないといけない。まあ……引き出したとても作戦自体試した訳じゃないから賭けになるんだが……もし失敗したら一ノ瀬に回収してもらってもう一度作戦の練り直しだな。あそこまで怒ってるモルグが簡単に逃してくれるとは思えねえけど……そんな先行きが不安になりそうな事を思いつつ俺はモルグと一ノ瀬の邂逅を観察する。
「……この街にはワシの事を舐め腐ってる奴が随分と多いの〜装備的に……そこそこ優秀なお前がワシに洗脳されるとこの状況も少しは変わってくれるかの〜?」
「驚きました…私ができる子なのを見抜かれるなんて、彼が言ってた通り分析力は高いんですね。まあ……彼を逃しているあたり分析を活かす能力は無いみたいですけど」
「……お前名前はなんじゃ?」
「プリンセスシューター、それが私のコードネームです」
「そうか……プリンセスシューター……ワシは心の底からお前の苦しむ姿が見たい……楽に死ねると思うなよ」
「そういうのは捕まえてから言ったほうがいいですよ」
一ノ瀬はその言葉と共に2階から飛び降り、俺が瞬きをした次の瞬間にはモルグとの間にあった20m程の距離を一瞬で詰め殴りかかっていた。そんな一ノ瀬の身体強化魔法を使ったであろう一撃をモルグがマントで受け止めた事で戦いの火蓋が落とされた。
モルグは様子を見ているのか洗脳している人を使わずに自由自在に動かせるマントを使い一ノ瀬に攻撃をしている。素材の影響かそう言う術式なのかマントは伸び縮みを繰り返し俺が目で追えないくらいの凄まじい速度で一ノ瀬を切り裂こうと動き回っている。そんな常人なら1秒も経たない内にバラバラになってしまう様な攻撃を一ノ瀬は流れる水の様な体捌きで避けている。一ノ瀬が涼しい顔をして命のやりとりをしている横で俺は一ノ瀬に伝えたモルグを殺す為の作戦を思いおこす。
モルグは分析力と思考力が高い。なので一ノ瀬が露骨に言葉を引き出そうとするとこちらの真意を見抜いてくる。だから程々に戦い死ぬほど怒らせて感情処理と戦闘分析に思考力に使わせろ。そうやって高い分析力を嫌がらせの為だけに使う様に仕向けるんだ。そうすれば活路は開かれる……そんな性格の悪さが滲み出ている俺の作戦を、
「舐めた口を聞く割に避けてばかりじゃの〜大口叩いておいて恥ずかしく……痛!?」
「避けていれば隙を晒すお恥ずかしい方を相手にしてるので恥ずかしくないですね」
一ノ瀬は信じて命をかけている。一ノ瀬は状況が膠着した瞬間、口を動かして精神的優位に立とうとしたモルグの顔面に両手に持っていた銃から出る光線を撃ち込んで僅かに残っていた余裕さえも奪い去った。
余裕を奪われたら人は感情的になる。そして頭が良くて性格の悪い奴が感情的になると、
「………奴隷共この女を捕まえろ」
「「「かしこまりました!!」」」
相手の嫌がる事を的確に見抜いて実行してくる。モルグが命令すると同時に洗脳されている奴らは気持ちの悪い笑顔貼り付けたまま命が軽く吹き飛ぶ戦場に飛び込んでいく。
「ほんとッ…!めんどくさい事をしてくれますね!」
「弱音を吐くのが随分と早いの〜めんどくさくなるのはこれからなんじゃが」
モルグはその言葉と共にマントを大きく広げ洗脳された人間が一ノ瀬に突撃するタイミングと同時に攻撃を繰り出す。一ノ瀬は今のところさっきと変わらず避けれているが……戦闘に詳しくない俺が見てもわかるくらい過剰に洗脳されてる奴らを気遣っている。人質の命を優先するのはあいつの立場上わかる。だがそんな事をすれば…
「これでも当たらんのか凄い避けっぷりじゃの〜じゃがそんなに人質を気にして動かれると…ワシの手元が狂ってしまうかもな?」
モルグは嫌がらせのために人質を殺すだろう。モルグはそう宣言すると一ノ瀬に嗾けた洗脳された人ごと貫こうとマントを突き上げる様に動かす。一ノ瀬は、
「くっ……!」
「まずは1発じゃ!」
その攻撃を洗脳されている人を押し除け代わりに受けてしまう。人に穴を開ける事くらい簡単に出来てしまいそうな攻撃を受けて、一ノ瀬は攻撃の衝撃で先程飛び降りた場所に凄い勢いで突き飛ばされてしまった。
……一ノ瀬の姿が見えず起き上がってくるのかもよくわからない状況。相変わらず戦闘に関してはサポートしかできないのがムカつくな…本当は今すぐに一ノ瀬に駆け寄って助けてやりたい……でもそんな事をしたら作戦が全部おじゃんだ。吹き飛ばされて辛いと思うがまだ引き出して欲しい命令は出てないんだ……全員が助かる為にも魔法少女なら立ち上がってくれよ…