神の都合で全てが変わる世界で主人公探してます   作:謎謎おじさん

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9話 帰り道での遭遇

 

「はあ…本当にどうしよう」

 

これ以上一ノ瀬と揉め事を起こさないように先に帰らされた俺は帰り道で呟く。

 

今日は一ノ瀬が遮音魔法?をミスったのか何とかなったが…屋上で一ノ瀬は俺の処分は一ノ瀬自身に任されていると言っていた。つまりあいつに命令を下している奴がいると言うこと…このままのらりくらりと一ノ瀬を躱わしたとしても上司が一ノ瀬に近況報告を求めた時……考えたくないような事が起きるだろう…

 

くっそ…マジで下手に物語に関わるべきじゃなかった…今俺がやらなきゃいけないのは一ノ瀬から俺の事を守ってくれるような存在を作る事。

 

一番手っ取り早いのはこの街に残っている超能力者に助けを求める事だが…そんな事し始めたら既に狂い始めている物語が神すら想定していない方向に進み出す。

 

物語の為に歴史や伏線を毎回考えてる奴にそんな伏線ガン無視ちゃぶ台返し展開なんか見せられたら…ブチギレるだろうなぁ…世界改変すらできる奴がキレたらどうなるかわかんねえしこの案は無しだ。

 

だから今回の物語に関わってる奴の中から俺の事を守ってくれそうな人を探さなきゃいけない…でも唯一味方になってくれそうなキングは捕まってるらしいし…本当にクソみたいな状況だ…

 

でもこんな状況でも1人だけ俺を守ってくれそうで一ノ瀬に対抗できる奴は居るんだが…でもまあ…結局リスクを犯さねえとダメだよな…

 

でも昨日から色々起きすぎて一回休みたい…今日はもう帰って寝よう。そう思いながら帰路を歩いていくと、

 

「あ!立花くん!こんな所で会うなんて奇遇だね」

 

西園が後ろから声をかけてきて隣を歩き始めた。噂をすればなんとやらだな…

 

「ああ、西園さんか、本当に奇遇だな。家こっちなの?」

 

「違うよ。転校したてだから散歩して土地勘を養ってたの」

 

「へ〜真面目だな。俺なんか通学路にある店すら覚えてねえよ」

 

まあ俺の場合は世界改変の度にコロコロ店が変わるからだが…そんな事を思いつつ俺は適当な話題を振りつつ西園の本性を探る。

 

一ノ瀬はステッキを奪った犯人だと決めつけていたがこう言うのは勘違いって展開も多い。

 

西園が道端に落ちていためるる君を偶然拾っただけの可能性だってある。と言うか魔法少女って大体そんな感じで始まるだろ。

 

それに…昨日ストーキングして眺めていた感じそんなやばいやつには思えなかった。一旦話してみて悪いやつじゃなさそうなら事情を話して守ってもらうのだって悪くない。

 

そんなことを思っていると西園は、

 

「…立花君は私と話してても普通にしてくれるんだ」

 

「えっ…なんで?」

 

「だって…私獣人だよ?」

 

色々な意味を含んでそうな言葉を少し悲しそうに吐いてくる。

 

俺は世界改変が起きた後の歴史を知らない。今回の改変は一ノ瀬の話を聞く限り少なくとも西暦元年辺りくらいから変わっているはず…そこから魔法と獣人が発生したとしても俺が元々知っている歴史とは全く違うものになっているだろう。

 

もしかすると今の歴史では獣人は人間に対してナチスがユダヤ人に行ったことをしたのかもしれない。だが、

 

「俺は自分の記憶以外は信じてないからな。だからこれから西園の事を見て西園がどういう獣人なのか知っていくよ」

 

たった一夜で変わる様な歴史も一ノ瀬の話も俺の知った事じゃない。西園の事は俺が西園と話して判断する。

 

そんな少しキザな俺の台詞に、

 

「……そうなんだ!君変わってるね」

 

西園は笑いながら肩を組んでくる。

 

なんだ、やっぱりちょっと変わってるだけで色んなことに悩んでる普通の女の子じゃねえか。こんな子がめるる君奪って逃げるわけねえな、俺は安堵と共に口を動かす。

 

「西園も十分変わってるだろ。思春期の男女の距離感じゃ…」

 

そんな俺の調子のいい口は、俺の肩に乗せられた西園の手に握られている刃渡り20cmほどのナイフに思わず止まってしまった。

 

「……え?なんで…こんなの握ってるの?」

 

「あ〜やっぱり見えてるんだ。屋上で言ってた事は本当みたいだね。立花くんには魔法というか魔力絡みの現象は軒並み通じないんだね」

 

「な、何を言って…」

 

「私はね、今の平穏な生活が気に入ってるの。だから魔法が効かない君に正体が知られたら殺すしかないの…だからごめんね?」

 

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