ルシフェルくんちゃんの王国日記   作:Revak

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第7話

 

 翌日の夜。

 ルシフェルはレエブン候の屋敷に来ていた。

 

 そこには王国戦士長ガゼフとレエブン候配下の元オリハルコン冒険者チーム、そして蒼の薔薇。

 それに幾つかの戦士たち。

 

 これらの戦力は王都に巣食う八本指の各拠点を襲撃するために集まった者だ。

 

 ルシフェルは屋敷の一室の会議室で会議を聞く。

 

 会議室には各代表が居た。

 

 ラキュース、ガゼフ、レエブン候配下の元オリハルコン級冒険者チームのリーダーボリス・アクセルソン、クライムだ。

 会議の代表としてラナーとレエブン候が出ている。

 

「ではルシフェル様にはここの麻薬部門の拠点を襲撃してください」

 

 ラナーがそうルシフェルにそう指示を出した。

 

「おっけー」

 

 ルシフェルが軽い返事をする。それを聞いてボリスは本当に大丈夫だろうかと怪訝な顔をする。

 

「念のために言いますが屋敷を消し飛ばして終了、とかはやめてくださいね。せめてものでトップは捕らえてください」

「わかってるよ」

 

 ルシフェルは口をとがらせながら返事をした。

 

 その後細かい指示を聞いた後、ルシフェルは単独で麻薬部門を潰しに空を飛ぶのだった。

 

 

 

 

 

 

「さて、どうするかな」

 

 ルシフェルは王都、八本指の拠点の一つ、麻薬部門の拠点の一つの空に居た。

 どうやって襲撃したものか、と悩んでいるのだ。

 ユグドラシル時代ではこういった拠点を攻めることもあったが、そう言った時は敵の生け捕りなんて考えず皆殺しなので範囲攻撃系の魔法を雑にぶっぱしまくればよかった。

 だが今回は目的の一つに敵トップの捕縛があるので範囲攻撃ぶっぱは駄目である。

 

「仕方ないな……」

 

 ここは戦のセオリーにならうとしよう、とルシフェルは特殊技術(スキル)を行使する。

 高位の天使や悪魔が持つ同族の創造能力だ。

 ルシフェルの場合はレベル八十以下の天使を創造することが出来る。

 形としてはMP消費型の特殊技術(スキル)に近く、例えるなら百の値を炎の上位天使(アークエンジェル・フレイム)は十コスト、監視の権天使(プリンシパリティ・オブザベイション)が二十コストといった形で割り振ることで創造できる。

 高位の天使を創造すれば下位の天使も創造できなくなってしまうのだ。

 

 まぁ相手は雑魚だしいいか、とルシフェルは炎の上位天使(アークエンジェル・フレイム)を二十体ほど創造した。

 この国の精鋭兵である王国戦士団がこの天使に苦戦したというのでまぁそれならこれで充分だろという思いがあった。

 

 そして天使たちに突撃させ、屋敷の壁をぶち壊しながら天使が突き進む。

 一応思念で偉そうなのが居たら殺さず捕らえろとは銘じておく。

 

 ルシフェルも適当に魔法で屋敷に大穴を開けて入り込む。

 

 丁度男が居たので男に向かってルシフェルはドロップキックを放った。

 

「ダイナミックエントリーィィィィ!」

 

 そしてそのまま男は背骨がバギっと折れて死んだ。体がくの字以上、背中側から半分に折れたのだ。

 

 そのままルシフェルは翼を消して徒歩で移動。

 天使たちも突撃し屋敷が騒然となる。

 

 そのままルシフェルは適当に出てくる人間を殺しながら下に降りる。

 

「ん?」

 

 降りると同時に天使とのつながりが二つ消えた。

 

 はてなんだろうかと消えた気配の元に行くとそこには禿げた男と女が居た。

 

「お前は、宮廷魔術師の……ルシフェルとかだったか。この天使はお前が召喚したものだな」

 

 そう男──闘気ゼロはニヤリと笑みを浮かべた。

 

「正確には特殊技術(スキル)で創造したものだけどねー、そう言うお前は……えーと、ゼロだっけ?」

 

 その言葉にゼロは笑った。

 

「そうだ、俺こそが六腕、八本指最強の男だ」

「ふーん。大人しく降伏するなら人道的に扱うけど、どうする?」

「ふん。たかがおだてられただけの小娘が、俺の手でお前を娼館にでもぶち込んでやろう」

「あっそ、死ね」

 

 ルシフェルはそう言うと魔法を唱えた。

 無詠唱化し放つのは<切断光線>(カッティング・レイ)という切断属性を持つ魔法だ。

 

 光線なので文字通り光の速さで放たれるそれをレベル三十程度のゼロが見切れるはずもなく、両手両足を斬り飛ばされた。

 

「は?」

 

 あまりにも一瞬の事でゼロは何が起こったか理解できなかった。

 芋虫のように地面に倒れ伏す。

 

「出血死されると困るから傷口火で焼くね」

 

 ルシフェルがそう言いゼロに近づく。

 

「なんだ、何をした小娘?!」

 

 ゼロは現実を認識できないのか芋虫のように這いながら叫んだ。

 

 ルシフェルは気にせず熱線で傷口を焼いて防いだ。

 

「そこの、逃げようとしても無駄だよ」

 

 ルシフェルは逃げようとする女──ヒルマ・シュグネウスに声をかけた。

 ヒルマは大人しく両手を上げ、降参のポーズを取った。

 無警戒にルシフェルはヒルマに近づき──ヒルマが切り札を発動した。

 

 使ったのは毒蛇の刺青(タトゥー・オブ・ヴァイパー)だ。

 入れ墨型のマジックアイテムで使用すると毒蛇が現れ、相手に噛みつき神経毒を流す。

 猛毒であり毒耐性がない物はまず即死する毒だ。

 蛇が高速で動く──だがルシフェルの動体視力は蛇の動きを見破る。

 

 ルシフェルは蛇を掴み握りつぶした。

 

 己の切り札が破壊されるとは思ってなかったヒルマは引きつった笑みを見せた。

 そのままルシフェルは逃げられないよう魔法で両足を斬り飛ばし熱線で傷口を焼き、念のため両腕をローブで縛った。

 

 

 

 こうして八本指は壊滅した。

 

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