「ネアンデルタール人が滅びた理由は、交流の少なさと超能力を持たなかったことにある。」
そう、今は世界史の授業中である。
ちなみに、友人関係は進展しなかった。
あのグループが、ストーリーがめちゃくちゃなBEの最新作を評価しているのを聞いて、話に入るのをあきらめた。
なぜこんなに質が下がってしまったのだろうか...
残念な話はさておき、授業に耳を傾ける。
ホモサピエンスが超能力者を中心にグループを作り、世界中に広まっていったという話になっていた。
この世界では階級の成立が早かったそうだ。
しかし、小さい声でぶつぶつとしゃべるのはいかがなものだろうか。
研究機関たる大学ならともかく、さすがに高校の先生でそれは許されないだろう。
授業が終わり、皆食堂へ乗り込んでいく。
その波に乗っていくように小豆と手をつなぎ、食堂に向かう。
いい料理がわからないので、学食の定番(?)であるカレーを頼む。
今日も併せて二日間で1年生が12人消えた。
生徒は二校から落ちてきた者や、補欠で補充されるシステムが存在するので、問題ないだろう。
常人にとっては、ここは権力に最も近い学校なので補欠も皆行きたがる。
常人と超人の境目にいる存在であることを忘れてはいけないが、補欠はそれを忘れている奴が多い。
時折食べるのを中断して、小豆と本について話す。
『戦国帝』という雑誌について小豆が見せてほしいと頼んだので、部屋に行く約束をした。
実家に届いてるであろう54号をこちらに送ってもらわなければ。
この雑誌は『戦〇王』と同じくページをばらしてファイルにまとめる形式となっている。
1巻欠けるのは大きな問題なのだ。
あと、カレーの味はまあまあだった。
教室に戻ると、委員長面の男が、「世界史の勉強会を手伝ってくれないか?」と話してきた。
なので「こちらにもこちらの用がある。」と返す。
彼は「クラスのみんなを助けてほしいんだ!」と言ってきたが、「対価は?」と返すと押し黙った。
しばらくして彼は対価を思いつかなかったのか、「頼む!俺はこのクラスを導いて立派なリーダーになりたいんだ!」などと懇願してきた。
面倒くさかったので、「気が乗ったら手を貸そう。」と言っておいた。
あと、委員長面の苗字は兼谷だと小豆から聞いた。
小豆と指を絡めあい、イチャイチャしていると予鈴が鳴った。
事を急ぐべきではないのは分かっているが、平常時に抱きしめることができるくらいには進展させていきたく思う。
昼が過ぎ、超能力学の時間になった。
ここでも原始時代の話をされた。
同じ内容を科目を変えてまでしないで欲しい。
教科書もあるし。
移動教室だったので小豆の隣に座り机の下で手をつないでいた。
超能力はよくある固有の能力ではなく、『超能力エネルギー』と呼ばれている力である。
それを使うことのできる量と技量で序列を分けている。
この力は大きいものだと教師は語っていた。
この学校にいる者たちは、例外を除き力をあまり感じられないほど小さいので、気にする必要はないだろう。
この世界では貴族制を持たない共和国は例外なく弱小国家である。
国際連盟は存在するが、君主制国家が優先される体制となっている。
近高などの生徒たちは、常人ではなく中間層として扱われるため、常人へ与えられている超人からの一定の保護がない。