雷が鳴る   作:ゼレス

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 飽きなかったら続きます


女の名は長門 白

「何で俺の名を…」

 

「お姉さんはなんでも知ってるのよ!それと静ちゃん、ケガは無い?その男に乱暴されたでしょ?」

 

「私の名前も知ってるんですか!?」

 

「この学校にいる全員覚えてるわよ!」

 

 ニョホホホ!と高笑いしているこの女の人は何者なんだ?

 

「それより長門さん不審者を捕まえますよ」

 

「え~…私、そいつ触るのやだ…」

 

「文句言わないでください!」

 

 変な格好をした警察となにやら揉めている。変な格好っていうか防具?

 

「レオ君、こいつの装備見て変だと思ったでしょ!こいつ無能力だから装備つけないと闘えないのよ~でも強いわよ…こいつ」

 

「大和君、長門さんの話は無視していいよ」

 

「おい!多田!なんだとー!」

 

 ムキーッ!と言いながら地団駄を踏む。

 

「俺…何で生きてんすか…」

 

「アンタね…神から能力授かったのよ」

 

「能力をもらった?」

 

 なに言ってるの?神から能力を授かった?

 

「そう!神の力…黄泉帰りだね」

 

「黄泉帰り?」

 

「私も黄泉帰りなの!能力を教えることはできないけどね!」

 

「は、はぁ…」

 

 すげぇ疲れた…何だかクラクラしてきた…

 

「とりあえず、大和レオ君!我々についてきなさい」

 

「は、はい…」

 

「これから警察署に行くわよ」

 

「あ、あの…!」

 

「静ちゃんどうしたの?」

 

 長門と呼ばれる女は静に近寄る。

 

「レ、レオはどうなるんですか…?」

 

「…特別な力を持ってしまった以上一般人には戻れないわ…安心して!悪いようにはしないわ」

 

「そんな…」

 

「その為に私がいるのよ!」

 

「レオ…」

 

 静はレオを見つめる。

 

「長門さん…俺、静を守れるならついていくよ…」

 

「私についてくれば静ちゃんの安全は保証するわ」

 

「じゃあ…アンタについてくよ」

 

「よし!行こうか」

 

 静を守れるなら…どこへでも行ってやるよ…静のあんな恐怖した顔なんて見たくない…

 

「レオ…!」

 

「どうした…?」

 

「必ず帰ってくるよね…?」

 

「もちろん!」

 

 静はレオに駆け寄って抱き締める。普段なら好きな子に抱き締められると顔が緩んでしまう。だが今は、好きな子の為に決意を固める。

 

「やくそく…だよ…」

 

「泣くなよ…死ぬわけじゃないんだから…」

 

「だって…」

 

「すぐ戻るから!」

 

「うん…」

 

 レオは静達に連れられてパトカーに乗る。悪いことをした訳じゃないが緊張してしまう。

 

「パトカーは始めて?」

 

「はい…なんだか緊張します」

 

「なにも緊張することないじゃない!」

 

 後ろに座るレオを見てケラケラと笑う静。

 

「長門さん、シートベルト締めてください」

 

「へ~い」

 

 多田という人物が運転して警察署に向かう。道中の車内は静が1人でベラベラと話している。

 

「さぁ!ついたわよ!」

 

「大和君は、長門さんについていって!俺は犯人引き渡すから!」

 

「は、はい…」

 

 長門の後ろをついていくと変な部屋に案内された。

 

「さぁ、座って。話を聞かせてちょうだい」

 

 いきなり長門の態度が変わる。さっきまでのおちゃらけた雰囲気から、冷たくピリついた雰囲気に変わる。

 

「はい…事件が起きたところから話します」

 

 レオは、自分に起こったことを細かく話していく。それを聞いて長門は頷きもせず、ジッと奏太を見つめて話を聞く。

 

「って感じです」

 

「なるほどね…単刀直入に言います。たった今からアナタは私と常に行動を共にしてもらいます。学校も私がついていきます。今住んでる家も引っ越してもらって私と暮らします」

 

「え?」

 

「そして今日からアナタは、その能力を活かして私達と一緒に傭兵をやってもらう」

 

「ちょ、ちょっとまってください!俺、戦いなんてできないし!能力だって…」

 

「私が鍛える。それなら文句ないでしょ?」

 

「文句あるよ!家にだって帰りたいし、静と一緒にいたい!」

 

「うるさいなぁ…アンタね、もう普通の人じゃないの!能力を少しでも悪用したら人殺しになるのよ?それされると私はアンタを殺さないといけないの!アンタがどんな子なのか分からないうちは、私が面倒みてあげるの!しかも学校で私についてくって言ってたでしょ!」

 

 長門からいきなり色んな事を言われる。確かについていくっていってしまった。

 

「ってか!傭兵って…警察じゃないの!?」

 

「アタシ達は、日本政府に雇われてる傭兵なの。能力には能力でしか太刀打ちできない。だからアタシ達みたいな能力のプロフェッショナルが雇われてるのよ」

 

「でも…多田さんって無能力なんじゃ…」

 

「無能力でも元々の戦闘力が高いから、防具を身につけて能力者と戦っているのよ。能力者相手に負けないフィジカルと体術」

 

「俺…体術もフィジカルも何にも無いっすよ」

 

「私が鍛える!」

 

「それで静が守れるなら!」

 

「安心して!誰よりも強くしてあげる」

 

「信じますからね…長門さん」

 

「私の事…呼んでくれた…!ねぇねぇ!白って呼んでみて!」

 

「白?」

 

 なぜ名前呼びなのだ?

 

「し、白さん?」

 

「そ~!久々に名前で呼ばれて感動してるわ!」

 

「は、はい…」

 

 この人といると調子狂うな…

 

「レオ!今日からよろしく!」

 

「白さん!よろしくお願いします!」

 

「さぁ!家に行くわよ!その前にアナタの荷物を運ばないとね!」

 

「とりあえず学校に戻りたいっす」

 

「そうね!」

 

 白に連れられて、パトカーに乗せられる。またパトカーだ。

 

「まず学校にある荷物を回収するわよ!だけど…制服に風穴開いてるわね…スーツに着替えましょ!」

 

「スーツ!?」

 

「私の奢りよ!」

 

 パトカーに乗り、スーツを買いに行くことになった。

 

▲▼▲

 

 見たこともないぐらい高そうなスーツを白さんが買ってくれた。

 

「似合うわね…!」

 

「そっすか?」

 

「さぁ!学校に行くわよ!」

 

 この人、テキパキと行動するタイプなんだな。

 

 スーツ屋から出て、学校に向かう。見慣れた街を走る。今日からいつもと違う日常を送ることになる。そう思うと見慣れた街が別の景色に感じる。

 

「ついたわよ。私と校長先生にお話しに行きましょ」

 

「ウッス…」

 

 白が来客用玄関にいるおばさんに声をかける。校内にはまだ警察がいた。何してるか分からないけど多分事情聴取をしているみたいだ。

 

「校長先生、今回の事件が起こってしまって不安になってしまった生徒さんが多数いると思います。この長門 白に校内の安全を確保さてください」

 

「お忙しいのに警察の方々、ありがとうございます」

 

「大和くんなのですが…特別な能力に目覚めてしまいました。この子の能力の事を知りたいので教師として私を働かせてください」

 

「わかりました…ですが教師として働くには免許が…」

 

「こう見えて私、中学教師の資格を持っています」

 

「おぉ!ホントですか!では、明日からよろしくお願いします」

 

「こちらこそよろしくお願いします」

 

 白さんって人前だとこんなにも礼儀正しいのか…てか教師免許もってんかい!すげぇな…

 

「今日は彼の荷物を回収します」

 

「わかりました」

 

 白と校長室を出る。この人本当に何者なんだ?

 

「荷物取り行くわよ」

 

「静と少し喋ってもいいっすか?」

 

「構わなくってよ」

 

「アザッス!」

 

 レオのクラスについたので入る。クラスの扉を開けると皆が席に着いていた。いきなり開いた扉からレオが入ってきたので驚く。

 

「レオ…!」

 

 静だ。無事で本当に良かった…

 

「静!」

 

「ホントにレオ?」

 

「そうだよ!」

 

「もう家に帰れるの?」

 

「それなんだけど…俺、引っ越してこの人と暮らすことになった」

 

「もう隣同士じゃなくなるんだ…いつもみたいに一緒に学校に行けなくなるんだ…」

 

「わりぃな…」

 

「静ちゃん?コイツ引っ越しちゃうけど連絡とかは出きるからしてあげて!」

 

「はい!」

 

 嬉しそうに笑う静の耳元に顔を近づける白。

 

「静ちゃんって…レオの事…好きなの?」

 

「じ、実は…///」

 

「青春ね!実るといいわね!お姉さんが恋のキューピッドになるわ!」

 

「ホントですか!?」

 

「任せんしゃい!」

 

 なに話してるんだ?気になる…

 

「レオ!次はアンタの家よ!」

 

「ウッス」

 

「静、また明日な!」

 

「うん!」

 

▲▽▲

 

「そうですか…」

 

「いきなりで混乱すると思うのですが…」

 

 いつもニコニコしている母親も流石に理解が追い付かないか…

 

「かーちゃん…ごめんよ…迷惑かけて…」

 

「心配だよ…パパみたいに死ぬのなんて嫌だよ…」

 

 親父は、俺が小さい時に能力者が暴走した時に被害に巻き込まれて死んだ。だからかーちゃんは能力の事が嫌いだ。

 

「俺も死ぬつもりは無いよ…この人に鍛えてもらって誰かを守れるようになる」

 

「レオが決めたのなら頑張りなさい」

 

 かーちゃんが泣いている。本当に申し訳ない。こんなことになってしまって…

 

「撫子さんには援助させていただこうと思います」

 

「援助だなんて…」

 

「大事な息子さんを預かるのとレオくん本人からのお願いですので…」

 

「レオが?」

 

「撫子さんに迷惑をかけるから少しでも何か力になりたいと言っておりましたので…」

 

「だからかーちゃんは、安心して!また帰ってきてかーちゃんとご飯食べたいな…」

 

「私もよ…」

 

「では、レオ…移動するわよ」

 

「オッス」

 

「また帰ってきてね…!」

 

「約束するよ」

 

 荷物を持ってパトカーに乗る。エンジンをかけて発進する。ルームミラーから外を見るとかーちゃんがずっとこっちを見ている。

 

「今日から忙しくなるよ…」

 

「もう覚悟は出来ました…」

 

「家に着いたら能力の使い方から教えるわ」

 

「オス!」

 

 こうして俺の日常は、非日常へと変わった。




 この物語の更新ペースはかなり遅いです。
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