転生したら謎の鉱石だった件 作:街人A
色々調べながら原作の設定に沿ってやっていく予定ですが、もしかしたら独自解釈として色々原作と設定が異なる部分が出てくるかもしれません。あらかじめご了承ください。
目の前で突然、男が通り魔に刺された。
あまりに予想外の出来事に困惑していると見知らぬ誰かがその通り魔を取り押さえようとして取っ組み合いになった。パニックになって何も動けなかった俺はその取っ組み合いに巻き込まれてそのまま突き飛ばされる。
「──え?」
そこは車道。そんな事を俺が認識する間もなく、ちょうど良いタイミングで走ってきた車にダイレクトに撥ねられた。
「……あれ?俺……どう、なって……」
体中が痛くて痛くてたまらないし、熱くて熱くてどんどんと感覚がおかしくなってくる。
嫌だ、こんな……
《確認しました。痛覚無効獲得……成功しました。続けて対熱耐性獲得……成功しました》
死にたくない。こんな突然にあっさりと、車に撥ねられて死ぬなんて……そんなの嫌だ……!
《確認しました。物理攻撃耐性獲得……成功しました》
すると走馬灯なのか、自身の記憶が頭の中で再生される。
別になんて事ない人生だった。普通の家庭で普通に学生して働いて──いや、普通ではないか。俺が普通だと思い込もうとしてただけだ。俺の父親は交通事故で亡くなったし、母親は病弱で事あるごとに病院にいるような人だった。お陰で俺は親のありがたみってやつをあんまり知らない。誰か教えてくれよ……独りは辛いんだよ。導いてくれるような人がいたらこんなところで死ぬような人生にはならなかったのかな。
《確認しました。ユニークスキル『
一緒に話すような友達も全然いなかったからなぁ。来世があればその時は……
《確認しました。ユニークスキル『
ただでさえ貧乏な家庭なのに母さんの病院代と家賃等で殆どなくなるため、趣味にお金があまり使えなかった。インターネットやゲームを俺だって思う存分にやってみたかったよ。そうしたら友達だって出来たかもなのに……ゲームして何か気になることあれば検索して調べて……来世ではそういう事がたくさん出来ますように。
《確認しました。ユニークスキル『
後はさっき通り魔に立ち向かった人、あの人みたいに誰かを守ろうと立ち向かう勇気を出せたらいいなぁ。
《確認しました。ユニークスキル『
とりあえず結論としては来世では今の自分からガラッと変えたい。理想の自分になれるのが一番だけど、まぁそんな上手い話はないよな。
《確認しました。ユニークスキル『
あ、やべ……だんだん痛みも熱さも感じなくなって……むしろ寒くなってきた。
《確認しました。対寒耐性獲得……成功しました。対熱耐性、対寒耐性を獲得した事により『熱変動耐性』にスキルが進化しました》
体がもう石にでもなったかのように何一つ動かないし、音も聞こえなければ、目も見えない。ああ、俺本当に死ぬんだな……
そうして俺の意識は途絶えた。
《確認しました。石の身体を作成します……成功しました》
******
あれ?ここは……何も見えないどころか何も感じない。体も全く動かないんだけど。え、俺死んだよね?間違いなく死んだはずなのに今俺は生きている?それともここが死後の世界的な感じなのか?意識を手放す直前の状況と何一つ変わらないのはどうして?……何も分からない。
《告。ユニークスキル『変幻者』を使用すれば身体を動かせるようになります。使用しますか? YES/NO》
突然、俺の脳に直接声が響いた。
え?何、誰?ユニークスキル?全然ついていけないんだけど!
《解。ユニークスキル『会話者』の効果です。ユニークスキルとは世界で一人だけしか持たない唯一無二の能力の事です》
うーんと……つまり、そういう力がある場所にいるってこと?という事は少なくとも地球ではなさそうかな……?となると、まさか転生ってやつか!?ハハ、そんなバカな事あるわけないか。
《告。ユニークスキル『先導者』より提案。エクストラスキル『万能感知』があれば周りの状況の把握が可能になります。取得しますか? YES/NO》
そりゃ欲しいけど、そんな簡単にスキルとかって取得出来るもんなの?
《解。ユニークスキル『検索者』の効果により可能です。検索した情報にあるスキルを
へぇー、そりゃ便利だ。それにしても魔素と引き換えって、それは大丈夫なやつ?
《解。問題ありません》
分かった。それじゃあ頼んだ!
《了。スキルの取得を開始します》
すると体力が結構持ってかれて疲れを感じていると次第に周りの様子が見えるようになり、聞こえるようになり、感じれるようになった。
なんだこれ……洞窟?ってか視点低くね?あ、そういえば体は動かせないままだった。自分の様子が分からん。そして頭が痛い。情報量が多い多い──
《告。エクストラスキル『万能感知』にユニークスキル『会話者』をリンクさせます……成功しました》
すると頭の痛みが引いていった。
良かった。一時はどうなるかと……それで体動かすには『変幻者』だったっけ?どう使うんだ?いや、こういうのは大抵イメージでなんとか出来るはず。
……どうやら成功したらしい。ちゃんと視界が下へ向いた。けど、そこにあったのは地面。俺の体はなかった。どういう事?
《解。主人は鉱石のため、顔や体といった部位は存在しません》
は?鉱石?俺が?
俺はしばらく混乱していたが一旦落ち着いて冷静になる事にした。
どうやら俺は転生したと見て良いようだ。だがしかし、転生先は鉱石だ。いや、まだ石魔人とかなら分かる。俺はそれですらないらしい。突然自我が芽生えただけのただの鉱石だ。そりゃ動けないし、見えないし、聞こえないし、何も感じないだろうな!生き物じゃないんだからな!!
転生先、変更できませんかね?あ、無理ですか。そうですか……
一応、便宜上は妖鉱石という魔物に当たるようだ。なお、この世界で初めて生まれた新種らしい。ハハ、同類すらいないのかよ。究極のぼっち爆誕ってか?
そして現在、俺は『変幻者』を使って鉱石の形を変えている。イメージとしては星のカー◯ィみたいな感じだ。まぁ家のテレビで映ったのを見た事ある程度だからイメージしにくいし、この『変幻者』のスキルの制御が難しいのもあって大苦戦中なんだがな。
はぁ……この先どうなるのだろうか。不安でしかない。
補足説明
ユニークスキル『先導者』『会話者』『検索者』について
主な能力としては
先導者はスキル所有者の望む未来への道を示す存在
会話者はスキル所有者の頭脳面での全面的なサポートを現在進行形で常時行う存在
検索者はこれまでの過去にあった情報を調べる存在
となる。もちろん、上記以外の能力も備わっているが主には上記の能力に特化している。
基本的にこの三つで一セットみたいな感じになる。この三つが揃っているため『大賢者』に匹敵するくらいの万能性を誇っている。