俺の頭の中に敗北した暗黒の王が住み着いているが、俺はただギターを弾きたいだけだ 作:arctichare
第114章 海に面した東京、そして山水に閉じ込められた京都
水の問題は、すぐに東京と京都の差を露わにした。
以前、皆が二つの都市について話すとき、いつもこう言っていた。
東京はより大きく、人口も多く、消耗も恐ろしい。
京都はより小さく、内層は守りやすい。
その言葉は間違っていない。
だが、水の問題になると、京都のほうがかえって受動的だった。
なぜなら、東京防線の一部は、少なくとも海に面しているからだ。
海水は直接飲めない。
けれど、海はもう一つの選択肢を意味する。
海水淡化。
たとえコストが高くても。
たとえエネルギー消費が大きくても。
たとえ設備が少なくても。
たとえ病院、避難点、少数の关键区域にしか供給できなくても。
それでも、それは一つの道だった。
だが京都には海がない。
京都の水は、山、水脈、地下水、河川、旧井戸、そして周辺システムから来ている。
それらは平和な時代には美しかった。
安定していた。
歴史の重みもあった。
けれど、周辺地域が猫目に支配された瞬間、京都はまるで外側から猫目に水脈を握られたようになった。
東京のように、海を指してこう言うことができない。
少なくとも、あちらには水が一面にある、と。
京都は山を守るしかない。
井戸を守るしかない。
川を守るしかない。
管線を守るしかない。
猫目が爪を伸ばしてくるかもしれない上流の一つ一つを、守るしかない。
このことを最初に口にしたのは、京都の工程官員だった。
東京・京都合同水電会議で、彼は二枚の図をスクリーンへ映した。
一枚は東京。
海岸線、港湾、内側水処理場、予備取水点、地下水点、浄水薬剤倉庫、臨時海水淡化設備の配置候補地。
もう一枚は京都。
山脚水源、旧井戸群、送水線、臨時浄水点、寺社井戸、水車ルート、内層給水区。
彼は東京の図を指して言った。
「東京の問題は規模です」
「人が多く、消費水量が大きく、システムが複雑です」
それから京都の図を指した。
「京都の問題は、方向が少ないことです」
会議室は静かになった。
彼は続けた。
「東京は少なくとも、一部の緊急給水圧力を海岸へ向けられます」
「海水淡化が全市を支えられないとしても、病院、避難施設、特調室施設、浄水薬剤の希釈、一部居民配給の底線にはなります」
「京都には、その方向がありません」
「我々は山、水脈、地下水、既存備蓄から絞り出すしかありません」
「猫目が周辺水源と管線に圧力をかければ、我々は受け身で対応せざるを得ません」
七条はスクリーンの向こうに座っていて、顔色は冷たかった。
彼女は反論しなかった。
それが事実だったからだ。
東京はすぐに海岸緊急淡化方案を起動した。
大規模工事ではない。
間に合わない。
条件もない。
彼らにできるのは、こういうことだった。
港湾沿いの数セットの小型淡化設備を起動する。
一部の船舶用淡水設備を徴用する。
非猫目サプライチェーンから、携帯式逆浸透設備を集める。
旧港区倉庫を臨時海水処理点へ改造する。
発電車と燃料線を安排する。
水質検査隊を設置する。
海水淡化水の優先使用規則を作る。
第一優先は、病院。
第二優先は、避難点。
第三優先は、浄水システム補助。
第四優先は、高リスク居民区の基礎配給。
普通商業と文化活動は、優先範囲に入らない。
それは残酷だった。
だが、誰にも文句を言う余地はなかった。
榊真理は海水淡化配給優先表を見終えると、ただ言った。
「青い橋は、大部分の演出を引き続き停止します」
佐野美紀が尋ねた。
「本当にいいんですか?」
榊真理はうなずいた。
「居民が水の列に並んでいるとき、地下小劇場で電気をつけて照明を使うわけにはいきません」
小野寺が低く言った。
「猫目は、俺たちに自分でそういうものを止めさせたいんだ」
榊真理は苦笑した。
「わかってる」
「でも、人が先に水を飲むべきだから」
この言葉は、最近の東京で最もよく出てくる言葉になっていた。
人が先に水を飲む。
それから演出。
レポート。
会議。
リハーサル。
文化生活。
それらが重要ではないからではない。
水がなくなれば、すべてが変形してしまうからだ。
京都方面には、この緩衝がなかった。
京都が始めたことは、別のものだった。
より守城に近いものだ。
山脚水源は最高警戒へ入った。
いくつかの旧井戸群は、寺社、旧家族、都市防衛隊が共同で見守ることになった。
河川取水点には多層浄化が置かれた。
臨時水車ルートは毎日変更される。
水質検査紙は分割保管される。
浄水薬剤は一か所の倉庫へ集中させず、数十個の小包に分けられた。
京都内層は、東京より早く、より厳しい節水令へ入った。
居民用水は時間帯制になった。
一部の庭園水景は停止された。
文化施設の水使用は圧縮された。
学校、病院、避難点が優先された。
いくつかの伝統工房には、高水量工程の一時停止が求められた。
これは京都で大きな反発を招いた。
ある人は言った。
「京都がそこまで止めたら、それでも京都なのか?」
七条の答えは簡単だった。
「水が止まれば、もっと京都ではなくなる」
この言葉が広まると、多くの人が黙った。
京都は文化の都市だ。
けれど、文化も水を飲む。
猫目はすぐに、京都の受動性に気づいた。
当然、ニャーサも見ていた。
代理人が二つの都市の水源比較報告を机に置いた。
「東京は海に面しており、海水淡化を通じて低効率ながら持続的な緊急水源を構築できます」
「京都はこの方案を使えません」
「京都が山脚水源と地下水点を失えば、内層は急速に配給圧力へ入ります」
ニャーサは京都の図を見て、尾を軽く揺らした。
「京都は山に抱かれているようだね」
代理人は頭を下げた。
「はい」
「山はそれを守れる」
「同時に、閉じ込めることもできる」
代理人は何も言わなかった。
ニャーサは続けた。
「京都をすぐ切断するな」
「なぜですか?」
「あまりにも明白だからだ」
それは図上のいくつかの水源点を見た。
「まず東京に、自分たちには海があるから持ちこたえられると思わせろ」
「京都には、自分たちには海がなく、より早く節水しなければならないと知らせろ」
「二つの都市の心理は、違い始める」
代理人はわずかに息を呑んだ。
ニャーサは笑った。
「東京は、自分たちはまだ方法を考えられると思うだろう」
「京都は、自分たちのほうがより受け身だと感じるだろう」
「差が現れれば、協力には裂け目が生まれる」
「東京は京都が資源の足を引っ張っていると思うだろうか?」
「京都は、東京には海があるくせに内陸の窒息を理解していないと思うだろうか?」
「そういうものは、どれも面白い」
代理人は頭を下げて記録した。
猫目が攻撃しようとしているのは、水だけではない。
二つの都市の感覚の差でもある。
東京方面は、すぐにそのリスクに気づいた。
久我山は合同会議で、はっきりと言った。
「猫目は必ず、東京が海に面し、京都が海に面していない差を利用します」
「東京は、海水淡化を優越条件として扱ってはなりません」
「京都も、自身の受動性を東京への怨みに変えてはなりません」
七条は冷たく言った。
「京都は東京に慰めを求めません」
久我山は彼女を見た。
「慰めではありません」
「資源調度です」
東京は京都へ一部の海水淡化設備を提供する意思があるのか?
理論上は可能だった。
現実には難しい。
設備が少ない。
輸送は危険だ。
消費電力も高い。
京都には海がないため、設備を送ってもそのまま使えるわけではない。
淡化した水を京都へ運ぶしかない。
だが、それは極めて高リスクの水車輸送線になってしまう。
一台一台の水車が猫目に遮断されるかもしれない。
一台一台の水車では、京都が長く飲むには足りない。
けれど、象徴的な意味は大きい。
東京方面は最終的に提案した。
極端な状況下では、東京は京都へ一部の高純度緊急水と浄水薬剤を提供できる。ただし大規模給水ではない。
京都は東京へ旧井戸保護の経験、山地水源結界の経験、小型水点管理方案を提供する。
これが合理的な交換だった。
東京には海がある。
京都には井戸と山水の経験がある。
両者は互いに羨むべきではない。
互いに短所を補わなければならない。
七条はこの方案を受け入れた。
彼女は言った。
「京都は旧井戸管理手冊を提供します」
小野寺が低く言った。
「この時代、井戸にまで手冊があるのか」
佐野美紀が即座に言った。
「当然必要です」
「手冊がなければ、ボランティアはどの井戸の水を直接飲んではいけないか、どうやって知るんですか?」
小野寺は黙った。
京都から送られてきた第一版の旧井戸管理手冊は、とても分厚かった。
東京の人間が見ただけで頭が痛くなるほどだった。
そこには、こう書かれていた。
井口の封鎖方式。
水質の初期検査。
汲み上げ量の記録。
異臭の判断。
近隣汚染源の確認。
居民の待機列動線。
夜間守衛の輪番。
浄水薬剤の使用。
飲用不可水の標識。
猫目術式汚染疑いの兆候。
井戸水に関する情緒誘導噂への対応。
最後の一条で、東京側は固まった。
京都は説明した。
猫目は、「この井戸は祝福された水だ」「この井戸は汚染された」「猫目供給水のほうが安全だ」といった噂を使って居民を誘導する可能性がある。
だから、井戸水管理は噂の管理も含む。
佐野美紀はそれを読み終えて、ため息をついた。
「京都の手冊、すごく細かいですね」
小野寺は言った。
「細かすぎて怖い」
私はその手冊をめくりながら思った。
これが京都の経験なのだ。
海がない。
だから井戸と水脈を、儀式のように、そして戦争のように管理している。
東京はすべてをそのまま真似ることはできない。
けれど、学べることは多かった。
東京の海水淡化点も、すぐに猫目の干渉を受けた。
猫目は設備を直接爆破しなかった。
攻撃したのは電気だった。
海水淡化設備は非常に電力を消費する。
電力が不安定になれば、産水効率は下がる。
猫目は港区外縁で数回、小型の電圧波動を作った。
大きくはない。
けれど、淡化設備に頻繁な停止自検を起こさせるには十分だった。
工程人員は怒って罵った。
「あいつらは停電させているんじゃない。機械に自分が壊れかけていると思わせているんだ」
これは直接の停電より厄介だった。
毎回自検には時間がかかる。
毎回停止すれば産水量が下がる。
特調室と天城グループの技術組は、淡化点へ安定電源と隔離保護を追加し始めた。
しかし、それにはまた設備が必要になる。
設備には輸送が必要になる。
輸送には護送が必要になる。
護送には人が必要になる。
猫目が攻撃しているのは、連鎖コストだった。
私は、そのうち一回の安定電源輸送を守るために派遣された。
車隊は港区の外縁を走った。
片側には黒い海面。
もう片側には倉庫と臨時ケーブルがある。
夜の東京湾は、以前ほど明るくなかった。
節電のため、多くの灯りが消えていた。
私は車の中に座り、遠くの海を見た。
以前、私は海をそれほど真剣に見たことがなかった。
今、海は水源になっている。
だがこの水は、直接飲めない。
電気が必要だ。
膜が必要だ。
薬剤が必要だ。
人が守らなければならない。
猫目が邪魔をしないことも必要だ。
海でさえ、自由な答えではないのだと知った。
ただ、猫目に一掴みで握られにくい水にすぎない。
京都側の圧力は、より明確だった。
猫目は山脚水源の周辺で、「動物の異常死」という噂を作り始めた。
数枚の写真が流れた。
死んだ魚。
死んだ鳥。
濁った水面。
真偽が混ざっていた。
京都水務部門は即座に澄清した。
何枚かは古い写真だった。
何枚かは場所不明だった。
だが、居民はすでに不安になり始めていた。
臨時井戸水を飲むのを怖がる人が出た。
ボトル水を買い占める人も出た。
「東京には海がある。京都はどうすればいいのか」
そう言い始める人もいた。
その言葉に、七条は非常に不快そうだった。
彼女は内部会議で言った。
「東京の海を、京都の失敗にしてはなりません」
だが感情は、一言で押さえられるものではない。
京都居民は確かに、より閉じ込められていると感じやすかった。
海が見えない。
見えるのは山だ。
普段、山は保護だった。
今、山は囲いのように見える。
京都は「水点公開検査」を組織し始めた。
居民代表に現場で検査過程を見せる。
寺社関係者、医師、工程人員が一緒に署名確認する。
とても遅い。
だが、有効だった。
居民は水が検査されるのを自分の目で見たほうが、十回の放送を聞くより安心する。
東京も後に、この方法を学んだ。
一部の地下水点検査に居民代表を参加させるようになった。
これは京都が東京に教えたことだった。
東京は京都に、別のものを教えた。
偽線輸送だ。
京都はもともと、固定防護をより重視していた。
水がどこから来るなら、そこを守る。
だが猫目は、固定防護の中から規則性を見つけるのが得意だ。
東京は互助会護送経験を整理し、「水車偽線方案」として京都へ送った。
京都が初めて使ったとき、非常に慣れなかった。
本物の水車が一台。
偽物の水車が二台。
空車が一台。
重要ではない設備を積んだ車が一台。
ルートは絶えず変わる。
偽車にも保護人員をつける。
京都の旧派術師たちは、それをとても無駄だと感じた。
しかし七条は、そのまま採用した。
「猫目は、私たちに線形思考をさせたい」
「なら、線形で考えなければいい」
第一回の偽線水車行動で、猫目は案の定、偽車を追った。
本物の水車は無事に内層へ入った。
京都方面は長く沈黙した。
最後に認めた。
東京のこのやり方は、非常に面倒だ。
だが、有効だ。
七条は久我山へ一文だけ送った。
あなた方の愚直な方法は有効です。
久我山はその言葉を見て、珍しく少し笑った。
小野寺はそれを聞いて、複雑な顔をした。
「京都が俺を褒めたんですか?」
佐野美紀は言った。
「褒めたのは、愚直な方法です」
「それも俺の方法だろ」
二つの都市の差は、少しずつ相互学習に変わり始めた。
東京が京都から学んだこと。
井戸水管理。
公開検査。
水点秩序。
寺社と社区による共同水源保護。
水源噂への対応。
山地小水源の保護。
京都が東京から学んだこと。
偽線輸送。
低技術冗余。
非猫目サプライチェーンの分割。
車両プール。
居民説明単の分層。
保護者休息制度。
両方の都市は、なお緊張していた。
互いに不満が出ることもあった。
東京では、こっそりこう言う人がいた。
「京都は水源が少ないのに、なぜこちらが浄水薬剤を出さなければならないのか」
京都では、こっそりこう言う人がいた。
「東京は海に面しているから、そんな軽く言えるのだ」
猫目は、こうした声を拡大しようとした。
だが合同会議は、すべての資源争議について数字を公開することを求め始めた。
感情だけで話してはいけない。
東京の淡化産水量はどれほどか。
京都の井戸水備蓄はどれほどか。
輸送損耗はいくらか。
猫目攻撃確率はどれほどか。
居民最低需要はどれほどか。
数字は痛みを消せない。
だが、互いの疑いは減らせる。
佐野美紀は借り出され、東京版の数字表整理を手伝った。
京都側の人々は最初、彼女の表が現代的すぎると言った。
彼女は、京都の注釈が長すぎると言った。
双方は午後じゅう揉めた。
最後に、使える合同水資源表が一つできた。
小野寺は評価した。
「かなり有効な喧嘩だったな」
私が京都の受動性を本当に理解したのは、一度の遠隔支援のときだった。
京都の山脚にある水源点が、猫目術師の干渉を受けた。
私は京都へは行っていない。
距離が遠すぎる。
それに、軽々しく東京を離れることもできない。
私は特調室と京都術師を通じて感知データを共有し、猫目術式ノードの判断を手伝うだけだった。
その感覚は奇妙だった。
私は東京の安全室に座っている。
目の前には京都水源点のリアルタイム図がある。
七条の声が通信から聞こえた。
「白川、判断」
私は図の上の水脈震動を見た。
「右上流は主ノードじゃありません」
「猫目はそこを切らせたいんです」
「本当のノードは取水石の下です」
京都術師は私の判断に従って処理した。
水質波動が戻った。
猫目は撤退した。
任務は成功した。
けれど、心は軽くならなかった。
京都の窮屈さを見てしまったからだ。
その水源が一つ壊れれば、周辺区域はすぐ配給に入らなければならない。
海水淡化という緩衝がない。
港区設備もない。
大規模な代替もない。
京都は、使える水一口一口を守っている。
それは東京とは違った。
東京は規模を恐れる。
京都は道の少なさを恐れる。
二つの恐怖は違う。
どちらも本物だ。
その夜、七条が私へ個別に連絡してきた。
彼女は言った。
「東京は京都を誤解してはならない」
私は少し固まった。
「どういう意味ですか?」
「京都が東京より脆いという意味ではありません」
「ただ水の問題において、私たちには選択肢が少ないだけです」
私は少し沈黙した。
「わかっています」
「本当に?」
あの水源図を思い出した。
山脚水点を思い出した。
海のない京都を思い出した。
「以前よりは、今のほうがわかっています」
七条はうなずいた。
「それならいい」
彼女は一度止まり、さらに言った。
「京都も東京を誤解しません」
「東京に海があるからといって、東京が楽なわけではありません」
「海水淡化もまた線です」
「猫目に攻撃されます」
「うん」
「私たちは皆、水の中にいます。ただ、水の形が違うだけです」
そう言って、彼女は通信を切った。
私はそこに座ったまま、長いあいだ動かなかった。
私たちは皆、水の中にいる。
ただ、水の形が違う。
いかにも京都が言いそうな言葉だった。
冷たくて。
正確だった。
猫目は、東京と京都が相互学習を始めたことを知ると、策略を調整した。
ニャーサは報告を見て、テーブルを軽く叩いた。
「彼らは水源差で裂けなかった」
代理人は頭を下げた。
「今のところは」
「なら、圧を続けろ」
「どこを?」
「東京の電気」
「京都の水」
代理人はすぐに理解した。
東京は海に面している。
だが海水淡化は電気に依存している。
京都は海に面していない。
水源そのものが脆い。
猫目は、一律に扱う必要がない。
それぞれの都市の最も痛いところを叩くのだ。
東京側では、電力波動、燃料輸送圧力、淡化設備損耗を作る。
京都側では、水源の噂、山脚術式汚染、井戸水への信頼危機を作る。
同じ水電戦。
だが、戦い方は違う。
それがニャーサだった。
それは同じナイフで、異なる二つの都市を切ることはしない。
どこが最も柔らかいかを見る。
そして、軽く押す。
東京と京都も、その点を予測し始めた。
東京は港区の給電防護を強化した。
海水淡化設備を分散した。
一つの大きな拠点に集中しない。
小型淡化装置は、異なる倉庫と船舶施設へ配置された。
一つ一つの産水量は多くない。
だが一つが破壊されても、全体は止まらない。
京都は水点信頼を公開制度にした。
各水区には居民代表、工程人員、術師、医療人員が共同で確認する。
猫目が噂を作ろうとするなら、同時に複数人の信頼を壊さなければならない。
これは遅い。
だが、京都は遅いことに慣れている。
東京は乱れていることに慣れている。
京都は遅いことに慣れている。
二つの都市は、ようやく自分たちの欠点を、ある種の防護へ変え始めた。
東京の乱れは、猫目に一口で正確に噛ませない。
京都の遅さは、猫目に信頼を素早く引き裂かせない。
私は備忘録に書いた。
京都は水問題において、東京より受動的。
理由:東京は少なくとも一部防線が海に面しており、低効率の海水淡化底線を構築できる。京都には海がなく、山脚水源、旧井戸、地下水、河川、備蓄、管線に依存するしかない。
東京の問題は規模。
京都の問題は方向の少なさ。
猫目策略:差を利用し、心理的裂け目を作る。東京には電気と淡化設備を攻撃し、京都には水源と信頼を攻撃する。
東京が京都から学ぶこと:旧井戸管理、公開検査、水源噂対応。
京都が東京から学ぶこと:偽線輸送、低技術冗余、車両プール、分層説明。
共同原則:水源差を互いへの非難に変えない。
そこまで書いて、私は少し止まった。
そして、さらに書いた。
東京には海がある。けれど海にも電気が必要だ。
京都には山がある。けれど山も囲いになることがある。
二つの都市は、どちらも水の中にいる。
ただ、水の形が違う。
私はノートを閉じた。
窓の外、東京の灯りは以前より少し暗かった。
節電はもう始まっている。
水道の蛇口から水はまだ流れる。
けれど、水圧は以前ほど安定していない。
遠くの海は見えない。
だが、そこにあることは知っている。
京都には海がない。
京都は井戸を守っている。
今夜、東京は海水淡化の電気を守っている。
京都は山脚の水を守っている。
猫目は外側から、二つの都市の違う弱点を見ている。
そして私たちは、学び続けるしかない。
守り続けるしかない。
水を、投降の理由にさせないために。