俺の頭の中に敗北した暗黒の王が住み着いているが、俺はただギターを弾きたいだけだ   作:arctichare

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第49章 合格発表当日、そして私が自分で開けた門

第49章 合格発表当日、そして私が自分で開けた門

 

合格発表の朝、私はほとんど朝食を食べられなかった。

 

ご飯は半分しか食べられず、

 

汁物も数口飲んだだけだった。

 

母は私を見て、何も急かさなかった。

 

ただ温かいお茶を私の前に押し出してくれた。

 

「ゆっくり食べなさい」

 

私は頷いた。

 

「うん」

 

しかしゆっくり食べることは難しかった。

 

なぜなら時間がまるでわざと遅くなっているようだったからだ。

 

普段の朝は急いで出かけるので、数分で過ぎてしまう。

 

今日は違った。

 

一分一分がとてもはっきりしていた。

 

まるで誰かが時計の音を大きくしたかのようだった。

 

私は何度も携帯電話を見た。

 

結果を見るためではない。

 

結果はまだ発表されていなかった。

 

ただ時間を見るためだった。

 

8時12分。

 

8時17分。

 

8時23分。

 

明らかに数分しか経っていないのに、私は一授業分が過ぎたように感じた。

 

ソレンセンが意識の奥で口を開いた。

 

「君は今、百目影倉に入る前より緊張している」

 

私は顔を伏せた。

 

「うん」

 

「一つの大学の結果が、それほど価値があるのか?」

 

「価値がある」

 

「それは君を殺さない」

 

「しかし私の未来に影響する」

 

ソレンセンが少しの間、沈黙した。

 

それから低く笑った。

 

「ようやく、君は未来を死より面倒なものだと見た」

 

私は反論しなかった。

 

なぜなら未来は確かにとても面倒だったからだ。

 

死は一つの終点だ。

 

未来は違う。

 

未来は続く。

 

学校に通い続ける。

 

選択し続ける。

 

人と向き合い続ける。

 

ソレンセンと共存し続ける。

 

普通の生活を守り続ける。

 

自分が何になるのかわからないまま、続けていく。

 

だからこそ私は緊張していた。

 

この門の後ろには、敵はいない。

 

汚染もない。

 

システムもない。

 

ただ、一本の、私に属するかもしれない道がある。

 

私は鞄を背負って家を出た。

 

今日は学校で結果を確認することに決めていた。

 

家ではなかった。

 

AfterToneでもなかった。

 

進路指導室で。

 

担任がそこにいてくれる。

 

もし私が崩れても、少なくとも先生がいる。

 

もし合格しても、すぐにみんなに伝えられる。

 

学校に着いたとき、すべてがとても普通だった。

 

門には学生が出入りしていた。

 

廊下では誰かが話していた。

 

教室では誰かが宿題を補習していた。

 

誰かがサークルの話をしていた。

 

誰かが今日が私にとってどんな日かを全く知らなかった。

 

これはむしろ私を少し安心させた。

 

世界は私の合格発表のために止まらない。

 

もし私が合格しても、太陽は明るくならない。

 

もし不合格でも、学校は崩れない。

 

ただ私がとても嬉しくなるか、またはとても悲しくなるか。

 

それだけだ。

 

それだけですでに十分に大きかった。

 

森原さんが私を見て、静かに手を振った。

 

「白川さん」

 

私は頷いた。

 

「おはようございます」

 

彼女は結果を聞かなかった。

 

なぜならまだ時間ではなかったからだ。

 

ただ一粒の飴を私の机の上に置いた。

 

「先に置いておく」

 

私は顔を伏せて飴を見つめていた。

 

今日はレモン味だった。

 

「ありがとうございます」

 

天城美咲はいなかった。

 

九条綾音もいなかった。

 

白石蓮もいなかった。

 

かつて私の学校生活の周りにいた人たちは、まるで今日、目に見えない場所に退いたかのようだった。

 

これは私を少し息を吐かせた。

 

少なくとも今朝、誰も私に綺麗な言葉を言いに来なかった。

 

誰も「合格を祈っている」と言わなかった。

 

誰も「不合格でも大丈夫だ」と言わなかった。

 

大勢力の影はなかった。

 

ただ森原さんの一粒の飴だけだった。

 

これで十分だった。

 

合格発表の時間は午前10時だった。

 

9時50分、担任が教室のドアの前で私を呼んだ。

 

「白川さん、指導室に行きましょうか」

 

私は立ち上がった。

 

足が少しふらついた。

 

森原さんが小声で言った。

 

「ゆっくりでいいよ」

 

私は頷いた。

 

廊下はとても長かった。

 

進路指導室は近くのはずなのに、今日はまるで東京湾データタワーの地下核心層まで歩くようだった。

 

ソレンセンが言った。

 

「要吾が歩きを安定させるか?」

 

「いらない」

 

「君は転ぶ」

 

「転ばない」

 

「君はさっき、ほとんど壁にぶつかりそうになった」

 

「それは私が考え事をしていたからだ」

 

「弱い」

 

「今日は少し控えてくれ」

 

「できる」

 

彼はあまりにも早く承諾したので、私はかえって安心できなかった。

 

しかし今はそれどころではなかった。

 

進路指導室のドアは開いていた。

 

担任はすでにパソコンを開いていた。

 

三浦校長もいた。

 

彼はあまり前に座らず、ただ横に立っていた。

 

私を見ると、彼は穏やかに頷いた。

 

「白川さん」

 

私は頭を低く垂れた。

 

「校長、おはようございます」

 

「今日はここで確認すればいい。結果がどうであれ、まずゆっくり見なさい」

 

私は頷いた。

 

「はい」

 

指導室には教務の先生もいた。

 

彼はウェブページと受験番号の確認を手伝うことになっていた。

 

しかし最後に番号を入力するのは私だった。

 

担任が椅子を私に譲った。

 

「自分でやる?」

 

私はキーボードを見つめていた。

 

指が少し震えていた。

 

「うん」

 

私は自分でやりたかった。

 

なぜならこれは私の結果だからだ。

 

私は座った。

 

画面はA大学の合格発表ページだった。

 

時間はまだ来ていなかった。

 

9時58分。

 

9時59分。

 

私は自分の心拍が聞こえた。

 

ソレンセンは話さなかった。

 

非常に珍しかった。

 

10時00分。

 

ページが更新可能になった。

 

私は息を吸った。

 

更新を押した。

 

ページの読み込みがとても遅かった。

 

実際には数秒しかかからなかったかもしれない。

 

しかし私は一年間かかったように感じた。

 

それから、入力欄が現れた。

 

受験番号。

 

私は透明フォルダーを開いた。

 

受験票を取り出した。

 

番号を入力した。

 

確認した。

 

もう一度確認した。

 

間違えてはいけない。

 

このときは三回確認しても不安とは言えなかった。

 

なぜなら番号を間違えると本当に問題になるからだ。

 

担任が横で静かに言った。

 

「ゆっくりでいいよ」

 

私は頷いた。

 

クエリを押した。

 

ページが再び読み込まれた。

 

白い画面。

 

回転するアイコン。

 

私の指は冷えて感覚がなくなっていた。

 

それから、画面に結果が現れた。

 

私は最初、理解できなかった。

 

本当に理解できなかった。

 

なぜなら脳が忽然と止まったように感じたからだ。

 

画面にいくつかの行があった。

 

そのうちの一行はこうだった。

 

合格

 

私はその言葉をじっと見つめていた。

 

合格。

 

合格。

 

合格。

 

私は数秒経ってから、やっと気づいた。

 

私は合格した。

 

A大学音楽文化学科。

 

私は合格した。

 

担任が最初に理解した。

 

彼女は静かに息を吸った。

 

「白川さん、合格しました」

 

教務の先生も笑った。

 

「おめでとうございます」

 

三浦校長がゆっくりと頷いた。

 

「おめでとう、白川さん」

 

私は口を開いた。

 

声が出なかった。

 

それから視界が忽然とぼやけた。

 

涙が落ちてきた。

 

私は慌てた。

 

「ご、ごめん……」

 

担任がすぐにティッシュを渡してくれた。

 

「謝らなくていい」

 

私はティッシュを受け取ったが、泣き止まらなかった。

 

大声で泣くわけではなかった。

 

ただ涙が止まらなかった。

 

私は合格した。

 

下北沢黒弦が合格したわけではない。

 

特調室の協力者が合格したわけでもない。

 

ソレンセンの宿主が合格したわけでもない。

 

白川一音が合格した。

 

私が書いた小論文。

 

私が答えた面接。

 

私が準備した志望理由。

 

私が受けた共通テスト。

 

私が自分で開けた門。

 

門の後ろに「合格」と書かれていた。

 

ソレンセンが意識の奥でようやく口を開いた。

 

声がとても低かった。

 

「君は負けたように泣いている」

 

私は泣きながら、心の中で言った。

 

「嬉しいから」

 

「人間の嬉しいと敗北はとても似ている」

 

「黙って」

 

「合格した」

 

彼は言った。

 

「うん」

 

「これは君の結果だ」

 

私はティッシュを握りしめた。

 

「うん」

 

今回は、彼は嘲笑しなかった。

 

ただとても軽く笑った。

 

「では覚えておけ」

 

「この線は、君が自分で引き出したものだ」

 

私は母にメッセージを送った。

 

指はまだ震えていた。

 

合格しました。

 

母はすぐに電話をかけてきた。

 

私は電話に出て、ただ一言言った。

 

「合格しました」

 

電話の向こうが一秒間、静かになった。

 

それから母の声も少し掠れていた。

 

「よかった」

 

私はまた泣いた。

 

担任と校長は私を急かさなかった。

 

私が電話を切った後、担任が言った。

 

「ゆっくり友達に伝えてもいいよ」

 

私は頷いた。

 

次は余響楽隊のグループだった。

 

私は入力欄を見つめていた。

 

本来はたくさん書きたかった。

 

しかし最後に送ったのは、ただの一行だけだった。

 

合格しました。

 

送信。

 

ほぼ次の瞬間に、陽菜が全く読めない感嘆符の連続を送ってきた。

 

ああああああ小音合格した!!!

 

澪が送ってきた。

 

合格飯。

 

日和が少し遅れて送ってきた。

 

おめでとう。本当にお疲れ様でした。

 

私は日和の「お疲れ様でした」という一文を見て、目がまた熱くなった。

 

本当にご苦労様でした。

 

誰かがこの道の大変さをわかってくれている。

 

これは「Congratulations」より私を泣かせた。

 

森原さんもメッセージをくれた。

 

おめでとう! 本当に良かったです。

 

私は返信した。

 

ありがとうございます。

 

この二文字を打っているとき、私の手はまだ震えていた。

 

しかし心の中には、深い静けさがあった。

 

まるでずっと張りつめていた一本の線が、やっと少し緩んだかのようだった。

 

同じ頃、東京特調室が一つの確認を受け取った。

 

白川一音:A大学音楽文化学科合格。

 

眼鏡の女性はこの一行を見たとき、ようやく少し浅い笑みを浮かべた。

 

隣の若い分析官が小声で言った。

 

「合格しました」

 

久我山統括官がスクリーンを見つめ、頷いた。

 

「良い」

 

若い分析官が聞いた。

 

「祝賀を送る必要はありますか?」

 

会議室が一瞬、静かになった。

 

眼鏡の女性が彼を一瞬見た。

 

若い分析官はすぐに自分が間違えたことに気づいた。

 

「送りません」

 

久我山統括官が言った。

 

「学校と彼女の友達が祝賀する。私たちはその位置を奪う必要はない」

 

眼鏡の女性が頷いた。

 

「保護等級を維持する。次は入学手続き、大学側の最低限保護連絡、外部勢力の遮断に重点を移す」

 

久我山統括官が言った。

 

「もう一つある」

 

「何ですか?」

 

「今日は彼女に連絡しない」

 

眼鏡の女性が少し間を置いた。

 

それから頷いた。

 

「了解しました」

 

今日は、彼女はただ合格した学生でいればいい。

 

京都旧結界管理委員会。

 

七条が結果を受け取った後、低く言った。

 

「合格」

 

老委員が笑みを浮かべた。

 

「良いことだ」

 

隣の若い監察員が聞いた。

 

「京都側から祝賀を送りますか?」

 

七条が冷ややかに彼を見た。

 

若い監察員はすぐに頭を低く垂れた。

 

老委員が笑いながら言った。

 

「必要ない」

 

「彼女には京都の祝賀は必要ない」

 

七条が档案に書き込んだ。

 

A大学音楽文化学科合格。普通の進路推進成功。

 

書き終えた後、彼女は少し間を置いてから、「成功」の二文字を削除した。

 

「普通の進路継続推進」に変えた。

 

なぜならこれはプロジェクトの成功ではないからだ。

 

任務の成功でもない。

 

彼女の人生が前に進み続けたのだ。

 

七条はこうする方が適切だと感じた。

 

老委員はこれを見て、頷いた。

 

「良い」

 

天城グループ。

 

天城美咲が消息を受け取ったのは昼休みのときだった。

 

グループの情報システムを通じてではなかった。

 

東京特調室が学校の保護連絡ルートに送った短い確認が、学校側によって必要人員に同期されたものだった。

 

彼女はこの「合格」という一行を見つめ、全身の力が抜けるのを感じた。

 

天城怜司が会議室に入ってきたとき、彼女の表情を見た。

 

「合格したのか?」

 

美咲は頷いた。

 

「うん」

 

天城怜司もわずかに頷いた。

 

「良い」

 

隣の秘書が聞いた。

 

「正式な祝賀文書を準備する必要はありますか?」

 

美咲と天城怜司が同時に言った。

 

「必要ない」

 

秘書が固まった。

 

天城怜司が説明した。

 

「天城グループは彼女の今日の喜びの中に現れてはならない」

 

美咲が静かに言った。

 

「その通り」

 

この日、天城グループ内部でA大学に関わるすべての能動的操作が引き続き停止された。

 

メールもない。

 

花かごもない。

 

奨学金もない。

 

祝賀もない。

 

いかなる「善意の存在感」もない。

 

これは天城にとって、すでに一つの進歩だった。

 

御影家。

 

御影秋人が私の合格を聞いたとき、長い時間笑っていた。

 

御影冬子が彼を見た。

 

「何を笑っている?」

 

「ただ、彼女が本当に受かったと思った」

 

「それがどうかしたの?」

 

「笑っているわけではない」

 

御影秋人は庭を見た。

 

「ただ、すごいと思った」

 

御影冬子は沈黙した。

 

今回は、彼女は彼を皮肉らなかった。

 

なぜなら彼女もそう思っていたからだ。

 

御影秋人が静かに言った。

 

「彼女が天城グループを停滞させたとき、全日本の退魔界が震えた」

 

「しかし私は、今日の彼女はあの日よりもっと嬉しいはずだと思った」

 

御影冬子が言った。

 

「それが普通だ」

 

「そうね」

 

御影秋人の笑みが少し薄れた。

 

「本当に、彼女がこの普通をもう少し持てたらいいのに」

 

御影冬子が彼を見た。

 

「では邪魔をするな」

 

「わかっている」

 

今回は、彼は本当に何の行動も取らなかった。

 

ただ御影家の奥深くに座り、遠く離れた距離から、静かに一言言っただけだった。

 

「おめでとう」

 

この言葉は送り出されなかった。

 

送り出す必要もなかった。

 

玄海鎮守聯合。

 

宗像怜央が私の合格を聞いたとき、両手を合わせた。

 

白髪の宮司が笑いながら聞いた。

 

「それは祈りか、それとも祝賀か?」

 

「両方だ」

 

「メッセージを送るな」

 

「わかっている」

 

宗像怜央は低く言った。

 

「ただ、彼女が本当に普通の大学に入ったと思っただけだ」

 

「まだ入学していない」

 

「しかし門は開いた」

 

白髪の宮司は頷いた。

 

「そうね、門は開いた」

 

宗像怜央は少しの間、沈黙した。

 

「玄海鎮守が将来A大学と何らかの公開文化プロジェクトを行う場合、事前に回避するようにする」

 

「君は今、どんどん上手くなっているな」

 

「なぜなら私は、彼女に、合格した後にまた一本の線が増えたと思わせたくないからだ」

 

白髪の宮司が笑った。

 

「良い」

 

四国地方聯合。

 

久世真帆が結果を見たとき、彼女は無明講の後続報告を整理していた。

 

彼女はペンを置き、静かに笑った。

 

「合格したんだね」

 

明厳老僧が隣で茶を飲んでいた。

 

「それは良いことだ」

 

久世真帆が言った。

 

「彼女は泣くかもしれない」

 

老僧が笑った。

 

「喜びのあまり泣くのは、善いことだ」

 

久世真帆は旧遍路道の暗黒エネルギーのことを思い出した。

 

また、あの頭を低く垂れ、指を震わせていた少女のことも。

 

二つの間には巨大な差があった。

 

しかしどちらも本当の彼女だった。

 

久世真帆は低く言った。

 

「大学が彼女に、もう少し普通の悩みを与えてくれることを願う」

 

老僧は頷いた。

 

「普通の悩みもまた、福報だ」

 

中小勢力のフォーラムでは、情報は当然また広まった。

 

「彼女は合格した」

 

「誰?」

 

「他に誰がいる」

 

「A大学音楽文化方向? 本当か?」

 

「学校名を言うな。言うと死ぬ」

 

「下北沢黒弦が本当に大学生になるのか?」

 

「彼女は本来、受験生だった。合格するのは普通だ」

 

「普通? 天城グループに今、普通なものを一つ見せてみろ」

 

「笑った」

 

管理人はすぐに具体的な学校名に関わる返信を削除した。

 

しかし「彼女は合格した」という出来事自体は削除しなかった。

 

なぜならこれは秘密ではなかったからだ。

 

ただ利用されてはならないだけだった。

 

誰かが真面目に書いた。

 

「祝賀を送るな。ものを送るな。学校を調べるな。人が一日、ちゃんと喜べるようにしろ」

 

下に多くの者が返信した。

 

「同意」

 

榊老女も一言発した。

 

「誰が祝賀を借りて護符を売ろうとするなら、私は彼の足を折る」

 

フォーラムは珍しく一致した。

 

今日は邪魔をしない。

 

そして私自身はこの日の残りの時間を、まるで柔らかいものに包まれているかのように過ごした。

 

担任が私を教室に戻らせたとき、森原さんはすでに結果を知っていた。

 

彼女は立ち上がり、小声で言った。

 

「おめでとう」

 

私は頷いた。

 

「ありがとう」

 

彼女は大声で叫ばなかった。

 

全クラスを囲ませようとしなかった。

 

ただ一粒の新しい飴を私の机の上に置いた。

 

「今日は二粒食べてもいいよ」

 

私は顔を伏せて飴を見つめていた。

 

今回はいちご味だった。

 

私はほとんどまた泣きそうになった。

 

午後の授業は、私はほとんど何も聞いていなかった。

 

先生が何を話しているのか、私はまるで一枚の水の膜を通して聞いているようだった。

 

しかし今回は不安ではなかった。

 

合格した後の恍惚だった。

 

下校のベルが鳴ったとき、私は荷物をまとめ、AfterToneに行く準備をした。

 

校門の前まで来たとき、三浦校長がちょうどそこに立っていた。

 

彼は私を見て、微笑んだ。

 

「白川さん、おめでとう」

 

私は深く頭を下げた。

 

「ありがとうございます、校長」

 

彼は言った。

 

「今日はしっかり祝おう」

 

私は頷いた。

 

「うん」

 

校門の外には変な人はいなかった。

 

花かごもない。

 

メディアもない。

 

家系の代表もない。

 

財団の車もない。

 

ただ普通の夕暮れの街並みだけだった。

 

これはどの祝賀よりも良かった。

 

AfterToneの中にはすでに「結果発表飯」が準備されていた。

 

澪は本当にそう命名した。

 

日和は本来「合格祝賀会」に変えようとした。

 

しかし陽菜は「結果発表飯」の方が記念になると思った。

 

結局二つが合体して、

 

白川一音A大学合格結果発表飯祝賀会

 

という名前になった。

 

名前が長すぎた。

 

まるで不合格の企画タイトルだった。

 

しかしみんなはとても楽しそうだった。

 

私はドアを押して入ったとき、陽菜が最初に飛び出してきた。

 

「小音!! 合格おめでとう!!」

 

今回は私はあまり激しく避けなかった。

 

ただ彼女に軽く抱きしめられた。

 

すぐに。

 

息が詰まらない程度に。

 

それから日和が近づいてきた。

 

彼女はすぐに話しかけなかった。

 

ただ私を見つめていた。

 

私は顔を伏せた。

 

「合格しました」

 

「うん」

 

彼女は笑った。

 

「知っている」

 

「私は本当に合格しました」

 

「うん」

 

「私は受かりました」

 

ここまで言ったとき、私はまた泣いた。

 

日和が静かに私の肩を叩いた。

 

「本当にご苦労様でした」

 

陽菜も泣いていた。

 

なぜ彼女まで泣いているのか?

 

澪がティッシュを押し出してきた。

 

「泣き終わったら食べろ」

 

この言葉はとても澪らしかった。

 

私は涙を拭きながら、笑った。

 

テーブルには唐揚げ、サラダ、おにぎり、ケーキ、そして澪が特に要求したデザートが置いてあった。

 

日和がノンアルコールの飲み物を準備していた。

 

陽菜が「合格おめでとう」と書かれた小さなプレートを作っていた。

 

字が少し曲がっていた。

 

しかしとても可愛らしかった。

 

私はテーブルの端に座り、これらすべてを見つめていた。

 

ここには豪華な花かごはなかった。

 

大勢力の祝辞もなかった。

 

奨学金の約束もなかった。

 

「未来の協力期待」もなかった。

 

ただ友達が準備したご飯だけだった。

 

これが私が望んでいた祝賀だった。

 

ご飯を食べている間、陽菜は大学にすごい音楽教室があるかどうかをずっと聞いていた。

 

澪は食堂のことを気にしていた。

 

日和は入学手続きがいつから始まるかを聞いた。

 

私は携帯電話を取り出して、学校から送られてきた資料を少し見た。

 

入学金納入。

 

手続き提出。

 

入学前説明会。

 

授業説明。

 

学生証写真。

 

たくさんのこと。

 

合格は終わりではなかった。

 

ただ次の段階が始まっただけだった。

 

私は少し目が回った。

 

日和が見抜いた。

 

「今日は手続きのことは考えなくていい。明日また考えよう」

 

私は頷いた。

 

「うん」

 

陽菜が飲み物を掲げた。

 

「では今日はまず祝おう!」

 

澪も掲げた。

 

「合格飯」

 

日和が笑いながら杯を掲げた。

 

「小音、合格おめでとう」

 

私はコップを取った。

 

指はまだ少し震えていた。

 

「ありがとう」

 

四つのコップが静かに触れ合った。

 

音はとても小さかった。

 

しかし私は、それがどのシステムの公告よりも重要だと感じた。

 

夜、家に帰った後、私はメモを開いた。

 

以前書いていたのは:

 

明日結果発表。

 

もし合格したら、ちゃんと喜ぼう。

 

今、私はその下に書いた。

 

合格しました。

 

書き終えた後、私は少し止まった。

 

この三文字はあまりにもシンプルだった。

 

今日を全く収容しきれていなかった。

 

そこで私はさらに書いた。

 

A大学音楽文化学科。

 

これは私が自分で受かった。

 

私はたくさん泣いた。

 

みんなが私に祝ってくれた。

 

誰も先に門を開けなかった。

 

門の後ろは合格だった。

 

ここまで書いたとき、私はまた少し泣きたくなった。

 

ソレンセンが口を開いた。

 

「君は今日は泣きすぎだ」

 

「うん」

 

「水分が失われている」

 

「私はお茶を飲んだ」

 

「人間の祝賀方式はとても騒々しい」

 

「でも良い」

 

ソレンセンが少しの間、静かになった。

 

「合格したな」

 

「うん」

 

「次は、本当に大学に行くことになる」

 

「うん」

 

「吾も行くことになる」

 

私は本来、感動していた。

 

この一文で、私は直接目を覚ました。

 

ソレンセンが大学に行く。

 

いや、私が大学に行くのに、体の中にソレンセンがいる。

 

私は自分が大学の授業に座っている姿を想像した。

 

ソレンセンが意識の中で、教授の講義を「虫のようだ」と評価している。

 

私は目の前が真っ暗になった。

 

「少し静かにしていてもらえませんか?」

 

「状況による」

 

「大学の授業では、勝手に話してはいけません」

 

「吾は授業のルールの外にいる」

 

「あなたは私の頭の中にいるので、ルールの内です」

 

ソレンセンが冷ややかに笑った。

 

「なら、君が受かるまで待つとしよう」

 

私は顔を伏せて、申込用紙を見つめていた。

 

「私は頑張ります」

 

この言葉はとても小さかった。

 

しかし本当だった。

 

退魔界のためでも、

 

特調室のためでも、

 

天城グループに見せつけるためでも、

 

ソレンセンから逃げるためでもなく、

 

私自身のために。

 

白川一音が、初めて本気で大学進学を準備する。

 

このこと自体が、すでに十分に大事だった。

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