俺の頭の中に敗北した暗黒の王が住み着いているが、俺はただギターを弾きたいだけだ 作:arctichare
第64章 大一の夏休みインターン、そして私が初めてスタッフの位置に立ったこと
大一の夏休みは、私の想像より早く来た。
入学式がまだつい最近のことのように思えた。
私はまだ、A大学の校門に立ち、手に資料袋を握りしめ、入学式の資料を逆さに持っていたことを覚えている。
しかしあっという間に、期末報告を提出し、最後の試験も終わった。
音楽文化概論の期末報告は、小型音楽空間と青少年の表現について書いた。
心理学入門は、ストレス回復と日常活動について書いた。
地域文化論は、都市の中の小型文化場所について書いた。
大学英語はそれほど楽ではなかったが、少なくとも崩壊はしなかった。
運転学校の方は、仮免前のいくつかの技能訓練を通過した。
S字カーブは依然として私を緊張させた。
地域音楽研究会も夏休みの整理期に入った。
余響楽隊の練習は、週に一度に調整された。
なぜなら私がインターンに行くからだった。
杉並区青少年文化活動センター。
二週間。
音楽ワークショップ運営補助。
正式に始まる前日の夜、私は小さなアパートの書斎に座り、インターン資料を広げていた。
集合時間。
交通経路。
連絡先。
活動日程。
服装要求。
インターン注意事項。
私は三回確認した。
四回目はしなかった。
それからバッグを開けて中身をチェックした。
ノート。
ペン。
学生証。
交通カード。
水。
簡単な弁当。
携帯充電器。
ティッシュ。
普通のピック。
最後のものは本来インターンに必要なものではなかった。
しかし私はそれでも入れた。
使うためではない。
ただバッグの中にあると安心するからだった。
ソレンセンが意識の奥で言った。
「幼虫に音楽を聞かせるのに、刀まで持っていくのか?」
「刀ではない。」
「あなたにとってはほとんど同じだ。」
「ただのピックだ。」
「それで切ったものは、刀よりずっと多い。」
私は答えなかった。
なぜならその通りだったからだ。
しかし明日は、それがただのピックであってほしいと願っていた。
普通の大学生のバッグに入ったピック。
黒弦の入り口ではない。
インターン初日、私は青少年文化活動センターの近くに三十分早く着いた。
早すぎた。
しかし遅刻するよりはましだった。
活動センターは三階建ての公共施設だった。
外観はとても普通だった。
一階にはホール、掲示板、受付があった。
掲示板にはたくさんの活動ポスターが貼ってあった。
夏期ギター体験教室。
中学生ドラムワークショップ。
高校生オリジナルソング交流会。
親子打楽器活動。
それに小型オープンステージの応募案内もあった。
私は掲示板の前に立って、長い時間見ていた。
これらのポスターは華やかなデザインではなかった。
紙もただの普通のプリントだった。
しかし私はとても好きだった。
なぜならそれらは誰かを召喚するためではなかったからだ。
誰かを利用するためでもなかったからだ。
ただ近所の若者にこう伝えていた。
ここには場所がある。
あなたは来ていい。
あなたは試してもいい。
これで私の心が少し静かになった。
スタッフは三十代の女性で、高橋さんという名前だった。
彼女は夏期音楽プロジェクトを担当していた。
私を見ると、彼女は笑顔で言った。
「白川さんですね? インターンへようこそ。」
私はすぐに顔を伏せた。
「よろしくお願いします。」
「あまり緊張しなくていいよ。今日はまず会場と流れに慣れるだけだから。」
あまり緊張しなくていい。
みんながよく言う言葉だった。
しかし私は本当に緊張していた。
高橋さんが私を案内してくれた。
一階のホール。
二階の練習室。
三階の小型多目的ホール。
倉庫にはマイク、ケーブル、譜面台、折りたたみ椅子、電子ピアノ、小型スピーカー、延長コード、そして数本の共用ギターがあった。
彼女は歩きながら説明した。
「ここはプロのLiveHouseではないけど、学生向けの音楽ワークショップをするよ。多くの人が初めてバンドに触れるのは、こういう場所なんだ。」
私は頷いた。
「はい。」
彼女が練習室のドアを開けた。
中はとてもきれいだった。
AfterToneのようなステージライトはない。
大学の研究会の活動室のような本や録音機材もない。
ただの普通の練習室だった。
壁には使用規則が貼ってあった。
器材を壊さないこと。
使用後は片付けること。
音量をコントロールすること。
互いに尊重すること。
私は「互いに尊重する」という四文字を見て、それが多くの結界より重要だと思った。
ソレンセンが低く言った。
「ここは一押しで倒れそうなほど弱い。」
「だからこそルールが必要なんだ。」
「弱い空間はいつもルールで生きている。」
「強い空間も同じだ。」
今回は彼は反論しなかった。
初日の仕事は難しくなかった。
応募者名簿を整理する。
参加者人数を確認する。
ギター体験教室用の椅子を並べる。
譜面台をチェックする。
活動資料フォルダーにラベルを貼る。
アンケートを印刷する。
活動の流れ表をスタッフの机に貼る。
これらはどれも小さなことだった。
しかし小さなことがたくさんあり、
どれも適当にやってはいけなかった。
椅子を詰め込みすぎたら、参加者が不快になる。
譜面台の数が足りなかったら、授業中に混乱する。
アンケートを少し少なく印刷したら、最後に急いでコピーしに行かなければならない。
流れ表を貼り間違えたら、スタッフが情報を探せなくなる。
私は初めて、本当に活動運営とは「良いアイデアがある」だけでは足りないことを感じた。
それは無数の小さな準備でできている。
昼休み、高橋さんが私に聞いた。
「白川さん、なぜここでインターンをしようと思ったの?」
私は弁当を持ち、緊張した。
これは面接の続きのような質問だった。
しかし今回は面接官ではなく、
インターン責任者だった。
私はゆっくりと言った。
「大学で音楽文化を学んでいて、楽隊活動もしています。若い人が初めて音楽活動に触れるとき、場所とスタッフに何ができるのかを知りたいと思ったんです。」
高橋さんは頷いた。
「いいね。」
彼女は笑顔で続けた。
「ならこの二週間は、よく観察してみて。特に、あまり積極的に参加したがらない子たちを。」
私の指が止まった。
「あまり積極的に参加したがらない子たち?」
「うん。」
彼女が言った。
「音楽活動では、声の大きい人が目立ちやすい。でも本当に空間を必要としているのは、隅に立っている子たちかもしれないよ。」
私は顔を伏せた。
この一文はあまりにも自分に似ていた。
もしかすると今は少しマシになったかもしれない。
しかし本質的には、私は今でもまず隅を探してしまう。
高橋さんが続けた。
「スタッフは、一番表現が上手い人だけを相手にするわけじゃない。まだ表現する準備ができていない人にも場所を残してあげる必要がある。」
場所を残す。
この一文で、私の心が震えた。
私は大学の発表のときに言ったことを思い出した。
位置。
共通のリズム。
人がゆっくり良くなることを許す。
これらは私の報告の中だけにあったわけではなかった。
本当の仕事の現場でも、こう考えている人がいた。
私は小声で言った。
「気をつけます。」
二日目はギター体験教室だった。
対象は中学生と高校生。
合計十二人。
すでに少しギターができる人もいれば、
全く触れたことがない人もいた。
それに、短髪の女の子が一人、入口に立ったままなかなか入ってこなかった。
彼女は活動応募表を手に持ち、ずっと床を見ていた。
彼女を見たとき、私の心が一瞬締めつけられた。
なぜなら彼女は、昔の私にあまりにも似ていたからだ。
高橋さんが私に小声で言った。
「白川さん、入口の方を見てきて。無理に引っ張り込まなくていい。ただ、まずは見ていてもいいと伝えて。」
私は頷いた。
近づいたとき、私はとても緊張した。
相手はただの学生なのに、
私はそれでも緊張した。
「こんにちは。」
私の声は少し小さかった。
短髪の女の子が顔を上げ、またすぐに伏せた。
「私……応募したんです。」
「うん。ギター体験教室はここだよ。」
「私、弾けないんです。」
「大丈夫。今日の人はほとんどが初めてだよ。」
彼女は依然として入ってこなかった。
私は少し考えてから言った。
「もし今入るのが嫌なら、まずは入口で見ていてもいいよ。入った後も、すぐに弾かなくてもいい。」
彼女が顔を上げた。
「いいんですか?」
「いいよ。」
少なくとも私はそう思った。
私は振り返って高橋さんを見た。彼女は頷いた。
それで短髪の女の子はまず入口で様子を見ていた。
数分後、彼女はゆっくり中に入り、一番端の席に座った。
私は彼女に共用のギターを渡した。
彼女が受け取るとき、小声で言った。
「ありがとうございます。」
私は首を振った。
「どういたしまして。」
このことはとても小さかった。
しかし私は一日中覚えていた。
なぜなら私は初めて、守られる側ではなく、
スタッフの側に立って、
もう一人の「入るのが怖い人」に場所を残したからだ。
ソレンセンが意識の奥で言った。
「あなたは小型の自分を世話している。」
私は反論しなかった。
なぜなら確かに少し似ていたからだ。
ギター体験教室は、私の想像よりずっと混乱していた。
誰かは調弦のときに弦を締めすぎた。
誰かは左手がどこに置けばいいのかわからなかった。
誰かはずっと雑音を出していた。
誰かは興奮しすぎて音量が大きすぎた。
誰かは間違えた後すぐに顔を赤らめた。
私は資料を配ったり、ピックを渡したり、譜面台を調整したり、みんなに休憩を促したりするのを手伝った。
途中で、一人の男の子のギターの弦が切れた。
彼は驚いた。
私も驚いた。
しかし高橋さんはとても冷静だった。
「大丈夫、別ののに替えて。」
私はようやく、スタッフはまず慌ててはいけないことを理解した。
なぜならスタッフが慌てたら、参加者ももっと慌てるからだ。
これも私が学ぶべきことだった。
すべての問題を切断する必要はない。
中には、ただギターを替えるだけで済む問題もある。
授業が終わった後、短髪の女の子はすぐに帰らなかった。
彼女は入口に立って、小声で私に聞いた。
「私、すごく下手でしたか?」
私は一瞬固まった。
それから真剣に考えた。
「初めての人はみんなそうよ。」
この一文は、運転のコーチが私に言った言葉だった。
今、私はそれを彼女に言った。
「さっきは、後半の方が前半より音がはっきりしてたよ。」
彼女が目を丸くした。
「本当ですか?」
「うん。」
彼女は顔を伏せ、口元が少し動いた。
もしかすると笑ったのかもしれない。
「じゃあ、次も来ます。」
私は頷いた。
「うん。」
彼女が去った後、私は練習室に立ったまま、胸の中に奇妙な感覚があった。
戦いに勝ったわけではない。
任務を完了したわけではない。
ただ一人の人が、「次も来る」と言ってくれただけだった。
これだけで、私は今日のインターンが意味があったと感じた。
三日目の夜、特調室から連絡があった。
私はちょうどインターン記録を整理しているところだった。
着信を見たとき、心がすぐに沈んだ。
眼鏡の女性の第一声はこうだった。
「任務ではない。」
私は小さく息を吐いた。
彼女が続けた。
「ただインターンが順調かどうかを確認したかった。異常な接触はないか。」
「今のところ順調です。」
「保護の調整が必要なところはあるか?」
私は少し考えてから言った。
「活動センターに誰かを近づけないでください。」
「私たちは近づけない。」
「私がいるところだからといって、ここを特別な場所にしないでください。」
電話の向こうが少し静かになった。
眼鏡の女性が言った。
「わかった。ここはあなたのインターン先であって、特調室の監視地点ではない。」
私は携帯を握りしめた。
「ありがとうございます。」
彼女がまた言った。
「今週は、最高緊急以外は任何の協力要請をしない。」
「うん。」
電話を切った後、私はインターン記録を見つめ、心がゆっくり落ち着いていった。
活動センターは依然として活動センターだった。
私がインターンに来たからといって、それが灰色の日程の一部になるわけではなかった。
少なくとも今は。
もちろん、大勢力たちも私がインターン段階に入ったことを知っていた。
しかし彼らが知っていることは少なかった。
ただ、
白川一音が普通の青少年音楽活動関連の短期インターンを行っている。接触してはならない。聞き出してはならない。支援を提供してはならない。
この「具体的な場所を知らない」という状態は、特調室が意図的に維持していた。
京都側が通告を受け取った後、七条が言った。
「良い。」
老委員が聞いた。
「彼女がどうやっているか、気にならないの?」
七条が少し沈黙した。
「少しは。」
老委員が笑った。
七条が冷たく補足した。
「しかし好奇心は接触の理由にはならない。」
老委員が頷いた。
「あなたはもう自分で答えられるようになったね。」
天城グループ内部では、天城美咲がこの二週間の間、天城のすべての文化プロジェクト部門が東京地区の青少年音楽活動機関に積極的に接触しないよう要求した。
誰かが範囲が広すぎると感じた。
天城怜司はただこう言った。
「範囲が広い方が、線を踏むよりましだ。」
御影家側では、御影秋人が言った。
「彼女は今、子供たちにピックを渡している頃だろう。」
御影冬子が彼を見た。
「どうしてわかるの?」
「想像しただけだ。」
「想像を続けなくていい。」
「わかった。」
玄海鎮守聯合の宗像怜央は、備忘録にこう書いた。
彼女が普通のインターンで達成感を得られるなら、普通の職業方向が安定しつつあることを意味する。干渉してはならない。
白髪の宮司が見て、笑った。
「今回はよく書けている。」
インターン第一週が終わったとき、私は疲れすぎてあまり話したくなかった。
危険だったからではない。
仕事現場が本当に疲れるからだった。
毎日長く立ち、
スタッフとコミュニケーションを取り、
参加者と話す。
椅子を運ぶ。
線材を整理する。
活動を記録する。
アンケートを配る。
アンケートを回収する。
活動が終わったら掃除する。
小さなアパートに戻ったとき、体は空っぽのようだった。
しかしこの疲労は退魔とは違った。
とても明確で、
とても具体的で、
とてもきれいだった。
私は自分がなぜ疲れているのかを知っていた。
今日、十二人の学生にギターを体験させたから。
二十枚のアンケートを整理したから。
六回椅子を運んだから。
入るのが怖い女の子に場所を残したから。
この疲労は私を安心させた。
週末にAfterToneに戻ったとき、陽菜がすぐに聞いた。
「小音、インターンどうだった?」
私はソファに座り、真剣に長い時間考えた。
「とても疲れた。」
みんなが笑った。
日和が聞いた。
「疲れた以外は?」
私は顔を伏せた。
「少し好きかも。」
陽菜の目が輝いた。
「本当?」
「うん。」
「それはよかった!」
澪が聞いた。
「飯はあるの?」
「昼休みはあるよ。」
「合格。」
日和が私を見た。
「具体的に何が好き?」
私は短髪の女の子が「次も来る」と言ったことを思い出した。
「入るのが怖かった人が、後にまた挑戦してみようと言ってくれたのが好き。」
日和の表情がとても優しくなった。
「それは本当にあなたにぴったりだね。」
私は顔を伏せた。
胸が少し熱くなった。
もしかすると、この道は本当に歩いてみてもいいのかもしれない。
インターン二週目、仕事の内容が増えた。
高橋さんが私に、小型のワークショップ記録を書くように言った。
正式な報告ではない。
ただ内部記録だった。
タイトルは、
夏期ギター体験教室観察記録
私はとても真剣に書いた。
参加人数。
年齢層。
活動の流れ。
学生の反応。
困難な点。
改善案。
私は特にこう書いた。
初めて参加し、緊張している学生に対しては、「まず傍聴してから参加する」という選択肢を設けることができる。これにより、活動に入る心理的ハードルを下げることができる。
高橋さんが見てから言った。
「この提案はいいね。」
私は顔を伏せた。
「ただ私の感覚です。」
「感覚は大事だよ。」
彼女が言った。
「特に、あなたは表現しにくい人に気づけるんだから。」
この一言で、私は嬉しかった。
褒められたからではない。
自分が以前「面倒だ」と思っていた部分が、もしかすると仕事の中で能力になるかもしれないと気づいたからだ。
人が多いのが怖いからこそ、怖がっている人に気づける。
表現が苦手だからこそ、表現する前に空間が必要なことを知っている。
いつも緊張しているからこそ、「大丈夫、まずは見ていていいよ」という一言がどれだけ重要かを知っている。
以前はこれらは弱点だった。
今は、もしかすると人を理解するための入り口になるかもしれない。
ソレンセンが意識の奥で言った。
「あなたは自分の弱点を道具に加工している。」
「道具と言わないで。」
「なら能力と呼ぼうか?」
「うん。」
「面倒だ。」
しかし彼は否定しなかった。
インターン最終日は小型オープンステージだった。
参加者の中には中学生、高校生、そして大学生ボランティアもいた。
活動センターの小ホールが簡易ステージに飾り付けられた。
プロの照明はない。
小型スピーカー、マイク、数列の椅子、そして手書きのプログラム表だけだった。
私は受付、誘導、バックステージの秩序を担当した。
これは私をとても緊張させた。
なぜならバックステージは混乱しやすいからだ。
誰かがピックを見つけられない。
誰かが調弦を忘れる。
誰かが急に「上りたくない」と言い出す。
誰かが順番を替えられないかと聞く。
高橋さんが言った。
「白川さん、まず彼らの話を聞いてから、調整できるかどうかを判断して。」
まず聞く。
それから判断する。
この一文も退魔に似ていた。
しかしここではずっと穏やかだった。
短髪の女の子も来ていた。
彼女は最後の合奏パートに応募していた。
上台する前、彼女はバックステージに立ち、顔色が真っ白だった。
「私、だめかも。」
私は彼女を見て、昔の自分を見ているようだった。
「上りたくないなら上らなくてもいいよ。」
彼女が固まった。
「いいんですか?」
「いいよ。でももし試してみたいなら、音を小さくしてもいい。」
彼女がギターを握りしめた。
「小さくてもいいんですか?」
「うん。」
「他の人が私を役立たずだと思うかも……」
私は少し考えてから言った。
「合奏では、みんなの音が必ずしも大きくなくてもいい。自分の位置で参加できれば、それで十分だよ。」
この一文を口にしたとき、私自身も固まった。
私はこれをずっと学んでいたのではなかったか。
自分の位置で参加する。
最大の声である必要はない。
最も目立つ必要はない。
しかし完全に消えてしまう必要もない。
短髪の女の子が顔を伏せた。
少しして、彼女は頷いた。
「じゃあ、試してみます。」
彼女は上台した。
音は本当に小さかった。
ほとんど他の人に埋もれてしまった。
しかし彼女は弾き終えた。
終わった後、彼女はバックステージに戻り、目が少し赤かった。
「私、弾き終えました。」
私は頷いた。
「うん。弾き終えたね。」
彼女が笑った。
今回は私は確かに彼女が笑ったとわかった。
その瞬間、私は忽然と、二週間のインターンで最も重要なことが起こったと感じた。
私が報告を書けるようになったことではない。
私が何枚のアンケートを整理したことではない。
私が活動の流れを把握したことではない。
ただ一人の人が、恐怖の中でとても小さな上台をやり遂げたことだった。
そして彼女は、自分が弾き終えたことを知っていた。
インターンが終わった日、高橋さんが私と総括面談をしてくれた。
彼女が言った。
「白川さんは最初とても緊張していたけど、観察がとても細やかで、特に積極的に表現しない参加者に気づけるのが良かった。」
私は顔を伏せた。
「ありがとうございます。」
「今後この方向に進みたいなら、活動運営の経験を積み続けると良いよ。」
彼女が一枚の提案リストを渡してくれた。
基礎的な活動企画を学ぶ。
記録と報告の練習をする。
青少年の心理支援を理解する。
基礎的な音響設備を学ぶ。
より多くの現場補助に参加する。
機会があればボランティアもする。
最後の項目は、
自分の境界を守る。
私は最後の文を見つめ、心が動いた。
高橋さんが言った。
「青少年活動の支援をすると、助けたいと思って過度に負担を背負いやすい。スタッフにも境界が必要だ。」
私は小さく頷いた。
「覚えておきます。」
この一文は、本当に私が覚えておく必要があった。
なぜなら私は過度に負担を背負いやすいからだ。
退魔界でも、普通の世界でも。
インターンが終わった夜、私は小さなアパートに戻った。
すぐにパソコンを開かなかった。
まず麺を茹でた。
今回は茹ですぎなかった。
それからお風呂に入り、
書斎の机に座った。
「インターン」フォルダーを開いた。
中にはすでに、
申請書。
内定通知。
活動日程。
観察記録。
ワークショップまとめ。
高橋さんの提案リストが入っていた。
私は新しい文書を作った。
タイトル:
インターンまとめ
最初の行に書いた。
この二週間、私は初めてスタッフの位置に立ち、「人がゆっくり良くなる」現場を見た。
書き終えた後、私は長い時間止まった。
それから続けた。
私はこの方向が好きだと気づいた。
この一文を打ったとき、私の指が少し震えた。
好き。
「すべき」ではない。
「向いている」でもない。
「人を助けられる」でもない。
ただ、私が好きだった。
入るのが怖い人に場所を残すのが好き。
活動の流れを整理するのが好き。
一人が「弾けない」から「もう一度試してみよう」になるのを見るのが好き。
小型のステージで、完璧ではないけれど本当の音がするのを見るのが好き。
私は続けて書いた。
もしかすると卒業後、私は本当に青少年文化活動、小型音楽空間の運営、または音楽ワークショップ支援に関わる仕事に就くかもしれない。
これは最終的な決定ではないが、もはやただの曖昧な想像ではない。
書き終えた後、私は保存した。
ソレンセンが口を開いた。
「あなたは自分が望む巣を見つけた。」
「方向だ。」
「ほぼ同じだ。」
今回は私はそれほど強く訂正しなかった。
「うん、方向だ。」
彼が低く笑った。
「悪くない。」
「運転よりずっとましだ。」
私はほとんど笑いそうになった。
「運転も進歩しているよ。」
「あなたはまだ道で鉄の箱にいじめられる。」
「それは路上教習と言うんだ。」
「弱い。」
翌日、私は運転学校に行った。
インターンが終わった後の最初の技能授業は、路上教習前の場内総合練習だった。
私は本来、インターンが原因で状態が悪くなると思っていた。
しかしなぜか、ステアリングを握る手が前より安定していた。
おそらくインターンが私に一つのことを確認させてくれたからだろう。
私は異常を処理することしかできない人間ではない。
私は普通の現場でも仕事をこなすことができる。
この確認で、私は少しだけ安定した気がした。
S字カーブ通過。
カーブ通過。
駐車位置は少しずれたが、許容範囲内だった。
コーチが言った。
「最近、進歩が目に見えるな。」
私は小声で言った。
「ありがとうございます。」
「この調子なら、仮免は問題ないだろう。」
仮免。
この言葉はまた私を緊張させた。
しかし今回は、完全に怖いわけではなかった。
少し期待もあった。
未来の仕事方向では、活動範囲を広げる必要があるかもしれない。
運転免許は本当に役に立つかもしれない。
私はすぐに人を乗せるつもりはない。
すぐに遠くまで運転するつもりもない。
しかしそれは選択肢になる。
誰かに交通を決められるのではなく、
送迎に完全に依存するのではなく、
自分で選べる選択肢。
これはよかった。
AfterToneは私のインターン終了をとても小さな祝いで祝ってくれた。
陽菜はそれをこう呼んだ。
小音インターン完了飯会。
澪はこの名前をとても支持した。
日和はホットティーと一枚の白紙を用意した。
「インターンの収穫を書いてみよう。」
私は固まった。
「今?」
「簡単に。」
陽菜が手を上げた。
「私も小音のインターン収穫を書く!」
澪が言った。
「飯。」
最後に紙はとても乱雑になった。
私は書いた。
私は、表現を怖がっている人に場所を残すのが好き。
日和が書いた。
小音は自分の方向を見つけた。
陽菜が書いた。
小音は将来、優しい音楽空間のスタッフになる!
澪が書いた。
飯も大事。
私はその紙を見つめ、長い時間笑っていた。
それから小さなアパートに持ち帰り、インターンフォルダーにはさんだ。
これも資料だ。
とても重要な資料だ。
大勢力たちも、曖昧な形でインターン完了の通報を受け取った。
東京特調室の報告にはこう書かれていた。
白川一音が普通の青少年音楽活動関連の短期インターンを完了した。異常接触は発生せず。普通の職業方向への意欲が高まった。
久我山統括官が見てから言った。
「良い。」
若い分析官が聞いた。
「これは、将来の協力頻度をさらに下げられることを意味するのか?」
眼鏡の女性が言った。
「少なくとも夏休みの残りの期間は、非緊急の現場を配置しない。」
久我山が頷いた。
「彼女はインターンを終えたばかりだ。この状態を保たせろ。」
京都の七条が報告を見て言った。
「彼女はこの道に向いている。」
老委員が笑った。
「今はとても肯定しているね。」
七条が淡々と答えた。
「弱者を資料として扱わない人は、このような仕事に向いている。」
天城美咲が「インターン完了」を見て、ようやく小さく息を吐いた。
「私たちが現れなかった。」
天城怜司が言った。
「これが最善の結果だ。」
御影秋人が聞いて、ただこう言った。
「彼女はきっと喜んでいるだろう。」
御影冬子が彼を見た。
「今回は評価しないの?」
「これは彼女自身のインターンだ。」
彼が言った。
「私はあまり評価すべきではない。」
御影冬子が珍しく頷いた。
「あなたは成長した。」
玄海鎮守聯合の宗像怜央は、備忘録にこう書いた。
彼女の普通の職業方向が形成されつつある。地方勢力は「協力」の名目でこれを壊してはならない。
白髪の宮司が見て、笑った。
「今回はよく書けている。」
夏休みの後半、私は運転の練習を続けた。
仮免試験の前日、私は小さなアパートに座って学科問題を復習していた。
インターンフォルダーは横にあった。
運転教材は机の上にあった。
ギターは壁際に立っていた。
授業資料はすでに整理済みだった。
窓の外は夏の夜。
エアコンの音が低かった。
私は忽然と、この夏休みがとても不思議だったと感じた。
私は初めてのインターンを終えた。
私はより真剣に運転免許の準備を始めた。
私は退魔任務に完全に連れ去られることはなかった。
特調室も本当に連絡頻度を抑えてくれた。
もちろん、未来にはまだ多くの危険がある。
その名前は依然として言えない。
外には依然として黒弦を知っている人がいる。
大勢力は依然として遠くから見ている。
しかしこの夏休み、私はただ影の中で行動していたわけではなかった。
私は青少年文化活動センターのバックステージに立った。
入るのが怖い人に場所を残した。
私は教習車に座り、ゆっくりとS字カーブを通過した。
私は自分の小さなアパートで、これらをフォルダーに書き込んだ。
これらはすべて私の道だった。
ソレンセンが意識の奥で言った。
「明日が仮免か?」
「うん。」
「ラインを越えるな。」
「わかっている。」
「ブレーキを敵だと思うな。」
「ブレーキは大事だ。」
「ようやくわかったか。」
私は微笑んだ。
それから問題を解き続けた。
問題はこうだった。
運転者が交差点を通過するとき、何に注意すべきか?
私は選んだ。
減速する。
左右を確認する。
歩行者と自転車に注意する。
必要なら停止する。
安全を確認してから前進する。
私は答えを見つめ、それが人生にも似ていると思った。
減速する。
確認する。
周囲に注意する。
必要なら停止する。
それから前進する。
今の私は、まさにそうしている。