【急募】なんか大変なことになったんだが?【解決策求む】 作:Ark’s
執筆してる作品あるのに新作書いちゃった。
まじで、すいません許してください! 何でもしますから!(何でもするとは言ってない)
...冗談はさておき、仕事へのストレス(電話対応8割、業務覚えること2割)と深夜テンションの影響で若干おかしなテンションで執筆しております。
???は転生する!
その日は、ひどく疲れていた。
残業続きの金曜日。
上司に投げられた修正指示を片付け、愛想笑いで同僚の愚痴に付き合い、ようやく会社を出た頃には、日付が変わる少し前になっていた。
夜道を自転車で走りながら、オレは半分眠っていたと思う。
冷えた風が頬を撫でる。
コンビニの明かり。信号機の赤。遠くで犬が吠える声。
いつもと変わらない、退屈な帰り道だった。
だからこそ、反応が遅れた。
背後から、耳障りなエンジン音がした。
――あっ。
そう思った瞬間には、もう遅かった。
視界の端で、白いライトが爆ぜる。
振り返る暇もない。
全身に衝撃が叩き込まれ、自転車ごと空へ放り上げられる。
骨が砕ける音がした気がした。息ができない。
痛い、と認識するより早く、世界が反転する。
アスファルト。暗闇。赤いもの。誰かの悲鳴。
最後に思ったのは、ずいぶんと、あっけないな――という、間抜けな感想だった。
そしてオレは、死んだ。
ーー暗転ーー
目を開けると、そこは白かった。
いや、白いという表現さえ正しいのか分からない。
天井も床も壁もない。ただ、果てのない白が広がっている。
「……は?」
自分の声が、妙に遠く聞こえた。
体を起こそうとして、ふと気付く。
痛みがない。あれほどの勢いで跳ね飛ばされたはずなのに、どこも痛まない。服も汚れていないし、血もついていない。
むしろ、現実感がないほど綺麗さっぱりしていた。
「お目覚めになりましたか」
声がした。
振り向いた先に、女がいた。
全身が赤い。
髪も、唇も、爪先も、纏うドレスも、何もかもが赤。鮮血を思わせる色彩で統一されているはずなのに、不思議と下品ではなかった。むしろぞっとするほど気品がある。
その女は、優雅に微笑んでいた。
けれど、その笑みはどこかおかしい。
人に向ける優しさというよりは、箱庭の虫を見下ろして楽しんでいるような――そんな歪みがあった。
「...えっと、その、ここどこですか?」
「さて、何と説明したものかしら。あなた方の言葉で言えば……生と死の狭間、のような場所だと思っていただければ結構です」
「生と死?」
「ええ。あなたは死にました」
あまりにもあっさりと、女は言った。
その言葉は、拍子抜けするほど自然に胸へ落ちてきた。
否定したいのに、できない。トラックのライト、衝撃、宙へ投げ出された感覚。それらが鮮明すぎて、反論の余地を残してくれない。
「……マジかよ」
「ええ、ええ。実にお気の毒なことですわ」
気の毒、という言葉の響きに、なぜか薄い嗤いが混じっていた。
オレが眉をひそめると、女は肩を竦める。
「もっとも、今回に限っては少々事情がありましてね。あなたの死には、こちら側の不手際が絡んでいるのです」
「は?」
「ほんの些細な綻び。ほんの僅かな誤差。ほんの小さな手違い――そういうものが積み重なって、あなたは本来死ぬはずのないタイミングで死んでしまった」
女は紅い扇子をどこからともなく取り出し、口元を隠した。
「ですから、特別に。救済措置を与えて差し上げます」
「救済措置?」
「転生です」
それは、どこかゲームじみた響きだった。
現実感のない白い空間。
赤い女。死。転生。
まともな思考なら、ふざけるなと怒鳴るべきなのだろう。だが、現実離れしすぎた状況の前では、人間の頭は逆に静かになるらしい。
「……転生って、ラノベとかでよくあるやつみたいな?」
「そういうものですわ」
「行き先は選べるのか?」
「完全に自由、というほどではありませんけれど」
女が指を鳴らすと、白い空間の中に一つのルーレットが浮かんだ。
ルーレットには、三つの文字が刻まれている。
アカメが斬る!
オーバーロード
Fate/GrandOrder
「この三つから選んでいただきます」
「いや、選ぶっていうか……」
「安心なさい。公平を期して、ダーツで決めますから」
「いや、公平って何だよ! 運じゃねーか!」
「運命というものは、時に理不尽だからこそ美しいのです」
やっぱりこの女、どこか性格が悪い。
そう確信したが、他にどうしようもない。
あきらめて差し出されたダーツを受け取り、ルーレットを見る。
アカメが斬る!―― 簡単に人が死ぬ、命の価値が軽い過酷な世界。
Fate/GrandOrder―― 数多の英雄たちと未来を取り戻す壮大な世界。
オーバーロード―― 勧善懲悪ではない、ただただ弱肉強食の残酷な世界。
...正直、どの世界も拒否願いたい。 てか、比較的ましなのがオーバーロードの世界なのやばすぎだろ!
いや、待て。どうせ、ダーツなんだから狙っても当たるか――
「さあ、どうぞ」
女が微笑む。
その笑みには、明らかに「足掻いてみなさい」という色があった。
オレは舌打ちしたくなる衝動を堪え、ダーツを構えた。
「……当たれよ」
投げる。
細い軌跡を描いたダーツは、ほんのわずかにぶれながら――
オーバーロード
その文字の中心へ、深々と突き刺さった。
「おめでとうございます」
ぱちぱちと、女が上品に拍手する。
「あなたの転生先は、オーバーロードの世界に決まりました」
「素直に喜べねぇ……」
「ですが、特別措置はまだ終わっておりませんわ。あなたにはさらに、転生特典を三つまで与えましょう」
「...転生特典?三つも!?」
「ええ。こちらの手違いですもの。多少の融通は利かせて差し上げます」
だったら、遠慮する理由はない。
こんな状況で欲をかくのはどうかとも思ったが、死んでまで慎ましくする義理はなかった。
「……じゃあ、まず裕福な家庭」
「ええ」
「それから、圧倒的な美貌」
「まあ」
「最後に、才能あふれる肉体」
口にした瞬間、自分でも欲望の直球すぎて少し笑えた。
だが赤い女は笑わない。ただ、目を細める。
「よろしいのですか? ずいぶんと、率直な願いですこと」
「別に、今さら取り繕う必要もないだろ」
「ふふ……そうですわね。実に人間らしい」
その声音は穏やかだった。
だが、やはりどこか嗤っているような気がする。
「承認しましょう。裕福な家庭、圧倒的な美貌、才能あふれる肉体――その三つ、確かに受理いたしました」
女が手を差し出す。
赤い指先が、オレの額に触れた。
冷たい。
氷のように冷たいのに、その奥で焼けつくような感覚が広がる。
頭の芯が灼かれ、骨の中身を何か別のものへ作り替えられていくような、不快な熱。
「っ……!」
「おや、もう始まってしまったのですね。少々刺激が強いかもしれませんが、我慢なさい」
「てめ――」
「言葉には気をつけることです。せっかく生を与えられるのですから」
女は、うっとりするほど美しい笑みを浮かべた。
「では、新しい人生へ行ってらっしゃい」
視界が赤く染まる。
白い空間が遠ざかっていく。
その最後に、女がふと、声色を低くした。
「せいぜい――ご自分の願いに、潰されませんように」
その言葉の意味を考えるより早く、世界が砕けた。
ーー暗転ーー
静寂の戻った白い空間に、赤い女だけが残る。
その気品ある仮面は、もはや必要ない。
彼女は扇子を閉じ、喉の奥でくつくつと笑った。
「...あぁ、愉しみだなぁ~おまえの行き着く末路が」
先ほどまでの穏やかな口調とは違う、粘つくような嗤い。
赤い女王。
否――混沌の邪神は、空虚へ向けて囁く。
「富は喪失を呼び、美は狂気を招き、才は欠落によってこそ完成する。ああ、本当に素晴らしい。おまえはきっと、誰より恵まれ、誰より歪む」
真紅の唇が弧を描く。
「そしてその果てに、何を壊してくれるのやら」
次の瞬間、女の姿は赤い残光だけを残して消えた。
裏設定:転生特典
・神様転生系の主人公が謎空間で神様orそれに準ずる存在に与えられる恩恵?加護?能力?など。
・基本的にチートな能力がほとんど。(即死、無限の魔力、全属性の適正などなど。)
赤い女「ずいぶんと君たちに都合のいいモノばっかりだよねぇ~。だって、特別な力には同じくらいの代償も必須だと思わない?」