バカ?と黒猫と台風と電子獣   作:亜莉守

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第二問

 

 その日のお昼休み、僕らは屋上に出て弁当を囲んでいた。さっき、つばさ君とことりちゃんに声はかけたけど、来てくれるかな?

 

「それにしても校舎が倒壊とか普通ないよ」

「だよなー」

 

 円と帝がそんな話をしていた。あれかぁ……ちょっと気になるところがあるんだよなー。こっそりと星に話しかける。

 

「(……星、後でちょっといいかな?)」

「(どうした明久?)」

「(うん、ちょっと気になるところがあって)」

 

 そこで屋上のドアが開いた。あ、ことりちゃんかなって思って見てみたら、まさかの赤い大男でした。後ろからぞろぞろとFクラスの人たちが数名、知ってる人ばかりだ。それに気が付いた井上が話しかける。

 

「あれ、坂本じゃねーか」

「げ、井上」

「屋上で昼飯の予定か?」

 

 そんな会話の間にまた屋上のドアが開いた。茶色の髪を赤いリボンでツインテールにした女の子だ。

 

「先輩!」

 

 僕たちの顔を見つけると、うれしそうに駆け寄ってきた。あれ、ことりちゃん一人かな?

 

「あ、ことりちゃん よくここがわかったね」

「はい! Eクラスの先輩方に聞いてきました」

 

 偉い偉いと頭を撫でる。これ昔からよくやってたんだよねー。井上たちが呆れたような顔してみてるけど気にしない気にしない。

 

「そっかーって腕がもげるようにいたいぃぃぃ?!」

 

 撫でていた右腕が物凄い痛みに襲われた。痛みの元の方を向いてみれば……。

 

「よーしーいーっ!!」

 

 般若のごとき顔をした島田さんがそこに居た。僕、なにかやった?! というかどうやって近づいてきたの? 気配とか全くなかったよ?

 

「ちょ、先輩に何するんですか!」

 

 慌ててことりちゃんが引き離そうとしてくれる。

 

「あんたには関係ないでしょ!」

 

 島田さんは鋭く言った。いや、普通だったら止めるよねこの場面?! というか、腕がさらに痛いだけど!?

 

「関係あるからな。島田、俺の幼馴染にお前なにやってんだよ」

「同感だよ。そんなに明久のこと嫌いなのか?」

 

 星と帝が止めに入ってくれた。一方、言われた島田さんはというと。

 

「え?! えっとそれはその……」

 

 顔を真っ赤にしていた。え、マジギレ? 

 幼馴染の間にはものすごく微妙な空気が漂っていた。しばらく固まってからみんなが調子を取り戻して口々に言い合う。

 

「……その反応は普通ねーわ」

「うん、もう少しデレろよ。ヒイロでももう少しデレるよ」

 

 ヒイロがどうかしたのかな? あと、デレって??

 

「いや、デレってなんで? 普通に嫌ってるレベルでしょ。あれ」

「俺も普通に嫌ってると思ってたんだけど、あとヒイロって誰?」

 

 いつの間にか腕が自由になってたので慌てて島田さんから離れる。その拍子に腕に痛みが走った。

 

「いたたたた」

「先輩、大丈夫ですか?」

 

 ことりちゃんが慌てて僕を支える。その場にしゃがみ込んでから、どうにか大丈夫だって説明しようとした。

 

「うぅ、久しぶりに食らったけど大丈夫だから」

「日常的に暴力受けてたんですか?!」

 

 なんか別のところに食いつかれてしまった。えっと、島田さんに関節技を日常的に掛けられそうになったのは確か。

 

「いや、去年の七月くらいまで?」

「先輩、それ普通じゃないですから。腕まくってください!」

 

 有無を言わせない口調でことりちゃんがそう言った。しょうがないので上着を脱いでカッターシャツだけになってそろっと腕を捲る。あ、痣になってるや。

「うわぁ、痛そう。シップとか張ります? 一応、ラクロス部のことがあるんで持ってきてるんですよ」

「いいの?」

 

 ことりちゃん文月でもラクロス部なんだ。って違うや、ことりちゃんの分の湿布だよね?

 

「ええ、当然じゃないですか! こんな痣ができるくらいするなんてそっちのポニーテールの先輩! どれだけ先輩が嫌いなんですか!!」

 

 ことりちゃんに食って掛かられた島田さんは困惑した。何その反応。普通に僕の事嫌いなんだって思ってたんだけど。

 

「べ、別に嫌ってなんか……」

「嘘です! 嫌ってるからこんなことできるんです!」

 

 うん、そうとしか思ってなかったんだけど。呆然としていると、井上が僕と島田さんの間に割って入ってきた。

 

「悪いが島田、フォローとか期待するな。ことりが正論言ってる」

 

 井上が呆れたように言う。

 

「うん、というより普通そんなので愛情伝わるとか相手がよっぽどMとかだから」

 

 星も頷いた。

 

「好きな奴ほど苛めたいだったとしてもないわー」

 

 円もそれに同意する。

 

「同感だ」

 

 帝も同意した。

 あれ? いや、何で好きとか愛情の話になるの?

 

「えっと、みんなして何話してるの?」

「愛情は無いですよね?」

 

 だよねーとことりちゃんに同意しておく。すると島田さんが目に涙をいっぱい貯めてこっちを見てきた。あれ? まさか、僕また何かやった?

 

「うわぁぁぁぁんんんん」

 

 そのまま屋上を飛び出して行ってしまった。あ、えっと??

 

「……自業自得だろあれは」

「うん、フォローも何もする気が起きない」

「だよな……明久の姉貴を思い出したおれはどうすればいい?」

「もう、笑うしかないんじゃない?」

 

 後ろでみんなががやがや言ってるけど何が何だかわからない僕だった。

 

「なんか、ポニーテールの人がすげー速度で走って行ったんだけど、何事?」

 

 あ、つばさ君来た。





職人の方のことりちゃんを書いてたら電波がビビビと来たので衝動的に書きました。
えー、島田さんファンの方すみません。

別に島田さん嫌いじゃないんですよ。でも、こう……行動は改めるべきかなって。多分、四巻の内容が原作におけるターニングポイントなんでしょうけど

ネタさえ来ればじわじわ更新するのがポリシーです。ただし課題中を除く。
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