前日
夏休みに入ったある日、僕の家に星の呼びかけでテイマー上級生組が集合した。ことりちゃんは家の用事とかで休みなそうだ。星がいきなりメモ帳を見せてきた、そこには8/1とかかれている。
「これなに、一分の八?」
「お、さすがに八分の一とは読まないか」
さすがに明久でも普通に読めるよなーとかちょっと失礼なことを言われた。遠子が呆れたような顔をする。
「てかどう考えても八月一日だろ、これ」
「え、そう読むの?」
普通に分数だと思ったよ。ページにそれだけしか書いてないし。
「いや、どう考えてもそう読むだろ」
「そーですかーだ」
今日も遠子の嫌味は絶好調だね。全く、昔からずっと変わらないなぁ。どうやったら大人しくなるのやら。
「で、八月一日がどうした?」
「あー、太一たちが始めてデジタルワールドに行った日なんだって」
太一くんって言うのは星の従兄弟で、世間でも騒動になったお台場にデジモンが出現した騒動で活躍した『選ばれし子ども』の一人、というよりもテイマーの呼び方がものすごく仰々しくなってることの方に疑問がいくんだけど。そこはまあいいとして、日にちがちょっと違う気が。
「へぇ……あれ? ヴァンデモンの騒動って八月三日じゃ?」
「行ったのは八月一日、帰ってきたのは八月二日、ヴァンデモンの騒動が発生したのは八月三日時系列的にはあってるだろ」
それ初耳だよ? ぶっちゃけそこは知らないし。
「あー、でも僕ら関係ないよね」
僕らテイマーだし。それに、知り合いじゃないし。
「そうでもないんだ。俺の家、何だか覚えてるか」
「えっと、キャンプ場?」
星の家は八王子の方にあるキャンプ場、そこそこ大きめで夏休みは書き入れ時なんだ。でもキャンプ場なのがどうしたんだろう?
「うん、記念にみんなで泊まりすることになった。それで悪いんだけど、パタモン預かってくれないか」
「え? 普通に一緒にいればいいでしょ?」
こっちが選ばれし子どもだって知ってるなら、向こうだってこっちがテイマーだってことも知ってるでしょ?
「俺がテイマーだってあいつらは知らないんだ」
「ええ?!」
まあ、僕らテイマーは基本的に人に知られないように頑張ってるからしょうがないだろうけど。
「頼む、明久が頼りなんだ」
「へぇ、星が明久に頼むとは珍しい」
「この通り」
星は土下座と言わんばかりに頭を下げてる。
「あわわ、別に構わないよ?」
「助かった! 本当に困っててさ」
本当に星、困ってるんだなぁ。そして、運命の八月一日が始まろうとしていた。
明日は8/1、デジモンアドベンチャーの始まりの日です。
そんなわけで勝手にお祝い話の前日です。当日は明日更新予定です。
確実に本編ネタバレになります。主にデジモン関係で