朝、目が覚めた。みてみればもう九時、普段だったら絶対に遅刻してる時間だよね。
「ふぁー」
リビングに行ってみると、パタパタと羽音がしてパタモンがとんできた。
「あ、おはようございます」
「あ、おはようパタモン」
何で星のパタモンがここに居るんだっけ? 星が泊まりにきてたっけ? あ
「そっか、星に頼まれたんだっけ」
「おはよう、結構寝ていたようだな」
シリアル用のボウルとシリアルの箱と牛乳パックを持ったヒイロが呆れてる。
「あはは、ごめんごめん夏休みだしちょっとくらいいいでしょ」
「ほどほどにな」
完全に呆れてるし、あー星といえば。
「それにしても星は今頃『選ばれし子どもたち』の面倒をみてるのかな」
「そうだと思いますよ。でもなんでぼくは置いていかれるんですかー」
確か星が最年長だったはずだし。
「うーん、パタモンはよくアークを勝手に出るからじゃないかな。星はデジモンのこと内緒にしたいみたいだし」
「そうですかー・・・・・・星のばかぁぁぁぁ」
「あはは、星元気だといいけど」
星、大丈夫だよね。
ぶっちゃけあんまり大丈夫ではなかった。森の中を星は一人、手にバッテリーを持って歩いていた。
「・・・・・・どうしてこうなった」
星は一人呟く。その呟きはまだ続いた。
「いきなり霧が出てきたと思ったら気が付いたらデジタルワールドだし、他の連中いないし」
これ、生きて帰れるかなと星がボソッと言った後、ちょっと悟ったような目をしていった。
「これだったらバレるの覚悟でパタモンと一緒に居るべきだったか」
後悔先にたたずってこれだよなー。とか言いながらまだ歩く。
「うわぁぁぁぁ」
「?!」
目の前に青に赤い炎の模様の付いたなんか目立つジャケット姿の少年が小さくて青いカンガルーのような生き物を抱えて飛び出してきた。
「あれ、お前は太一の後輩の?」
「あ、あれ?! 俺は本宮大輔っすじゃなかった! 何で居るんですか」
後輩こと大輔のツッコミが冴え渡たる。腕の中に居た生き物が叫んだ。
「ダイスケ!」
「そうだった。太一先輩の従兄弟さん、とっとと逃げますよ!!」
大輔に手を引かれてその場を走り出せば、うしろから灰色の体躯に多数の傷があるデジモンが追ってきた。
「うわ、ティラノモンか」
「え、何で知って」
大輔が問い詰めようとしたその時、
「大輔!」
少女の声がして、近くの木から腕が出てきた。そして、大輔のジャケットを掴むと大輔は引きずり込まれた。もちろん手をとられていた星も当然引きずり込まれる。
「え、わ?!」
「おっと?!」
木の中に出来た空間に二人は前のめりに倒れた。
「いててて」
「大丈夫?」
「大丈夫なの?」
その中に居た二人の少女が大輔の心配をする。一人はまるで飛行服のような服装、もう一人は白とピンクの個性的な髪にTシャツにホットパンツだ。
二人を横目に見ながら仰向けに直って上を見ながら星は呟く。
「うわぁ久々だな。この木の洞」
「何でそこまで冷静なんすか」
今回、大輔は突っ込み担当のようだ。
「ダイスケ大丈夫?」
「どうなってんだこの状況」
いきなりインターフォンがなって見に行ってみれば、そこはカオスだった。
「アキ兄ぃぃぃ」
「先輩!」
「明久兄ちゃん!!」
「明久さん!!!」
久しぶりに会いに来てくれたらしい後輩たちが玄関に詰め寄っていた。ことりちゃんが来るならともかく真一君たちは久々だなぁ。
「・・・・・・・とりあえずあがって、近所迷惑になるから」
「あ、ごめんなさい」
とりあえず中に入ってもらう。一体どうしたんだろう? 真一君は帝の弟、ヒロト君はその友だち、悠里ちゃんは真一君の幼馴染、普段は稲妻町に住んでるからこっちに来るのは珍しいんだよね。
「で? どうしたの、真一君にことりちゃんに悠里ちゃんにヒロト君までめずらしいね」
「それどころじゃないんだよ」
真一君は手に持っていたノーパソを開く。そこには地図と赤い×印がでている。
「これは?」
「星兄のキャンプ場にデジタルゲートが出現した」
真一君は真剣な表情で僕を見る。他のみんなも一緒だ。
「デジタルゲート・・・・・・まさか、霧が?」
「うん、やばいよね」
うわぁ、絶対星巻き込まれてるよ。
「はぁ、パタモンどうする? 多分星、デジタルワールドだ」
「行きます! ぼくは星のパートナーです!!」
「オレも行く、霧ということは全員がバラバラになっている可能性が高い」
ヒイロが行くって事は僕も行かないとね。
「わかった。それじゃあ、遠子にも連絡」
「来てるぞ」
いきなり横から囁かれた。
「うぇ?!」
「当然ちゃうかな? あんなでかい声出されたら嫌でも気づくわ」
遠子の肩に乗っていたテイルモンがそう言った。テイルモンも来てたんだ。テイルモンは遠子のパートナー、京都弁が特徴。
「よし、あ」
かなり重大なことに気が付いた。
「?」
「どうかしました?」
「あ」
「え、何かあった?」
「移動手段がない」
八王子の方に行くような移動手段持ってないよ。僕一人ならどうにかなるかもしれないし。
「あ」
「ああああっ」
遠子が頭痛そうにこめかみを押さえてから檄を飛ばした。
「・・・・・・しょうがない、真一ハッキングして居場所を割り出せ。そこにヒロトのデジヴァイスでゲートを開けばいい」
「よっしゃ、了解!」
「真一、急いでね」
「外履き持ってきますね」
ことりちゃんは玄関に向かった。
「ああ、頼んだ。悠里は知らないのにここに居ていいのか?」
そうだ。悠里ちゃんはデジモンを知らないのにいいの? そう遠子が言うと悠里ちゃんは笑ってなんかマイクみたいなデジヴァイスを取り出した。
「あ、それならシャウトモン」
「おうよ。呼んだか?」
そこから赤いデジモンが飛び出してくる。手に持ったマイクらしき武器が特徴的だ。
「パートナーデジモン?」
「うん、そういうわけだから大丈夫!」
「よし、特定完了!」
真一君がにやっと笑う。相変わらず仕事速いなぁ。
「うわぁ、見事にバラバラ」
「星は何処ですか!?」
パタモンがものすごい勢いで食いついた。急いでるなぁ。
「パタモン、慌てないで」
「星兄はこれだけど他の反応は知らないからごめんわかんない」
そういって真一君は一点を指さした。そこには他に三つ反応がある。
「星が分かればいいよ。よし、じゃあ目的を確認 一番は星と選ばれし子どもたちの安全確保、それから合流 いいね!」
「分かった」
「それじゃ、ヒロト君よろしく」
「はい、デジタルゲートオープン!」
僕らを光が包んだ。
木の洞の中で話を聞いた星が納得したように頷いた。
「なるほど、つまり君らは太一や光の仲間ってことか」
「はい、そういうのっす」
飛行服の少女、井ノ上京が大輔に呆れたようは表情を向ける。
「ちょっと大輔、年上に向かってそれはないでしょ」
「でもなんで星さんまで巻き込まれたのかしら」
白とピンクの髪の少女、太刀川ミミが首をかしげた。
「あー、太一の友だちの光四郎君って居るだろ」
「あ、はい」
「あの子に余ってるバッテリーないかって聞かれてそれを持っていく途中だったんだ。あ、バッテリー何処やったっけ」
星が周囲を確認する。そして、しまったというような表情をした。
「あ、置いてきたっぽい。しょうがない。取りに戻るか、ティラノモンは・・・・・・・よし、居ないな」
洞の壁から様子を伺った星が立ち上がる。
「じゃあ、お前らここでおとなしく」
「ストップ!何やってるんすか」
がしっと大輔が腰に抱きつく。
「そうですよ。パートナーも居ないのに危ないです!」
「あ・・・・・・あー、パートナーといえば君らのパートナーは?」
誤魔化すために話題を変えた星だった。
「あー・・・・・・」
「ここにいるぞ!」
「わたしも!」
「わたくしもです!!」
足元から声がする。見れば、チビモンにタネモン、ポロモンが居た。
「え、幼年期?」
「このデジタルワールドに来たときにはこうなってて」
「あれ、幼年期って何で分かるんですか?」
「あ・・・・・・えと・・・・・・」
どうにか誤魔化したい星はじりじりと前に進んでいく。
「と、とりあえず俺バッテリー取ってこないと」
そして、一瞬の隙を突いて洞から飛び出した。
「あ、ちょ」
「星さん?!」
森の中にぽつんとバッテリーがころがっていた。
「あったあった」
背後から音がした。
「?」
後ろを振り向けば、そこにはティラノモンがいた。
「・・・・・・マジか」
バッテリーを持ったまま星は走り出す。かなりのスピードだ。
「せっかく撒いたって思ったのに!」
「いわんこっちゃないっすよ」
大輔たちが何故か急に隣を併走しだした。
「ちょ、お前らなんで出てき来た」
「心配だからです!」
「でもどうするのよ! この状況」
星は思わずポケットに入れたままのアークに触れた。アークが熱い。そうだ。こいつらは俺が守らないと、星はいきなりティラノモンの方を向いた。
「・・・・・・っ、お前ら俺の後ろに下がれ」
「は?」
「なんで?」
「どういうこと?」
星は振り向かずに叫んだ。声に負けて三人は星の背後に身を潜めた。
「いいから下がれ!」
星にティラノモンの爪が迫る。
「・・・・・・」
星はにやりと笑った。すると、何処からともかく声がした。
「星に手出しはさせません! エアーショット!!」
「え、パタモン?」
「何でだ? もしかしてタケル?」
「タケル君居るの?!」
慌てて仲間の姿を探すがそこには誰も居ない。
「パタモン!」
「はい!」
―――カードスラッシュ
「パタモン、アーマー進化ぁぁぁ」
パタモンの姿が光を帯びて変わっていく。
「うそ、進化した?」
「しかもアーマー進化?!」
光が収まればそこには金色のペガサスが居た。星はその生き物に叫ぶ。
「ペガスモン!」
「分かってます! シューティングスターっ!!」
ティラノモンはすぐに倒された。
「ふぅ、お疲れさん」
「星、無事でよかったです!」
ペガスモンはそのまま鼻面を星の方へ寄せた。星はうれしそうに笑う。
「ども、心配かけたな。ペガスモン」
「・・・・・・え」
「あ」
こいつらの事すっかり忘れてたと星が呟く。
「ええええええ?!」
えー、文字数とんでもないものになったのと。どう考えても8/1に間に合わないのでこの状況です。