バカ?と黒猫と台風と電子獣   作:亜莉守

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第一部:試召戦争?編


第一問

 

 一年生の頃はそこまで通ったことのない廊下を僕らは歩く。

 

「はぁ、遅刻は免れたね」

「ああ、それにしてもAクラス見に行くか?」

「あー……行くのはいいけど、勘違いされるよ?」

 

 井上は外見の通り頭が良い、普通にテストを受けていれば学年の首席になるのではと噂されるくらいだ。なんで僕、こいつに勉強で勝負を挑んだんだろう。ちらっと井上を見れば何かを考えているようで、表情が見えない。それから何かを決めたように前を向いた。

 

「……行くの止めた」

「はいはい」

 

 そんなわけで、別段他のクラスを覗くこともしないで僕らはEクラスへとやってきた。見た感じ、去年まで使ってた教室の扉とはそこまで差はない。特に注意することもなさそうなので、ガラガラと扉を開けた。

 開く扉に注目していたらしいクラスの人が、僕の顔を見て驚いた表情をした。何事?

 

「?」

「おれらはここのクラスだから」

 

 すっといって井上が席に着く。あれ?席は?

 井上の方を見ると僕の後ろを親指で指した、見てみると座席表がある。ああ、なるほどこれを見てに着いたのか。僕の席は後ろの方で窓際、眠くなるんだけどなぁ。授業真面目に聞いていられるか不安になってきた。席に着くと茶色の髪にヘアバンドをつけた女の子が話しかけてきた。

 

「えっと……よ、吉井君よね」

「そうだよ。あ、もしかしてだけど僕はFクラスにいて当然とか思ってるでしょ」

 

 女の子が確認するように聞いてくる。まあ、観察処分者について流布されてる噂を考えれば当然かな?

 

「あ……そ、そうよ」

「悪いんだけどね。別に僕そこまで成績が悪いわけじゃないから」

「そ、そうなの?!」

「うん、別に観察処分者はバカの称号じゃないしね」

 

 そんな会話をしているところに赤い短い髪の色白な緑目の若い先生が入ってきた。服装はラフな感じ、あーそういえば吉良先生、美術教師だもんなぁ。

 

 

「はーい、席に着いてね。これからHRを始めるよ」

 

 吉良先生の一言で全員が席に着いた。吉良先生は去年配属された新任教員で、イケメンだから女子の人気も高い、ついでに言うなら的確なアドバイスが定評で男子にも人気、つまりは男性女性問わず人気のある人なのだ。

 

「とりあえず設備に文句はないね」

「「「はーい」」」

 

 普通に教室にありそうなものは一通り揃ってるし文句はないよね。むしろこれでEクラスってことは、他のクラスどうなってるんだろ? 特にFクラスとか気になるなぁ。

 

「じゃあ、自己紹介よろしくね。一番からよろしく」

「はい!」

 

 一番の男の子が元気よく返事をした。元気だなぁ……。次々と自己紹介を済んでいく。あ、井上は代表だから抜きになってる。

 そんな感じで自己紹介していると二人の人物が飛び込んできた。茶色の髪を黄緑色のバンダナでとめた女子と髪の毛に二本のアホ毛があるのと眼鏡が特徴の男子が勢いよく教卓にぶつかる。ぶつかった教卓が勢いよく倒れた。

 

「「遅刻しましたぁぁぁっ!!」」

 

 遅刻だよね。チャイム鳴ったし先生居るし。吉良先生は二人に笑いかけた。

 

「はい、遅刻だね。ちょうどいいしそのまま自己紹介GO!」

「え?あ、オレは円堂(えんどう)(まどか)!サッカー部に入りたい奴は大歓迎だ!よろしく」

「俺は半田(はんだ)(みかど)、同じくサッカー部、興味のある奴は来てくれ」

 

 あの二人もこのクラスかー。これは確実に波乱決定だよね。

 二人ともサッカー馬鹿で、かなり部活優先だけど、Dくらいいくかなと思ってたのにまさか同じクラスになるとは。とりあえず、去年一年が走馬灯の如く蘇った。

どうしよう……校舎とか壊れないといいなぁ。

 本当に大丈夫かな。人生で一番そう思ってしまった僕だった。

 

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