ハイスクールD×D 黒き龍帝 (凍結) 作:BLOODRAIN
零
「鈴!!」
一誠
「小猫ちゃん!!」
俺たちは2人の元に駆け寄り俺は鈴を、一誠は小猫ちゃんを抱き起す
鈴の服は上半分がなくなっていた
鈴
「ごめんね・・・・零・・あんまり役に立てなかった」
鈴は苦しそうに笑って答えた
零
「何言ってんだよ、お前は十分やってくれたよ」
鈴
「そう?・・・よかった、役に立てて」
鈴は笑顔を浮かべたまま
俺の腕の中で光となって消えた
グレイフィア
「リアス様の『戦車』1名、『兵士』1名、リタイヤ」
ユーベルーナ
「撃破(テイク)」
上から声が聞こえたので空を見上げるとライザーの女王、ユーベルーナがいた
一誠
「くっそ、ライザーの女王か!」
ユーベルーナ
「あら、残念。いまの攻撃で戦車とそっちの銀髪の坊やを一度に仕留めようと思っていたのに」
零
「俺を?」
ユーベルーナ
「ええ、ライザー様は。あなたを危険視されててね、真っ先に潰すように言われているのよ」
なるほど、自惚れではないが部長や朱乃さんを除けば他のメンバーで一番強いのはおそらく俺だ、だからライザーは俺を
一誠
「よくも小猫ちゃんと鈴を、降りてきやがれ、俺が相手だ!」
一誠は2人がやられたことで頭に血が上ってる、正直言って今の一誠の実力ではユーベルーナには勝てない
零
「一誠、落ち着け」
一誠
「零、これが落ち着いてられるかよ!」
零
「気持ちは分かる、だがなこういう時に冷静にならないと相手の思うつぼだ」
ユーベルーナ
「あきらめなさい坊や、いくら足掻いても私達には勝てないのよ」
ユーベルーナは俺たちを挑発しているのか杖をこちらに向けてくる
朱乃
「あらあら」
一誠
「朱乃さん」
朱乃さんがユーベルーナの前に立ちふさがった
朱乃
「一誠くん、零くん、ここは私に任せて先をお急ぎなさい。うふっ、心配には及びませんわ。
私が全身全霊で小猫ちゃんの仇を討ちますもの」
朱乃さんの体から金色のオーラが発せられる
零
「一誠、ここは朱乃さんに任せよう」
一誠は少し不満なようだが
一誠
「分かった、お願いします朱乃さん!」
納得したようでグラウンドの方に走り出した
俺もそれに付いて行こうとしたが
ユーベルーナ
「あなたは行かせないわよ」
ユーベルーナは俺に攻撃しようとてきたが
朱乃
「させませんわ!」
朱乃さんは雷を放って攻撃を阻止してくれた
俺は朱乃さんの方を振り向き
零
「ありがとうございます、朱乃さん」
このまま一誠の方に行けばまた狙われる
そう考えた俺は、一誠とは違う方向に走った
side out
side 一誠
俺はライザーの女王を朱乃さんに任せてグラウンドに向かっていた
グレイフィア
「ライザー様の『兵士』3名、リタイヤ」
一誠
「3人?!って、うわ!」
いきなり誰かに腕を引っ張られ、そこには
木場
「やあ」
爽やかな笑顔を浮かべた木場がいた
一誠
「おまえかよ。あっ、いまの3人って」
木場
「朱乃さんの結界のおかげで、だいぶ楽できたよ。それより零君は?一緒じゃなかったのかい?」
一誠
「ああ、ライザーの女王のせいで離されちまった」
その後、俺と木場は体育倉庫の物陰に隠れた
一誠
「すまん、木場。小猫ちゃんと鈴は・・・」
木場
「アナウンスを聞いていたから僕も知っているよ。
小猫ちゃんは無念だったろうね。いつも何を考えているか分からない子だけど、今回は張り切っていたよ。森にトラップを作る時も一生懸命にしていたから・・・」
一誠
「だったら、このゲーム絶対に勝たないとな。」
木場
「勿論だよ、イッセーくん」
お互いに拳を当てあう。
行動する前に相手の様子を窺う木場、これからの行動を把握するためだ。
しかし、静かすぎる・・・
木場
「おかしい・・・。敵の駒がいる感じがしない。体育館が使い物にならない以上、配置は変える筈なのに・・・」
一誠
「そうだよな。かえって不気味だし、零が無事かも解ら・・・」
そうだ、零だ。
おそらくライザー達が一番警戒して真っ先に叩くとすれば・・・零かもしれない。
あいつは素のままでも強い、さらに神器も持ってる
だとすれば・・・
一誠
「やばいぞ木場!奴らの狙いは零かもしれない!」
木場
「なんだって!?」
一誠
「俺たちの中で一番強いとすれば零だ!!だったら、真っ先に潰しにかかるかもしれない!」
木場
「確かに、零くんを最優先に潰しにかかるかもしれないね・・・。」
一誠
「のんびりしてる場合じゃねえ!急ぐぞ木場!」
木場
「待ってよイッセーくん、闇雲に探すのは危険すぎる。通信機を使って何処にいるのか聞かないと」
通信機を使うが、雑音しか聞こえてこない。
木場
「・・・通信ができない。魔力で妨害されているのか?」
一誠
「だったら、虱潰しに探すしかないのか・・・。」
木場
「危険だけど、そうするしかない様だね・・・。」
side out
side 零
さっきの戦闘で一誠とはぐれてしまい、合流する為に散策していたのだが
零
「おいおい、待ち伏せにしてはやり過ぎじゃねえか?」
いま俺はライザーの下僕悪魔達に囲まれていた。
『騎士』2人、『戦車』1人、『僧侶』2人、『兵士』2人、ユーベルーナを除いた残りの駒が全員揃っている
零
「まあ、いいか。
それと1つ言っておきたいことがある、さっきはよくも小猫ちゃんと鈴をやってくれたな。
しかも不意打ちとは」
レイヴェル
「不意打ちとは聞き捨てなりませんわね。『兵士』を犠牲(サクリファイス)にして、勝利させたところで狩る。立派な戦略ですわ。
獲物は何かをやり遂げた後が一番油断しやすく、狩りやすいですからね。
本当はあなたも一緒に倒すつもりでしたが『戦車』だけでも倒させてもらいましたわ、『キャスリング』がありますので。」
キャスリング、それはチェスのルークが持つ能力で自分のキングと場所を入れ替えることができる、だから小猫ちゃんを先に潰したのか
零
「そして、今度は俺を潰しに来たという訳か」
レイヴェル
「ええ、ミラの一撃を止めてしまう貴方を脅威と感じたお兄様は貴方だけは確実に倒すと仰っていましたもの」
そんな偉そうなことを言っている割には真っ先に後ろに下がった金髪縦ロール
零
「なんだ、偉そうなこと言っている割には自分は高みの見物か・・・。余裕のつもりか?それともただの腰抜けか?」
レイヴェル
「し、失礼な!兵士のあなたごときに私がわざわざ出る必要が無いからですわ!」
そう言って顔を赤くしながら怒鳴る
???
「気にしないでくれ、リアス・グレモリーの兵士。あの子は特殊だから、今回の戦いも殆ど観戦しているだけだ。
彼女は、あの方はレイヴェル・フェニックス。ライザー様の実の妹君だ」
仮面を半分つけた女性が話してくる
それを聞いた俺は顔を引きつらせて苦笑いをした
どうやら本人曰く『ほら、妹萌えって言うの?憧れたり、羨ましがる奴多いじゃん。まあ俺は妹萌えじゃないから、形として眷属悪魔ってことで』だそうだ
あの焼き鳥野郎。
女好きだけじゃなくシスコンとは、どこまで腐ってやがる一回扱いたほうがいいな
そう思っているうちに、ライザーの下僕の1人が前に出る。剣を持っているようだからおそらく『騎士』だろう
カーラマイン
「私はライザー様に仕える“騎士”カーラマインだ。リアス・グレモリーの“兵士”よ、いざ正々堂々と手合わせ願おう!」
そう叫んで剣を構える
零
「名乗られたからには返すのが礼儀。俺はリアス・グレモリーに仕える兵士の1人、四星零だ」
俺も構えるが相手は剣を使う、それにこの人数だ
あんまり使いたくは無かったが、秘密兵器を使うことにしよう
カーラマイン
「どうした、来ないのか?」
零
「・・・まあ、少し待て」
俺は懐から黒い巻物を取り出すと広げる、巻物には真ん中に大きく丸が開いている魔方陣が7つ描いてあり、その内の6つの魔方陣の丸は黒く塗り潰されているが、残りの1つには『長』と書かれている。
俺は“長”と書かれている魔方陣に手をかざし、魔力を流し込む。
すると巻物の魔方陣が赤く光り出し光の粒子が溢れてくる、それは形を形成していき
縫い針をそのまま大きくしたような刀に長い糸が付いた剣に変わった
俺はその剣を右手に取り、糸を束にして左手で持ち、構える
カーラマイン
「ほお・・・まさか、お前も剣術を使えたとはな。これは嬉しい誤算だ!」
それを見たカーラマインは驚くと共に、歓喜していた
零
「この刀の名は長刀縫い針、いざ尋常に勝負だ。来い、カーラマイン!」
カーラマイン
「行くぞ、四星零!」
カーラマインは刀身に炎を纏わせて横薙ぎの構えで突進してくる
俺は縫い針で受け流し、縫い針で刀身の横を突いて剣を真っ二つに折る
カーラマイン
「まだまだ!!我ら誇り高きフェニックス眷属は炎と風と命を司る!」
カーラマインは2本目の剣を取り出しそれにも炎を纏わせ、連続で切りかかってくるが俺は同様に受け流す
零
「そっちもなかなかやるね。じゃあ今度はこっちの番だ!!」
俺は距離を取ると縫い針を逆手に持ち、カーラマインに向かって投げた
カーラマインは剣で防ごうとするが縫い針は突如軌道を変え、地面に潜るとカーラマインの後方から飛び出してきた
俺はカーラマインの背後に素早く回り込むと飛び出してきた縫い針を掴み、引っ張る。するとカーラマインは何かに引っ張られるように地面に貼り付けにされた
カーラマイン
「な、なんだこれは。いつの間に!」
カーラマインは自分の体を見て原因に気づいた
よく見るとカーラマインの体のいたるところに糸が巻きつけられており、それは縫い針に繋がっている
カーラマインは抜け出そうとするが拘束がキツく全く動けない
零
「こいつはあらゆる物を突き刺し、縫い合わせる。君の攻撃を受け流している時に糸を体に巻きつけさせてもらったよ」
縫い針の説明を終えると俺はカーラマインに近づき、縫い針を逆手に持つ
カーラマイン
「さぁ、止めをさせ!“騎士”として全力を尽くした。それで敗れるなら本望だ・・・」
その言葉を聞いて、俺は縫い針をカーラマインめがけて振り下ろした
ザシュ!
カーラマインは目を瞑ったがいつまでたっても刺された痛みを感じない
それもそのはず、縫い針はカーラマインの顔の横の地面に突き刺さっていた
俺は地面に刺さった縫い針を抜くと拘束を解き、カーラマインを抱き抱えて安全な場所に移した
カーラマイン
「何故、こんな事を・・・?」
零
「君を安全な場所へと避難させただけだ。不服か?」
カーラマイン
「・・・いや、紳士的だな」
フッと笑い、さきほどの場所に戻る。
???
「カーラマインを退けるとは・・・。
やはり君はリアス・グレモリー眷属の中で一番危険かもしれない。ミラを圧倒した体術といい、さっきの剣術といい、恐ろしい存在だよ」
零
「・・・今度は君が相手か?」
イザベラ
「ああ、私はイザベラ。ライザー様にお仕えする“戦車”だ」
零
「なるほど、じゃあ次は拳で戦ってやる」
俺は拳を構え
零
「・・・来な」
指をクイクイッと挑発する
イザベラ
「久々に全力を出せる相手だな。全力で行かせてもらおう!」
イザベラがビュンッと駆け出し、俺に拳を放つがこれをギリギリでかわす
さらにスピードを上げて、人体の急所を狙ってくる拳を、回避していく
零
「スピード、パワーは申し分無いけど・・・“型”通りでは当たらないよ」
イザベラ
「くっ!!ならば、これならどうだ!!」
イザベラは右で蹴りを放つが、俺は避けることなく、左腕でガードする
零
「蹴りはトドメで使った方がいいよ。でないと・・・大きな隙ができる」
イザベラの蹴りを振り払うとしゃがんでから右足でイザベラの顎を蹴り上げ、上に飛ぶと背後につき、がっちりとイザベラのお腹に手を回して固め、そのまま逆さになり高速で回転しながら落下した
零
「表蓮華!!」
落下した時の土煙が晴れると、ボロボロのイザベラが倒れていた
イザベラ
「ぐ・・・バ、バカな・・・。」
身を起こそうにも、今の一撃が効いて、起き上がることができない。
残ったライザーの眷属たちも目の前の男にただ、驚くばかりだ
レイヴェル
「な、なんて強さですの・・・」
残るは黒髪をポニーテールにした”騎士”、セーラー服を着て猫耳を生やした”兵士”、着物を着た黒髪の”僧侶”の4人だ
零
「もう面倒だ、まとめて来い」
レイヴェル
「シーリス!ニィ!リィ!3人がかりで攻めなさい!美南風(みはえ)は遠距離から攻撃しなさい!」
シーリス
「御意!」
ニィ・リィ
「「にゃにゃ!!」」
美南風
「分かりました」
零
「最初から全員で来れば勝てたかもしれないのに。もっとも・・・勝たせてはあげないけどね」
再び構えを取る
零
「さあ・・・どこからでもかかってこい!」
シーリス
「その余裕、後悔させてやる!!」
シーリスは大剣を振り回して零に襲い掛かるが、力任せに剣を振っているためか太刀筋が丸分かりであるため零は簡単に避けている
零
「単調すぎて全然鋭さが無い。これなら・・・カーラマインの方がまだ腕があるよ」
シーリス
「何を!!」
剣で突きを放つがヒョイと避け、シーリスの背後に回り背中を蹴り飛ばす
ニィ
「私たちがいることを・・・」
リィ
「忘れないでよ!!」
左右からニィとリィが攻撃してくるがこれも避ける
そこにシーリスが近づき剣を振り下ろしてくる
“勝った”と確信したシーリスだが、予想もしないことが起きた
パンッ
俺は両手を祈るようにして組む
すると
突然地面から縫い針が飛び出してきたのだ
シーリス
「なに!?」
いきなりのことに反応できず縫い針はシーリスの腹部をかすめた
シーリス
「うぐっ!」
ひるんだところでシーリスの胸倉をつかんでニィとリィの方に投げ飛ばし
縫い針を掴み、糸を引くと
バチッ、バチッ、シュルルル!
地面から糸が出てきて3人をがんじがらめにした
さらに糸に魔力の電撃を流し、3人を気絶させた
そして糸を回収する
何故こんな事が起こったのかと言うと
実は、俺はイザベラと対峙する前に縫い針を地面に潜り込ませ、相手を捕える罠を張っていたのだ
そこでさらに三人を挑発した、仲間が2人もあっさりとやられたためシーリス達は焦りが出始め冷静な判断ができなくなってしまっていたため簡単に俺の挑発に乗ってしまい現在に至る訳だ
零
「残るは後、2人・・・」
視線の先には美南風が両手を上に翳し、何十、何百、何千の矢が漂っている光景だった
美南風
「喰らいなさい!!」
その言葉と共に、無数の矢が一斉に俺に襲い掛かってくる
だが、俺はひとつもあわてない
襲い掛かってくる矢を柔らかな体捌きでいとも簡単にかわした
美南風
「う、噓!?」
美南風が驚愕している隙に一瞬で背後に回り込むと首に手刀を入れて気絶させた
レイヴェル
「ぜ、全滅!?こんなことが・・・・」
たった一人に全滅させられたことにレイヴェルは驚きの色を隠せないでいる
シーリス
「ま、まだだ!!まだ私は戦える!!」
シーリスがよろめきながら、大剣を構える。
俺はシーリスの方を向き、警告する
零
「・・・やめた方がいいぞ」
警告を無視して突っ込んでくるシーリス。
だが、俺はシーリスの懐に入り、縫い針を突き立てた
寸前で止めてはいたが縫い針の先端は確実に急所を捉えていた
零
「・・・これが、本当の戦いだったら君は死ぬことになるぞ」
負けた。実力だけでなく心まで完全に
両膝をついてうなだれ悔し涙が出そうになるシーリス
零
「だが・・・その諦めない精神と心は評価するよ」
そこへちょうど俺を探し回っていたのだろう。一誠と木場がやって来る
一誠
「ライザーの下僕悪魔達が全員倒されてる!!お前1人でやったのか!?」
零
「ああ、お前らを探してた所、出くわしてな。」
木場
「さすがは零くん、僕らの出番が無くなっちゃったね。それと、それが秘密兵器だね」
一誠
「とにかく!これでこっちが有利になった!」
喜ぶ一誠。だが・・・
グレイフィア
『リアス・グレモリーさまの『女王』1名、リタイヤ』
最強の駒、『女王』である朱乃さんがやられたというアナウンスが流れた。
更に・・・
零
「・・・!一誠、木場!散れ!」
俺がその場から離れ、続くように飛びのく2人・・・だが
ドッカァァァァアアアアンッ!!
次の瞬間、地面が大爆発を起こした
グレイフィア
『リアス・グレモリーさまの『騎士』1名、リタイヤ』
飛びのくのが一瞬遅れ、木場が爆発の巻き添えになってしまう
一誠
「「木場ッ!」」
嘲笑うかのようにライザーの“女王”は冷笑を浮かべていた
ユーベルーナ
「騎士、撃破」
一誠
「朱乃さんと木場をやったのもお前か!降りて来い!
俺が相手だ、みんなの仇を取ってやる!降りてきやがれぇぇぇぇっ!」
一誠がユーベルーナに拳を向けて挑発するが、相手は嘲笑するだけだった
更に悪いことにアーシアから連絡が入り、部長と共に敵陣営である新校舎の屋上に侵入し、ライザーといっきうちをしていると報告を受ける
今すぐに、部長の加勢に行きたいのだが、ユーベルーナが見逃してくれる訳がない
零
「一誠、お前は部長たちの所へ行け」
一誠
「俺だってあいつを許せねえんだ!ここは2人で―――」
零
「ここで足止めを食らえば、部長たちがやられる。
ここは俺が引き受けるから、お前は部長たちの所へ行け!!」
一誠は納得できないような顔をしていたが、納得してくれたのか
一誠
「・・・解った。気を付けろよ!!零!!」
一誠は部長とアーシアがいる新校舎へと駆け出す。
ユーベルーナが行かせまいと一誠を攻撃しようとする、俺は縫い針を投げるが回避された。
更にいきなり足元に魔方陣が浮かび爆発した、俺はその前に後方に跳躍して避ける。
零
「なるほど、魔力で爆発を起こすのか・・・」
ユーベルーナ
「その通り、私は気にいらんが爆弾王妃(ボム・クイーン)と呼ばれている」
零
「爆弾王妃か。それは恐ろしい異名だね」
俺は右手を上に翳す。すると右腕に黒い気が纏わりつく
零
「じゃあ、こっちも少し本気を出すとしよう」
右腕の黒い気が神器の形を形成し、名を告げた
零
「―――暗黒龍帝の籠手(ブラックブーステッド・ギア)」
右腕に黒い龍の籠手が現れ、紅い宝玉が光り輝く
ユーベルーナ
「それがお前の神器の名前か?」
零
「ああ、見た目も能力も一誠の赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)に似ているからね」
そう言い放ち、黒い籠手もとい暗黒龍帝の籠手(ブラックブーステッド・ギア)をユーベルーナに向ける
零
「あんたに恨みは無いけど、部長をライザーと結婚させたくはないからさ、ライザーの首は取らせてもらう」
ユーベルーナ
「できるものならな!!」
ユーベルーナは爆発魔法を連発するが、俺は軽快な動きで避ける
ユーベルーナ
「くっ・・・当たらないだと!!」
零
「それだけか?じゃあ今度はこっちの番だ」
『Boost!』
力を倍加させ、縫い針をユーベルーナに投げつける
ユーベルーナは避けるが縫い針は円を描くように軌道を変え、体に糸を巻きつけると俺の手元に戻ってきた
ユーベルーナ
「何!?」
零
「捕まえたぞ」
俺は糸を掴むと、籠手で強化した電撃を流す。
さっきよりも強力になった電撃を食らい、地面へ落ちて倒れるユーベルーナ。
俺は糸を手繰り寄せ、ゆっくりとユーベルーナに近づく
ユーベルーナ
「くっ・・うぅ・・・」
零
「・・・エクスプロージョン」
『Explosion!』
籠手に貯めた力を一気に解放し、黒と紅が混ざった炎を右手に貯める
これが修行の成果だ・・・・
零
「―――ダークネス・フレア」
技名を言うと右手から赤黒い火炎が放たれた
ユーベルーナ
「こんなもの!!」
爆発魔法を火炎に向けて撃つが、炎の勢いは衰えず
火炎は直撃し、ユーベルーナを飲み込んだ
ユーベルーナ
「きゃああああああっ!!」
グラリッと倒れると同時に、炎は消え服も所々、焼け焦げていた。
一誠の後を追おうとした時、レイヴェルがユーベルーナに何かを飲ませた
すると、体の傷は完全に消え、立ち上がった
レイヴェル
「まさかユーベルーナをここまで追い込むとは予想外でしたわ。ですが、結局あなた方の負けになりますわ」
零
「キズが完全に癒えてる、いったい何を使ったんだ?」
レイヴェル
「フェニックスの涙。使用すれば、如何なる傷でもたちどころに治してしまう優れものですわ」
零
「なるほど、朱乃さんを倒したときもそのフェニックスの涙を使ったんだな?」
レイヴェル
「卑怯と仰らないで下さるかしら?そちらだって、聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)を持つ“僧侶”がいらっしゃるでしょ?レーティングゲームのルールにも記載されてますわ。
『フェニックスの涙は2つまでしか所持できない』っと。
あまりにも強力なので規制されてしまいましたが、かなりの高値で取引されていますのでフェニックス家の財政はとても潤っていますわ。
そして今、あなた方が相手をしているのは・・・『不死鳥』。
どんなに絶対の力を持っていても不死身が相手ではどうしようもありませんわ」
零
「確かに・・・それは厄介だな」
レイヴェル
「ご理解が早くて助かりますわ。だから、もう諦めて「けど、それってさ・・・」・・・?」
レイヴェルが喋り終わる前に俺は言葉を遮り、レイヴェルの方を見た
零
「もっと、痛めつけてもいいって言う意味だよな?再起不能になるまで?」
不気味な笑みを浮かべる。それと同時に俺の体を黒い魔力が包み込んだ
レイヴェル
「な、何ですのこの魔力の量は!?下級悪魔のレベルではありませんわ!」
ユーベルーナ
「レイヴェル様!下がってください!我が全魔力を持って、あの者を打ち砕きます!」
ユーベルーナが全力の爆発魔法を放つ。
渦巻く爆炎が俺に迫るが、俺は余裕の笑みを浮かべている
籠手を爆炎に向ける。
零
「暗黒龍帝の抹殺(ブラックブーステッド・ギア・イレイジャー)!!」
『Destruction!』
籠手から黒い光が放たれ、爆炎の渦が掻き消された
ユーベルーナ
「何!?私の攻撃を!」
零
「これが修行中に使えるようになった新しい力、『暗黒龍帝の抹殺』だ。これは倍加させた力の分だけ相手の力を減らす・・・いや、破壊する!」
ユーベルーナ
「くっ―――」
零
「ほらほら、ぼさっとしてる暇はないぜ!!」
『Boost!』
再び力を倍加させ、右手から黒い魔力弾を連射する。
さらに、左手には紅い魔力が集まっており、それを空に撃ち上げると無数に分かれ、まるで流星のようにユーベルーナに降り注ぐ。
紅い光線と黒の魔力弾が休むことなく放たれ続ける、まさに弾幕の嵐だ。
ユーベルーナは弾幕の嵐をなんとか掻い潜り、攻撃に移ろうとしたが・・・
俺は両手を上に翳し、頭上に赤い雷と黒い炎が混ざった直径3メートルほどの球体を創り出す
零
「・・・ライトニング・インフェルノ」
作り出した球体をユーベルーナに投げつけると黒炎と赤雷はユーベルーナを飲み込み、爆発音と共に巨大な雷と炎の柱が上がった。
柱が無くなると服はボロボロに焼け焦げ、脚や、胸など所々見えていた。
ユーベルーナ
「申し訳ありません・・・ライザー、様・・・」
そう言うとユーベルーナは力尽き地面に落ちると、消滅した
グレイフィア
『ライザー・フェニックス様の“女王”リタイヤ』
side out
sideレイヴェル
レイヴェル
「ユ、ユーベルーナが・・・負けるなんて・・・。
危険すぎますわっ!早く、お兄様の所へ行かなければ『ザシュッ』っ!!」
お兄様の元へ行こうとすると私の足元に針のような剣が飛んできて、刺さった
零
「何処へ行くつもりだ・・・?」
いつの間にか目の前に不気味な笑みを浮かべた鬼が立ちはだかっていた。
あまりの恐怖に動けず、私は成す術もなく捕まってしまった
レイヴェル
「わ、私をどうする気なの!?」
私は怯えながら彼の返答を待つ。その問いに彼は
零
「このまま、君を肉体的にも精神的にもボロボロにしてあげようか?死んだ方がマシだと思えるぐらいに」
凍り付きそうな目をしながら残酷な笑みを浮かべた
ユーベルーナを残酷なまでに痛めつけた人だ、本当にやりかねない。
私は恐怖を感じ、膝がガクガクと震える。
スッと手が伸びて、目をギュッと堅く閉じ痛みに備える。
しかし、目を開けると頭を撫でられているだけだった。
零
「なーんてね、そんなことする訳ないだろ」
さっきまでの残酷な笑みとは違い、優しい笑みを浮かべながら頭を撫でる。
痛めつけられないと言う事が解ると安心したので、私はペタリッと地面に座る、少し涙目になっていた
零
「あれ?もしかして泣いちゃった?」
レイヴェル
「な、な、泣いてませんわよ!!」
目元を赤くしながら私はそっぽを向く
零
「さーて、ライザーの所に行きますかね。じゃあな、ライザーの妹」
彼は針のような剣を巻物にしまい新校舎に向かおうとする
レイヴェル
「お待ちください!!」
私は彼を呼び止めた
零
「なんだ?」
レイヴェル
「・・・止めを刺さないの?」
零
「無抵抗な相手には絶対に手を上げないって決めてるからね。それに、今倒すのは君じゃなくてライザーだからね」
後ろ向きに手を振り彼は相手の兵士とお兄様が戦っている新校舎へ走る
レイヴェル
「・・・規格外な人ですけど、素敵な人かもしれませんわね・・・。・・・零さん、か」
彼の後姿を見ながら私は呟いた