ハイスクールD×D 黒き龍帝 (凍結) 作:BLOODRAIN
しばらく走ると新校舎の屋根の上に複数の人影が見えた
―炎の翼を広げ余裕の笑みを浮かべているライザー
―体中が血だらけとなり、ボロボロの一誠
―傷ついた一誠を涙を流しながら抱きしめる部長
―結界に閉じ込められ、涙を流しているアーシア
リアス
「一誠・・・あなた、こんなになってまで・・・」
ライザー
「さぁ、どうするんだ?もう、戦える駒はいないんだぜ?」
零
「いいや、まだ俺がいる」
ライザーと部長たちが俺の方を向く
ライザー
「ミラの一撃を止めたもう一人の“兵士”か。俺の下僕達を倒すとはな。だが、俺は不死鳥フェニックスだ。肉体は何度でも再生できる。そんな俺をたかが下級悪魔のお前が倒すのは絶対に不可能だ」
ライザーは俺が自分を倒すのは無理だと言っているが・・・・
零
「確かにあんたは不死身な体だ。俺があんたを倒すのは無理かもしれない」
ライザー
「そうだ、よく分かってるじゃないか。お前g『だがな!』・・あぁ?」
零
「この世に絶対なんてことは1つも存在しない。あんたを殺すことはできなくても。精神、つまり心が先に折れればお前を倒すことはできる!」
ライザー
「ふっ・・・言うじゃねえか。ならお前をそこのガキと同じようしてやるよ!!」
ライザーは一誠を指さしながら言い放ち、背中に不死鳥の炎の翼が出現する、その瞬間に周囲の温度が一気に上昇するのが肌で感じ取れる
零
「上等だ・・・・やってみろよ」
『Boost!』
力の倍化が始まり、体中から赤黒い魔力が溢れてくる
ライザー
「そうやって余裕な顔をしていられるのも今のうちだぞ!!」
ライザーは手から炎を俺に放ってくるが
零
「フレイム・ブラスト!!」
俺は右手に赤と黒の炎を集めてライザーの炎に叩き付け、相殺した
ライザー
「なにっ!?」
ライザーが戸惑っている隙を見逃さずに両手を手刀にすると、右手に赤い雷、左手に黒い雷を集めてそれを剣の形に変化させて二刀流にすると
零
「クロスサンダー・クラック!!」
同時に振り下ろし斜めに切ると剣に変化させた雷は赤と黒の十字の斬撃となり、ライザーに飛んで行く
ライザー
「ぐわぁぁぁぁぁああああああ―――――!!」
ラ俺が放った十字の雷の斬撃はライザーに命中し、赤と黒の雷がライザーを包み込んだ
だが――――――
ライザー
「調子に乗るなぁぁああああああ!!」
ライザーは背中の炎の翼と腕で雷を振り払った
チッ、さっきのユーベルーナを倒すには十分だったが。こいつを相手にするにはまだ威力が不十分か
俺は心の中で舌打ちをした
ライザー
「今度は俺の番だ、この炎で消し飛べぇぇぇぇぇええええ!!」
ライザーは右手に炎を集中させて俺に放った、威力も先程とは桁違いだ
神器を使えば威力を弱めて相殺もできたがここまでの戦闘でかなりの魔力を消費してしまったため、これからのことも考えると今はまだ使う訳にはいかずこの攻撃はその場で飛び退いて回避した
放たれた炎は校舎に激突し、炎が当たった部分は跡形もなく燃え尽きていた
零
「うっひゃ~、あんなもん喰らったら火傷じゃ済まねえぞ」
ライザー
「クッ、ちょろちょろとめんどくせえ奴だ。いいかげんに燃え尽きろ―――!!!」
ライザーは再び炎を放った。しかもさっきよりも格段に威力が増している上に数が多い
零
「そろそろいいころだろう。さあ今度はこっちの番だ」
『Explosion!』
俺はここまで高め続けた魔力を一気に解放すると。右手に紅、左手に黒の炎を纏わせると両手を近づけて二色の炎を1つにし、放った
零
「ツイン・ヴォルケーノ!!」
ライザーの不死鳥の炎と俺の紅と黒の炎は激突し最初は互いに押し合っていたが徐々に俺の炎が押し始めた
ライザー
「くっ、なんだと!!この俺が押されているだと!?」
ここで1つたとえをしよう、例えば水が入ったバケツとからのバケツの二つがあるとしよう。水が入っている方は少量ずつではあるが水を使い、もう片方はこちらも少量ずつではあるが水をため続ける。するとどうなる?
時間はかかるであろうが確実に差は無くなりいつか空のバケツは水が入っていたバケツよりも水の量が多くなる。この状況が今まさにこの戦闘に起こっているのだ
強さで言えばライザーの方が上ではあるが、ライザーは先ほどから頭に血が上っていたのか力を無駄に使ってしまい多少ならずとも力が落ちていたのだ。それに比べ俺はこちらからは最低限の攻撃しかせず魔力を高め続け、いまその魔力がライザーを上回ったのだ
ライザー
「くっ、うう・・・・ぐっ!」
ライザーは押し返そうとするが俺の炎はライザーの炎を押し返しながら迫っていく
このまま行けば勝てる!
誰もがそう思った
しかし―――――
グレイフィア
『リアス・グレモリー様の投了(リザイン)を確認。ライザー・フェニックス様です』
俺は耳を疑った
部長が降参?・・・・あれだけ勝つと言っていたのに?自分から負けを認めただと?
俺はそんな考えを巡らせながら部長の元へ歩み寄った。部長は未だに一誠を抱きしめたまま涙を流していた
零
「・・・なんで投了したんですか?」
言っていることは丁寧な敬語だが声音はいつもより低く、怒りを含んでいる
その言葉に反応してか部長は口を開いた
リアス
「・・・もう、これ以上、傷ついてほしくないの・・・」
いつもの堂々とした口調とは全く逆の、弱弱しく今にも消えてしまいそうなほど弱い、まるで小さな幼子のような声
零
「・・・一誠が倒れたから投了したのか?」
俺は再度問いかける、しかし声音はさらに低く口調は少しばかり乱暴になっていた
その俺の問いに対し
コクッ
部長は小さく頷いた
ガシッ
それと同時に俺は部長の胸倉を掴んだ
零
「ふざけんじゃねえぞ!!
あんた言ったよな、絶対に勝つって。その言葉を信じて俺たちはつらい修行にも耐えてきたんだ。それに他のみんながどんな思いで戦っていたか分かるか!
皆、あんたのために、部長の為に必死で戦って、そして倒れていった。そんな皆のためにも絶対に勝つのが主であるあんたの務めだろうが!それを目の前で仲間が倒れただけで易々と諦めるだと?お前は自分が何をしたのか分かっているのか!」
胸倉を掴んだまま俺はリアスに怒鳴り続ける、いつもの冷静な面影は何処にも無く口調も非常に乱暴なものになっていた
リアス
「・・・・」
それでもリアスは何も言い返さない
零はそんなリアスに失望したのか彼女の胸倉を離すと、空を見上げ
零
「アアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
悔しさと怒りの混ざり合った声で叫んだ
―――2日後―――
レーティングゲームに敗北し、2日が経った
あの後、鈴達はケガも治り今日に開かれる部長とライザーの婚約パーティーの会場にいるそうだ
零は自室のベットに腰かけていた
あのゲームの後。零は自宅に戻るとこの二日間の間、部屋に籠りきっていた
リアスに対する失望があまりにも大きく何もする気が起きず、今に至る訳だ
零
「はぁあ~~~~」
零が大きくため息をついた、その時だった
カァア
突然床にグレモリーの魔方陣が現れ、銀髪のメイド服を着た女性が現れた
零
「・・・グレイフィアさん」
零はポツリと彼女の名前を呟いた
零
「・・・何か用ですか?」
グレイフィア
「いえ、リアス様の眷属の皆様から様子を見てきてほしいと頼まれましたもので」
零
「・・・そうですか」
グレイフィア
「お嬢様とライザー様の婚約パーティーは本日執り行われます。あなたは行かなくてよろしいのですか?」
零
「・・・行きたくない。あの女の顔なんて二度と見たくない」
グレイフィア
「あなたはあのゲームの結果に納得されているのですか?」
グレイフィアさんは疑問を投げかけてくる
グッ
その問いに零は拳を握りしめると
零
「納得できるわけないだろ!」
とベッドから立ち上がって叫んだ
零
「あのまま続けていれば俺たちは勝てたかもしれないんだ!
それをあいつは易々と諦めやがって」
そう、あの最後の攻撃のぶつけ合い。あの時俺はライザーを確かに押していた、あのまま行けば確かに勝てる勝負だった
でも・・・・・
零
「過ぎちまったもんは仕方ねえ。過去はやり直せないんだ」
それは当然のことだが、今この状況では非常に当然であってほしくない。もしやり直せるなら
あれ?
俺なんでこんなこと考えてるんだ?あいつ(リアス)のことはもうどうでもいいはずなのに・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・もしかして。俺はまだあいつを、部長を取り戻したいと思っているんだろうか?
そんなことを考えていると
グレイフィア
「ふふふ、やはりあなたも面白い方ですね。こちらをお使いください」
グレイフィアさんは一枚の紙を零に渡す
グレイフィア
「その魔方陣はパーティーの会場に転移できるようになっております。それとサーゼクス様から伝言でございます。『妹を取り戻したければ、会場に殴りこんできなさい』だそうです。ちなみに兵藤様にはさきほど同じものをお渡ししてあります」
それだけ言うとグレイフィアさんは魔方陣で消えていった
一誠もか。まあ、あいつなら必ず殴り込むだろうからな
待て・・・・
さっき自分で結論を導き出したつもりだったが
このままリアスのところに行って、連れ帰れたとして、どうなる?
確かに俺はリアスに好意ではないが少なからず興味を抱いているし、一誠と鈴を助けてくれた恩もある。
でもそれだけだ
それだけで俺はあいつを助けたいと思っているのか?
分からない・・・・・
分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
俺はあいつの顔も見たくないはずなのに、なんで一瞬とはいえ助けたいなんて思ったんだ?
俺は頭の中で考えを巡らせたが、この問題の答えは出なかった
そんな時
ピピピピピピピピ・・・・・・・!!
急に俺の携帯電話が鳴り響いた
画面を見ると、アーシアからだった
アーシアから電話なんて珍しいな、いったい何の用だろう?
俺は通話ボタンを押して電話に出た
ピッ
零
「もしもし」
アーシア
『あっ、もしもし私です。夜分遅くにすいません』
零
「ああ、それはいいけど。なんか用?」
アーシア
『はい、実は・・・・・零さんにお願いがあるんです』
零
「お願い?」
アーシア
『はい・・・・・実は』
アーシアが言うにはさきほど一誠が部長を取り戻すためにパーティー会場に乗り込んでいったと言う。自分も付いていきたかったが、一誠は1人で行ってしまった。必ず帰ってくるとは信じているものの、やはり心配だそうだ
零
「そうか、一誠は行っちまったか。それで俺にそんなことを話してどうしろって言うの?」
俺は少し声を引くしてアーシアに聞き返した
俺も本心ではアーシアの言うことは分かっていた。しかし自身の口から聞いた方がいいと思ったから
アーシア
『あ、あの・・・・その・・・』
零
「ちゃんと言ってくれないと分かんない」
アーシア
『お願いします、一誠さんと部長さんを助けてください!』
やっぱり・・・・・・・・・・・・でも
零
「・・・・・・・・ごめん」
アーシア
『・・・・え?』
アーシアはどこか抜けた声を上げた
アーシア
『どうして、どうしてですか!』
アーシアは俺に訴えかけてきた、声からして泣いているようだ
アーシア
『お願いします。もし一誠さんが帰ってこなかったら、私は…・私は・・・ウゥ』
電話の向こうでアーシアは泣き出してしまった。自分は何もしてないのになんだかすごい罪悪感がこみ上げてくる・・・・・・・・・・仕方ない
零
「分かった、分かったよ。行けばいいんだろ、行けば」
それを聞いた瞬間アーシアは
アーシア
『ぐすっ・・・あ、ありがとうございます。お願いします、必ず部長さんをイッセーさんと連れ戻してください』
俺に礼を言ってきた
零
「ああ」
だがこれはこれでよかったのかもしれない、行けばこのこの胸のモヤモヤしたものがなんなのか解るかもしれない
俺は心の中でそう自分に言い聞かせ、電話を切った
零
「約束しちまったものは仕方ねえ、あまり気は乗らないが」
俺は壁にかけてあった制服を羽織り
零
「行くか!」
魔方陣を通り、パーティー会場に向かった
―――パーティー会場前―――
零
「ここか・・・」
俺は今、婚約パーティーが執り行われている会場の扉の前にいる
実はここに来る途中で衛兵に囲まれたのだが
後ろを振り返ると
衛兵達
『ううぅ・・・』
そこには柱に糸で縫い付けられている、衛兵が十数人ほどいた
もちろんこれは俺がやったことだ
いきなり囲まれ鬱陶しかったし、俺は縫い針で衛兵たちを始末した
レーティングゲームの時は全員女の子であったこともあり、突き刺さないでいたが
今回は全員男、しかも今は機嫌が悪いこともあり、串刺しにして縛りつけたため傍から見ればそれなりにグロテスクな光景だろう
しかし俺はそんなことには目もくれず
会場の扉を蹴破った
side out
急にNARUTO要素を加えたりしましたがそれについては皆様の感想が聞きたいのでお願いします