転生したら異世界の宇宙最強の龍でした!〜0から星と生命を作り出して一大文明の支配者になったので現代日本へ帰還します。自分は日本が一番暮らしやすい。〜 作:電動ガン
永田町。総理官邸。朝8時。中島総理は食べたばかりの朝食を吐かないように胃薬を飲んだ。これからあのわけのわからない存在、宇宙怪獣シルバディアを公開する準備をする。もう吐きそうだった。
「繋がりました。」
「始めるわよ。」
モニターに四つのウィンドウが現れイギリス、ロシア、そしてアメリカの代表が顔を出す。
「ミセス中島。こんな夜中に連絡を寄越すのだからそれなりの案件なんだろうな。」
イギリス代表の外務大臣ポール・スタイナーが疲れた顔で応答した。
「我々もだ・・・・・・もう休みたいが仕方が無い。」
ロシアの代表、アレクセイ将軍。厳しい目で中島を見つめている。
「やぁ中島総理。」
一方ジョーンズ大統領だけはとりわけ元気の良かった。
「皆様お集まりいただきありがとうございます。まずはお送りしたデータはお読みいただけたでしょうか。」
「ああ。読んださ。なんだこれは?ゲームの報告書か?」
「馬鹿げてる奇跡の薬などとの為に私たちを夜更かしさせてるのか?」
「どれだけ馬鹿げていようとも、現実です。証拠をお見せします。動画ファイルを画面共有しますので準備を。」
中島が見せた映像、それは骨折して歪んだ足に液体を掛けて足が元通りになる映像、ワイン色の液体を口から流し込み生気を取り戻す老人の映像。はたまた手術で開腹した腹に液体を掛けて塞ぐ映像があった。
「ば、ばかな。」
「どうせCGだ。日本はアニメでこういう技術は発達しているからな。」
「こちらの映像持ち帰っていただいて構いませんので思う存分フェイクかどうか調べてください。」
「そうさせてもらう。」
「はぁ・・・・・・もう寝たいんだが。」
「次はこちらの映像です。」
中島総理が次に見せた映像それは富士演習場と思われる原野で一人の少女が手を振っている。その次の瞬間、少女が光ったかと思うと巨大な怪獣へと変貌してしまっていた。
「ブッ!!!!」
「なんだこれは!?!?」
「おお。これがコードネーム:ドラゴンか。」
「ご覧いただけましたか。これが先日我が国に飛来した宇宙怪獣、コードネーム:ドラゴンです。」
「これはCGじゃないのか!?」
「我々を誑かしているのか!?」
「フェイクではない証拠をご覧に入れます。シルバディアさーん。」
『はーい』
「おい返事をしたぞ!!!」
「まさかLIVE映像か!?!?」
「おおすごいすごい。」
映像はLIVEだった。怪獣が手を振り再び光に包まれ小さい少女の姿に戻る。
「うわぁ!?」
「服を着てないじゃないか!!!」
「これ児童ポルノにならないよな?」
「着替えるまで少々お待ちください。」
しばらく待つと着替えた少女が画面の前に現れ手を振っている。
「どうでしょうか。これが現在保護しているコードネーム:ドラゴン、個体名シルバディアさんです。」
「・・・・・・。」
「信じられん。」
「なかなか可愛いじゃないか。」
「大統領はのんき過ぎる!!!!」」
「事前に聞いていたのか大統領!?」
「まぁ事前に人間サイズにはなれると聞いていた。実物を見るのは初めてだが。」
「ではここで、シルバディアさんからデモンストレーションをしてもらいます。シルバディアさんお願いします。」
「はーい」
シルバディアが画面の外に消える。そして中島総理はニヤニヤとしながらポールの画面を見つめた。
「ポール?後ろを振り向いて見てくれる?」
「後ろ?なにが・・・・・・ぎゃああああああ!!!!」
ポールの後ろ。そこには先ほどまで画面の中にいたはずのシルバディアが立っていて手を振っている。
「うわああああああああ!!!!」
「おい!?何が起きてる!?ポール!?おい!!!」
「はははは!!すごいなぁ。」
「ジョーンズは緊張感が無さ過ぎる!!!」
大パニックになっているポールを中島総理は腹を抱えて笑っており、ひとしきり笑うとシルバディアに戻ってきてと通話越しに指示した。するとシルバディアは光の粒子に変わり消える。ポールの画面から見えるのは書類を散らかして大暴れしたポールの姿だけ。
「はははは!!ポール!!!コードネーム:ドラゴンの異常性を信じるか?」
「し、信じる。信じるから。もうやめてくれ。」
「あ!こら!シルバディアさん!アレクセイ将軍を脅かしてはダメよ!」
「!?」
アレクセイが振り向くとそこには羽ペンの羽でくすぐろうと近づくシルバディアがいた。アレクセイはポールほど取り乱さなかったが顔中に汗をかいていた。
「アレクセイさん。こんばんわ。」
「あ、ああ。こんばんは。コードネーム:ドラゴン・・・・・・いやシルバディア。君は帰るのではなかったか?それよりロシア語が上手いな・・・・・・」
「ああ言葉はね。翻訳の魔法を使ってるの。」
「魔法だと・・・・・・?」
「ええ。相手に自分の伝えたい表現で意思を伝える魔法を使ってるの。だから私の言葉はアレクセイさんにとって一番聞きなじみやすい言葉と表現で伝わってるの。誤訳率はゼロよ。」
「は、はは・・・・・・」
「じゃ、私帰るわね。」
「あ、ああ・・・・・・」
またもや光の粒子となって消えるシルバディア。アレクセイは立ち上がり固まったまま身動きが取れないのであった。
「おかえりなさいシルバディアさん。」
「ただいま中島総理。」
総理官邸の中島総理の隣に姿を現したシルバディアは総理秘書からお菓子をもらいもぐもぐと食べている。そしてポールとアレクセイはもう何を発言したら良いかわからず固まってしまっていてジョーンズだけがしょんぼりとしていた。
「レディ・シルバディア・・・・・・なぜ私のところには来てくれないんだ。クッキーとオレンジジュースを用意するのに・・・・・・」
「マス、じゃないジョーンズ大統領。これはデモンストレーションですからまた機会はありますよ。」
「そうか?レディ・シルバディア、また今度遊びにきてくれ。美味しい物を用意して待っているよ。」
「ほんと?じゃあ総理が良いって言ったら行くわ。」
「そうかそうか。中島総理頼むぞ。」
「ええ・・・・・・」
ポールとアレクセイがやっと席に戻って落ち着いたのを見た中島は追加のファイルを送るのだった。
「今送ったのは今の段階で渡せるコードネーム:ドラゴンのデータです。管理はコードネーム:ドラゴンが日本でと希望しているので日本がしますが。情報はこれからも共有しようと思います。」
「わ、わかった・・・・・・」
「大統領になんて説明すれば良いんだ・・・・・・」
「はははは!!」
「そしてここからが最も重要な議題です。このシルバディアさんは多種多様な物資を持っており、その取引が可能だという事です。」
「・・・・・・取引?」
「それを明かしたと言うことは我が国に機会を与えると言うことか?」
「ありがたいな。」
「・・・・・・違います。」
「違う?」
「どういうことだ?」
「今回は取引の機会が与えられるのでは無く、強制です。」
「!?」
「なんだと!?」
「ほう。」
「シルバディアさん。後は。」
「はーい。」
中島総理が脇に控え、シルバディアが画面の中央に来る。そしてにっこりと笑って口を開くのだった。
「アメリカ、イギリス、ロシアに私と取引して欲しいの。貴方たちの国に欲しいのがあるから。」
「欲しいものはともかく何を差し出せるんだ?」
「じゃあまずロシアから。差し出せるものは三つ。資源、テクノロジー、そして力よ。」
「資源、テクノロジー、力・・・・・・力とは具体的になんだ?」
「今回の取引だと一人をキャプテンアメリカに出来るわ。」
「超人兵士を作ってくれるという認識で良いか?」
「合ってるわ。一人だけね。」
「その取引はこちらから持ちかける事も出来るか?」
「出来るわ。日本政府に問い合わせてね。」
「なるほど・・・・・・では何が欲しいのだ?」
「1/2700スターデストロイヤーのプラモデルよ。これ再販してくれなくて中古の値段が馬鹿だから。」
「・・・・・・は?」
「あるでしょロシアに。私調べたんだから。ズベズダってロシアのメーカーが作ってるのよ。」
「すまない私は疎くてな・・・・・・とりあえずわかった。おもちゃが欲しいのだな。」
「そうね。」
「つまりそのおもちゃ一個で超人兵士が一人作ってもらえるわけか。」
「いつもってわけじゃないわよ。例えば力が千個欲しくてプラモデルを千個持ってこられても困るわけだし。」
「なるほど、交渉が必要というわけだな。」
「ええ。いいかしら?」
「すまないが一度持ち帰らせてもらえるか。近いうちに必ず返事をする。」
「おっけー!」
「ちなみになんだが資源とテクノロジーの場合はどうなる?」
「地球には無い鉱石100キロと個人携帯プラズマ式防護シールド技術とかね。」
「なるほど。わかった。ありがとう。」
「次はイギリスとアメリカどっちにする?」
「いや取引内容は同じか?」
「我々も一度持ち帰りたい。」
「そうね。イギリスにはエアフィックスの1/24エアフィックス70周年記念ハリケーン戦闘機が欲しいの。アメリカはハズブロの2023年のアメリカアニメフェス100個限定のブラックオプティマスが欲しいのよ。渡せるのはロシアと同じ物よ。」
「わかった。」
「ううーむ。おもちゃメーカーへの注文か。」
「じゃよろしく頼むわね。総理に返すわ。」
今度はシルバディアが脇に逸れて中島総理が中央に来る。その顔は酷く疲れていた。
「どうでしょうか皆さん。シルバディアさんの注文は。」
「なかなかじゃないか。渡されるものはすごいが子供の取引だ。」
「ああ。しっかりと交渉して対価を出せば他にもくれるのだろう?」
「日本だけじゃなく我々にもこんなに早く恩恵を出してくれるのはありがたいよ。」
「・・・・・・。」
中島総理は思った。わかってない。こいつらはわかってないと。等価交換を掟としてる生物なのだ。多ければ返されるが足りなければ徴収される。しかもそれを判断するのは我々では無くシルバディアだ。シルバディアの機嫌でレートは変動する。後でやっぱりもっと対価が欲しいと言われて差し出せなければどうなるかなんて明白だ。地球滅亡。最悪のエンディングになってしまう。
「これでコレクション増やせるわね。」
「・・・・・・。」
まぁでも。シルバディア本人がのほほんとしてるうちは穏便に済むだろう。だが取引のルールの全貌がわかってないのが中島総理の気がかりだった。