転生したら異世界の宇宙最強の龍でした!〜0から星と生命を作り出して一大文明の支配者になったので現代日本へ帰還します。自分は日本が一番暮らしやすい。〜 作:電動ガン
ある日。シルバディア宅。エルーカディアが床に白いマットを敷いてその上にマジックペンで歪な魔方陣の様な物を書き、いくつかの丸い宝石を転がしている。それをシルバディアとゼファランディアはじっと見ていた。
「ういー・・・・・・大丈夫・・・・・・ダンジョンの死者は・・・・・・ゼロのまま・・・・・・」
これにシルバディアとゼファランディアは大きくため息を吐いた。
「よし。これで確定情報になったわね。」
「そうだな。安心材料にするには十分か。」
ふぃーと息を吐いている横でいつの間にか中島総理が見ていた。
「うわっ!?総理!?」
「おお。総理。よく来た。」
「アイメイディアスさんに呼ばれたんです。」
「ママはお客さん来るからおやつ買ってくるって言ってまだ帰ってきてないわよ。」
「そうなんですか。これは何をしてらっしゃるんですか?」
「占いよ。」
「占い。」
中島総理が微妙な顔をする。
「女神龍なのに随分古風な遊びをするんですね。」
「あー・・・・・・総理。私達のことだからこれは完璧な未来予知よ。」
「え!?そうなのですか!?」
「ええ。ただね。未来予知ってすごく危険なの。予知した瞬間に未来は変わるし、変わった未来をまた予知したりするともっと大変な方向に転がったりするのよ。時間に干渉するのは女神龍も、ママでさえ慎重になる事象なの。」
「ええ!?じゃあ今やってるのすごく危険なのでは?!」
「ところがね?とあることをすれば時間の干渉をすごく最低限に抑えることが出来るって判明したの。それが占い。占いというカバーを掛けてあげることで時間の干渉がすごく抑えられて、比較的高精度の予知ができるってわかってるのよ。」
「へ〜面白いですね。」
「この解釈を更に説明すると時間とは何かから説明しなきゃならないからやめとくわね。」
「確かにそうですね。人類には早いかもしれません。」
「で、それが一番時間への干渉を抑えて占い出来るのがエルってわけ。」
「ふふん・・・・・・ぶい・・・・・・」
「へ〜」
中島総理にゼファランディアが麦茶を持ってくる。中島総理は一口飲みエルーカディアに更に問う。
「エルーカディアさん。その予知はどれほどまで出来るんですか?」
「結構・・・・・・自由自在・・・・・・人類の・・・・・・致命的で・・・・・・詰んだ・・・・・・滅びの未来も見える・・・・・・」
「おお・・・・・・では災害の未来も見えますか・・・・・・?」
「見える・・・・・・でも未来予知で・・・・・・・災害回避は・・・・・・・一番オススメしない・・・・・・」
「え?何でですか?」
「災害は予知で結果が変わることが多いのよ。例えば三日後に大地震が来ると予知して総理に伝えたとするでしょ?これでもう三日後に地震はこないのよ。そして更に総理が国民の避難を始めたとする。すると地震が起きる日にちがずれただけではなく、もっと酷い状態になって死ななくていい人が大勢死んだりする事態になるわけ。なぜか。」
「ええ!?そうなのですか!?」
「何かしらの因果律の調整があるようなのよね。だからそういうのを予知した場合は誰にも伝えず予知通りに災害を起こすのが最適解とされているの。」
「救えないのですね・・・・・・」
「救えないわ。逆にね?人間がインシデントになってるものはいくらでも変えられるわ。恐慌とかを防ぐ事が出来るの。」
「それは助かりますね。でもどうやって?」
「簡単なのよ。例えばアメリカの手違いで起きたとするでしょ?その時はジョーンズ大統領に朝ご飯はサンドイッチと紅茶じゃなくてホットドッグとコーヒーにしろって言うだけで回避出来るわ。例え話だけど。」
「そんな簡単なのですか!?!?」
「ええ。ただそれくらい正確な予知が出来るのはエルしかないから。エルに四六時中占いをしろって言う羽目になるわ。それがどれだけ難しいかわかる?」
「エルさん。より快適な生活を送れるよう支援致しますので占いをしてもらえませんか?」
「今の・・・・・・生活で・・・・・・十分・・・・・・」
「くっ・・・・・・」
「無理よ総理。それにどうするの?回避しようもない滅亡の未来を予測されたら。受け入れるの?」
「それも、そうですね・・・・・・」
「知らない方が助かる事っていくらでもあるのよ。」
「わかりました。」
そこでちょうどアイメイディアスが帰ってくる。
「中島そーりーーーーー!!!遅れてごめぇん!!!お茶会しよーーーー!!!」
「今行きますアイメイディアスさん!」
・・・・・・・・・・
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またある日の日曜日。海夢が遊びにきてお好み焼きパーティをしていた。
「海夢大きくなったわねぇ。」
「そうだね〜!もう170センチ以上あるよ!」
「バレーやるには超有利ね。」
「うん!!」
はふはふとお好み焼きを頬張っていく。食べ終わると海夢の次期総統の勉強の話になった。
「どう?海夢は勉強進んでる?」
「うん。でも人を動かす為の勉強とか〜人の心を把握するための勉強とかすごい難しい。」
「それはそうよ。それが簡単に行かないから支配者ってのはどこでも苦労してるのよ?」
「だよね〜」
「じゃあこれあげるわ。」
そう言ってシルバディアが光環を出現させ、中から二冊の大きな分厚い本を取り出す。
「おお〜!!これなに?」
「異世界だけど人心掌握のなんたるかを書いた支配者の日記よ。日記という形の参考書だけど。」
「へ〜!!」
「これに翻訳魔法掛けてあげるから読んでみなさいよ。地球でそのまま使えるとは言わないけど支配者としての在り方みたいなのは大いに勉強になると思うわ。はい。」
「ありがと〜!!」
「ふふ。これで世界を掌握する大王路グループが誕生したら面白いわね。」
「流石に世界は無理だよ〜私へっぽこだもん。」
「そんなことないと思うわよ?人の心を掴む方法はもう使ってると思うし。」
「そうかな〜」
海夢が支配者の日記をぺらりと捲る。
「おお〜〜〜〜!!すごい!!知らない言語なのに読める〜〜〜〜!!」
「ふふふ。頑張って読んでみてね。」
「うん!!」
シルバディアが渡したこの本。これから大王路グループで代々受け継がれて読まれていく本になるのだが、これを読んだ海夢は本当に世界を牛耳る大企業に変貌するとはシルバディアも思っていなかった。
▽▽▽
その日の夜。
「もしもし?佳枝?」
「シルバディアかい?」
大王路佳枝が電話を掛けてきてとある事を確認してきた。
「今日海夢に何かあげなかったかい?」
「あげたわね。」
「アレ大丈夫なのかい?必ず取引だって言ってたから・・・・・・」
「ああ!大丈夫よ!今回のは海夢が健やかに育って欲しいっていう福利厚生の一種という処理にしといたから。対価はいらない。結構乱暴だからそんなに使える手ではないけど。」
「そうなのかい?すまないねぇシルバディアからはもらってばっかだ。」
「そんなこと無いわよ。カメラもちゃんと使ってるし。」
「それじゃ安すぎるって前にも言っただろう。何か欲しいものはないかい?」
「福利厚生の一種だから取引にしちゃまずいの。だから大丈夫なんだってば。」
「ほんとかい?・・・・・・わかった。」
「とりあえず何かしたいならダンジョン庁に協力してくれないかしら。大王路は公認探索者にいなかったわよね。」
「ああ。うちは探索者を使うまでもなくダンジョンの利権で社員を潤してるからね。」
「もう少しそこら辺絡んでくれない?公認探索者もっと欲しくなったの。」
「そうなのか。わかった。なんとか出してみるよ。」
「お願いね。」
「うむ。ではこの辺にしとこう。海夢を頼む。」
「ええ。もちろんよ。」
電話を切り、ふわぁとあくびをする。眠るようになってからこの身体は眠る身体になった。ゼファランディアも眠る必要は無かったが人間に合わせて眠るようになったらあっという間に適合した。女神龍で適合能力も高いんだなとごちて布団に入る。
「海夢はどんな統率者になるんでしょうね。」
人間の友人に思いを馳せて目を閉じる。自分は不変の存在だが。海夢は違う。成長して、学習して、どんどん進んでいく。
傀儡にする予定は無いが、あまり懐かれるとそういう心配も出てくるなと思って、眠りに落ちるのだった。