転生したら異世界の宇宙最強の龍でした!〜0から星と生命を作り出して一大文明の支配者になったので現代日本へ帰還します。自分は日本が一番暮らしやすい。〜 作:電動ガン
それはアフリカダンジョン設置と7階層以下の開放が差し迫った年末。シルバディアは分身達を一時シャットダウンし、ダンジョンを三日間停止してメンテナンスしていたところだった。
「ふう。漸くダンジョン設置してから2年が経つわね。」
それはすなわちシルバディア達が地球に来てから3年が経つということ。シルバディアはしみじみ思い出しながらもう少し慣れさせれば分身だけで完全管理させる事が出来るなとごちた。
「しかし・・・・・・地球の人類はここまで運が悪い?」
ダンジョンの管理画面の空間ディスプレイを眺め、唇を突き出す。その画面にはユニークレアのドロップ数全世界6という数字と。ミステリードロップ発見数ゼロという表示。
「ミステリードロップをひとつでも出してくれれば、上層でも美味しいと周回してくれると思ったのに。」
ミステリードロップのラインナップ。それは極小魔石だけ。ただしレア度がスーパースペシャルレアという豪華仕様。もし買い取りに出せばひとつで500万程の価値が出る。そういう美味しい要素を用意したのだが、誰1人ともそれを見つける事はなかった。
「あーあ・・・・・・つまんない。」
別世界ではドロップでてんやわんやし大歓喜していたのに。そしてそれとともに魔石で大発展をしていた。地球は解析も上手く出来ず。こちらで多少の成果を渡す始末。
「もう少し。誘導してあげる必要があるわね。こういうことも出来るんだよって例を見せれば自分でこういうことも出来るんじゃ?って頑張ってくれそうだけど。」
伸びをしてディスプレイを閉じ。思考を巡らせる。
「まぁいいか。それより。午後から会議ね。行くか。」
転移をして総理官邸へ飛ぶ。ダンジョンの恩恵はまだまだ眠っている。
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永田町。総理官邸。地下六階。地下会議室。定例5カ国会議に出席したシルバディアはむにゃむにゃとお菓子を頬張りながら各国の報告を聞いていた。
「・・・・・・というのがアメリカの報告だ。あの魔石エンジン。仕様書はもらっているが再現出来る気がせん。どうなってる。」
「それどころではない。魔石噴射推進機関もだ。ロシアの技術者は悲鳴を上げていたぞ。」
「イギリスもだ。ロールスロイスに搭載し高級車路線で販売しようという計画を発表しただけで何も進まん。」
「中国もあの常温超伝導モーターの仕様書を貰ったが研究者は魔導書だとお手上げだ。」
「中島総理。どうやったんだ。」
「あ、あはは・・・・・・私も現場のことまでは。」
「そうか。いや、まぁそうだな。」
「我々は上がってくる悲鳴を聞いてるだけだしな。」
「中島総理、技術者を派遣しても構わないだろうか。しばらくの独占を許すから。」
「我々もあのモーターの実物が欲しい。」
「あはは・・・・・・」
中島総理は知っていた。あれがシルバディアとの取引の産物だということを。
「日本に出来たのだから我々にも出来る筈だ。」
「しかり。新時代のスタンダードにすべきだ。」
「イギリスは早くロールスロイス作りたいよ。」
「完全にEV車が時代遅れになるな。」
首相達がわくわくと展望を語るが中島総理は取引がバレませんようにと願った。
「レディ・シルバディア。そこら辺取引出来ないか?」
「シルバディア頼む。」
「嫌よ。」
シルバディアの拒絶にジョーンズ大統領とエフレム大統領はため息を吐く。
「なんでもうある技術をもう一度渡さなきゃならないのよ。欲しければ日本に頭下げて譲ってもらいなさい。」
「いや、まぁ・・・・・・はぁ。その通りだな。」
「シルバディアの言うとおりだ。イギリスに倣って我々も技術者を派遣させてもらうか。」
「はっはっは!!我々が先だぞ!!」
「中国もだ。」
「我々としては、開発企業の受け入れ体勢が整えば構いませんが・・・・・・」
「じゃあ頼む。」
「もしくは実物をくれ。」
「実物頼む。」
「あら、総理。実物くらいあげてもいいじゃない。」
「いえ、シルバディアさん、技術保護という観点からまだ・・・・・・」
「そうなの?私はこの技術は全世界にさっさと広まって欲しいんだけど。まぁ広まっても全くのコピーは許さないわ。なにかしら特色を出して貰わないと。」
「ですが・・・・・・」
「ケチケチしないの。コレ決定ね。日本に技術士派遣と実物譲渡。」
「承知しました・・・・・・」
「おおお!!!感謝するレディ・シルバディア!!!」
「素晴らしいぞシルバディア!」
「助かる!!」
「やった!!!」
「ただし。分けてあげるんだからさっき言った通りただのコピーは許さないわ。もし実験以外でコピー品を発表したら・・・・・・」
「発表したら・・・・・・?」
「何がある?」
「ええ・・・・・・!?」
「ごくり・・・・・・」
「魔石を励起させて都市まるごと吹き飛ぶ大爆発を起こしてやるわ。魔石は全部こちらで追跡可能だから逃げる事は不可能よ。ちゃんと技術を発展させなさい。」
「しょ、承知した・・・・・」
「流石にまるごと爆破されては敵わんな。」
「中国は気をつけろよすぐパクリ出すんだから。」
「よく言い聞かせておく。」
「じゃあ技術に関してはこんな感じかしら。他になにかある。」
「ああ、そうだ。シルバディア。」
「なに?エフレム大統領。」
「少し取引がしたいのだが。日本から通達が来てないか?」
「総理?」
「すみませんエフレム大統領。審議は通してありますが。シルバディアさんに通すのは次の定例会議でと考えていました。」
「そうだったか。急かした様で悪いな。」
「いえ。すみません日本はどうしても書類と会議が多くて・・・・・・」
「総理、今できる?」
「出来ます。今シルバディアさんに通達は済ませましたので。皆さんがいる場で良ければ。」
「じゃあやりましょう。エフレム大統領。いいわよ。」
「そうか。取引は皆がいてくれた方が後腐れ無くできるだろう。」
「わかった。何が欲しいの?」
「力だ。転移・・・・・・までは言い過ぎだが高速で移動出来る力が欲しい。空を戦闘機並に飛行する能力がベストだ。」
「おいエフレムがもう人間やめようとしてるぞ。」
「エフレム大統領はどこを目指しているのだ。」
「恐ろしすぎる。」
「なに、実は思うところがあってな。大統領の座から降りようと思っているんだ。」
その発言には皆が目玉が飛び出るほど驚いた。17年に渡って大統領の座に居座りロシアを独裁してきたエフレムが、その椅子から降りる。それは世界を揺るがす大事件になる。
「な、何故だ!?」
「エフレム!!お前だけ降りる気か!!!」
「ロシアはどうする?!」
「えええ・・・・・!?」
「ははは私はもう17年も大統領に居座った。もういいだろう。次の大統領選は出ない。」
「だがロシアは・・・・・・お前がいたからひとつになっていたんだぞ!?」
「ハリー、そうは言うが。やはり独裁は国の血を滞らせる。それがわかった。ダンジョンとシルバディアでな。」
「エフレム大統領・・・・・・ですが混乱は起きると思いますよ。それをどうするおつもりで?」
「中島総理。その答えがこの取引だ。」
中島総理は苦い顔をした。権力で支配した後は力で支配しようとしているのかと。
「新しい大統領はアナスタシアを推すつもりだ。中島総理も会ったことはあるだろう?」
「アナスタシア・・・・・・アナスタシア・ジノヴィエフさんですか?」
「そうだ。彼女なら。ロシアをちゃんと統率出来る。彼女は永久凍土よりも冷たい女ではあるが、春の日差しをロシアに届ける女でもある。彼女なら任せられる。」
「では・・・・・・エフレム大統領は?」
「私は彼女の邪魔をする者を排除する超兵となる。そのためのこの力の要求だ。戦闘機より速く飛び、戦車より破壊力のある一撃を放てる。それで政治に関わることなく裏に、いや影に徹する。」
「・・・・・・わかりました。シルバディアさん。」
「お話終わった?」
シルバディアがコーラを飲みながら返事をする。
「それでエフレム大統領は、そうね。転移能力でもいいけどそれだとかなり高く付くから辞めとくとして・・・・・・戦闘機並の飛行を出来て無事な能力なら安く上げられるわ。これにする?」
「頼む。」
「じゃあ対価は?」
「ロシアの稼働中の秘密都市にある秘密戦車工場781を差し出す。」
「いいわ。取引成立ね。」
シルバディアが指を鳴らす。するとエフレムに淡い光が纏って消える。
「これでおっけー。練習はしてね。」
「感謝するシルバディア。では、だ。次にシルバディアが参加する予定の会議の頃には私はもういない。」
「そうなの・・・・・・さみしくなるわね。」
「私もだ。アレクセイも共に身を引くから。よっぽどの事で呼ばれない限りもう会うことは無い。これでさよならだ。」
「わかった。別に死ぬわけじゃないのよ。私がロシアの貴方の元に転移すれば会えるし・・・・・・それを中島総理が許せばだけど。」
「ははは!中島総理は許さなそうだ。別れの握手をしたいところだが。今ここにシルバディアを呼んでしまったら中島総理が騒ぐだろうしな。」
「ふふ。そうね。」
「ああ・・・・・・だがやっと誰かに言えた。ロシアではアレクセイ以外に伝えてない。肩の荷が下りたよ。」
「お疲れ。エフレム大統領。」
「ありがとう。さて!残りの会議を進めよう。」
進む者がいれば、引く者もいる。新時代は全てを飲み込んで転がっていくが、去る者には優しかった。