転生したら異世界の宇宙最強の龍でした!〜0から星と生命を作り出して一大文明の支配者になったので現代日本へ帰還します。自分は日本が一番暮らしやすい。〜 作:電動ガン
エーテル風。どういうものかというと。
「高エネルギー粒子宇宙対流?」
「そうよ。」
中島総理に報告したシルバディア。中島総理はなんのこっちゃと困惑している。
「それがエーテル風。エーテルって名前付いてるけどエーテルじゃ無いのよ。エーテルって呼んでるのは許して。」
「まぁ。それはいいんですけど。なんなんですか?それ。」
「まぁつまるところ。私達の主エネルギー源なの。」
「食事ではエネルギーを補給出来ないんですか?」
「食事だと熱量が少なすぎてエネルギー源にならないわね。」
「ああ・・・・・・」
中島総理は差し入れのどら焼きを頬張り次の言葉を聞く体制に入った。
「そのエーテル風ですが。何か地球に影響は無いんですか?」
「おおありよ。」
「えっ。」
「エーテル風は星の成長の切っ掛けになるの。大陸が動いたりとか。多分地球の大陸がパンゲアから今の大陸に動いたのもエーテル風の所為だと思うわ。ゼファ姉は数百億年周期だって言ってたけど私達のエネルギーにもならない小規模のエーテル風が来たのね。」
「まずいじゃないですか!!!!」
「大丈夫。今回は女神龍4体で全部吸収するから。」
「本当にそれで大丈夫なんですか?」
「大丈夫。木星付近にエーテル風が到達したら女神龍全員で赴いて全吸収するから。こんな機会滅多に無いわ。私もエーテル風を浴びるのは3回目なの。すぐ枯渇する物ではないんだけど。今回規模のエーテル風は一度浴びれば銀河を数十個作れるエネルギー源になるの。」
「ええ、まぁそれならいいですけど・・・・・・」
「じゃあ今から準備して行くからよろしくね。」
「もう行くのですか?」
「うん。頼むわね。」
そして瞬時に転移して、シルバディアは消えた。そしてその日から地球に女神龍は帰ってこなかった。
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女神龍が消えて、三ヶ月。シルバディア宅のみのりやアイメイディアスもその異常さに不安を募らせていた。アイメイディアス曰く、ママが近くにいたら出掛けるときには必ず声を掛け、どこに行くか説明して消えるという。だが地球を拠点にしてるはずだから地球の時間軸で地球に帰ってこないのはおかしく、アイメイディアスが木星まで行ったがゼファランディアの宇宙船があるだけで女神龍は影も形も無かったという。
「どうしよう・・・・・みのりちゃん・・・・・・あの子達どこ行ったんだろう・・・・・・」
「大丈夫ですよアイさん。女神龍はそんな簡単に消滅したりしないんでしょ?」
みのりはそう慰めたが、直近で2体も女神龍が死亡する事案があったので強く言えなかった。みのりはぐすぐすと涙を流して心配するアイメイディアスを辛く思いながら早く帰ってきてくれと願うしか出来ない。一方ダンジョンでも異変が起きていた。
「坂下さん。報告は全てこれですか?」
「はい。ダンジョン内部入り口にいたデバッグ報告用のシルバディアさんの分身、そしてダンジョン管理室にて稼働していた分身も、全て機能停止しており、回収も出来ないために探索者から力なく倒れるシルバディアさんを見て強い不安感を訴えています。」
「まずいわね・・・・・・このままだとダンジョンへの不安感が強まり探索者侵入減少に繋がるわ・・・・・・シルバディアさんからなんの連絡も無いんですね須垣君。」
「何もありません。電話も圏外でLINEも既読が付きません。どこに行ってしまったのか・・・・・・・」
「このままではダンジョン管理が滞ることにもなる・・・・・・こんなに日本がシルバディアさんに依存していたとは思わなかったわ。他のダンジョン設置国からもかなり通達が来てる。まずいかも知れないわ。」
「ですがどうしようもないです。」
「シルバディア様に連絡が取れないと。」
「とりあえずダンジョンの不安を取り除かないと行けません。ダンジョン庁はシルバディアさんの不在で分身がログアウトされてると国民に通達して。探索者達に何の不安もないと広報してください。」
「はい!!」
「須垣君は天谷さんにも伝えてシルバディアさん宅のアイメイディアスさんの精神ケアに努めて。美味しい物や映画などを持ち込んで試してみてください。」
「はい。」
「アイメイディアスさんはお子さんを二人も失ったばかりです。不安を募らせるようなことは可能な限り控えて。」
「承知しています。」
▽▽▽
ASTRA定例5カ国会議。
「皆さん、時間になったので始めます。」
「うむ。まずは。新参者を歓迎しようじゃないか。」
「歓迎会のケーキ用意したぞ。」
「それを食べられるのはハリー首相だけだぞ。」
「・・・・・・・。」
後ろにエフレム大統領・・・・・・元大統領がいるが、画面の前に座っているのは素っ頓狂な顔をした女性。アナスタシア・ジノヴィエフがいた。
「皆が、ロシア語を喋っている・・・・・こんなに堪能だという情報はどこにも・・・・・・」
「おや、アナスタシア。翻訳魔法は初めてか?」
「最初は混乱するがなれるさ。」
「恐れるな。立ち止まるな、だぞ。」
「アナスタシアさん、我々はあなたを歓迎します。ようこそ。ASTRA・・・・・・宇宙怪獣対策機関へ。」
「世界を裏で操る組織・・・・・・エフレムさんの話は本当だったのね。」
「そうです。女性がこの会議に入ってきてくれて嬉しいです。」
「な、キヨミ!なんか他人行儀じゃない!?」
「最初はちゃんとしておこうと思って。」
ため息を吐くアナスタシア大統領と軽く微笑む中島総理。
「じゃあ昔みたいにアーニャって呼ぶ?」
「アーニャは日本的過ぎるし馴れ馴れしすぎるわよ。ここはちゃんとした会議なんでしょ?」
「会議っていうか・・・・・・シルバディアさんの親戚の伯父さんの集まりというか・・・・・・」
「何を言ってる。中島総理。」
「我々は確かに可愛がってはいるが親戚の伯父さんはないだろう。」
「我々はそこまでデレデレか?」
3カ国の首相達が抗議するが中島総理は無視する。それにアナスタシア大統領はまた疑問に溢れた顔をする。
「その・・・・・エフレムさんからここはシルバディア・・・・・との取引を独占する場だとしか聞いてなくて。シルバディアってなんなの?」
「ロシアにダンジョンを設置した宇宙怪獣ですよ。日本ではコードネーム:ドラゴンと呼んでいますよ。」
「コードネーム:ドラゴン・・・・・・・!!!なるほど、全部ここで繋がるのね。そのシルバディアは今日は来ないの?」
「ええ。今日は来ません。」
「中島総理。来ないではなく、来られない。もしくはいない、ではないか?」
「・・・・・・。」
「中島総理。我が国でも機能停止したレディ・シルバディアがダンジョン内で散見されている。」
「シルバディアに何があった?シルバディアに何かあればそれは地球の危機だ。」
「・・・・・・。」
「キヨミ。詳しく聞かせて。ダンジョンはロシアでも主権産業よ。何かあると困る。」
「わかりました・・・・・・・」
中島総理は、エーテル風のこととそれを浴びに行って姿を消したことを話す。首相達は苦い顔をした。
「では中島総理、今地球は完全に無防備だという事か?」
「いえ、えと、ジョーンズ大統領。それは違います。アイメイディアスさんが残ってくれていますなので防衛面ではまったく落ちてません。」
「だが中島総理!!今はダンジョン内のシルバディアの分身の機能停止だが、管理する者がいなくなってダンジョンが機能不全に陥る可能性も高いのでは!?」
「王主席も、その可能性は非常に高いですが、我々に取れる手は何もありません。」
「レディ・シルバディアから管理アクセス権を分割譲渡して貰ってリスク管理するべきではなかったか?」
「シルバディアさんからダンジョン管理には地球上に現存するスパコンの数×10の24乗の数が必要だと言われていまして、地球上をスパコンで埋め尽くさないと管理は実質出来ないのです。」
「なんということだ・・・・・・」
「シルバディア一極管理は問題だが手がないのか。」
「レディ・シルバディアの恩恵に依存しすぎている。」
首相達が頭を悩ませるがアナスタシア大統領は口を開け驚愕に染まっていた。
「シルバディアとは・・・・・・宇宙怪獣としてそこまで地球に食い込んでいたのね。」
「そうだぞアナスタシア。今は既にシルバディアがいなければ地球が機能不全を起こす。そういう時代になってしまったのだ。」
「ジョーンズさん。ですがそれはどう考えても進化の強制です。いつか去ってしまうと考えると脱却の方法を残しておかないと我々は奴隷になります。」
「だがな?アナスタシア。レディ・シルバディアから得られるものは人類の文明に魅力的過ぎる。止められないのだよ。」
「それは文化的な侵略なのでは?地球の物差しで推し量れない存在ですよ?地球人類を奴隷化するために友好的なフリをしてると考えざるを得ません。」
「じゃあ全部これから断ると?もう国民が富む方法を棄てるのか?」
「他の方法でやるべきだったのです。急激にやろうとしたから歪になってしまった。そして歪を受け入れた。受け入れてしまった。だからいなくなって大騒ぎしているのでしょう?」
「アーニャ。聞いて。」
「キヨミ!でも・・・・・・・」
「シルバディアさんが地球に来たとき。間違い無く友好のために来たと言っていた。それを信じたいの。」
「それが嘘だったら?」
「いえ、我々は信じざるを得なかった。逆に聞くけどアーニャ。嘘だと断じて断ったらどうなってたと思う?黙って帰ってくれると思う?」
「それは・・・・・・」
「そこで黙って帰ってくれると思う方が、楽観的だと思うのだけれど。違う?」
「・・・・・・そうね。その通り。もうコードネーム:ドラゴン、シルバディアが地球に来た時点で共生を考えなきゃいけなかったのね。」
「そう。幸い三年経つけど。奴隷にはなってない。依存症にはなっているけど。このままちゃんと関係を築き、適切な対応を模索していけば共生出来ると信じている。
幸い、日本を気に入っていてほぼ対等に保護出来てる。その舵取りは日本に任せて欲しい。」
「キヨミ・・・・・・わかった。せいぜい世界を滅ぼさないでね。」
「ええ。もちろんよ。」
「さて、話は付いたところで。ダンジョン運営の話だ。実質管理は出来なくなった。」
「そこから出る懸念はやはりスタンピードだ。これは・・・・・・」
「一応モンスターはダンジョンの外では・・・・・・」
「ダンジョン外に出た場合のリスクと対応に・・・・・・」
首相達はあらゆるリスクに備えていく。だが中島総理は地下会議室から、思いを馳せるのだった。
「シルバディアさん・・・・・・どこに行ったのですか。アイメイディアスさんが泣いてますよ。」
この思いが届いたのかどうかはわからないが。シルバディア達は帰らないまま・・・・・・時が過ぎるのだった。
〜第三章 完〜