転生したら異世界の宇宙最強の龍でした!〜0から星と生命を作り出して一大文明の支配者になったので現代日本へ帰還します。自分は日本が一番暮らしやすい。〜 作:電動ガン
数日後。アドメラル一行が日本巡回旅行へ出発した。これに一先ず安堵したのが中島総理だ。王家、というか皇帝が率いる皇族。特大の爆弾だったがなんとか日本贔屓になってもらうのが目的だ。日本の観光名所を巡ってもらいお客様になってもらえれば今後の取引も容易に行えるだろうと目論見もある。
「ふぅ・・・・・アドメラル皇女殿下は出発しましたか。」
「ええ。明日には京都。三日後には九州。一週間後には東北。十日後には北海道。その後フェリーで茨城に帰ってきて都内へ戻るというスケジュールです。」
「順調に進めば良いのだけれど。あれは進んでる?」
「進んでます。宮内庁と協議してますが陛下のスケジュールを整えるのが難航してまして。来月になりそうです。」
「そう。彼らがいつ帰るかはわからないけれど、しばらくいるのよね?」
「はい。残った使者達は新橋の焼き鳥居酒屋にえらく感銘し、次元航行艦から既に渡せる技術を譲渡し滞在費を賄っています。」
「大丈夫なのその技術・・・・・・」
「魔石を使っているものに限定しています。今のところ我々では開発出来ていない冷媒不要のクーラーや瞬間無制動ブレーキなどの技術を頂いています。」
「そう・・・・・・なら大丈夫ね。」
「危険な技術と判断したものはつくばから派遣された技術者に可能な限り排除させて後ほど検証の準備をしています。今のところ該当する物はありませんが。」
「次元航行艦のコア技術とか渡して来そうになったら断固拒否するのよ。」
「承知しています。」
中島総理はため息を吐いて報告書を覗くのだった。一方シルバディア。
▽▽▽
「10年分のバグは意外と厄介ね。」
ダンジョン庁。シルバディア専用ダンジョン管理室。再起動した分身を使いバグ修正を行い、同時にログを追跡。全世界10年分のログはシルバディアの全リソースを使って二日ほどの時間を要した。だがそれも完了。ダンジョンを再起動する。
「アップデートも同時に・・・・・・おっけー。」
バグ修正とともに小規模アップデートを掛ける。
「あとは10年放置してしまった7階層より下の実装とアフリカダンジョン設置のゼファ姉との折衝・・・・・まぁゼファ姉は呼んだら来てくれるからいっか。」
「呼んだか。」
「うわっ!?」
気がつくと後ろにゼファランディアがいた。もう既にダンジョン庁に置いていたマグカップでココアを飲んでいる。
「アフリカダンジョンの件だな。待たせてしまったからなとびっきりのダンジョンを設置してやろう。」
「とびっきりって・・・・・・どうするの?」
「アフリカのことだ・・・・・・どうせ魔改造するに決まっている。だからこちらで魔改造を想定したダンジョンにする。」
「ふうん・・・・・・?」
「インスタンスでは分が悪い。なのでディグアウト系の低危険度ダンジョンにする。重機も入れるようにしてやろう。文字通り鉱脈から魔石がリポップして無限に掘れる。
それだけじゃない。綺麗で安全な水や食料。魔石以外の資源も採れて自国でガンガン使って貰う。先進国にはなれんでも発展途上国は脱せるようにしてやろう。」
「そうなの。じゃあ準備は出来てるからゼファ姉行ってくれる?」
「承った。中島総理にアフリカ諸国へ通達させよう。」
ゼファ姉がココアを一気飲みしてテーブルに置いて出て行く。そして入れ替わりで坂下長官が入ってくる。
「シルバディア様。頼まれてたここ10年で可決し施行された法案資料全部持ってきました。」
「ありがと。じゃあ全部こっちに入力するからテーブルでも床でも並べてくれる?」
「はい!」
ダンジョンの再稼働で仕事に埋もれるシルバディアだったが、一週間もあれば纏め終わって巡航稼働出来るなとごちるのだった。
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永田町、総理官邸。執務室。ゼファランディアが執務室を訪れ(アポちゃんと取った。)て中島総理に相対する。中島総理はたった10年なのに威厳を増しててちょっとこわいというのがゼファランディアの感想だった。だがゼファランディアは朗らかに笑い書類を出すのだった。
「中島総理。急にすまない。この通り、滞っていた仕事を今回していてな。」
「いえ。アフリカダンジョンのことですよね。」
「しかり。アフリカユニオン全域。全17箇所設置する予定だ。10年前はアフリカの教育をしていたな。それはどうなった。」
「既に教育を終え、自国でダンジョン運営準備訓練を繰り返させています。ここ10年で今か今かと待っていましたよ。」
「わかった。まず、アフリカ諸国へ私の名前で待たせたことを謝罪してくれ。そして、時は来たと。」
「わかりました。鷺沢君。お願い。」
秘書が出て行く。中島総理はお茶を一口飲み、ゼファランディアの湯飲みにもお茶を注ぐ。
「いや、しかし。10年か。人類からしたら随分な時間が経ってしまった。許してくれ。」
「いえいえ。お気になさらず。なんとかやってこれましたので。」
「すまないな・・・・・」
「そうだ。ゼファランディアさん、ゼファランディアさんから見て、メグメレルの人たちはどうですか?」
「ああ、彼奴らか。まぁ当初は侵略などと申したのだろう?そんなもの到底出来る様には思えん。
我も彼奴らの世界に滞在したんだがな。彼奴らは敵には苛烈だが、自分から敵を作ることは出来ない典型的な甘ちゃんタイプの人類だ。
安心するといい。こちらから攻撃して敵にならない限り安全は保証されている。」
「そういう人たちなんですね。」
「うむ。科学より魔法が発達したのもその所為であろう。魔法は集団で研鑽すればするだけ伸びる技術だ。科学の様に誰かが何かを解き明かして進展するものはあまり得意ではなさそうだ。」
「おお。なるほど。」
「王家、つまり皇帝が全ての指揮を取ってるのも少し文明度的には高くない。だがどの宇宙でも発展しやすい体系だな。我の宇宙でも殆どが皇帝や王に従い着いて行く文明ばかりだ。」
「地球の様に議会で決めるのは少ないんですね。」
「ああ。もう民族大虐殺規模の戦争が起きない限り・・・・・・地球は起きたんだったな。」
「耳が痛い話ですね・・・・・・」
「まぁいいのだそれは。もう乗り越えたのだから。普通はそこで人類は滅亡するまでやるのだぞ?後に引けなくなってな。」
「そうなんですか・・・・・・」
「ああ。でだ総理。アフリカのダンジョン設置分布・・・・・どうする?」
「小国は内乱が激しいので避けてください。ダンジョンが占領され、テロ組織の資金源や魔石が武装に使われる可能性が高いです。」
「そうか。では比較的内政が安定している国にしよう。」
「あと軍が機能してる国にしてください。ゲリラが襲撃しても立ち向かえる国で無いと・・・・・」
「そうだな。で、あればゲリラやテロ組織のリストなんかを用意させろ。そいつらを個別にダンジョンから排除する。」
「入れなくする・・・・・ということですか?」
「そうだ。ダンジョンゲートから弾かれ中に入れなくする。そして産出された魔石もこちらで全て把握している。
そいつらの手に渡ったら魔石を沈黙させることも可能だし、逆に励起させて半身を吹き飛ばす爆発を起こすことも可能だ。」
「で、では我々がダンジョンから得た魔石も全て追跡しているのですか?」
「しているぞ?今シルバディアが10年分追跡しているところだろう。」
「・・・・・・生半可なことはできませんね。」
「何をするのも自由に許してはいるが・・・・・BANされてる人物には厳しくするからな。」
「ええ。それはこちらも望んでいます。」
「うむ。ではアフリカにそれを用意させよ。」
「承知しました。」
ゼファランディアはお茶を啜り書類にいろいろ書き込む。異世界後で書かれた文字はすぐに日本語に変換されていく。
「こんなものだろうか。念のため一応アフリカユニオンの代表達を呼んで日本で最終協議をさせた方がいいだろう。」
「ですね。」
「日本の様に設置させてやりたいところだが、アフリカは少々後進国過ぎる。しっかりと面倒を見た後切り離さねばアフリカ側も困るであろう。」
「ですねぇ・・・・・」
「あ!そうだ・・・・・・」
「何か・・・・・・?」
「初期装備はどうなっている?」
「それはご心配無く。すでに日本、イギリス、アメリカ合同で掻き集め、7000万セット輸出済みです。アフリカユニオン各国で頒布が済んでいます。」
「そうか。追加は?」
「常時アフリカ輸出用を確保しており、追加は販売となっています。」
「わかった。」
「ゼファランディアさん。ダンジョンが設置されれば装備は自給自足をと考えていましたがこのディグアウトダンジョンというのでそれは可能なのですか?」
「無理だ。魔石や資源は出るが魔物の出現は日本のダンジョンと比べるとかなり抑えられている。HP制なのはもちろんだが、武具も無いと困るがツルハシやスコップ、バケツがメインウエポンになるダンジョンなのだ。」
「ほぼ鉱山なんですね。」
「フィールドは広さは北海道ほどで。湖と山の鉱山固定だ。階層は無い。」
「全てのダンジョンですか?」
「全てだ。」
中島総理が顎に手を当て考える。
「それって・・・・・・アフリカに正規のダンジョンはダメだったってことですか?」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「アフリカには内緒だぞ。絶対に正規のダンジョンは無理だ。」
「やはり・・・・・・」
「ディグアウトダンジョンというのは少し知恵の付いた原始人にもたらすものなのだ。アフリカ人は我々からしたら原始人と変わりないと判断したからこのダンジョンだ。」
「ああ・・・・・・それシルバディアさん知ってるんですか?」
「知っている。そして何も言わなかった。」
「じゃあもうこうしましょう。恵みのダンジョンです。これに違いはありません。」
「そうしてもらえると助かる。流石に面と向かってお前らには原始人のダンジョンがお似合いだと言うと問題になるだろう?」
「ですね。ご配慮感謝します。」
「すまんな。中島総理はもう家族同然だ。家族に火種の処理を任せるのは少々憚られるが。
やつらに正規のダンジョンを渡すと人海戦術で死者を大量に出しながら攻略し、
より大きな、そしてレア度の高い物を得ようとするのが目に見えている。いくら陳情してきた連中が理性的だろうと他は変わらん。」
「まぁ・・・・・我々もそれが懸念事項のひとつとしてあったのは否めません。」
「だろう?この我が見た限りこの10年で死者は出ていなかった。死者ゼロを維持したのは見事だが。それを阿呆に破られるのは敵わん。」
「ですねぇ。」
「その点を踏まえてのディグアウトダンジョンだ。精々お遊戯会で遊んでいるが良い。」
「ははは・・・・・・」
それはゼファランディアの最大限の慈悲だった。自分の被造物でないものへ基本優しさを見せないゼファランディアだが。もう既に学習していたのだった。