転生したら異世界の宇宙最強の龍でした!〜0から星と生命を作り出して一大文明の支配者になったので現代日本へ帰還します。自分は日本が一番暮らしやすい。〜 作:電動ガン
中島総理は悩んでいた。メグメレル側から、次の地球派遣の計画書が届いたからだ。内容は使者達100人の食文化交流。つまり地球側の飲食店巡りをさせて欲しいというもの。
代金としてどういう物が良いかと問われたので金なら換金出来ると伝えたら、100キロ用意したと返され多すぎる量に驚いたが別にそれは良い。
問題は使者の面子だった。
「皇女が・・・・・・3人・・・・・・!?!?」
皇女が3人もいる。1人でもかなりの警備体制を敷いたのに、3人。しかもその皇女の要求はまるで違う物だった。
「一人は美術館巡り、一人は食の堪能、一人は娯楽、ホビー巡り・・・・・・」
中島総理は頭を抱えた。全員同じツアーなら良かったがバラバラ。だからといって皇女の要求を突っぱねたら外交問題になる。中島総理は覚悟を決めた。
「もしもし?鮫坂君?木林君も呼んで。メグメレル特設警備体制計画を立てるわ。今すぐ来て頂戴。」
中島総理は直ちに行動を起こした。メグメレルと正しい交流をするために。
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メグメレル。帝都アズガンメレル。王城。
「日本から返事は来たか。アドメラル。」
「はい。お母様。日本側からはこちらの第二次視察団を受け入れると返事がありました。」
「そうか・・・・・アドメラル。今回は私より密命を下す。」
「はっ・・・・・・なんでしょう。」
「まだ日本より何かしらを持ち帰る許可は出ていませんが・・・・・・何か料理を持ち帰りなさい。」
「料理を・・・・・・?」
「ええ。私も、どれほど文化の差があるのか直接知りたい。食は文明レベルを如実に表す物だ。ひとつ、なんでも良い。手に入れて。」
「はっ・・・・・わかりました。」
「メラメリルには決して知られてはなりませんよ。あの子は全て食べてしまいます。」
「ですね・・・・・」
「アドメラル、貴方はアイテムボックスを持っていましたね?それに何か隠し持ってきなさい。」
「はっ!必ず。」
リュシドはふうとため息を吐き、思案する。
「(日本は、この歴史資料によると戦争の絶えない世界の国のようだ。異世界と言えど同じ人類。我々が起こした人類のほぼ半分を犠牲にしたあの凄惨な終末戦争を起こしかねない。)」
「・・・・・?」
「アドメラル、もうよい。下がりなさい。」
「はい!」
「(日本と交流するならば、日本に技術を渡すとき、必ず他の国にも共有を・・・・・いや。ダメか。)」
リュシドは玉座の側の水差しから水を一杯飲む。
「(平和に進められればそれに越したことは無い。だが同じ人類だというのがどうしても気に掛かる。)」
玉座を発ち書斎へ向かう。リュシドは書斎にある一つの本を思い出したのだ。
「(シルバディア様は戦争などいくらでもすればいいというお考えだ。成長の痛みだとおっしゃっていた。人類の繁栄を望み、生け贄を拒み、事故で人類が減ることを悼むシルバディア様が戦争には賛成というのが母に教えられたときはなんと気まぐれで面倒なのかと思ったが・・・・・・今ならわかる。)」
書斎に入り、椅子に座るとまずカーテンを開け、光を入れて侍女に冷たい水を頼む。
「(シルバディア様は人の死を気にしているのではなく、人材の消耗を気にしていたのだ。それに気付いた時はまさに目から鱗が落ちた。)」
リュシドは自分の母を手記を手に取り、シルバディアの項目を眺める。
「(シルバディア様は人の死を気にしない。人材を失ったことを気にする。まるで上位者らしい振る舞いだ。メグメレルで災害は滅多にないが無いわけではない。
大地震などで人が多く死ぬとシルバディア様は涙を流すが人の死を悼んでではない。人材が失われたから泣いている。)」
リュシドは書斎に入ってきた侍女から水を受け取りコップに注ぐ。そして手記に目を通す。
「地球は・・・・・どうなっているのだろうな。」
手記をペラペラと捲り、代々シルバディアの最高神官を務めてきた王家の皇帝は、どの手記でも最後はこう語っている。シルバディアに入れ込み過ぎるな。と。
「(シルバディア様が戦争を良しとするのは人材が輝くところだからだ。戦争の為に人類を育てている気がする。そのようなお考えを持つシルバディア様が地球にいるなら・・・・・・地球は近いうちに惑星全土を含めた大戦争が再び起こる。)」
手記を閉じ、今度は紙を手に取り、ペンを持つ。メグメレルの国民は三体の女神龍をそれはもう啓蒙していた。
三体の友として認められるのがメグメレル人の命題であり、使命だった。それが叶わぬうちに二体が出て行き、別な星で友を作っていたと聞けば・・・・・・どうなるだろうか。
「地球と、メグメレル。同時に、戦争が起きる。地球ではシルバディア様が火種を撒き散らし、メグメレルではアルカディア様に止められる。どうみても滅びそうですが・・・・・・
滅びないんだろうなぁ。」
今回は滅びない方が厄介であった。石器時代に戻って生活など。誰も出来ないからである。
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「どうしたの?総理?」
永田町。総理官邸。総理執務室。中島総理は次元通信機の簡易転送機能でメグメレル側から何やらファイルのような物を受け取った。
のだが、切れ目も無く、開け口も無く、はさみも通らないものであり、ファイルの表に書いてある文字もシルバディアの翻訳魔法がかかっている身体で読める筈なのに読めないものでほとほと困り果てていた。
「なんか変な物が届いたんです。箱・・・・・にしては薄すぎるし、封筒・・・・・・にしては厚すぎるし・・・・・・それに文字、なんて書いてあるんですか?」
「えーっとね・・・・・・届、中島総理。元リュシド・マイヤミール・アクロレンス・アミラエール・オーロラルド。極・極秘書類在って書いてあるわ。」
「えーっと・・・・・・どちらさまで・・・・・・」
「メグメレルの皇帝。アドメラルのお母さんよ。」
「皇帝陛下?!な、なぜ・・・・・・?」
「わからないわ。簡易的な私の翻訳魔法すら貫通する秘匿の魔法が掛かってて読めなかったみたいね。多分このファイルの表の文字も中島総理以外には見えないはずよ。」
「ど、どうやって・・・・・・!?!?そんなことを・・・・・・!?」
「多分掛けたのはアドメラルね。アドメラルってああ見えて探索者だから。レベル4000級の。魔法なんてお手の物よ。
一度会ったことがあれば相手を特定して魔法を掛けるなんて簡単よ。」
「そうなのですね・・・・・・で、極・極秘っていうのはどういう・・・・・・」
「それもわからない。でも私に強い翻訳魔法を掛けてもらう前提だから私に読まれることも想定してるはず。総理。私と二人で地下会議室行くわよ。」
「わかりました・・・・・・・」
▽▽▽
地下会議室。
「じゃあ強めの翻訳魔法掛けるわよ。」
「はい。」
「はい。じゃあちょっとピリッとするわよー」
「・・・・・・・。」
「はい!」
「・・・・・・・ッ!」
中島総理は一瞬だけ偏頭痛がしたような感覚に陥り目の前に星が飛ぶ。頭を振って集中を戻すとさっきのファイルの文字が読める。
「読めるようになりました。」
「じゃあ開けるわね。多分こうやって・・・・・・・」
シルバディアが爪でピッとファイルの天面を切ると中から書類の束が出てくる。シルバディアはまず中島総理に読めと手渡し、中島総理は緊張感が高まりながら受け取る。
「何が書いてあるんでしょう・・・・・・」
「それを今から読むのよ。」
中島総理は読み始め、シルバディアはあくびをしながら持ってきたカフェオレを飲む。そしてしばらく。
「読み終わった?」
「ええ・・・・・ざっくりとですが・・・・・・」
「何が書いてあったの?」
「・・・・・・・。」
「総理?」
「メグメレルは、何をさせたいのでしょうね。」
「なんか大変なこと?」
「第三次世界大戦の予測と、大戦後の世界を日本が支配する方法が書いてありました。」
「そんなの予測出来たのメグメレルって。そんなに情報与えてないと思うけど?」
「翻訳魔法があると思って、お土産に日本の中学校の教科書を差し上げたんですよ。それがよくなかったかも・・・・・・」
「あー・・・・・・ね。」
「書類には、日本が惑星統一を成し遂げてくれると非常にやりやすいと書いてありました。」
「まぁ向こうからすればそれはそうよ。惑星統一が成されてない国家なんて情勢がむちゃくちゃでやりづらいと思うわよ。」
「そういうものなんですか・・・・・・」
「そうよ。」
「あと・・・・・・」
「なに?」
「シルバディアさんに気をつけろと書いてあります。本人を前に言うかは迷いましたが・・・・・・」
「あら。なんでよ。」
「メグメレルでのシルバディアさんの行いは、人類を育てるのは戦争をさせる為で、戦争をさせて技術や文明の発展を促す傾向があると。」
「あー・・・・・・まぁ確かにメグメレルではその手法を取ってたわ。実際戦争でその後の生活が良くなる技術がいくつも開発されるのはよくあるでしょう?」
「それはそうですけど・・・・・・インターネット然り・・・・・・・」
「でしょ?でしょう?やっぱり戦争が一番発展するのよ。人材が輝く場でもあるし。」
「シルバディアさんは地球でも戦争をさせるんですか?」
「していいならさせるけど。だけど地球はママの星だし、それに世界は二度の世界大戦をやってるから次の戦争は間違い無く殲滅戦になる。石器時代に逆戻りされるのはごめんよ。」
「では・・・・・・・」
「ええ。するつもりはないわよ。」
「それならいいですけど・・・・・・・」
「メグメレル式をやるなら石器時代から面倒見なきゃならないから地球じゃ無理だしね。」
「そういう制約もあるのですね。」
「ええ。私は神に近しい者で、神そのものじゃない。出来ることも無限にあるけれど出来ないことも無限にあるのよ。」
「理解は出来ますが納得には時間が掛かりそうです。」
「いつか納得してくれればいいわ。」
火種を作ることをしていたシルバディアだが中島総理はシルバディアの言葉を全て信じることはやめておこうと思案した。信用も信頼もあるが相手は超常の存在。上位者なのだ。いつ気が変わるかわからない。メグメレルの警告はしっかりと心に留め置くのだった。