転生したら異世界の宇宙最強の龍でした!〜0から星と生命を作り出して一大文明の支配者になったので現代日本へ帰還します。自分は日本が一番暮らしやすい。〜 作:電動ガン
服を調達したメラメリル一行は渋谷の飲食店が集中するエリアへと足を進めていた。彼女らは目に見える飲食店に全て興味を示しあっちに行こうこっちに行こうと足を向けるが木崎に止められていた。
「き、木崎様・・・・・・なぜ・・・・・・何故焦らすんですの・・・・・・!!もう!!もう辛抱堪りませんわ!!!」
「木崎様、流石に昼食の時間なのでは・・・・・・?お腹が空きました・・・・・・」
「うぐぅ・・・・・・」
「もう少しの辛抱です。昼食の、こちらの市井の食事を最初は私のオススメの店を食べて欲しいのです。」
「そんなに良い物なんですの?」
「何を食べるのですか?」
「期待しますよ?」
木崎が先頭にしばらく歩く。そこには赤い暖簾が掛かった、少し年季の入った町中華と呼ばれる店に辿り着いた。
「こ、ここ!!すごい良い匂いがしますわーーー!!!」
「お、お腹の空く匂いがします・・・・・・!!」
「ふおおお。」
「ここでなら大量に頼んでも問題ありません。事前に連絡しておきました。お腹いっぱい食べてください。」
「まぁ!!では向かいましょう!!」
「一体どういう料理があるのでしょう。」
「ちゅうかとはいったい。」
暖簾を潜り、侍女、SPと一緒に入る。この店は、メラメリルに耐えきれるのだろうか。
・・・・・・・・・・
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渋谷駅から少し離れた、雑多な繁華街の奥深く。
「楽しみですわね。」
「注文を取るのですか?」
「壁の貼り紙がメニューなのですね。」
煌びやかな繁華街から離れた少し薄暗くなった路地裏にその店はあった。
「とりあえず注文はこちらで任せてもらいます。希望がありましたら出してもらう事も出来ますが・・・・・・」
中華料理、揚々軒。それがそこにあった。昭和の雰囲気を色濃く残す、町中華である。
「店主は、もう作っているんですわよね?」
「ですね。何か音が聞こえます。」
「何をしてる音なんでしょう。」
ジャッ、ジャッと強火で中華鍋を振るう音がして皇女達は何かわかってないようだが。この音は日本人が腹を空かせる音である。
「なんていうのでしょう。始めて嗅ぐのですが、なんともお腹を刺激する濃い匂いが漂っていますわね。」
「ですねお姉様。この匂いを嗅いでいるだけでお腹が空いてきます。」
「ですがどういう料理が出てくるか皆目見当が付きませんよ?」
店内を漂うニンニクとごま油の匂い。それは世界を問わず腹を空かせる匂いだったようだ。木崎はこれににやりと笑い、厨房の頑固そうなオヤジと笑顔で包丁を振るうおばちゃんに声を掛けた。
「すみません。VIPがもう待ちきれない様子です。もう出してもらっても構いません。」
「あいよ。」
「はーい!!じゃあもう出しますねー!!」
そう言っておばちゃんは特盛りのごはんと中華タマゴスープを運んでくる。それだけでメラメリルはおおと言葉を漏らした。
「これが、木崎様の言う最高の料理なのですか?」
「いいえ?違いますよ?」
木崎の言葉にメラメリルが口を開けてぽかーんとする。きっと最高の料理を食べられると思っていたからだ。
「最高の料理なんてホテルで食べられますから。ここはお隣の国、中国から渡って日本に適応した料理を出す店です。最高ではありません。ですが間違い無く絶品です。」
「なるほど・・・・・・ということはわたくしへの挑戦ですね?」
「は?」
「メラ姉様?」
「あら2人とも?わたくしがここで臆すと?」
「いや知りませんけど。」
「何がでてくるかもわからないんですよ。」
「ふふ。大丈夫です。ですが木崎様。覚悟してくださります?」
「え?」
「メグメレルにも地球と比べると貧相ですが。最高の食事はありました。ですが・・・・・・」
「で、ですが?」
「絶品の物は存在しません。それは太古の昔に失われたからです。」
「・・・・・・。」
「その絶品を味わえる。アドメラル、ミリアミル。貴方達も覚悟を決めなさい。わたくし達は、いまから遙か昔に失った物を取り戻すのですわ。」
「はいはい。」
「絶品の食事・・・・・・ホテルで食べた物も素晴らしかったですが・・・・・・」
そうしているうちに料理が届く。回鍋肉、レバニラ炒め、からあげ、餃子、油淋鶏が到着したら皇女達の目の色が変わった。
「こ、これはっっっ!?!?」
「りょう・・・・・り・・・・・・!?!?」
「うわ・・・・・・!!!」
メグメレルでは到底味わえない脂と塩分の暴力。そのあまりの暴力性に思わず椅子から崩れ落ちそうだった。木崎はSP達にも順番に食べるよう指示しており。別なテーブルの侍女達は思わず立ち上がり料理を眺めていた。
「よう。町中華、始めてなんだってな。」
「店主・・・・・・?」
「30人前は食うって聞いたから、思わず張り切っちまったよ。」
「あ、ああ・・・・・・」
「いっぱい食ってくんな。だがな・・・・・・お残しは御法度だぜ?」
「・・・・・・・。」
不敵に笑う老齢の店主にメラメリルは何も返せなかった。おもむろに箸を取り、回鍋肉を摘まみ上げる。
「あむ・・・・・・」
回鍋肉を口に頬張ったメラメリルはその美味さに立ち上がるでもなく、手を叩くでも無く、静かに涙を流した。
「お姉様!?!?」
「メラ姉様!?大丈夫ですか!?」
「大丈夫・・・・・・大丈夫ですわ・・・・・・」
涙を流しながら回鍋肉を摘まみ、白米を突っ込み、レバニラを摘まみ、白米を突っ込み、からあげを丸ごと放り込み、白米を突っ込み、いつしかその手はめまぐるしい速さで動きあっという間に四人前盛られていた料理を1人で食べて空になった白米の茶碗を静かに置いた。
「ふは・・・・・・」
「ああ!?!?無い!!!」
「メラ姉様早すぎです!!!」
「・・・・・・・。」
メラメリルはぼんやりと宙を仰ぎ、固まっている。その様子に木崎はしまったと思い、旨味の暴力で廃人化する懸念をすっかり忘れていたとごちる。
「木崎様・・・・・・」
「な、なんでしょう。」
メラメリルは脳を駆け巡る美味の奔流と快楽の刺激に視界が明滅するほどの衝撃を受けながら木崎に震える声で問うた。
「メグメレルで失われていた物は、ここにありました。確かに最高ではないかもしれません。ですが、間違い無く、寸分の狂いもなく、この料理は絶品です。」
「そう、ですか?」
「はい。わたくし、始めてたったこの量で満たされました。腹ではなく、心が。」
「は、はぁ。」
「もはやこれではメグメレルの食事では一寸たりとも満たされません。木崎様。そちらの長に伝えてください。」
「はい?」
「日本には特命全権大使という立場があるんでしたわよね?」
「ええ、まぁ私がそうですが・・・・・・」
「私がメグメレル側の全権大使となり、地球に残ります。」
「えっ。」
「ぶは!?!?」
「はぁーーーーーーーー!?!?!?!?」
「アドメラルをメグメレルに残し、意思疎通の実行役にしますので。往復してもらうことになりますが・・・・・・わたくしはこちらに残りそちらの長との意思疎通役になります。」
「ちょっとお姉様!!?!?」
「自分がこっちでご飯食べたいだけなんじゃないですか!?!?」
「もちろんそれはあります。ですが地球の食文化を甘くみていましたわ。タダ美味いだけだろうと・・・・・・これは劇薬です。」
「え?」
「そこまで?」
「そうです。お母様は持ち帰れなんて言いましたが。何が起きる?一度に全土にもたらすことは不可能です。ならばあれだけ我々が気を遣っていた格差が生まれる。
そうなればタダでさえシルバディア様から自立をしようと混乱の中にいるメグメレルは再び戦争の危機になる。冗談ではありませんわよ?日本の食はそれだけの価値がある。」
「確かに・・・・・・」
「というか私達コメというものしか食べてないんですけど。」
「一度は帰ります。ですがお母様には地球への戦略を全面的に見直し、最初からやり直さねばならないと進言しないといけません。」
「は、はい!」
「メラ姉様食べたいだけじゃないんですか。」
「それもあると言ったはずです。それにだからこそこの危険性が見えました・・・・・・なので。」
「?」
「はい?」
「貴方達も食べなさい。早く。」
「ひっ・・・・・・」
「はい!!!」
「ふふふ・・・・・・店主さん?追加を持ってきてくださいまし!」
「あいよぉ!!!」
・・・・・・・・・
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・・・・・・
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翌日。
「これ、うんまいですわ。おかわり。」
豊洲市場内にて海鮮丼を昼間から山ほど食べるメラメリルが確認されていた。
「お姉様・・・・・・まだ食べるんですか・・・・・・」
「私・・・・・・おなかいっぱ・・・・・・う・・・・・・」
「だらしないですわねぇ。」
海鮮丼のネタを変え品を変えどんどんと胃袋に放り込んでいくメラメリルは遂に全種類食べ終え刺身のネタに手をだして白米を掻き込んでいた。
「む?木崎様?クジラとはいったいなんなんですの?」
「海に棲む巨大な動物です。食べられるのは世界を見ても日本だけですね。」
「ほうほう。ならば店主さん?クジラの刺身全種類くださる?あとこのノリのお味噌汁をくださいな。」
メグメレルでは絶対味わえない海鮮を味わって、満足気味だが腹がはち切れんばかりに食べてる皇女の2人と満腹になるのはいつなのかと問いたくなるメラメリルなのであった。