転生したら異世界の宇宙最強の龍でした!〜0から星と生命を作り出して一大文明の支配者になったので現代日本へ帰還します。自分は日本が一番暮らしやすい。〜 作:電動ガン
ある日。シルバディアは休みを言い渡され。1人外出を解禁された為散歩に繰り出していた。昼飯にベーカリーで焼きたてパンを買い、公園のベンチでもりもり食べていた。
「あむ・・・・・・うむうむ・・・・・・これ美味いわね。」
パクパク食べ進めて20個買ったパンのほとんどを食べ尽くしたところでベンチに影が差した。
「すみません。隣良いですか。」
「ええ。構わないわよ。」
隣に白杖を持った女性が現れシルバディアは少しスペースを空けた。そしてカフェオレをグビグビ飲みながらパンを流し込み。美味しさに酔いしれていると隣に座った女性がぽろぽろと荷物を零れ落としていた。
「ちょっと大丈夫?」
「え?」
「荷物。落っことしてるわよ。」
「え?あ、ああ・・・・・・」
女性は手探りでまさぐるように落とした荷物を探す。それにシルバディアはふと気付いた。
「貴方・・・・・・目が見えないの?」
「ええ。昔から目が見えないの。もう慣れてるはずなんだけど・・・・・・失敗しちゃったわね。」
「ふぅん・・・・・・」
シルバディアは荷物を拾ってあげると再びパンをかじり出す。女性も覚束ない手で水筒を取りだし飲み物を飲み始める。
「ふぅ・・・・・・」
シルバディアはパンを食べきり。残ったカフェオレをちびちび飲みながら空を見つめる。そしておもむろに女性に話しかけた。
「ねぇ貴方。」
「え?はい。」
「そのおにぎりちゃんと剥ける?」
「ふふ。大丈夫。こう見えても昔からなんども同じおにぎり食べてるから。」
女性は少しもたつきながらもおにぎりのビニールを剥いて食べ始める。シルバディアはぼんやりとしながらその様子を見ていた。
「ねぇ。」
「ん?なぁに?」
「貴方、目が見える様になりたい?」
「そうね・・・・・・そう思った事はあるわ。でも生まれた頃からこの状態だし。目が見えてもそんなに変わらないと思うけど。」
「そう。私ね。魔法使いなの。目が見えるおまじないを掛けてあげようか?」
「ふふふ。ほんと?じゃあお願いしようかな。」
「肩触るわね。」
シルバディアは女性の肩に触り、簡単に女性の状態を探る。
「(神経が結構な状態で形成されてない。この人。目が見えないだけじゃなくて他にも障害がありそうだわ。)」
診察を終えるとシルバディアは女性に顔に触ると言い、女性はされるがままに身体を差し出す。
「(視神経形成、接続、脳神経へ癒着完了。聴覚への病変神経を確認。切除。三半規管のコリジョン判定異常を確認。調整。脊椎からマギリンクサーキット再接続。
形成完了。手足の触覚に発達障害を確認。圧覚の調整。温感の調整・・・・・・完了。)」
シルバディアは顔から手を離し、女性にこう語りかけた。
「終わりよ。貴方。目を開けて見て。」
「え・・・・・・?」
「大丈夫。もう見えるようになったわ。」
「・・・・・・?」
女性は恐る恐る目を開け、眩しさに身悶える。だが光が、色が、形が。全ての視覚情報が流れ込み、女性は立ちくらみに似た感覚を覚えた。
「最初は情報量に眩むと思うけど慣れるわ。」
「え・・・・・・?え・・・・・・・?見える・・・・・・光が・・・・・・形が・・・・・・!!」
女性は首がねじ切れるかと思うほど振り回し辺りの風景を目に収めていく。シルバディアはその様子を静かに見守っていた。
「すごい・・・・・!!これが・・・・・・・!!これが・・・・・・!!」
「どう?目が見える様になった気分は。」
「すごい・・・・・・すごいです・・・・・・これ、これが青い空なんですね。」
「ふふ。ああ。あと内耳の病変部分と三半規管のコリジョン異常も治しといたわ。これで転んだりもたもたすることも無くなるわよ。」
「あ、ああ・・・・・えと、あなたは・・・・・・」
「私はシルバディア。地球じゃ宇宙怪獣なんて呼ばれてるわね。」
「シルバディア・・・・・・」
女性は立ち上がって深く頭を下げた。
「シルバディアさん。本当に、本当にありがとうございます。この恩は必ず・・・・・・!!」
「あーいいわよ。今回は対価を求めないわ。地球人への福利厚生の一種で処理するから。」
「で、でも・・・・・・」
「恩に報いたいと思うなら。これからしっかり生きなさい。目が見えない状態から見えるようになったら大変よ。」
「は、はい!!」
「一応病院も行きなさいね。じゃ、私は行くわね。」
「ありがとうございます!!私、御代田っていいます!!!」
「御代田ね。覚えとくわ。」
立ち去るシルバディアを御代田はその姿が見えなくなるまでずっと頭を下げ続けていた。
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・
ダンジョン庁。シルバディア専用ダンジョン管理室。
「坂下。10階層までの魔石の収支はどう?」
「そうですね。極小魔石の高めのレア度の割合が増えて来てるのと。既にボス階層到達で小魔石が僅かに出回っています。」
「順調そうね。」
シルバディアは懸念していた死者も全く出ていないことに安堵していた。そして次の計画の準備を話すのだった。
「坂下。例の計画の進捗は?」
「既にゲーム会社各社から出向させてシルバディア様からいただいたテスト環境で実走させています。ですが空間ディスプレイやシルバディア様の分身の処理能力に少々忌避感がありそうです。」
「ゲームでそういうの何度も見てるじゃない。」
「ゲームと現実では違うんだそうです。」
「ちゃんとフィクションと現実の区別が付いてるのね・・・・・・・」
シルバディアは紙の報告書を受け取り、ダンジョン管理の実走テストの結果を見る。それは慣れれば出来る。でも慣れるまで結構時間が掛かるというものだった。
「うーんやっぱ厳しいかしら。」
「そうではないと思います。所謂全く新しい未知の環境でゲームを作れと言っているものなので見聞が深まってしまえばこっちのもんです。なのでもう少し出向者は拘束したいです。」
「ならやってちょうだい。」
「御意。」
坂下がぱたぱた出て行くのを見送ると、シルバディアは分身から入ってくる情報を精査する。本当に人間の管理を任せても大丈夫だろうかと不安を募らせるも任せてやらねば育たないと決意を固める。
そうしているとゼファランディアが転移で部屋に現れる。何故だか機嫌が良さそうだった。
「おかえりゼファ姉。なんか機嫌良さそうだけど。」
「む?まぁそうだな。」
ニヤける口元を隠そうともせず、棚から愛用のマグカップを取り出し、冷蔵庫から麦茶を取り出し一気飲みする。なんか随分な機嫌の良さでシルバディアは少し怖くなった。
「アフリカのやつ見に行ってたのよね。なんかすごい歓待でも受けたの?」
「ああ、いや。歓待はまぁ受けたが。それではない。」
ゼファランディアは空間ディスプレイを出現させこちらに投げてくる。そしてその内容にシルバディアは目玉が飛び出るほど驚いた。
「こ、こ!?!?これ!?!?うそでしょ!?!?」
「嘘では無い。実際に見た。」
「どうやったの!?!?アフリカにそんな技術基盤は存在しないじゃない!!!」
「イギリスを脅迫する勢いで協力させたらしいぞ。」
「いやそれでも不可能よ!!!これが出来るならアフリカは世界を取れるはずよ!!!」
「ふふふ。どうやったのかは皆目見当が付かん。そしてその異様さにも気付いていない。全部自分達の生活の為に使っているのだ。」
「信じられない・・・・・・」
空間ディスプレイに投影されたものそれはダンジョンゲートの位相空間連結通過技術確立、現場実装完了の資料だった。つまり本来ならダンジョンゲートの内側と外側は位相が違うので物体を誰かの所持品になって通過はさせても誰の物にもなってない資源の通過は出来なかった。
連結通過を確立させたと言うことはコンベアやパイプラインを外と内で繋げ、採れたての資源を直接行き来させる事が出来ると言うこと。
メグメレルでもこの技術の確立には数千年掛かったにも関わらず、見るからに文明が遅れている後進国のアフリカでこの技術に辿り着くには数万年が掛かるとシルバディアは思っていた。
だが現実はたった数ヶ月で実装。運用開始。何が起こっているのか女神龍の超頭脳でも測りかねていた。
「ありえない・・・・・・アフリカってそんな魔境だったっけ・・・・・・」
「人類のバイタリティを侮っていたな。我も数十万年ぶりに腰が抜けるほど驚いた。こういう驚きは大歓迎だ。まったく気分が良い。」
「でも悪用されない?その技術があれば実質次元空間への進出の足がかりを得たのと変わらないわよ。」
「まぁそこは無理だろう。開発環境を与えたイギリスも運用してるアフリカも、なんか出来たから使ってる状態であるし。解明しようとしたらやはり数万年は掛かるであろう。
現場を見たが制御してるデバイスは日本でスマホを買った方が性能が良いぞ。」
「それならいいんだけど。」
「偶然と執念は誠に恐ろしい物だ。」
恐ろしや恐ろしやと震える2人だったがアフリカの評価を変えざるを得ないという結論に達する。地球人類の可能性を感じてダンジョンが発展したらもっと面白い事が起きると期待して、人類へのダンジョン管理権移行の準備を進めるのであった。