転生したら異世界の宇宙最強の龍でした!〜0から星と生命を作り出して一大文明の支配者になったので現代日本へ帰還します。自分は日本が一番暮らしやすい。〜 作:電動ガン
国連安全保障理事会。通称安保理は、国際の平和と安全の維持に主要な責任を負う国連の最重要機関である。全加盟国が経済制裁などの強制措置やPKOの設立を決定する権限を持つ会議なのだが・・・・・・今回、とある決議案が提出された。『宇宙怪獣資源の排他的占有を非難し、その資源の国際管理確立の決議案』だ。
「転移使っちゃダメなんて総理はめんどくさいこと言うからやんなっちゃうわ。」
「すみません・・・・・・どうしても移動したという痕跡が無ければややこしい事になってしまうので・・・・・・」
「まぁそういう事情もわかってる。言ってみただけよ。」
アメリカ。ニューヨーク。国際連合本部ビル。そこにシルバディアと須垣の姿があった。
「お二人とも。もうすぐですよ。」
「はーい。」
「木崎大使。少し早いのでは?」
「須垣さん。今日はシルバディアさんというゲストがいらっしゃるんです。それに総理から一泡吹かせるというお話も伺っています。早めに入るのは私達の心を決める為ですよ。」
「ああ・・・・・・なるほど。」
既に入念な打ち合わせは終わっている。後は筋書き通りに事が進めばいいだけ。だが人間の欲望は底知れないと言うことを須垣と木崎は計れていなかった。
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会議室に通された三人は、会議の始まりを待っていた。徐々に各国大使達が席に着き始め談笑を始めている。
「誰も話しかけてきませんな。」
「それはそうでしょう木崎大使。こちらにはシルバディアさんがいるんですよ。この会議に少女を連れて入室しているなど異常です。」
「まぁ始まれば無視は出来ないですから大丈夫でしょう。」
今回の非常任理事国はデンマーク、ギリシャ、スペイン、パキスタン、韓国、ルーマニア、エクアドル、フィンランド、ドイツ、ケニアである。どの国も招聘された日本に対し敵愾心を露わにし、常任理事国のイギリス、ロシア、アメリカ以外は怪訝な視線を日本に送っている。
「それでは『宇宙怪獣資源の排他的占有を非難し、その資源の国際管理確立の決議案』を始めます。」
議長国であるフィンランドが仕切り始め、日本に質疑応答に入る。
「日本、貴国は宇宙より飛来した宇宙怪獣の資源を用いて新薬を完成させている。他にも新機軸燃料などを開発し利を得ている。これらは全世界に共有すべき共有財産ではないか?」
「そうだ!!人類共有財産を占有しその資源を独占するなど言語道断だ!!!!」
つばを飛ばしながら糾弾し始めるのは韓国だ。
「えー、それにつきましては。宇宙怪獣、本人からの要望があり、我々に与えられたものであり。共有化する権限が付加されておりませんので、以下の発表になっております。」
それに色めきだったのは中国、フランス、そしてまたしても韓国だった。
「馬鹿を言うな!!!」
「宇宙怪獣と対話したなど信じられるか!!!!」
「相手は怪獣だぞ!!!」
「えー、そう言われると思いまして。宇宙怪獣をお連れしました。」
木崎がそう発言したところ、会議場はざわざわと喧噪に包まれる。
「ではご紹介します。日本に飛来した宇宙怪獣の、シルバディアさんです。」
シルバディアが席を立ち、カーテシーして頭を下げる。
「ただいまご紹介に預かりました。あなた方の言う宇宙怪獣。女神龍のシルバディアと申します。どうぞよしなに。」
シン・・・・・・と会議場が静まりかえる。そして最初に吹き出したのは韓国だった。
「いい加減にしろ!!!子供を連れてきたと思えば宇宙怪獣だと!?!?偽物を繰り出してこの国連の会議場で愚かな事をすれば貴様らの首を絞めるだけだぞ!!!」
「ですが、これは事実でございます。」
「馬鹿にしてるのか!?!?議長!!!この子供を直ちに・・・・・・・」
その次の瞬間だった。ズドン!!!と巨大な腕が会議室をなぎ払い、韓国の大使をズタズタに引き裂く寸前で止まった。
会議に参加していた大使達は何が起きているかわからず避けることも出来ず円卓の残骸を浴びるのだった。
「誰が・・・・・・・偽物ですって?」
「あ・・・・・・・ア・・・・・・」
韓国大使が力なく膝を突き顔面蒼白で後ずさる。そして正気を失った韓国大使は小便を漏らしながらわけのわからない言葉をつぶやくのだった。
「ねぇ議長。」
「ひ、ひぃ・・・・・・!!」
「私、宇宙怪獣だって認めてくれる?」
「は、い、ぎ、う・・・・・・」
「認めるかって、聞いてるの。」
シルバディアは上位者としての圧を込めて議長であるフィンランド大使を睨む。蛇に睨まれたカエルという表現が可愛いくらい怯えた議長は、認めます・・・・・・とか細い声で答えることしか出来なかった。
「さて、皆さん。」
シルバディアは破壊された円卓の中央に立ち、まるで演説するかのように大きく手を伸ばす。
「私、宇宙怪獣シルバディアはね。日本にいたいの。」
大使達が息を呑む。気絶も出来ない恐怖のなか、早く意識を失いたいと何度も思ったがシルバディアのプレッシャーがそれを許さなかった。
「日本にいて、日本で暮らしたいの。他の国に管理されるなんてまっぴらごめんよ。」
「ば、ばけもの・・・・・・」
その時だった。ここにいる大使全員が発言する許可など得ていなかったのにも関わらず、発言した愚か者がいた。
「化け物だ!!!こいつを地球に置いておけない!!!日本に核を落とし殲滅すべきだ!!!」
「あなた・・・・・・どこの大使?」
「ひぃ・・・・・・!!!」
「そう、中国。」
「ひぃ・・・・・・あ・・・・・・・」
「発言の許可も得ずに好き放題言い散らかして。まったくもう。」
シルバディアが指を鳴らす。すると中国大使はガチガチと身体が石像に変化していき、完全に石化するとゴトリと床に転がった。それを見た残りの中国大使が甲高い悲鳴をあげ、逃げ出していく。
「良い?皆さん。勝手に発言したり、発言を許可してもくだらないこと言ったら。みんな石像に変えてあげるわ。」
「シルバディアが辺りを一蹴したところで怯える木崎大使を押しのけ須垣がシルバディアに近づいた。
「シルバディアさん。そこまでです。これでは会議が進みません。」
「あらもう終わり?総理からは一泡吹かせてやれって言われてるのだけれど。」
「とりあえず一旦会議を進めなければなりません。見てください。木崎さんがかわいそうなくらい縮こまっています。」
「あ、ごめん木崎。」
シルバディアが巨腕を引っ込めて自分の席に戻る。同時にプレッシャーが霧散し、会議室に静けさが戻る。須垣がさてどうして道順を戻そうかと画策したところイギリス、ロシア、アメリカから援護射撃が入るのだった。
「以上で宇宙怪獣の真贋は検討されたでしょうか。」
「宇宙怪獣の脅威度がご理解いただけたところで、宇宙怪獣を国際管理下に置く議決を取りたいと思います。」
「否決の方は着席、賛成の方は起立を。」
ズタボロの会議室で応急的に議決を取る。誰も立ち上がらない。と思いきや。一人、起立したのだった。それはフランスだった。
「フランスさんは私を管理下に置きたいのね。」
「ッ!!」
フランス大使は酷く怯えた目をしていたが、同時に決意にも溢れた目をしていた。
「貴方は・・・・・・危険だ!!!」
「あらそう。」
「貴方は将来的に地球に甚大な被害をもたらす!!!それを、小国の日本に管理は任せてはおけない!!!」
「そう。」
「国際社会の目の元で貴方を管理する必要がある!!!」
「うーん。」
「それか、地球から出ていってもらいたい!!!」
「あなたは、ひとつ間違ってるわ。」
「ッ!!」
「私がどこにいようが、私の自由なの。」
「だが・・・・・・」
「それを制限するってことは、地球を死の星に変えてでも私を追い出したいって言う。私と戦いたい。フランスの宣戦布告だと受け取っていいわね?」
「!??!?!?」
「座るなら今のうちよ。」
フランス大使は力なく座り、絶望顔で俯いた。
「よろしい。常任理事国の・・・・・・中国は全員逃げたんだった。四カ国が否決。私を国際管理下にはおかないで良いわね?」
イギリス、アメリカ、ロシアが汗を流しながらも頷き、否決される。
「ありがとう♪では皆さん?」
シルバディアは立ち上がり、須垣と木崎の手を取り出口に近寄る。
「この決定を、無かったことにしたり、無効にしたりしたら。」
シルバディアは振り向いて、未だに微動だにしない大使達を一蹴する。
「その時は、私と全面戦争よ。」
三人は出口を出て国際連合本部ビルを後にした。
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後日。永田町。総理官邸。
「そう、ありがとう木崎君。」
「ええ、はい。なんとか比較的穏便に終わりましたね。」
中島総理は安保理の顛末を聞いて一先ず安心していた。被害者は石化した中国大使のみ。破壊したのも円卓だけ。
想定していたよりも遙かに、遙かに少ない被害でシルバディアの威光を示せたことを心から安堵した。
中国大使を気の毒に思いながら。本当に国際連合本部ビルを吹き飛ばすくらいは覚悟していたので胃薬が手放せなかった。
「あ、そうです。総理。」
「何?」
「石化した中国大使ですが、地球の技術レベルで作れる薬で石化は解けるそうです。」
「あら!そうなの。じゃあ中国に教えてあげましょうか。どんな薬なの?」
「それは反省させる意を込めて中国に調査させるそうです。」
「そう・・・・・・それとなく聞き出してこっそり教えてあげましょう。不憫だから。」
「そうですか。」
「世界は・・・・・・・変わったわ。」
「ですなぁ。」
「これで日本と対等に外交してくれる国は無くなった。新たな外交を始めなきゃならないわね。」
これで世界は変わった。宇宙怪獣がいなかった過去と宇宙怪獣がいる現在。安保理決議の様子は全世界へと知り渡り宇宙怪獣と共存を強いられる世界へと変貌したのだった。