転生したら異世界の宇宙最強の龍でした!〜0から星と生命を作り出して一大文明の支配者になったので現代日本へ帰還します。自分は日本が一番暮らしやすい。〜 作:電動ガン
地球は未曾有の偽龍の襲来に怯えることとなった。地球からシルバディア、エルーカディア、バルガンディアが出立したことは既にSNSや国立天文台の観測で日本だけではなく、全世界の人類に伝わっていた。が、地球の地上からも見えた宇宙の閃光は人類に恐怖を与えた。
「俺たちどうなるんだ・・・・・・」
「ただの隕石と戦うなんておかしい・・・・・・・別な宇宙怪獣なんだ!」
「がんばれー!!シルバディアちゃーん!!!」
地球の人類が宇宙怪獣に希望を祈るころ。ラグランジュポイントを超えた偽龍は・・・・・・何をするわけでもなく、少しずつ近づくのだった。
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「このぉぉぉぉぉぉ!!!!」
「く・・・・・・!!!ああっ・・・・・・!!」
地球の近縁宙域と言える距離まで近づかれたエルーカディアとバルガンディアは押し返すことだけを考え、偽龍をエーテルの噴射で壁を作っていた。
だがしかし、偽龍は何かを噴射したりしているわけでもなく止まらない。女神龍が二体、手を加えても進行を止められずにいた。
「どうなってる・・・・・・っっすかぁ・・・・・・!!!なんで・・・・・・止まらない・・・・・・!!!」
「こいつ・・・・・・!!!パワーが・・・・・・・!!!」
宇宙では女神龍が最強無敵の存在である。それは不文律だ。だから当初の偽龍は滅ぼせた。だがこいつはどうだ。どこから来たのかわからないが女神龍を傷つける能力は無いにせよ。女神龍が苦労するほど堅く。重い。
「エル!!!バル!!!」
「シル・・・・・・!!!」
「シルさん!!!」
巨大化したシルバディアが偽龍を力尽くで止め、エーテルの噴射だけはなく、自身の身体からも噴進ジェット炎を出して止めた。漸くここで偽龍は進行を止め女神龍三体と相対する。
「シル・・・・・・・!!!こいつ、偽龍・・・・・・!!!間違い無い・・・・・・!!!」
「ええ・・・・・・わかってるわ。」
「私よくわかんないっすけど!!!やばいやつなんすよね!?」
「そうね。私達に取っては危険な存在よ。」
物言わぬ偽龍。頭部らしき箇所は岩石に埋もれているがある。その落ち窪んだ目は何を見据えているかはわからない。
「シル・・・・・・!!!どうやって殺す・・・・・・!?」
「落ち着いてエル。ここまで近づいて感じ取った感じ、もういい。」
シルバディアは進行を止めた偽龍に近づき、巨腕を振り上げた。
「シル・・・・・・?」
「シルさんすごいっす・・・・・・私達はブレス使っても傷を付けられなかったのに・・・・・・」
宇宙に音は響かないがガツン!ガツン!と偽龍の身体を砕いていくシルバディア。
「私、思ってたことがあるの。」
「シル・・・・・・・?」
「なんすか?」
「こいつは偽龍。間違い無い。だけど、どこから来た?」
「え・・・・・・?」
「ん?」
「恐らくこいつは、宇宙を辿ってきた。かつてのレーバティリウム宇宙から。地球の宇宙までおそらく次元空間を通らずに。私達の今の年齢より長い年月を掛けてきた。」
「それが・・・・・・?」
「自己進化も棄て、自己保全も棄て、人類の側にいたいだけが為に。ここまで来た。」
グシャグシャと岩石を砕いては棄て、砕いては棄てと、何かを探すように偽龍の身体を破壊するシルバディア。その目は地球で偽龍襲来の報を聞いたときとは変わり穏やかなものだった。
「偽龍を作ったゴレゲルムの時は、私達、まだ若かったから。正気を棄てて偽龍達を滅ぼしたけど・・・・・・もう良いんじゃ無いかって思ったの。」
「シル・・・・・・・!?!?!?」
「え?いいんすか?」
「いいのよ。だってこいつは・・・・・・もう何も出来ない。出来ることを全て棄てて、そうなってまで人類の側にいたいだけなんだもの。」
ガツン!!!とシルバディアの拳が硬い何かに衝突する。
「哀れよね。普通こういう生命体って自己保全か自己進化に拘って暴走するのに、そうしなかった。」
「でも・・・・・・!!!シル・・・・・・・!!!」
「なによエル。」
「そいつらは・・・・・・!!!そいつらは・・・・・・!!!アルを泣かせた・・・・・・!!!シルを怒らせた・・・・・・・!!!私は、許せない・・・・・・!!!」
「そう・・・・・・じゃあ私が許してあげる。」
「シル!?!??!」
「もう、いいじゃない。もう私、あの時みたいに怒りたくない。」
「シル・・・・・・。」
シルバディアは全長20メートルほどのピンク色の結晶を取り出す。偽龍の核だ。
「見なさい、エル。もうこいつらは核しかない。」
「・・・・・・・・・。」
「これが偽龍の核っすか。脆いっすねー私でも握りつぶせるっすよ。」
「地球に連れて帰りましょう。最後くらい、願望を叶えさせてあげるのも、生命の繁栄を見守る私達の仕事よ。」
「でも、こいつらは・・・・・・・」
「そうね。」
シルバディアはエルーカディアの頭をひとつ小突き。苦言を呈す。
「エル、こいつのせいで私達が人類の敵になりそうだったら、エルがこの核を壊しなさい。」
「・・・・・・・・・・。」
「こいつは、もうお終いなの。そのお終いを見届けなさい。」
「・・・・・・・・・・。」
「エル?」
「・・・・・・・・・・わかった。」
「おりこうさんね。」
「はーやっとおわりっすか。」
「バル!!」
「うす!!!」
「バルは砕いた岩石の排除頼むわね。多分このままだと地球の重力に引かれて落ちるわ。」
「うーっす。」
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地球、日本。東京湾。海上保安庁の警備艇に乗り、中島総理他が着水したシルバディア達を出迎える。
「おかえりなさい!!!シルバディアさん!!!」
「ただいまー総理。」
大きさが3000メートル級にまで巨大化しているシルバディア達は念話で会話していた。中島総理は初めての念話に大層驚いて泣いていた。
「とりあえず!偽龍はなんとかなったんですね!!」
「なんとかなった。完全にではないけど破壊したわ。」
完全にではないけどのところが引っかかったがシルバディアがピンク色の結晶を見せる。
「これ、この石。偽龍の核なの。」
「核?」
「そう、これをね。人の多い場所に設置してあげて?」
「大丈夫なんですか?」
「もう、何も出来ないの、あらゆるものを棄ててこうなったの。攻撃する能力も、動く能力も、考える脳も棄てちゃった。
人類の側にいるという命題を守る為だけに特化したあまりのも哀れな生命体だから、最後くらいは願いを叶えてあげたくて。」
「そう、ですか・・・・・・・ではお台場のバンダイのモニュメントを展示終了したまま次に何をするか決めてないのでそこに置けるよう打診します。」
「わかった。頼むわね。」
それから幾数日も経つことなく、Jアラートが解除されて避難から戻った国民の為に、お台場に新名物が設置された。大きさ20メートルほどのピンク色の結晶。偽龍の核だがそれを見に来る見物人は誰も知らない。皆、日本の宇宙怪獣が持ち帰った地球に迫った隕石の核だと思っている。でも、これでいいのだ。偽龍の核は毎日毎日やってくる観光客に囲まれ、満足だった。この海風の心地よいお台場から人類を見守って行こうと静かに決心した偽龍なのだった。
〜第一部 完〜