転生したら異世界の宇宙最強の龍でした!〜0から星と生命を作り出して一大文明の支配者になったので現代日本へ帰還します。自分は日本が一番暮らしやすい。〜 作:電動ガン
「というわけなの。」
永田町。総理官邸。地下六階。地下会議室。いつもの五カ国定例会議でシルバディアはダンジョンの経過を報告していた。各国首脳にはダンジョン庁謹製の資料がにぎられている。
「なるほどな。国際化の時が来たのか。」
「大丈夫なのか?前危険があると言ったろう。」
「我々は大丈夫だというなら信じるしかないが。」
シルバディアは苦笑しながら返事をした。
「大丈夫。ダンジョンも7階層っていう節目まで来たわ。レベル上限の10に達した探索者もそこそこ出た。そしてダンジョンが成長したことにより各国のダンジョン一つで一億人までは許容人数になってるから。」
「なら大丈夫か。」
「だな免許センターを通過した人数も中国では3000万人に昇った。通過中の者も5000万人いる。
全体の人口から若者の人数を考えるとまだ頭打ちにはならんだろう。」
「ロシアは少し厳しいな。7000万人ほどの探索者がいたがそのうち700万人は免許停止になった。日本へ教員を派遣して勉強させて欲しいのだが・・・・・」
「エフレム大統領、それは全然構いませんよ。後ほど詰めましょう。」
「頼む中島総理。」
「アメリカは一億人ほどいるが綺麗に三箇所に分散している。よっぽどの事がなければ一箇所に集まることはないだろう。」
「イギリスは厄介な事になった・・・・・・」
ハリー首相はしょんぼりとうなだれ眉をハの字にしている。
「どうしたんですハリー首相。厄介な事とはなんです?」
「聞いてくれミセス中島・・・・・・・最初は労働者の副業にする予定だったのだ。だが貴族のやつらが出張ってきて勝手にギルドを名乗り、探索者を囲い込んで社交界のようにダンジョンに潜ってる。労働者にガンガン潜ってもりもり魔石を発掘して貰う予定が完全に崩れた。予定数の七割しか魔石が取れてない。どうしたものか・・・・・・」
「そんなことが・・・・・・」
「いいじゃないギルド。」
「レディ・シルバディア。なんもよくないぞ。ダンジョンは無限の資源が出る場所なのだ。貴族の遊び場にされたんじゃ商売あがったりだ。」
「じゃあ労働者達にもギルドを組ませなさい。そして貴族の影響力に負けないようにするの。ダンジョンは強さが正義だから貴族なんて目じゃないわ。」
「だが作らせてもうまくいくか?」
「こうすればいいのよ。労働者二大ギルド!!秩序のギルドと調和のギルド!!君は好きな方に入ってギルドマークを背負って冒険しよう!!みたいなね。」
「なるほど?」
「権力闘争は勝手に貴族のギルドにやらせときなさい。その労働者ギルドには政府がピックした有名な騎士の称号を与えたリーダーがいることにしましょう。
良ければ私から女王陛下に打診して騎士の称号を授けてもらうわ。」
「良いかもしれん。労働者の騎士。話題作りにも。」
「でしょ。試してみなさいよ。」
「ああ!やってみる!女王陛下にもこっちで聞いてみる!!」
「他の国でもギルドやってみなさい。探索者のネットワークが出来るのは良い事よ。」
ぼちぼち返事をする各国を見ながらシルバディアは仕切り直す。
「それで、エクスプローラー免許の国際化の手順なんだけど・・・・・・いきなり全面公開は無し。ここまでみんな一致してるわね?」
「ああ、大丈夫だ。」
「問題無い。」
「把握してるぞ。」
「準備してある。」
「よろしい。なので自国籍以外の受け入れは、まず一カ国か二カ国までにします。いいわね?選択は済んでる?」
「わかっている。ロシアはちょっと例外だがバルト三国に開放する予定だ。」
「アメリカはブラジルとカナダだ。」
「中国はネパールだ。インドと迷ったがインドは人口が多すぎるから却下した。」
「イギリスは、アフリカケニアとオランダだ。」
「みんなちゃんと決まってるのは良いわね。ロシアはまあ許すわ。ちゃんと管理するのよ。」
「もちろんだ。」
「日本は?」
ジョーンズ大統領がぽかんと聞いた。
「そうだ日本は?」
「日本はどことやるんだ。韓国か?」
「・・・・・・・・・。」
中島総理は押し黙ってる。そして重々しく口を開いた。
「ドイツと・・・・・・・イタリアです。すでに協定同盟が結ばれています。」
この答えに各国は嫌な顔をする。よりにもよって・・・・・・と。
「よりにもよってなんでその国なんだ中島!!」
「その組み合わせは警戒せざるを得ないぞ。」
「なんでそういうことするんだ。」
「また馬鹿やらないだろう?そうだろうキヨミ。」
「何もありません・・・・・・本当に、エクスプローラー免許センター国際開放の選定国というだけです。」
「悪いがその組み合わせがまたあるとレディ・シルバディアが来て五時間進んだ終末時計をさらに30分進ませるしかないぞ。」
「大丈夫!!大丈夫ですジョーンズ大統領!!!本当に国際協力です!!だから大丈夫です!!!」
「信じてるぞ。」
「魔石で爆弾作ったりするなよ。」
「神よ・・・・・・」
「まぁ多分レディ・シルバディアの采配だろうが・・・・・」
「そうよ。ぶい。別に同じ轍は踏まないでしょ。」
「だがな。レディ・シルバディア。日本のことわざでは二度あることは三度あるというのだ。」
「・・・・・・・。」
「なんで黙った?!」
シルバディアも流石に問題かなと思ったが別にまた歴史を繰り返す訳では無いから良いだろうのくらいの気持ちだった。こんなに火種になってちょっと怖かった。
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
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・・
・
「中島総理。江田官房長官。この度は我が国の受け入れ感謝致します。」
「私どもも重ねて、感謝します。」
「ゲオルグ首相もフォルゴレ首相もまずはお座りください。まずはお食事をご用意致しますので。」
新橋の隠れた料亭。その個室でドイツとイタリアの首相を交えて秘密の会談が行われていた。もちろんシルバディア謹製翻訳マシンミニがある。そして、これは協定同盟の詰めを確認するためである。
「うむ!美味い!日本の料理は日本にくるといつも楽しみだったんだ。」
「私もだ。いつ来ても美味いものだ。」
「喜んでいただけで何よりです。まずは、腹ごしらえを致しましょう。」
穏やかな雰囲気で食事をして食後のお茶をもらって。ドイツとイタリアの首相達は身を引き締めた。全権大使ではなく、自ら直接来た意味が、ここにある。
「まず、中島総理。」
「は、はい。」
ゲオルグ首相が顔を引き締め。こう繰り出した。
「我が国のエクスプローラー免許受講者が万が一にも、貴国のお台場ダンジョンで不都合を及ぼすような場合は、それは我が国の教育不足でしかない。
そしてそのような不届き者が出た場合は日本の法律で断固として裁いていただきたい。」
「我が国も同じです。」
「承知しました。断固として対応させていただきます。」
中島総理はあまりにも堅苦しい二人に冷や汗が止まらなかった。
「お顔を上げてくださいゲオルグ首相、フォルゴレ首相。今日は頭を下げに来たわけでは無いはずですよ。」
「その通りだ。だがこの三国だとどうしても気が引き締まってしまうな。」
「ああ。過去の我々はただの愚か者であった。次はそうならないようにしたいものだ。」
「ええ。まったく。」
そして中島総理は江田官房長官から書類を受け取り、二人に渡す。
「まずはこの限定公開に当たって、注意事項の確認からです。」
「承知した。」
「多国籍者の免許取得の注意事項だな。」
「左様です。まず大前提として今回ドイツ、イタリアの開放するのは立川にあるエクスプローラー免許センターの受講、受験資格です。
日本国籍を持たない方がここで免許を取得するに当たって、お台場ルールともいうローカルルールに適応をお願いすることになります。」
「当然だ。我々はどんなルールにも従おう。」
「我が国もだ。」
「一つ目の懸念材料が規律とマニュアルの執着です。これは主にドイツ国籍の受講者にお願いしたいです。」
「我が国の?」
「はい。事前シミュレーションや我が国のダンジョン庁の分析ですと、ドイツからの志望者は非常に優秀で、真面目である反面、免許センターの教官が提示したマニュアルを絶対視しすぎる傾向があると出ました。
「それが、なにか・・・・・」
「通常はそれでいいのですが、ダンジョンは。シルバディアさんの急なアップデートがあります。
ゲームのようにアップデートのメンテナンスがありません。免許センターでの学科試験のデータは先週までのデータなのです。実技や実戦においてマニュアルが役に立たない状況がままある。
そういう状況に直面した際、教官は臨機応変に、直感と状況判断で動け、と教えます。これがドイツの教育法のように、マニュアルに記載が無いため、次の指示を待つ、とすると。
ダンジョンでは死にます。」
「あ、ああ・・・・・痛いところを突かれましたね。我が国民の気質をよくご理解している。ダンジョン庁侮りがたし。予測不能の事態が多発するダンジョンでは我が国の規律への依存は致命的な隙になる。中島総理。私は帰国後、志望者向けの事前講習で想定外を楽しめと最優先で教育させていただきます。」
「そ、そこまで・・・・・・いや命が掛かるからしかたないか。」
ゲオルグ首相は深くお辞儀をし、中島総理は慌てて宥めた。そしてフォルゴレ首相に視線を向けた。
「そしてフォルゴレ首相。次はイタリアです。」
「うむ。頼む。だが我が国ほど勇敢な探索者候補ほどいないだろう。」
「それは私も存じていますが・・・・・問題は情緒とコミュニケーションへの偏重が少々試験や精神鑑定で不利になるかと・・・・・」
「・・・・・・?」
「具体的に言いますと免許センターでは精神鑑定と試験での面接があります。精神的な安定性や危急の人格診断をするのですが・・・・・・こちらの分析ではイタリア人受講者は女性面接官や試験官に熱烈なアプローチを掛ける可能性が示唆されてまして・・・・・・」
フォルゴレ首相は否定出来ないと苦い顔をして拳を床にたたきつけた。
「なんということだ・・・・・・・・我が国の男達は美しいシニョリーナを前にすると、それが免許センターの試験管だろうと口説かずにはいられない性質をもっているのです・・・・・・ですが勘違いしないでいただきたいのはそれは決して悪意や浮ついたものではなく、女性への礼儀なのだと理解して欲しい・・・・・・」
「試験や面接、鑑定は綿密なスケジュールが組まれていて1秒でも遅れると全体の進行に響き、取り返しのつかない損失になります。フォルゴレ首相教育をお願いします。」
「承った。全員鉄の修道士になるよう厳命する。女性試験管にウインクを飛ばしたら容赦無く叩き墜としてくれ。」
「ははは・・・・・わかりました。伝えておきます。」
それから中島総理は免許センターの注意事項を熱心に説明し、二人は真摯に聞いていた。
「次はお台場ダンジョンのルールです。」
「ダンジョンの中ということだな。」
「大変そうだ。」
「これが最も重要な注意事項です。」
二人の顔が緊張に包まれる。ごくりとどちらかが唾を飲む音がして中島総理は続ける。
「免許センターのある立川全体、及びダンジョンのあるお台場全体の宗教と政治的活動の禁止です。」
「・・・・・・?」
「それは、普通では?我々はお客様だぞ・・・・・・」
「まじでやめてください。ほんとに。ぜったい。」
中島総理の語尾が強いことに一抹の不安を覚えた二人。
「それは、なぜ・・・・・・?」
「何がある・・・・・・?」
「シルバディアさんの粛正があります。」
二人は血の気が引いた。それは下手したら活動をした探索者だけではなく、本国にまで影響がある。
「わかった!!!絶対に辞めさせる!!!事前に思想調査を徹底する!!!」
「マズイ・・・・・・それは絶対マズイ!!!!」
「マズイです。一番優しくて全国民の石化。一番やばくて地図から国が消えます。」
二人は血の気が引きすぎて顔が白くなってガタガタと震え始めた。
「これが一番守っていただきたい注意事項です。」
「しょ、承知した。」
「わかった・・・・・・・」
「では次です。次はゴミのルールです。」
「ご、ゴミか。」
「我が国のでも分別ルールは手をこまねいているのに・・・・・・」
「いえ問題ありません。ダンジョン内はポイ捨てオーケー。むしろポイ捨てを推奨しています。」
「え!?」
「何故だ!!?ダンジョン内がゴミで一杯になるだろう!!」
「いえ、それがですね。ダンジョンは100人人数制限のインスタントなフィールドらしいのです。入った人数がダンジョンから全員出ると消滅し、エネルギーに変換されるんだそうです。」
「なんと・・・・・・!?」
「ダンジョンはそういう・・・・・・!?」
「その消える際に文明の痕跡、つまりゴミですね。これが残っていると回収されるエネルギーが微増するんだそうです。シルバディアさんいわくこれが結構馬鹿にならないんだそうで。
ダンジョン近所のマクドナルドなどのテイクアウトの食事を持って入場し、中で食べてゴミを捨てる。という循環が起きているんです。
リサイクル出来ないというデメリットはありますが、魔石になって返ってくるというメリットがあります。」
「ほうほう。なかなか面白いな。ゴミを栄養にしているとは。」
「景観を汚さないのは実に良い。」
「ただし不法投棄は許さないそうです。大量の不法投棄を確認したらシルバディアさんが直々に天罰を下すんだそうですよ。」
「なるほどな。」
「それは確かにいかん。」
「こんなところでしょうか。他に何かありますか。」
「中島総理・・・・・・一つ聞きたい。」
「なんですかゲオルグ首相。」
「ダンジョン内で・・・・・・飲酒は可能か・・・・・・?」
フォルゴレ首相ががっくりと肩を落とし、あまりの真剣具合に中島総理もずっこける。
「しゅ、首相・・・・・一応は、可能です。最初はいました。ですがシルバディアさんから警告がありまして。危険度は極小だけど命を賭ける場所で飲酒はやめときなさいだそうです。」
「そうか。言われてみればそうだ。」
「言われんでもわかるだろゲオルグ。」
「だがなぁ。」
「まぁダンジョンの後は酒を飲みたいと言う声は多くありましたので、ダイバーシティ含め周辺施設に居酒屋やバル、バーなどの飲酒が可能な店舗は増えました。是非ダンジョンの後はご利用ください。」
「わかった。」
「まぁ飯は重要だな。80年前の大戦では我々は飯が美味かったから戦えていた説がある。」
「他に何かございますか。」
「いやとりあえずここまでにしよう。」
「そうだな。詰め込み過ぎは良くない。」
「わかりました。では我々も少しばかり、たしなみましょう。」
「お!SAKEか!?」
「いいなSAKEは最高だ。」
こうして三国同盟・・・・・・もとい協定同盟の密談は進んだ。だがこの首相二人は味を占めたのかちょくちょく日本に来ては飯を食って帰っていき、中島総理を困らせるのだった。