転生したら異世界の宇宙最強の龍でした!〜0から星と生命を作り出して一大文明の支配者になったので現代日本へ帰還します。自分は日本が一番暮らしやすい。〜 作:電動ガン
自衛隊中央病院研究所にて政府からの極秘の成分分析が行われていた。研究員達は未知の薬剤と安っぽいノートを受領し、その研究を命じられたがその態度は訝しさを隠しきれてはいなかった。
「教授。成分分析終わりました。」
「・・・・・・。」
「教授!」
「・・・・・・。」
「教授!!!大丈夫ですか!!!」
「ん!?あ、ああ・・・・・・」
「そのノート、そんなに面白いんですか?」
「俺からは何も言えん。助教授にも閲覧権限は無いからな。」
「そうですか。」
「それで、若返りのポーションはどうだった。」
教授が研究員の成分分析結果を見る。
「成分的には・・・・・・なんだこれは?」
「エナジードリンクですよこれ。」
「はぁ?」
「俺たちが何時も飲んでる、レッドブルとか、モンスターとか。それです。未知の粒子が大量に含まれてますけど。」
「・・・・・・。」
「そのノートって作り方なんですよね。エナジードリンクの作り方が書いてあるんですか?」
「・・・・・・何も言えん。」
「そうですか。とりあえずあとは人体実験なんすね。」
「そうだな。効果を確認しなければならない。人選は済んでいるか。」
「はい。とりあえず三人は。」
「報告しろ。」
「はい。一人は74歳。元陸上自衛隊一尉、認知症と肝疾患を患い入院中。二人目82歳、元海上自衛隊三佐。認知症を患い心筋梗塞で入院中。三人目63歳、元航空自衛隊パイロット。多臓器不全で入院中。」
「そうだな・・・・・・元一尉にしよう。他は保留だ。担当医に知らせろ。」
「はい。」
「若返りのポーション・・・・・・確かめさせてもらうぞ。」
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それからまた日を置いて。認知症と肝疾患を患った元陸上自衛隊一尉。杉本権蔵はベッドで微動だにせず、虚空を見つめ、チューブで栄養を与えられて延命治療されていた。家族はおらず、遺産も無い。天涯孤独。死を待つだけの存在。研究所教授からの提案を医師達がカンファレンスを詰めて、若返りのポーションの実験台に決定された。
「対象被検体Aバイタル安定、若返りのポーション投与準備完了。」
医師と教授が見守る中。若返りのポーションが投与されようとしている。医師が書類に実行の判を押し、ポーション投与を実行する。
「やれ。」
「投与開始。」
権蔵の口に繋がるチューブに、ポーションが通っていく。シルバディアが言っていたショットグラス一杯分という容量をキチンと守り権蔵に投与された。
「・・・・・・変化はあるか?」
「やはりはったりか・・・・・・?」
「いや!待て!」
権蔵の目が開かれ、ぐるぐると回り出す。そしてブチブチと何かがちぎれる音がして病院着の上からでも筋肉が隆起していく。
「ごぼ・・・・・・げぼ・・・・・・」
権蔵の荒れ地の様だった肌に瑞々しさが蘇り、不毛の大地となっていた髪の毛が緑化されていく。
「はぁ・・・・・・はぁぁああああああ!!!」
メキメキと変化が大きくなっていき医師達が驚きどよめく。そして時間にして三分。変化が収まり、権蔵が目を開けた。
「ごぁ・・・・・・ぺっ!ぺぇっ!!」
口に繋がれてたチューブを抜き去り。権蔵は知性ある目で周りを取り囲んでいる医師達を見渡した。
「あの・・・・・・ここは?俺自宅で寝てたような・・・・・・」
「杉本権蔵さんで間違いないですか。」
「え、ええ。俺は杉本権蔵ですが・・・・・・」
「今からすぐに検査します。仕事にかかれ!!!」
医師達は恐怖した。想像通りならただの若返りじゃない。この若返りのポーションは。奇跡の薬だと。
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永田町。総理官邸。
「・・・・・・で?増田君。これが若返りのポーションの報告?」
「はい。そうです。」
防衛大臣の増田時臣が告げた若返りのポーションの効能はまさに奇跡だった。
「四人に投与し、あらゆる疾患の完治を確認・・・・・・まさか認知症まで治るなんて。」
「この若返りのポーションは身体のあらゆる物を若い、何の異常も無い身体に直す薬なのです。奇跡の薬です。」
「そうね・・・・・・でも、子供には効かないのは残念ね・・・・・・」
「ですな・・・・・・しかし大人、おおよそ20歳以上であれば効きます。総理、子供にも効く薬をコードネーム:ドラゴンは持っているはずです。交渉の進展を。」
「わかったわ・・・・・・それと、量産化の目処はどう?」
「報告によるところは。量産化は可能か不可能かで言えば。可能だそうです。」
「やるじゃない。」
「ただ問題が無いわけではないらしく・・・・・・作り方は地球の科学的、医学的、薬学的なアプローチとは違う製法なんだそうです。」
「つまり?」
「現場の見解をそのまま持ってきますと・・・・・・若返りのポーションは錬金術で作られている、というのが共通認識になっています。」
「錬金術って、あの、他の金属から金を作るっていう?」
「いえ、それではなく、もっとサブカルチャー的な、ゲームや漫画の錬金術が近いと言っていますね。」
「そう・・・・・・」
中島総理は腕を組んで押し黙った。そして水を一口飲むとまた口を開く。
「つまり、その錬金術を学んで作れば、若返りのポーションの量産は可能・・・・・・という認識でいい?」
「それで良いかと。」
「わかったわ。ありがとう。下がって。」
中島総理は執務室に一人になって考えを纏める。若返りのポーションは大人限定の万能薬。ならばポーションは?あれは子供にも効くはず。あちらも外傷と認識されるものを全て治すのだとしたら。
「やってみましょう。」
中島総理はシルバディアとの取引に繰り出すのであった。
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その後。シルバディア宅。
「夕餉の最中にすみません。シルバディアさん。」
「まったくね。でも気にしてないわ。総理。」
中島総理はシルバディア宅を訪れ、交渉、取引に応じてくれないか検討しにきたのだった。
「それで?どうしたの?」
「先日取引に応じてもらいいただいた若返りのポーションはとても素晴らしい薬でございました。それでなんですが・・・・・・」
「何かあったの?」
「いえ、若返りのポーション、あれは子供には効かないとおっしゃっていましたよね。子供にも効くものを欲しくなりまして・・・・・・」
「あーなるほどね。じゃあ別に上げたポーションでいいじゃない。あれは若返りのポーションの強化版なの。」
「そうなんですが・・・・・・」
「え?何か問題あった?効き過ぎた?」
「そういうわけではないのですが。ポーションの方は、その在庫がひとつしかないので・・・・・・」
「もっと欲しいのね。良いわよ。」
「ほんとですか!!!」
「ええ。あ、それとも作り方渡した方がいいかしら。」
「そ、それでも構いません!!」
「じゃあ研究用に数個と作り方の纏めたノートあげるわね。」
「ありがとうございます・・・・・・!!では、対価の方なのですが・・・・・・」
「そうねぇ・・・・・・」
シルバディアが顎に手を当て考える。中島総理はドキドキと汗を流す。何が出てくるのか。何を要求されるのか。人類とは思考形態も違う生物との取引は中島総理の精神をどんどん蝕むのであった。
「総理?」
「はい。」
「明日ね。須垣と天谷も呼んで、ウチでピザパーティーするの。そのピザの注文代金を総理が持ってくれるなら、渡すわ。」
「・・・・・・・・・・・・は?」
「だからピザの代金。ピザ四枚と、ナゲットとポテト。それとコーラ。そのお金を総理が出して。そうすればポーションの作り方とサンプルをあげるわ。」
「・・・・・・。」
中島総理は内心思った。それって釣り合ってると言うのか?あとで、また要求されやしないか?大丈夫か?冷や汗がどんどん出てくる。埒外に高いのも困るが、変に安いのも大変困った。
「あの・・・・・・」
「なに?」
「なんで、その取引に・・・・・・?」
「ああ、なんでピザくらいと交換するのかって?そのポーションなんだけど。私の世界では一個日本円で3000円くらいなの。ガンプラくらいの値段なのよ。しかも錬金術師に頼らず、冒険者が自分で材料を集めて自給するレアでも何でも無いアイテムなの。だから大した価値なんて無いのよ。」
「は、へぇ。」
「わかった?わかったなら。はい。これ。」
シルバディアが光環を出現させ手を突っ込み、ノートとポーション三つを取り出した。
「明日のピザ。よろしく頼むわね。」
「・・・・・・はい。」
こうして重要戦略級物資を受け取った中島総理。相手は宇宙人だ。価値観が違うと身構えていたが。ただ単に自分が価値を知らないだけと言う結果に終わった。これからもこういう取引は増えていくだろう。中島総理の明日はどっちだ。