白翼の機械人形になった転生者は海賊(人助け)をしながら、世界を見守る。   作:キング・クリムゾン!!

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続きです。ゆっくりしていってね。


第十三話:『深海からの進撃と、開戦のカウントダウン』

シャボンディ諸島を出航してから、濃密なる八日間の航海。

世界政府の全戦力が集結しつつある海軍本部『マリンフォード』へ向けて、コーティングされた白ひげ海賊団の船団、そしてその真下の深海を併走する『オーロ・ジャクソン号』は、暗く冷たい海底を音速で突き進んでいた。

 

モビー・ディック号のデッキの最前方、凍てつく深海の闇を睨みつけるように、レオン・ユイは直立していた。

 

『周辺データを更新……。これより正義の門を通過し、マリンフォード湾内へと進入する。……海面上における海軍本部の総戦力:十万人。王下七武海、ならびに海軍大将三名を含む絶対防御陣形が形成されています』

 

「十万の兵力か。効率的な配置だが、個々の出力には限界がある。問題ない」

 

レオンの脳内に構築されたゼロシステムは、すでに海水圧の変化、湾内の地形データ、そして処刑台の上に跪かされているポートガス・D・エースの微弱な生体波動を、完璧にキャッチしていた。

 

「おい、レオン。本当にタンクトップのままで戦場に降りる気か? 上は戦場になったら、青キジの能力で気温が下がってくるよい」

 

一番隊隊長マルコが、青い炎を微かに揺らしながらレオンの隣に歩み寄る。

 

「……問題ない。俺の肉体は、周囲の熱量や環境に左右されない構造だ。お前たちこそ、命の無駄遣いは避けるがいい」

 

冷淡に、しかし確かな共闘の意志を込めて言い放つレオンを見て、マルコは不敵に笑った。

 

その背後、巨大な椅子に腰掛けた“白ひげ”エドワード・ニューゲートが、太い腕で大太刀を握り直し、深海に響くような低い声で笑う。

 

「グララララ……! 泣いても笑っても、あと数分で世界がひっくり返る。レオン、お前のその最大火力、出し惜しみするんじゃねェぞ」

 

「……俺のデータに、手加減という文字は存在しない」

 

その頃、海海上のマリンフォード『オリス広場』。

処刑台の真下に座る海軍大将――青雉、赤犬、黄猿の三人が、不穏な静寂の広がる海を見つめていた。エースの処刑執行時刻まで、あと3時間もない。

 

「あらら……、来ねェねぇ。正義の門の手前までは、奴らの船団が確認されてるはずなんだが……」

青雉クザンが、数日前にアイスベルク島で拳を交えた「白き死神」の冷徹な瞳を思い出し、うっすらと冷や汗を流していた。

 

「おっかしいねェ……。四皇の船ともあろうものが、怖気づいて逃げ出すわけもないでしょうにねぇ……」

黄猿が気だるげに空を見上げる。

 

元帥センゴクが処刑台の上で拡声器を握り、全世界にエースが『海賊王ゴール・D・ロジャーの血を引く実の息子』であることを告げたその瞬間、オリス広場は、そしてシャボンディ諸島で見守る記者たちは言葉を失うほどの衝撃に包まれた。

 

だが、世界の驚愕が最高潮に達したその時――。

 

ブク……ブクブク……。

 

湾内の海面が、不気味に、そして激しく泡立ち始めた。

 

「……! 船が、無い……! どこから来る……!?」

海軍の将校たちが焦燥の声を上げる中、センゴクの鋭い眼光が、湾内の海底へと向けられる。

 

「まさか……! 奴ら、最初から海中を……!! 全員身構えろォ!!!」

 

――直後、マリンフォードの湾内中央の海面が、爆発するように大きく割れた。

 

ザパァァァァァァァァン!!!!!!!!!!!

 

激しい水飛沫を跳ね上げ、巨大なクジラを模した船体――白ひげ海賊団の本船『モビー・ディック号』が、コーティングを弾けさせながら海中から堂々とその姿を現した。それに続いて、数十隻の傘下の海賊船が、海軍の包囲網の『真ん中』へと一斉に浮上する。

 

「本当に来やがった……! “白ひげ”海賊団だァァァ!!!」

 

海軍兵たちの悲鳴のような怒号が響き渡る。

モビー・ディック号の船首へと歩み出る巨体。エドワード・ニューゲートが、大太刀を叩きつけて不敵な笑みを浮かべた。

 

「グララララ……! 数十年ぶりだな、センゴク。……俺の愛する息子は、無事なんだろうなァ!!」

 

そして、その白ひげのすぐ右隣。

海軍の誰もが予想していなかった、『イレギュラー』がそこに静かに立っていた。

背中から四枚の純白の鋼鉄の羽を広げ、二挺の重厚なツインバスターライフルを静かに携えた、緑のタンクトップの少年。

 

「……! あ、あのガキは……数日前にヒューマンショップをすべて更地にした、白翼のレオン・ユイ……!?」

「なぜ四皇の船に、あの『白き死神』が乗っているんだァ!!!」

 

全ての海軍は驚きや動揺を隠さずにはいられなかった。

 

レオンは処刑台の上のエースを、そして対峙する十万の軍勢を冷徹に見据え、ライフルの銃口を静かに前方へと向けた。

 

「あらら……。あいつのあの感じ、ここを消し飛ばす気満々だねぇ……」

 

見聞色の覇気でレオンの感情を見たクザンは額の汗を拭った。

 

そして、動揺している海兵や海軍本部の者たちにレオン・ユイはこう言った。

 

「――海軍のクソどもよ。お前たちの偽りの正義に俺自らが風穴を開けてやろう。・・・・これより海軍本部を完全に解体する。……ゼロ、全武装のオンライン出力を20%まで上昇しろ。」

 

『演算終了……。これより、頂上決戦における『海軍本部殲滅作戦』を開始します。……ミッションスタート。』

 

白ひげの引き起こす空間のひび割れと同時に、白き翼の死神の動力源が凄まじい駆動音を響かせる。

世界の運命を賭けた最大の戦争、その開戦の火蓋が、今まさに切って落とされた。




次回:第十四話 『未曾有の先制一撃、震撼する絶対防衛線』
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