白翼の機械人形になった転生者は海賊(人助け)をしながら、世界を見守る。 作:キング・クリムゾン!!
オーロ・ジャクソン号の甲板は、常に潮風と硝煙、そしてあきれるほどの笑い声に満ちていた。
宝樹アダムで造られた強靭な竜骨は、どんな荒波にも怯むことなく、新世界の猛烈な海流を力強く押し返していく。
「おい、レオン! またお前の作ったあの『ジャム』って奴をくれよ! パンに塗ると最高に美味ぇんだ!」
「おいバカバギー、てめぇさっきから食い過ぎなんだよ! シャンクス、お前もレオンさんの手元を邪魔するな!」
船の調理場へと続く勝手口の段差に腰掛け、まだ十代前半の「見習い」であるシャンクスとバギーが、賑やかに口喧嘩を繰り広げている。
その騒がしい視線の先で、レオン・ユイは無表情のまま、大ぶりの包丁を正確無比なリズムで動かしていた。トントン、と小気味よい音が狭い調理室に響く。
「……バギー。お前が次にその右手を伸ばせば、コンマ二秒後に包丁の背で甲を叩く。それが最も非効率なエネルギーの消費だ」
「ひぇっ!? なんで見てねェのに分かるんだよ!?」
バギーが慌てて手を引っ込める。レオンは視線すら向けず、手元で細かく刻んだ山盛りの果実を大鍋へと投入した。
前世の記憶にある「電子レンジを使った手抜きジャム」の知識を応用し、この世界の調理器具と火加減に合わせて最適化したレオン特製の果実ジャムは、今やロジャー海賊団の隠れた名物となっていた。
口を開けば「任務」「効率」「排除」と冷徹な言葉ばかりを並べ、見た目も十八歳そこそこの鋭い死神のような少年。だが、その本質が「頼まれると断れない極度のお人好し」であることを、船の人間はすでに全員が見抜いていた。
「すまねぇな、レオン。うちのガキどもがいつも迷惑をかける」
調理場の入り口に影が落ちる。長い金髪をなびかせ、外套を肩にかけた副船長、シルバーズ・レイリーが、すまなさそうに、だが嬉しそうに目元を和ませて立っていた。
「……問題ない。見習い二名の栄養摂取効率を高めるのも、この船に居候している俺の『任務』の一環だ」
レオンは冷淡な声で応じながら、出来上がったばかりのジャムの瓶をシャンクスたちの前に置いてやった。シャンクスは「やった!」と目を輝かせ、バギーも現金に声を上げて群がる。
「お前は相変わらず不器用な優しさの塊だな」
レイリーが笑いながら、レオンの隣の調理台に寄りかかる。「だが、のんびり火の番をしてられるのも、あと数分だぞ」
その言葉と同時に、レオンの脳内で、感情の削ぎ落とされた機械声が途切れることなく鳴り響き始めた。
『警告。戦域の全方位から異常な質量の熱源、および悪意を伴う生命反応の接近を感知。……個体識別:ロックス海賊団所属、シャーロット・リンリン、およびカイドウ。さらに随伴する海賊船6隻。到達まであと3分12秒』
脳内の『ゼロシステム』が弾き出す、青い光の演算データがレオンの視界を埋め尽くしていく。
この時代、世界を恐怖のどん底に陥れている最凶の軍団――『ロックス海賊団』。その牙が、ついにロジャーたちの行く手を阻むように新世界の海原へ現れたのだ。
「……敵襲か」
レオンは包丁を綺麗に拭き、腰のホルダーへと収めた。その眼光が、一瞬で調理人のそれから、戦場を駆ける『死神』のそれへと変貌する。
「ああ。ロックスの航路とぶつかったらしい。船長が甲板で大はしゃぎしてやがる」
レイリーが腰の刀の柄に手をかけ、不敵に笑う。「行くぞ、レオン。新世界の『化け物』どもがお前の光線(ビーム)を待ってる」
甲板に出ると、新世界の空は不気味な紫色の雲に覆われ、海は激しくのたうち回っていた。
前方の水平線からは、巨大な黒い帆を掲げたロックス海賊団の艦隊が、まるで海を埋め尽くすような威圧感で迫り来ている。
「ガハハハハハ! 来たかロックスの野郎ども! 今日も血気盛んで結構じゃねェか!」
船首のオーロ・ジャクソン号の頭に立ち、抜刀した剣を肩に担いで大爆笑しているのは、船長ゴール・D・ロジャーだ。その背中からは、周囲の空間を物理的に歪ませるほどの、圧倒的な『覇王色の覇気』が黒い稲妻となってバチバチと放たれている。
「ロジャー、あまり前に出すぎるな。今回の相手は幹部クラスが二頭並んでいるぞ」
スコッパー・ギャバンが二挺の斧を構えながら、鋭い視線を前方の敵船へと向ける。
ロックス海賊団の巨大な主船の船首には、二人の圧倒的な存在感が並び立っていた。
一人は、まだ三十代前半の、若くも圧倒的な妖艶さと凶暴性を兼ね備えた大女――シャーロット・リンリン。その頭上には、魂(ソウル)を分け与えられた炎のホミーズ『プロメテウス』と、雷雲『ゼウス』が不気味に明滅している。
そしてもう一人は、まだ十代後半の、筋骨隆々とした巨体を誇る若き見習い海賊――カイドウ。その手には巨大な金棒が握られ、龍の如き凶悪な覇気が全身から立ち上っていた。
「ハハハハハ! ロジャー! お前の首をロックス船長に捧げて、あたしはもっと美味いお菓子を手に入れるんだよ!」
リンリンが狂ったように笑い、プロメテウスの炎を巨大な剣へと変化させる。
「フン……ロジャーの首を獲るのは俺だ。見習いだからと、ナメてもらっちゃ困るぜ……!」
若きカイドウが金棒を激しく振り回し、地響きのような声を上げる。まだ悪魔の実を食べる前、あるいはその強靭な肉体だけで世界の猛者たちと渡り合っていた、最も尖っていた時期の怪物。
彼らの放つ圧倒的な威圧感に、シャンクスやバギーは足を震わせる。新世界のトップに君臨する化け物たちの暴力が、まさに津波となって押し寄せようとしていた。
そのロジャー海賊団の最前線、ロジャーの少し斜め後ろへと、レオンが静かに歩み出る。
緑のインナーに、無表情な鉄の仮面。その異質な佇まいに、前方のリンリンとカイドウの視線が止まった。
「アハハハ! なんだいあの小僧は! ロジャーの船は人手不足で、あんなガキまで戦場に出すのかい!?」
リンリンが嘲笑する。しかし、若きカイドウの野生の直感が、レオンの姿を見た瞬間に激しい危険信号を鳴らした。
「……おい、リンリン。あのガキ、普通じゃねェぞ。立ち姿に隙が一切ねェ……!」
レオンは二人を冷ややかに見つめ、脳内で鳴り響くゼロシステムの最終演算結果を、静かに受け入れる。
『対複数戦闘の演算を終了。シャーロット・リンリンの能力による属性攻撃は、武装色ナノラミネート装甲により減衰率98.7%。カイドウの打撃攻撃による装甲損壊確率は12%。勝利条件:ツインバスターライフルの最大出力照射による、敵本隊の戦術的壊滅。……ターゲット確認。任務を開始する』
ガシャイン!!!
空間を切り裂くような金属の駆動音と共に、レオンの背中から四枚の巨大な鋼鉄の白い天使の羽が爆発的に展開された。白銀の装甲が太陽の光を跳ね返し、神聖ですらある輝きを放つ。同時に、彼の両腕は硬質なガンダムフレームに覆われ、二挺の巨大な銃――ツインバスターライフルが生成され、ガチリと連結された。
「な……、なんだあの姿は!?」
カイドウが思わず一歩下がる。鋼鉄の羽、機械の四肢。この世界の誰も見たことのない、未来のオーバーテクノロジーの具現化。
「お前たちに、一つだけ言っておく」
レオンの声は、戦場の喧騒をすべてかき消すほどに、冷たく、そして透き通っていた。
「――俺は、誰も殺さない。この世から消滅させるだけだ。ターゲット、ロックオン」
「ぬかせぇ、小僧!!」
リンリンが激昂し、頭上のゼウスから巨大な雷撃を放った。「『雷霆(らいてい)』!!」
天を割るような漆黒の雷柱が、真っ直ぐにレオンへと降り注ぐ。直撃すれば、並の海賊なら消し炭すら残らない一撃。
しかし、レオンは微動だにしなかった。背中の四枚の白い羽が生き物のように動き、彼の身体を丸く包み込むようにして『盾(ウイングシールド)』を形成する。
バリバリバリバリ!!!
激しい電撃が激突し、周囲の海面が沸騰する。だが、レオンの白い羽の表面を流れる「武装色の覇気」と、ナノラミネート装甲の特殊な分子構造は、リンリンの放ったソウルの雷撃を完全に『霧散』させていた。傷一つ、焦げ目一つついていない。
「な……!? あたしのゼウスの雷を、ただの羽で防ぎきったのかい!?」
リンリンが目を剥く。
「非効率な攻撃だ。次はこちらの番だ」
包み込んでいた羽を乱気流のように解き放ち、レオンは空中に向かって跳躍した。人獣型の軽量さを活かし、六式を遥かに凌駕する速度で空中を急上昇していく。
「逃がすかよぉ!!」
カイドウが獣のような跳躍力で、オーロ・ジャクソン号から飛び出し、空中のレオンを目がけて自慢の金棒を振り下ろした。「死ねぇ、ガキが!!」
山をも打ち砕く若き怪物の全力が、レオンの頭上へと迫る。
普通であれば、空中で身動きの取れない状態での直撃は免れない。しかし、レオンの脳内のゼロシステムは、カイドウが動く「コンマ三秒前」に、その軌道を完全に予測していた。
『コンマ二秒後、敵の右脇腹に死角が発生。ビームサーベルの起動を推奨』
「……了解」
レオンは空中で、背中の羽の一枚を鋭く羽ばたかせ、物理法則を無視した急制動でカイドウの金棒の軌道を紙一重でかわした。カイドウの目が、驚愕に見開かれる。
「なっ……空中でそんな動きが――」
「ターゲット、補足」
レオンの右腕から、プラズマ化された覇気の刃――ビームサーベルが、まばゆい緑色の光となって伸長した。
すれ違いざま、レオンはその刃を無表情のままカイドウの巨体へと振り下ろした。
ズバァァァン!!!
「ぐ、あああああああっ!?」
カイドウの強靭な肉体が、緑色の光の刃によって深く切り裂かれる。武装色の防御すら焼き切る高熱の刃。カイドウの巨体が、血を吹き流しながらロックスの主船のデッキへと叩きつけられた。
「カイドウ!?」
リンリンが叫ぶ。デッキに倒れ込んだカイドウは、胸に刻まれた、肉が焦げるほどの深い斬痕を押さえながら、荒い息を吐き出していた。生まれて初めて味わう、圧倒的な「恐怖」の感覚。どんな覇気の猛者とも違う、機械のように冷徹に、自分の動きをすべて先読みして切り裂いてきた、あの18歳の少年の瞳が、カイドウの魂に強烈な楔として打ち込まれた。
「あたしが相手をしてやるよ、この生意気な鉄クズがァ!!」
リンリンが巨大な炎の剣を振りかざし、レオンへと突撃しようとする。だが、空中に静止したレオンは、すでに両腕のツインバスターライフルを前方へと突き出し、その銃口に、世界を滅ぼすほどの光エネルギーを収束させていた。
「これ以上の戦闘は、双方にとって無意味だ」
レオンの瞳が、青く明滅する。「最大出力、チャージ完了。……ターゲット確認。排除する」
キィィィィィン……!!!
空間そのものが悲鳴を上げるような高周波の音が、新世界の海に響き渡る。ツインバスターライフルの連結部から、太陽をも凌駕する純白の光の球が膨れ上がっていく。
「おいおいおい、レオンの奴が本気だぞ! 野郎ども、船の全速前進の準備をしな!」
オーロ・ジャクソン号の甲板で、ロジャーが嬉しそうに帽子を押さえながら叫ぶ。「あの光に巻き込まれたら、宝樹アダムでもタダじゃ済まねェからな!」
「全く、とんでもない居候を拾っちまったもんだ」
レイリーが苦笑しながら、船のマストをがっちりと掴む。
そして、レオンの指が引き金を絞った。
「ローリングバスターライフル――照射」
ドッパァァァァァァン!!!!!!
瞬間、世界からすべての音が消え、純白の「光」だけが残った。
レオンが放ったのは、ただの直線の光線ではない。空中で自身の身体を高速回転させながら、二挺のバスターライフルから最大出力の熱線を周囲360度へと薙ぎ払う、広範囲殲滅絶技。
光の刃が海原をなぞるたび、新世界の荒波が一瞬で数百万ガロン単位で蒸発し、巨大な水蒸気の壁が立ち上る。
ロックス海賊団の随伴していた海賊船6隻が、その光の刃に触れた瞬間、爆発すら起こさずに、分子レベルで融解し、海から「消滅」していった。
「ぎゃあああああああっ! なんだいこの光はァ!!」
リンリンが、自身のプロメテウスすら圧倒する高熱の光線に皮膚を焼かれながら、涙目で絶叫した。ゼウスもプロメテウスも、その圧倒的な破壊力の前に恐怖で縮こまり、使い物にならない。
主船のデッキで横たわるカイドウは、目の前を通り過ぎていく光の刃が、自分たちの船の「マストの数センチ上」を正確に通り過ぎ、船体をあえて破壊していないことに気付いた。
(わざと……外したのか……!? この俺たちを、いつでも消せるという警告か……!)
圧倒的な火力。そして、それをコントロールする冷徹な精密さ。
カイドウの脳裏に、レオンの無表情な顔が焼き付く。それは、どんな海賊の凶暴性よりも恐ろしい、「絶対的なマシーン」としての恐怖だった。
光の濁流が収まり、周囲に立ち込める白い水蒸気が、ゆっくりと風に流されていく。
そこには、主船一隻だけを残し、艦隊のすべてを失ったロックス海賊団の無惨な姿があった。リンリンは髪を焦がし、息を切らせてへたり込み、カイドウは恐怖で身体を震わせ、レオンのいる上空をただ見上げることしかできなかった。
「……演算通り、敵の戦闘継続能力は喪失」
空中でツインバスターライフルを粒子へと還し、レオンは静かにオーロ・ジャクソン号のデッキへと着地した。背中の白い羽が、ガシャリと音を立てて消えていく。
「ガハハハハハ! 見事だレオン! ロックスの鼻をここまで明かした奴は、お前が初めてだ!」
ロジャーがレオンの肩をドスドスと豪快に叩く。レオンは「痛い。叩くな、非効率だ」と眉一つ動かさずにロジャーの手を払いのけた。
「ふぅ……命拾いしたな、ロックスの化け物どもも」
ギャバンが斧を収め、やれやれと首を振る。「レオンがあそこまでお人好しじゃなけりゃ、今頃あの主船ごと海の藻屑だ」
「ターゲットを完全に消滅させれば、後片付けに時間を取られる。それだけの理由だ」
レオンは冷淡に言い訳しながら、調理場へと歩き始めた。「任務に戻る。見習いどものジャムの瓶が空になっているはずだ」
その背中を見送りながら、シャンクスは憧れの目を向け、バギーは「一生レオンさんの言うことには逆らわねェ……」と涙目で誓っていた。
この日、新世界の怪物であるカイドウとビッグ・マムの魂に、生涯消えない「白き死神」のトラウマが深く、深く刻み込まれた。彼らにとってレオンは、どんな覇王よりも恐ろしい、未来から来た絶対的な天敵となったのだ。
それから数十年が経ち、時代は『大海賊時代』へと移り変わっていた。
かつての見習いだったカイドウは『百獣のカイドウ』として、リンリンは『ビッグ・マム』として、新世界の頂点である『四皇』に君臨していた。
しかし、彼らの玉座の裏には、今もあの48年前の恐怖が、生々しい傷跡として残っている。
「ママママ! ペロスペロー、お前、今なんと言ったんだい……!?」
ホールケーキアイランドの女王の間。巨大な巨体を震わせ、ビッグ・マムが息を荒くして長男のペロスペローを睨みつけていた。その手には、世界経済新聞の最新号が握られている。
「は、はい、ママ……。グランドラインの前半の海に、突如として奇妙なルーキーが現れたと……。海賊旗は、骸骨に見たこともない二挺の銃(ライフル)がクロスし、鋼鉄の白い天使の羽が描かれた旗……。船は、あの伝説のオーロ・ジャクソン号そのものだと……」
ペロスペローが冷や汗を流しながら報告する。
「その船長の姿は……! 名前は何て言うんだい!?」
マムの叫びに、周囲のホミーズたちが恐怖でガタガタと震え出す。
「て、手配書の名前は『レオン・ユイ』。見た目は……信じられないことに、四十年前の記録にある姿と全く同じ、十八歳前後の、茶髪の少年だと……」
「ぎゃあああああああーーーーっ!!!」
マムが突然、頭を抱えて悲鳴を上げた。食いわずらいの咆哮ではない。それは、純粋な「恐怖」による絶叫だった。
「あのガキだ! あの不老の死神が、なんであの時の姿のままで、今更海に出てくるんだよォ! プロメテウス! ゼウス! お前たち、あの時の光を覚えているかい!? あたしたちを、島ごと消し飛ばそうとしたあの光をさァ!!」
マムのパニックに、カタクリやスムージーら幹部たちは絶句していた。世界を恐怖させるあの母親が、たった一人の「ルーキー」の名を聞いただけで、ここまで正気を失うなど、かつて一度もなかったからだ。
同じ頃、ワノ国の鬼ヶ島。
巨大な龍の姿から人間の姿へと戻ったカイドウが、ひたすらに酒を煽り、自身の胸に刻まれた古い斬痕を、大きな手でさすっていた。
「ウォロロロ……、ウォロロロ……!」
カイドウの笑い声には、明らかな「焦燥」と、隠しきれない「歓喜」が混ざり合っていた。
「生きつづけていやがったか……。あの時の、冷てェ瞳のままで……。ロジャーの船を駆って、今度は自分の旗(白翼海賊団)を掲げてなぁ!!」
カイドウが酒瓶を床に叩きつける。周囲の部下たちが怯える中、最強の生物は、自身の古傷が疼くのを感じていた。
「面白い……! 退屈な世界だと思っていたが、あの『死神』が十八歳のままで新時代に殴り込みをかけてくるってんなら、話は別だ……! 来い、レオン! 今度こそ、俺の肉体が貴様のツインバスターライフルに耐えられるか、試してやるぞ……!!」
新世界の二大巨頭を、名前一つでここまで震え上がらせる男。
レオン・ユイ率いる『白翼海賊団』の伝説の船が、今、ルフィたちの生きる現代の海へと、静かに、しかし圧倒的な嵐を伴って近づきつつあった。
冷徹なマシーンの瞳の奥に、変わらぬ「お人好し」の魂を宿したまま、レオンの終わりなき円舞曲(エンドレス・ワルツ)の第二幕が、今まさに始まろうとしている。
次回:第三話 『少年ベガパンクと、失われることのない技術』