白翼の機械人形になった転生者は海賊(人助け)をしながら、世界を見守る。 作:キング・クリムゾン!!
シャボンディ諸島、42番GR。
2年の月日を経て集結を果たした“麦わらの一味”の海賊船、サウザンド・サニー号が、樹脂コーティングの巨大なシャボン玉に包まれながら、静かに潜航の準備を進めていた。
「うおおおおお! サニー号、すげェ! 早く魚人島に行こうぜ!!」
甲板で両腕を突き上げて叫ぶルフィ。修行を経てその表情には、2年前の幼さが消え、よりたくましくなっていた。
「おいルフィ、調子に乗るなよ。海軍の追撃部隊がまだ諸島周辺を包囲しているんだ」
ゾロが刀の柄に手をかけながら、冷静に周囲の海面を睨みつける。
その時だった。
「――諸島内の海軍の追撃など、すでに『対処』されている」
頭上の青空から、涼やかで冷徹な声が降ってきた。
ハラハラハラ……と、美しい純白の羽根が、サニー号の甲板へと舞い散る。
一味の全員が息を呑んで見上げる中、四枚の翼を休めた少年――レオン・ユイが、サニー号のマストの頂点へと静かに舞い降りた。
「な……!? 羽が舞い落ちてきたと思ったら、アイツは!?」
ウソップが目を見開いて叫ぶ。
「レオンーーーーーー!!!!」
ルフィは弾かれたように笑顔を弾けさせ、マストの上のレオンに向かって大きく手を振った。
「久しぶりだな! お前、全然変わってねェ……いや、なんか翼が前よりスゴくなってるぞ!!」
「……フン。2年間の修行により、バイタルサインの出力、および覇気の密度が大幅に向上しているな、ルフィ」
レオンはマストから軽やかに飛び降り、甲板の上に無音で着地した。
その全身を覆うナノラミネート装甲、そしてエメラルドグリーンの瞳は、2年前よりもさらに研ぎ澄まされた静謐な光を放っている。
「レオン! エースから連絡はあったか!?」
ルフィが身を乗り出して尋ねる。
「お前が心配する必要はない」
ルフィの頭に弱めの覇気を纏って軽く手刀を打ち込んだ
「痛っ!」
「今のエースには白ひげの"家族を守る"という意思を受け継いでいる。エースのことばかり考えずに、お前は自身の目標である海賊王の道なりへ向かえばいい」
「....それもそうだな。ありがとな、レオン!」ニカ
そういうとルフィは笑った。
その時、諸島の沿岸から幾重もの砲撃音が響き渡り、海軍の大型軍艦3隻がサニー号の射程圏内へと急接近してきた。
「麦わらの一味を発見! 砲撃用意!! 逃がすなァ!!!」
「ちっ……! まだ残党がいやがったか!」
ゾロが刀を抜こうとしたその瞬間、レオンが静かに前へと躍り出た。
「……退いていろ。新装備の機能テストの標的に丁度いい」
キィィィィィィィィン……!
レオンの背中の四枚の純白の翼から、三十個のフェザーファンネルがハラハラと美しく舞い散るように射出された。
空中でピタリと静止した三十の羽は、一味の誰もが目を見張るような光の軌跡を描きながら、超音速で海軍の軍艦群へと襲いかかった。
チュチュチュチュチュイィィィン!!!!
「な……なんだこの羽根は!? 砲弾が弾き返される!!」
「ギャアアアアあっ!! 船の主砲が切断されたァ!?」
三十個のファンネルから放たれた極細のビーム照射と高速切断により、海軍の軍艦3隻の主砲とマストが一瞬で削ぎ落とされ、航行不能へと追い込まれた。生身の兵士にはかすり傷ひとつ負わせず、ただ「戦闘機能」だけを完全奪取する完璧な空間制圧。
舞い散る羽が再びレオンの背中へと吸い込まれるように同化していく様を、フランキーは驚愕しながら目を輝かせて見つめていた。
「す……スゲェーーーっ!! なんだありゃ!! スーパーすごすぎるぜ!!!」
「……テスト完了。フェザーファンネルの追従性、および切断効率:100%」
レオンは冷徹に言い捨てると、サニー号の船首へと視線を向けた。
「行け、ルフィ。新世界の海が、お前たちの到達を待っている」
「おう!! 野郎どもーーー! 新世界へ出航だァ!!!」
ルフィの力強い号令と共に、サニー号は深海への出航を果たした。麦わらの一味の新たなる冒険の幕が、今まさに上がろうとしていた。
次回はオリジナル回です。
次回:第三十二話 『聖地の天罰、崩れ去る虚飾の神殿』