白翼の機械人形になった転生者は海賊(人助け)をしながら、世界を見守る。   作:キング・クリムゾン!!

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続きです。ゆっくりしていってね。


第三十六話:『白き死神の針路、氷と炎の実験場へ』

聖地マリージョアの暗闇の中で、五老星たちがレオン・ユイへの激しい憎悪と復讐を誓い合っていたその頃――。

 

新世界の荒れる海原を、一隻の異質な船が音もなく滑るように航行していた。

レオン自らが“メカメカの実”の構造操作とウイングゼロの技術を融合させて造り上げた専用戦闘高速艇である。蒸気も帆も使わず、エイハブ・リアクターから供給される純粋なエネルギーで海面を滑走するその船体は、一切の波音を立てない。

 

「……五老星のバイタルサイン低下および、マリージョア周辺の警戒レベル上限到達を確認。……しばらくは奴らも体制の立て直しに追われるだろう」

 

船の制御ドックの中央。

ナノラミネート装甲のメンテナンスを終えたレオン・ユイは、エメラルドグリーンの瞳に投影されるホログラムモニターを静かに見つめていた。

 

『航路計算完了。……目的地:パンクハザード。……到着まで、あと300秒』

 

「パンクハザード……。元海軍の実験場であり、現在はクザンとサカズキの決闘によって気候が完全に崩壊した捨てられた島、か」

 

レオンが向かう先。それは単なる偶然の航路ではなかった。

かつて世界政府の天才科学者ベガパンク、そしてシーザー・クラウンが違法な兵器開発を行っていたその場所に、レオンのゼロシステムが「世界政府の闇の核心」に繋がる不自然なデータ通信を検知していたからだ。

 

「……ふむ。二人のロギア系能力者による環境改変エネルギー……効率という観点からは実に無駄な熱量と極冷の浪費だが、データのサンプルとしては興味深い」

 

高速艇の窓の外に、異様な光景が広がってくる。

島の左半分は激しく燃え盛る灼熱の炎と溶岩の海、右半分は吹雪が吹き荒れる絶対零度の氷原。大将サカズキとクザンが十日間に及ぶ死闘の末に創り出した、理を無視した異常気候の島――パンクハザード。

 

キィィィィィィィィン……。

 

レオンは四枚の純白の羽を優雅に広げ、高速艇の甲板から静かに上空へと飛翔した。

 

「……この島には、シーザー・クラウンによる人造悪魔の実『SMILE』の製造プラント、そして多国籍な闇取引の拠点が存在する。……さらに、ルフィたちのサニー号もこの島へと接近中か」

 

ゼロシステムが弾き出す未来の交差点。

ルフィ、トラファルガー・ロー、そしてシーザーとドフラミンゴ。新世界の均衡を揺るがす巨大な歯車が、この極限の島で再び噛み合おうとしていた。

 

ハラハラハラ……。

 

激しい吹雪と熱風が交錯する境界線の上空。

舞い散る純白の羽を纏いながら、レオンは氷と炎の島を見下ろした。

 

『分析完了。……島内にて生命反応を多数検知。……シーザー・クラウン、および毒ガス兵器『シノクニ』の存在を確認。……生存者を増やすため毒ガスの処理を開始する。』

 

「五老星が私に復讐を誓おうと、世界政府が私を追おうと関係ない」

 

レオンは二挺のツインバスターライフルを静かに背中にマウントし、冷徹な瞳で氷の建物の影を射抜いた。

 

「この世に存在する闇をひとつずつ正し、ロジャーとの約束を遂行する。……それが、私のシステムのすべてだ」

 

白き翼の死神が静かに降臨する。

五老星の刺客、そして新世界の闇の取引が蠢くパンクハザードにて、新たなる「狂乱の嵐」の幕が上がろうとしていた。




次回:第三十七話 『氷煙の対峙、死神と死の外科医』
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