白翼の機械人形になった転生者は海賊(人助け)をしながら、世界を見守る。 作:キング・クリムゾン!!
パンクハザードの研究所深部――R棟66「司令室」。
「シュロロロロ! バカめ! ワタシの最高傑作、殺戮兵器『シノクニ』でお前ら全員固めて灰にしてやる……って、あれぇ!?」
狂気の天才科学者シーザー・クラウンは、モニターを見つめたまま目玉が飛び出るほど驚愕していた。
島全体へと充満させ、麦わらの一味や海軍G-5支部、さらには裏切り者のローをも一網打尽にするはずだった毒ガス『シノクニ』の反応が、モニター上で急速に消滅していたからだ。
「な、なんでだ!? 俺のシノクニが……分子レベルで分解されて消失していくだとぉ!? どんな化学反応だ、あり得ん!!」
「も、申し上げます!! 現在、何者かがこの司令室にものすごい速度で接近中とのことです!!」
手下のならず者たちが恐怖に震えながら報告に来た。
そして、シーザーは何かに気づき、司令室の窓の外を見えるとそこには、極寒の吹雪の中に舞う三十個の純白の羽――そして、二挺の巨大なビームライフルを携えて空中へ漂う少年、レオン・ユイの姿だった。
「な……なにぃ!? “白き死神”……!? なんでアイツがここにいやがるんだァ!!?」
シーザーの顔面が蒼白に染まる。
マリージョアを半壊させ、懸賞金45億ベリーを叩き出された世界最悪の兵器。その存在は、闇のブローカーであるジョーカーの配下であるシーザーの耳にも嫌というほど届いていた。
ズガァァァァァン!!!!
レオンの命令一括で、三十個のフェザーファンネルが一斉に高出力ビームを照射。研究所の分厚い外壁と強化天井が一瞬で蒸発し、吹き抜ける極寒の嵐と共にレオンが室内へと無音で降り立った。
「……シーザー・クラウン」
エメラルドグリーンの瞳が、怯えるシーザーのバイタルと悪魔の実の波動(ガスガスの実)を正確にロックオンする。
「巨人数化の実験のために子供たちを薬物依存させ、非人道的な化学兵器を製造・拡散する行為。……効率、倫理、存在価値のすべてにおいて『完全なるバグ』と判定する」
「ひいぃっ!! ま、待て! 俺にはジョーカー、そして四皇カイドウがついているんだぞ! 俺を殺せば新世界全体が……!!」
「カイドウの後ろ盾など、俺の前では何の影響力も持たない。」
「調子に乗れるのも今n「それにカイドウが俺に勝てるわけないだろう?」……ハ?」
その言葉を聞いてシーザーは驚きのあまり困惑していた。
「だ、誰が信じるかよそんな嘘!」
「嘘は言ってない、俺があんな雑魚に負けるわけがない」
「うるせぇ!!!!俺を舐めやがって、クソガキがぁ! 俺はロギアだ!お前の物理攻撃なんて通りはせねぇんだよ!! 『無空世界(カラクニ)』!!!」
シーザーは全身をガス化させ、レオンの周囲の酸素を一瞬で奪い取った。酸欠による窒息死を狙った初見殺しの技。
「シュロロロ、」
だが――。
キィィィィィィィィン……。
「……無駄だ。俺の身体は既に、外部の大気に依存していない」
レオンのナノラミネート装甲内部では、エイハブ・リアクターによる循環プラントが完全密閉状態で稼働していた。酸欠など、レオンにとっては微風すら吹いていないに等しい。
「な……息ができるだと……!?」
「――『フェザーファンネル・プラズマフィールド』」
ハラハラハラ……!
三十個の純白の羽根がシーザーの身体を覆うように纏わり付き、そこから超高圧のプラズマ電磁フィールドを展開する、そのプラズマは分子レベルのものまで遮断できるためロギア系能力者を完全に閉じ込めることができる。
「ギャアアアアアあッ!? な、なんだこれは……か、海楼石でもない出られない……!?」
「お前の命をここで絶つのは容易いが、ドフラミンゴとの交渉材料として、生体反応を維持したまま捕獲しておく」
レオンは冷冷と言い捨てると、フェザーファンネルの檻をさらに小さくし、サッカーボールほどの大きさにまで閉じ込めたシーザーを手に、崩壊した研究所の通路へと歩き出した。
そこへ、巨大な棍棒を振り回しながら「ルフィ~! どこだ~!」と叫ぶ麦わらのルフィと、驚愕の表情で駆け込んできたローが合流する。
「あ! レオン!! なんだお前、その白いボール!?」
「……おいレオン。まさかそれはシーザー・クラウンなのか……!?」
「……トラファルガー・ロー。シーザー・クラウンの捕獲任務を完了した。お前の計画通り、ドフラミンゴとの交渉を進めろ」
捕らえられたシーザーをローへと無造作に放り投げ、白き翼の死神はドレスローザという新たな惨劇の舞台を見据えるのだった。
次回:第三十九話 『暗躍の糸、次なる盤上へ』