白翼の機械人形になった転生者は海賊(人助け)をしながら、世界を見守る。   作:キング・クリムゾン!!

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続きです。ゆっくりしていってね。


第五話:『レインベース監獄のバグと、砂漠を結晶化する熱量』

砂漠の太陽は容赦なく照りつけ、レインベースの街並みを陽炎の向こうへと歪ませていた。

王下七武海サー・クロコダイルの本拠地、カジノ「レインディナーズ」。その地下深くに設置された巨大な檻の中に、麦わらの一味のルフィ、ゾロ、ナミ、ウソップ、そして海軍の大佐スモーカーは閉じ込められていた。

 

「くそっ! なんだこの檻は、力が全然入らねェ……!」

ルフィがぐったりと鉄格子に掴まりながら、情けない声を上げる。

 

「無駄よルフィ。それは『海楼石』で作られた格子よ。悪魔の実の能力者の力を完全に封じ込める、海のエネルギーを持つ特殊な石なの」

ナミが檻の奥で膝を抱え、困り果てたようにため息をついた。隣ではスモーカーが不機嫌そうに葉巻をふかしている。

 

檻の向こう側の高台には、ガラス越しに彼らを見下ろすクロコダイルと、その傍らに佇むミス・オールサンデー(ロビン)の姿があった。

 

「クハハハハ! 哀れなもんだな、麦わら。貴様らの冒険もこの砂漠の地が終着駅だ」

クロコダイルが金色の義手を光らせ、冷酷に笑う。「そして……お前たちを餌にしていれば、あの煙たい『幽霊』も自ずとここに誘い出されるというわけだ」

 

「……幽霊? 誰のことかしら」

ロビンが知的な笑みを浮かべながら、わざとらしく問いかける。

 

「知れたことよ。48年前の亡霊――レオン・ユイだ。奴がどれほどの化け物だろうと、この『海楼石の檻』の前に引きずり出せば、ただの無力な18歳のガキに成り下がる。能力に頼り切った奴らの敗因は、いつもこの石だ」

 

クロコダイルが絶対の勝利を確信した、その瞬間だった。

 

カジィィィン……!

 

カジノの分厚い大理石の扉が、凄まじい衝撃と共に内側へと吹き飛んだ。

静まり返る地下室に、規則的で重厚な金属の足音が響き渡る。砂埃の向こうから現れたのは、緑のタンクトップをまとい、両腕を白銀のガンダムフレームで覆った少年――レオン・ユイだった。

 

「待たせたな、ルフィ。……システム、檻の材質および構造を解析しろ」

 

レオンの瞳が青く明滅する。

 

『ターゲット:海楼石の檻を捕捉。……材質:純度98%の海楼石結晶。悪魔の実の能力者のエネルギーを100%遮断。ただし、レオン・ユイの肉体を構成する「ウイングゼロの基本フレーム」は悪魔の実の呪いではなく、前世の物理的テクノロジーの具現化。……結論:海楼石による出力低下はゼロ。即座の力技による破壊が可能』

 

「……了解した。これより、非効率な監禁を解除する」

 

「ハハハ! 馬鹿め、自ら罠に飛び込みにきたか!」

クロコダイルが狂ったように笑う。「その格子に触れてみろ! 貴様の『白翼』も一瞬で毟り取られるぞ!」

 

レオンはクロコダイルの言葉を完全に無視し、ゆっくりと檻の前に歩み寄ると、その白銀の機械的な手を、海楼石の格子へと力強く叩きつけた。

 

ガシィィィン!!!

 

「……え?」

ナミが驚きに目を見開く。

クロコダイルの笑い顔が、凍りついたように引きつった。

 

海楼石に触れたはずのレオンは、力が抜けるどころか、その十八歳の鋭い眼光をさらに鋭く輝かせ、ガチガチと指の力を強めていく。ナノラミネート装甲の指先が、海楼石の格子に深くめり込んでいく。

 

「な、なぜだ……!? なぜ貴様、海楼石に触れて平気な顔をしていられる……!!」

クロコダイルがガラス窓に手を叩きつけ、絶叫した。

 

「言ったはずだ、クロコダイル。俺の肉体は『構造化』されている」

レオンは冷淡に言い放つと、背中から四枚の鋼鉄の白い天使の羽を爆発的に展開した。

 

「俺のフレームは、この世界の海の呪いなど受けていない。――ターゲット確認、排除する」

 

バキィィィィン!!!

 

レオンが軽く腕を振るうと、世界最強の硬度を誇るはずの海楼石の格子が、まるで腐った木切れのように一瞬で粉々に粉砕され、周囲の壁ごと弾け飛んだ。

 

「うおーーーっ!! 出られたァ! やっぱりお前凄ぇな、羽のロボ!」

ルフィが飛び出してきて、レオンの肩をバンバンと叩く。「痛い。叩くな、非効率だ」とレオンはいつものようにルフィの手を払いのける。

 

「嘘……海楼石を素手で壊しちゃうなんて。あんた、本当に規格外ね……」

ナミが呆気にとられたように頬を緩め、ゾロは「フン、面白いやつだ」と不敵に笑いながら刀を抜いた。

 

「ふふ、さすがね。歴史の裏に隠された『白き死神』の力、見せてもらったわ」

ロビンは檻の破壊を見届けながら、クロコダイルの後ろで静かに微笑んでいた。

 

「おのれェ……! 予定を狂わせるバカどもがァ!!」

クロコダイルの身体が激しく砂へと変化し、ガラス窓を突き破って地下の闘技場へと舞い降りた。周囲の空気が、彼の怒りによって一瞬で乾燥し、砂嵐が巻き起こる。

 

「レオン・ユイ……! 貴様がどれほどの伝説だろうと、ここは俺の国、俺の砂漠だ! 水分のねェ砂の中で、干からびて塵になれ! 『砂嵐(デザストロ)』!!」

 

クロコダイルの両手から、すべてを飲み込む巨大な砂の竜巻が放たれ、レオンたちを目がけて突進してくる。

 

『警告。前方の砂嵐による視界不良、および摩擦による装甲の微細な損壊を予測。……推奨行動:ツインバスターライフルによる、熱量干渉』

 

「……システム、出力を0.5%に固定しろ。これ以上上げれば、アラバスタの地殻が耐えきれない」

レオンの両腕に、二挺の巨大なツインバスターライフルが生成され、ガチリと連結される。

 

「クロコダイル。お前の『砂』の弱点は、水分だけではない」

レオンの指が、静かに引き金を絞った。

 

「――熱量だ」

 

ドォォォォォン!!!!

 

最大出力のわずか0.5%。にもかかわらず、バスターライフルから放たれた純白の熱線は、地下室の空気を一瞬で沸騰させ、クロコダイルの放った砂嵐のど真ん中を貫いた。

 

その瞬間、異様な光景が広がった。

熱線に触れたクロコダイルの砂が、爆発するのではなく、高熱によってジュウジュウと音を立てながら――ドロドロの液体状になり、やがて綺麗な『ガラス』へと変化していったのだ。

 

「なっ……何ィ!!!?」

クロコダイルが驚愕の声を上げる。

放たれた砂嵐の半分以上が、瞬時に透明なガラスの壁へと変えられ、自らの行く手を阻むように地面に突き刺さった。

 

科学の法則。砂は、極限の高熱に晒されれば融解し、ガラスへと姿を変える。レオンのツインバスターライフルが放つ熱量は、悪魔の実の能力という「概念」を、物理法則という「現実」で力技でねじ伏せたのだ。

 

「砂に戻ねぇ……!? 俺の砂が、結晶化している……!?」

クロコダイルが自身の右腕の砂がガラス化していくのを見て、恐怖に目を見開いた。

 

「……これ以上の戦闘は非効率だ。ルフィ、クロコダイルの戦闘能力は32%低下している。あとはお前たちの任務だ」

レオンは静かにライフルを分離させると、背中の白い羽を折り畳んだ。

 

「おう! ありがとな、レオン! あいつは俺が絶対にぶっ飛ばす!」

ルフィが拳を握り締め、ガラス化した砂漠の戦場を駆け抜けていく。

 

お人好しな伝説の死神のサポートにより、アラバスタの運命の歯車は、原作の未来を遥かに超える圧倒的な「規格外」を伴って、最終決戦へと加速していくのだった。




次回:第六話 『白き翼と砂漠の王女、そして首都に響く熱線』
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