白翼の機械人形になった転生者は海賊(人助け)をしながら、世界を見守る。   作:キング・クリムゾン!!

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続きです。ゆっくりしていってね。


第六話:『白き翼と砂漠の王女、そして左腕に誓う不滅の印』

砂漠の太陽は容赦なく照りつけ、レインベースから首都アルバーナへの道のりを陽炎の向こうへと歪ませていた。

ルフィは一人砂漠に残り、クロコダイルに敗北するも「水ルフィ」として執念で復活。その裏で、超カルガモ部隊にまたがったナミ、ロビン、ビビたち麦わらの一味、指示を出すナミの横を、四枚の白い羽を羽ばたかせて並走するレオンは、猛烈な砂埃の中を爆走していた。

 

「みんな、急いで! 反乱軍と国王軍が激突したら、もう誰にも止められなくなっちゃう……!」

カルーの背に乗り、必死に声を張り上げるビビ。

 

そんな彼女の隣を飛ぶレオンは、アルミホイルに包まれた一口サイズの四角い物体を無造作に手渡した。

「……これを食べろ。お前は緊張で昨夜から何も口にしていない。余り物のイチゴで作ったスコーンだ。ウイングゼロフレームの排熱で保温しておいた」

「……っ、美味しい……! あったかいです……!」

 

その様子を、超カルガモに揺られながら見ていたロビンが、美しい瞳を細めてクスリと微笑んだ。

「ふふ、本当に隅々まで気が利くお人好しさんね。手配書の『死神』って異名、書いた海軍のセンスを疑うわ」

 

「ちょっと、のんびり感心してる暇はないわよ!」

前方の砂埃を睨みつけながら、ナミがハキハキとした強い口調で一味を鼓舞する。

「さぁ、アルバーナが見えてきたわよ! ここからは時間との戦いね、みんな一気に突っ込むわよ!」

 

アルバーナの街は、すでに地獄絵図の一歩手前だった。

激突する数十万の兵士。時計台の頂上では、広場を丸ごと吹き飛ばす大型砲弾の導火線に火がつけられようとしていた。国を救うためにペルが爆弾を背負って飛び立とうとした、まさにその瞬間。

 

「ペル、待て。お前が自爆する必要性は0%だ」

 

突故、時計台の天辺に白い羽を広げたレオンが音速で飛来した。レオンは二挺のツインバスターライフルを連結する。

「出力を0.02%に固定。熱量を爆弾の信管へ集中照射」

 

チィィィン……!

 

放たれた極細の超高熱レーザーが、砲弾を正確に貫く。爆薬が化学反応を起こすより早く内部構造を一瞬で熱分解し、ただの「無害な炭の塊」へと変貌させた。

爆発を物理的に阻止したレオンは、そのままバスターライフルを空へと向け、出力を0.05%に上げて引き金を引いた。

 

ズガァァァァァァァン!!!!!!!

 

アルバーナの上空の雲が円形に消し飛ばされ、激しい衝撃波が雷鳴となって全域に響き渡る。

あまりの神の如き一撃に、数十万の兵士たちが恐怖で動きを止め、広場に完璧な「静寂」が訪れた。

 

「……今だ、ビビ。お前の声を届けろ」

レオンが力技で作った静寂の中で、ビビの涙ながらの訴えが、ついに国民たちの心を動かし、戦争はその動きを止めた。そして地下聖殿では、ルフィの「ゴムゴムの暴風雨(ストーム)」がクロコダイルを大空へと叩き伏せたのだった。

 

激闘から数日後。アラバスタには待望の雨が降り注ぎ、すべてが救われた。

しかし海軍の追跡が迫り、ゴーイング・メリー号はすぐに出航しなければならなかった。東の海岸、早朝の淡い光が海面を照らす場所。カルーに乗ったビビが、涙をためて海岸から拡声器で叫ぶ。

 

「私……一緒には行けません!!! これまで本当にありがとう!!! まだまだ冒険はしたいけれど、私はやっぱり、この国を愛しているから!!!!」

 

「・・・・私は、・・・ここに残るけど・・・・・!!!!!」

 

「いつかまた会えたら!!!!!!!もう一度、仲間とよんでくれますか!!!!?」

 

海軍の目を欺くため、声を出して答えることはできない。

「何も答えちゃダメよ……!」とナミが涙を流しながら皆を止める中、一味の横に立っていたレオンが、静かに一歩前に出た。

 

「……ビビ。お前の選択は、この国の生存確率を100%にする最高の任務だ。……だが、言葉が届かなくとも、『記録』は残る」

 

レオンは無言で左腕をまくった。そこには、全員が腕に巻き付けた、あの「白い包帯」があった。

 

ルフィが、ゾロが、ナミが、ウソップが、サンジが、チョッパー。

そしてそれぞれが包帯を取り、一斉に振り返り、ビビに背を向けた。

 

「――システム、全フレーム同調。意思を視覚化しろ」

 

レオンの言葉とともに、麦わらの一味、そしてレオンが左腕を高く空へと掲げた。そこにあるのは、お換いが仲間であることの証明――『×』の印。

無言で掲げられたその左腕の印こそが、離れていても、自分たちは絶対に『仲間』であるという、世界で一番強い約束の形だった。

 

「みんな……っ!!!」

海岸で、ビビは溢れ出る涙を止めることができず、激しく泣き崩れた。しかしその顔には、最高に幸せな笑顔が浮かんでいた。

 

海軍の追撃を完全に振り切り、広大な青い外海へと出たゴーイング・メリー号。

その少し離れた海域に、純白の翼の旗を掲げた伝説の船『オーロ・ジャクソン号』が、ゆっくりと風を受けて進んでいた。二隻の距離が、徐々に離れていく。

 

レオンは自らの船のデッキから、メリー号にいるルフィたちを見つめた。メリー号のデッキでは、居候となったロビンが、ナミたちと楽しげにこれからの航路の話をしている。

 

「おい、レオンーーー! そっちはどこへ行くんだーーー!?」

ルフィがマストの上から、大声でレオンに叫んだ。

 

「……ルフィ。俺の『アラバスタ王女を助ける』という任務は完了した。俺がこれ以上、お前たちの旅に介入するのはここまでだ。ここからは、お前たちの冒険だ」

レオンは冷淡に、しかしどこか名残惜しそうに腕を組んだ。

 

「それに……俺がいるとお前たちが怠けるからな」

 

「 そうか・・・・ 、確かにな、お前に頼りすぎるのも良くないな! じゃあな、レオン! またどこかで会おうぜ!」

ルフィが白い歯を見せて笑い、ゾロやサンジも不敵な笑みで見送る。

 

ナミがメリー号の手すりから小さく手を振った。

「レオン、ありがとね! あんたのおかげで、本当に助かったわ!」

 

ロビンも、優雅な仕草で静かに微笑んだ。

「ふふ、お人好しの死神さん、またね。あなたの創るスコーンの味、忘れないわ」

 

「……フン。生存確率の低い旅だ、死ぬなよ」

レオンが右手を軽く挙げると同時に、オーロ・ジャクソン号は舵を大きく切り、メリー号とは全く異なる、遥か西の霧深き海域へと進路を向けた。

 

『演算終了……。ターゲット:新世界手前の極秘孤島をロックオン。……白翼海賊団の次なる目的地への到達確率、100%』

 

「世界政府のゴミどもめ、待たせるのは非効率だ。……船を出すぞ、ゼロ」

 

レオンは背中の四枚の白い羽を風に乗せて大きく広げた。

麦わらの一味という、空を目指す新しい時代の心地よいバグたちの背中を完全に見送り、白き翼の死神は、己にしか解けない世界の闇を葬るため、独自の孤独な航路へと消え去っていくのだった。




次回:第七話 『氷上の追跡者と、凍りつかない絶対の盾』
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