あさおん!〜48歳のハゲ散らかしたおっさんですが、朝起きたら超絶美少女でした。15億円の資産で「奇跡の歌姫」として二度目の青春を謳歌する〜 作:高山 虎
「あさおん!」と同じTS要素が入った、完全新作のダンジョン配信ものがKindleにて本日配信開始されました!
▼タイトル
『29歳底辺日雇いダンジョンワーカー、事故でTSしたら最強の美少女になったけど死にたくないので安全圏でゆるふわ配信者を目指します(なおFIREは遠のく模様)』
表紙
【挿絵表示】
【要素:TS美少女 / ダンジョン配信 / 現代ローファンタジー / 勘違い】
「全2巻(完結)」で同時に公開しておりますので、最後までエタる心配なく一気にお楽しみいただけます!
Kindle Unlimitedの会員様なら、追加料金なし(実質0円)で今すぐ全編読めちゃいます。
普段の連載を楽しんでくださっている方にも、間違いなくニヤニヤしながら満足していただける自信作に仕上がりました。
ぜひ以下からダウンロードして、彼女のゆるふわ(?)な配信活動を見守ってあげてください!
▼1巻はこちら
https://www.amazon.co.jp/dp/B0H97FW8SN
▼2巻(完結巻)はこちら
https://www.amazon.co.jp/dp/B0H97DPCR1
追伸:
すでに予約で買っていただいた方、本当にありがとうございます……!皆様の応援が執筆の原動力です。
もし読んでいただき「面白かった!」「TS配信最高!」と思っていただけましたら、Amazonページで「★評価」や「レビュー」を一行だけでも残していただけると、今後の執筆のめちゃくちゃ励みになります(新着ランキング上位に上がるための燃料になります…!)。
SNSでの拡散も大歓迎ですのでよろしくお願いします!
「……なんなんだこの完成度は」
東京・港区。大手広告代理店『博王堂』の本社ビルの一室で、ECDの相楽は、パソコンのスピーカーから流れてきた音源を前に、呆然と呟いた。
画面に表示されているのは、先日契約を交わしたばかりの女子高生バンドの代表、優莉からのメールである。
『お世話になっております。佐藤です。自動車CMタイアップに向けた第一弾デモ音源を提出いたします。タイトルは「青のオーバーライト」。映像の疾走感に合わせ、BPMは176に設定。また、テレビCMの15秒および30秒の尺に完全に合致するよう、イントロから逆算してサビの頭出し秒数を調整済みです。ご確認のほどよろしくお願いいたします』
(……女子高生からのデモ提出メールが、なぜベテランの社会人のような文体なんだ……)
完璧すぎるビジネスメールに添付されていたURLから音声ファイルを再生した瞬間、相楽の腕に鳥肌が立った。
(デモ音源だと聞いていたが……曲の構成からテンポ感、そしてボーカルのコントラストまで、すでにCM映像の絵コンテが完全に頭に浮かぶレベルじゃないか……!)
相楽は思わず頭を抱えた。あの美少女の皮を被ったやり手社長は、一体どうやってこのクオリティをたった一ヶ月で仕上げてきたというのか。
事の発端は、一ヶ月前。優莉の住むタワーマンションの広大なリビングで開かれた、第一回楽曲制作会議(キックオフミーティング)に遡る。
「今回のCM、クライアントは大手自動車メーカー。向こうが求めてるのは、ターゲットである一定以上の所得水準の若い人やファミリー層に向けた『これまでの常識を塗り替える新しい風』みたいなテーマだと思うんだけど。みんなはどう思う?」
優莉がホワイトボードの前に立ち、問いかける。あくまで意見を引き出しつつ、一つの形に誘導していく、それが彼女の進め方だった。
「うーん、車っていうと、やっぱり海辺のドライブとかかな。疾走感のある明るい曲調はどう?」
由愛が身振り手振りを交えて提案する。
「……それなら、テンポは速めのBPM170台。複雑な変拍子より、ストレートな王道コード進行が最適解」
普段は難解な曲を好む雫も、大衆向けのポップロックの構成を即座に導き出した。
「私も賛成! ドラムも元気なエイトビートで駆け抜ける感じがいいと思う!」
「なら、ベースも疾走感を邪魔しないように、ルート弾きをベースにグルーヴを作るわ」
琴音と玲奈も次々とアイデアを重ねていく。
「いいね! じゃあ、その方向で形にしていこうか」
優莉は満足げに頷き、方向性をまとめた。
数日後。雫が組み上げたメロディに、歌詞を乗せる作業が始まった。
「『青空』とか『吹き抜ける風』とか、『走り出す』みたいな言葉をメインにしてみたよ! 青春って感じっしょ?」
由愛がノートに書き出した直球のフレーズを見せてくる。
(青春か……。俺の四十八年の人生の青春は、勉強や仕事ばかりで味気ないものだったな。……いや、違う。今、ほかの誰もできない二度目の青春を送っているんだ。この青春で俺は、過去を上書き(オーバーライト)してやるんだ)
胸の奥から湧き上がる熱い思いを抑えつつ、優莉は顔を上げた。
「由愛、その青春のイメージにさ、『上書き(オーバーライト)』ってキーワードを軸にして散りばめてみるのはどうかな?」
「オーバーライト? なんかかっこいい! 過去の失敗とかを、青空で上書きする感じだね!」
こうして、タイトルは『青のオーバーライト』に決定したのだった。
曲作りが進む一方で、彼女たちは秋に控える高校の文化祭『渋学祭』でのライブに向けた練習も並行して進めていた。学業、渋学祭の準備、そしてプロとしてのCM制作。過密なスケジュールだったが、だからこそタワマンのスタジオには充実した空気が満ちていた。
しかし、パソコンの音楽ソフト(DAW)でアレンジが進み、ワンコーラスの途中経過を相楽に提出したところで、プロの壁が立ちはだかっていた。
「あ、相楽さんからフィードバックが来たよ」
優莉がスマホのメール画面を読み上げる。
「えっとね……『メロディと疾走感は素晴らしいです。ただ、サビの一番盛り上がるピークが、CMの15秒枠に収まりきりません。Bメロをあと二小節削って、ギターのブリッジも半分に短縮して調整をお願いします』だってさ」
「えーっ! せっかく綺麗に繋がってるいいメロディなのに!」
由愛が唇を尖らせて抗議する。
「うん、気持ちは痛いほど分かるよ。でも、私たちは今、数千万円の予算が動く『商業音楽』を作ってるんだ。クライアントの映像の尺にきっちり合わないと、どれだけ名曲でも使ってもらえない。ここはプロとして、要求に応えようよ」
「……優莉の言う通りね。CMで使われる部分が最大のフックにならないと意味がないわ」
玲奈の冷静な言葉に、由愛も渋々ながら頷いた。
「……構成の再構築、始める」
雫はすぐさまギターを手に取り、小節やコンマ一秒の単位で曲の長さを最適化する作業に入った。
そして迎えた第四週。タワマンの防音スタジオでの、仮歌(ガイドボーカル)の録音日。
完成したカラオケ音源に合わせて、マイクの前に立った由愛と優莉が声を吹き込んでいく。由愛の底抜けに明るく、未来への希望に満ちた突き抜けるハイトーン。
そこに、優莉の透き通るような、それでいて四十八年の人生経験が醸し出す哀愁を帯びた声が重なる。
爽やかな青春ソングだ。だがしかし得体の知れない深みと説得力が、曲全体により強く見せる魂を吹き込んでいた。ブースの外で聴いていた玲奈たちも、その圧倒的なコントラストに鳥肌を立てていた。
「よし。仮歌にしては上出来だね」
録音を終えた優莉は、すぐさまパソコンに向かう。動画サイトの解説動画を睨みながら、見よう見まねの素人作業で悪戦苦闘しつつ、どうにか仮歌と楽器の音量バランスを整えるミックス作業を終わらせた。すぐさま音声データを書き出し、クラウドにアップロードして相楽へと報告を行う。
「提出完了した? じゃあ、終わりだよね! ねぇねぇ、打ち上げでカラオケ行こーよ!」
一ヶ月の制作を終え、由愛が伸びをしながらはしゃぐ。
「あんた、まだ歌うつもり?」
「でも打ち上げは賛成。私、甘いもの食べたいな」
「……糖分補給、必須」
みんなもすっかりリラックスした表情だ。
「はいはい、馬鹿言わない。今提出したのはあくまで『デモ』だからね? 来月からはプロのエンジニアさん呼んで本番のレコーディングに入るし、渋学祭の練習だってある。……遊びに行くのは、マスター音源をきっちり納品してから!」
「ええええええーっ! スグの鬼ー! 社畜ー!」
「社畜じゃない。社長と呼びなさい」
リビングに響く由愛の悲鳴をBGMに、優莉は来月のレコーディングと渋学祭に向けたスケジュールの調整に没頭し始めていた。
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高山虎はメンタル激弱なので優しくお願いします