あんなside
ううっ………ポチタンのバカーーーーー。確かにこんないい匂いが漂ってたら私やみくるも、
我慢できないものをまだ赤ちゃん状態のポチタンが我慢できる訳ないって分かるけど……
でも、でも、何で1人で行っちゃうのーーーーーーー。
お陰であの学生さんに声を掛けられて、私やみくるは学生さんやキィちゃんの居る焚き火の所に
行って、近くにある丸太に腰を下ろした。
でも、なんであの学生さんは私やみくるの姿を見ずに2人って分かってたの?
隠れた場所がバレてるのは、まだ分かる。あの時の音のせいでホントはあの学生さんに
誰かが茂みに隠れている事が分ってしまったかもしれない。
でもあの学生さんは夕食の準備をして敢えて茂みを探さなかったから何人いるか
分かるはずがない。
可能性があるとすれば、宇宙船らしきものがあるなら私の時代すら遥かに進んだ機械かに何かで
私やみくるの熱や生体反応を探知したかも…………うーん、まさか本人に直接聞いても教えてくれないよね。
だったら今は学生さんやキィちゃんをお話しよう。そうすれば、何か分かるかも。
学生「初めまして、里見孝太郎って言うんだ。」
キィ「初めまして!キィって呼んでね!お姉ちゃんたちがこのピンクの妖精さんの飼い主さん?」
あんな「うん、そうだよ。初めまして私は明智あんな。この子は妖精のポチタン。」
みくる「私は小林みくる。里見さんにキィちゃん、初めまして。」
ポチタン「ポチィ!」
孝太郎「明智あんなちゃんに小林みくるちゃんにポチタンか、なんか探偵小説に出る明智少年と小林少年みたいで、名字でちゃん付しにくいな。それに
私とみくるの苗字を聞いて探偵小説の登場人物を例える里見さん。確かにわたしたちは名探偵プリキュアだけど、そんなに明智や小林ってちゃん付しにくいの?
キィ「だったら名前で呼ぼうよ。あんなお姉ちゃん、みくるお姉ちゃん、ポチタンちゃんで!」
孝太郎「いきなり出会った人に名前呼びって………いやそうだな。俺のことも孝太郎って呼んでもいいよ。」
あんな「う、うん…私もあんなでいいよ。孝太郎さん……。」
みくる「私もみくるでいいよ。あらあら、あんなったら男の子に名前で呼ばれるの初めて?」
あんな「もう、みくるったら!揶揄わないで!」
みくるったら、酷い!だって仕方ないじゃない!私を名前で呼ぶ男の人なんてお父さんと妖精のジェット先輩を除いてさっき出会った孝太郎さん以外いないもん。
でもキィちゃんのお陰かな。一気に仲良くなって。見つかったときはかなり警戒してたのに、
今はそんなに警戒してないかな。もちろん孝太郎さんやキィちゃんに対する謎はまだだけど。
みくる「これで全員です……」
キィ「えーーーー、まだクランお姉ちゃんのこと言ってないよ!」
あんな・みくる「「え゛っ!?もう一人いたの!?」」
まさかの3人目の存在について私やみくるは同時に声を挙げる。でもなんでここにいないの?
キィ「お姉ちゃんたち。息がぴったりで仲良しだね。お兄ちゃん」
孝太郎「ああ、元気があって良いことだ。」
あんな・みくる「「何和んでるのーーーーー!良いからクランって人を教えてーーーーーー!」」
孝太郎「悪い悪い、クランは科学者でインドアでかなり重要な計算をしているから研究室に籠もってる。」
みくる「科学者ってホントですか!?重要な計算って…………」
宇宙船らしき物に乗ってる科学者らしき女の人………もしかしてその人が宇宙人?
もしそうなら言葉通じるかな?もしくは通訳機を作ってるとか?
ぐぅぅ………
キィ「みんなとお話してたらおなかすいちゃったよ。」
あんな「私も」
みくる「私も」
孝太郎「そうだな、そろそろ食わんとな」
ポチタン「ポチィ!」
なんか自己紹介としてはかなり脱線したけど、お腹も空いちゃったし夕食を食べることになった。
すると孝太郎さんが籠をひっくり返してキィちゃんの前に置いたの。
多分小さいキィちゃんが食べやすいように、テーブル替わりにしたんだ。
そこにスープやパンと串焼きを盛り付けた食器を並んで、すごく立派な食事に見える。
その証拠にキィちゃんの目が凄くキラキラしてて、はなまる可愛いなぁ。
キィ「食べていい!?ねっ、ねっ、食べていい!?」
孝太郎「いいぞ。ーーーーーー」
あんな・みくる「「いいよ!」」
キィ「いっただきまーす!」
孝太郎「喉を詰まらせないようにな」
もうっキィちゃんたら、孝太郎さんの忠告を聞かずに食べちゃうなんて。
しかも右手にスープのスプーンを、左手に串焼きの串を掴んで、2つの料理を交互にすごい勢いで
食べる姿を見るとこっちもほっこりする。
孝太郎「元気で結構、あんなちゃんやみくるちゃんも食べたら?」
あんな・みくる「「はい!頂きます!」」
んー、串焼きとパンとスープ、どれからを食べたらいいのか悩んでると、ふと孝太郎さんを見てるとパンを割ってから串焼きの肉を挟んでホットドッグのような物にして食べたの。
その表情はまるで何かを思い起こす様な、もしくは懐かしむ様な顔だった。
一体何を懐かしんでるのか聞きたいものの、私も早く食べなきゃ。
あんな「孝太郎さんがやったホットドッグみたいにして。パクっ」
みくる「私もやってみるわ。パクっ」
あんな・みくる「「はなまる(凄く)美味しいーーーーー!」」
なにこれ!?口の中にお肉のジューシーさとスパイスみたいなものと、
パンの柔らかさと染み込んだ肉汁が混ざって、今まで味わったことのない美味しさが広がってきて、なんて言ったらいいか分かんないよ。
みくる「あんな、凄く美味しそうな顔してる。もう半分食べちゃってる。」
あんな「みくるも凄く美味しそうな顔してて可愛い。」
孝太郎「2人とも満足して何よりだ。こっちのスープもどうぞ」
あんな・みくる「「はい!」」
そうだ。スープもあったんだ。孝太郎さんからスプーン入りのマグカップを手渡されて、その中にあるスープの匂いを嗅ぐとすごくいい匂いがして、湯気もあって熱々だからスプーンで掬って啜ると、これも美味しくてしばらく飲み進めると誰かの視線を感じて目を向けるとキィちゃんが私たちを見つめてた。
あんな「キィちゃん、どうしたの?」
キィ「私もやろっと!」
みくる「私もって、もしかしてホットドッグのこと?」
キィ「うん!」
どうやらキィちゃん、孝太郎さんや私たちの真似をして、パンを割って肉を挟んでパクっと食べ始めたみたい。
キィ「おいしい!」
あんな「キィちゃん、その食べ方気に入ったんだ。」
みくる「しかも勢いが増してて、リスみたいになってて可愛い」
孝太郎「あんまり焦ると喉に…………」
キィ「ふぐっ」
あんな・みくる「「キィちゃん!」」
大変だ!キィちゃんが勢い良く食べたせいで喉が詰まっちゃったみたい。何とかしなくちゃを思ってると孝太郎さんはキィちゃんにスープを差し出して、キィちゃんはスープを口につけて飲み始めた。
キィ「ごくごく、ぷはっ………ふえぇぇぇ、死ぬかと思ったよぉ………」
あんな「キィちゃん、良かったぁぁ。」
みくる「ホントに心配したわ」
孝太郎「あんなに慌てて食べるからだよ。」
キィ「だって、美味しかったんだもん」
孝太郎「美味しいって言ってもらえるとうれしいけどさ。」
あんな「沢山あるからゆっくり食べていいよ」
みくる「そうそうさっきのほうが心臓に悪いわよ。」
キィ「う、うん。そうする。えへっ、えへへへっ」
キィちゃんたらっ……ついさっきまで大変だったのにもう元気に笑ってる。
そうだ、ポチタンにミルクをあげなきゃと妖精用のミルクを出そうとしたら
キィちゃんの声が啜り泣きに変わっていて、その声を聞いた私たちはキィちゃんにどうしたのかを尋ねた。
あんな「キィちゃん!?どうして泣いてるの!?」
みくる「なにかあったの?」
孝太郎「どうした?不味かったかい?」
キィ「そんなことない。美味しいよ、すごく美味しい。それに楽しくて………」
美味しくて楽しいのにどうして泣いてるか分からない。
何らかの理由があるだろうと考えたらキィちゃんの口から衝撃的なことを言ってきた。
キィ「ただ………こんなにも
でも、でもね?私決めたんだ大きくなったら私、お料理出来るようになる!ぐすっ、お兄ちゃんと同じくらいおいしいごはんを作れるように………」
あんな「キィちゃん?それって………」
みくる「孝太郎さん……キィちゃんの事情って分かりますか?」
孝太郎「そうだな、キィちゃん。2人に君のこと話していいかい?」
キィ「うんっ、いいよ。キィもお兄ちゃんとお姉ちゃんたちのこともお話したいな。」
キィちゃんが泣く理由を聞くために、私たちは料理を食べながらそれぞれの事情を話したけど、
キィちゃんと孝太郎さんと名前しか知らないクランさんの事情にはかなり驚いた。
特に驚いたのはキィちゃんから孝太郎さんが何処から来たのに対して答えた内容が、
また私の記憶の何処かが呼び起こされるような気がした。
あんな「キィちゃん………お母さんを亡くして……お父さんと上手くいかなくて、お母さんの星を探すためとアニメの映画を見るために家出なんで……ぐすっ」
キィちゃんのお母さんの話を聞いて、わたしは未来にいるお母さんのことを思い出して思わず泣いちゃった。
みくる「あんな…………ひょっとして自分のお母さんのこと………」
キィ「えっ!あんなお姉ちゃんの母様もお星様に………」
あんな「違う違う。私のお母さんは生きてるよ。でも
孝太郎「あんなちゃん……それって
あんな「え?孝太郎さん?俺やクランさんとって?」
孝太郎「ああっ、済まない。勘違いかもしれんから忘れてくれ。」
今のどういうこと?生きてるのに会えないなんておかしな発言はみくる以外の人が首を傾げるのは分かるけど、
みくる「なんか意味深で怪しい……。まあ今のは置いといて、孝太郎さんやクランさんの事情も驚いたわ。」
あんな「何か重大なトラブルが起きて、
みくる「私としては、
孝太郎「悪いけど遠いところは教えられない。関わった人とトラブルになるからだ。」
みくる「むぅぅ………それにしてもキィちゃんから何処からきたの質問の答えに孝太郎さんが言ってた、「幾百万の刻と幾千万の道程の彼方から」って何ですか、そのかっこつけすぎなクサイ台詞」
孝太郎「ほっとけ」
やっぱりおかしい…キィちゃんからの質問の答えで言ってた「幾百万の刻と幾千万の道程の彼方から」なんて明らかに日常では使わない言葉なのに、何処かで聞いたことがある気がする……
春風市といい……私の時代の何処かで…………
みくる「あんなもそう思うよね………あんな?」
あんな「あっ、何?みくる」
みくる「何、ボーっとして、孝太郎さんが言ってたクサイ台詞について何か心当たりでもあるの?」
あんな「ちょっと驚いただけ。それにそろそろ私たちがここに来た理由を話そうと思って」
孝太郎「そうだな。そもそもなんでこんな所でこんな時間にあんなちゃんみくるちゃんが来たのか教えてくれないか」
キィ「キィも聞きたい!」
私たちの事情も話して私たちが探偵だってことは驚いたけど、流れ星を見かけてここにたどり着いたって聞いた孝太郎さんは非常に焦った表情をしていた。
なんでそんなに焦るのか分からないけど、恐らく流れ星が宇宙船じゃないかと思う。
そうじゃないと孝太郎さんのあの表情にならない。
孝太郎「中学生が探偵だってかなり驚いたな。名刺も遊びじゃなくてしっかりしてるし。
しかも学校の理事長からも認められるって」
キィ「お姉ちゃんたち、凄い!探偵ってアニメに出る真実はいつも一つとか、じっちゃんの名に賭けての方だよね。」
あんな「あの……キィちゃん………コナン君の方はまだいいけど金田一少年の方は、かなりキツイよ」
みくる「そうだね………とても6歳の女の子が見ていいとは思えないけど………」
孝太郎「確かに金田一少年の方は俺でもキツイな。」
キィ「えーーー、なんで!?犯人はお前だって言うのかっこいいのに…………」
あんな「あはは……」
みくる「まあ、アニメの探偵の方は置いといて、孝太郎さん…な・ん・で・流れ星の話をしたら
そ・ん・な・に焦った表情をするのか。その理由を教・え・て・下さい」
孝太郎「あっ、いや、俺そんな表情なんてしてたか?寧ろ君たちがその流れ星やらを観測してここまで来たこと自体驚いたんだ。一体どうやって観測したんだい。」
あんな「そ、それは、特殊な道具を持ってて………」
孝太郎「へぇー凄いなこんな遠くまで観測するなんて、余程特殊な道具なんだね。」
ま、まずい…私たちからしたらなんてことないけど、普通の人間にとっては星の軌道をここまで追う自体が異常なんだ。このままじゃあプリキットミラールーペの存在が孝太郎さんたちに………
孝太郎「……いや、いいよ。言えないなら無理に言わなくても。それにそろそろクランの奴に夕飯を届けないとな。それとあんなちゃんみくるちゃんとポチタンについてもクランに言っとかんとな」
あんな「う、うん道具について言えなくてごめんなさい。」
みくる「わたしもちょっと大人げなかったわ。でもクランさんにとうとう会えるんだ。科学者みたいけどいったいどんな人なのか楽しみです。」
でも孝太郎さんが逆に気を利かせてくれたお陰でプリキットミラールーペの存在を言わずに済んで
良かったけど、私たちは魔法を見ちゃったのになんか悪いことしちゃったかな………
それにしてもクランさんかぁ……もしかしたら宇宙人との初めての出会いになるかもって思ってたら、すごく楽しみになってきた。