縺れに縺れた蜘蛛の巣が焼かれた後で、親指達はなにを目指すか 作:てぃんた
ヴァレンチーナは東部の方が都合良いので東部親指所属にします。もしかしたら今後出てくる親指人格でヴァレンチーナの所属してた地域がわかるかもしれませんがこの小説内では東部所属です。
ルチオを拾ってから一ヶ月が経ったくらいだろうか、ルチオが親指の規律に慣れた頃、アタシはルチオにパレルモを教え始めていた。
「ルチオ、そうじゃない。アタシのをよく見とけって。もしかしたら..ルチオにはパレルモが合わないのかもな...アタシが教えるよりも、レイホンの野郎が教えたほうが合ってるんじゃないのか...?...ルチオ、今日はもう良い。休憩でもしときな。あー...なあルチオ、アタシ今から連絡することがあるから...別の部屋で休憩してくれ。今日だけだから、な?」
日々アタシの真似を四苦八苦しながらするルチオを見て、その考えはもっと強くなっていった。ルチオが死ぬことは無いだろうが、それでも別の奴にルチオを任せた方がルチオは強くなれるんじゃないか?という考えはアタシを蝕んでいった。アタシは自分でも気付かない間に携帯を手に取り、レイホンに電話していた。
「レイホン、お前...ガキに剣術教えれるか?パレルモじゃなくて、お前ので良いから。アタシがガキ拾ったのは今んとこ、東部で噂になってるだろ。一応パレルモ教えてはいるんだが、合ってないらしくてな...お前のはパレルモみたいな技術重視の剣術じゃなくて、一撃一撃の重いやつだろ?多分、アタシのガキにはそっちの方が合ってる。だからまあ、明日来い。アイツに才能があるかは分かんねぇけど...まぁ少なくともアタシが教えるよりはマシだろ、きっと」
【分かりました、ヴァレンチーナ様。私の教え方でよろしければ、明日お伺いします。】
「...お前の敬語、割と腹立つな。それにお前が俺っち以外の一人称使ってんのも聞き慣れないな。どうせお前もそろそろアンダーボスだろ?ならアタシに対しては様付けして敬意さえ払えば普段通りの口調で良いよ。」
【ヴァレンチーナ様がそう言うんなら、俺っちも普段通りでいかせてもらうで。ヴァレンチーナ様のガキが俺っちの教え方に合ってるかは正直に本人次第や。...もしかしたら、戦闘の才能すらないかもしれへん。ただそれでもええんなら教える。】
「それでも良いよ...アイツに戦闘の才能が無くても別の道はあるんだ。もし無くても...才能が無いことは早く知ってた方が別のことに時間使えるからいいだろ。...それじゃ切るぞ。」
...
電話を切った後、アタシはルチオが微かに空いた扉から見ていたことに気付いた。必死に隠れているつもりらしいその身体は不安で怯えていた。この子はきっと、見捨てられることに怯えているのだろう。それはアタシ自身がボニャテッリ家でよくしていた顔で、見慣れていた。
「あー...ルチオ、どこから聞いてた?......」
『最初...からです...』
「最初からかよ...ならまあ、分かるよな?ルチオ、明日からは別のやつが教えるから。そんな見捨てられたみたいな顔、するなって...別にアタシはルチオがパレルモを扱えなくても絶対に見捨てねぇよ...ほら、そんなに不安になるならハグしてやるから、こっち来い...」
『お母さん...ほんとに僕のこと見捨てないの...?なら、もっとぎゅ〜ってして...僕、お母さんに見捨てられたって思っちゃってごめん...お母さん...僕、お母さんが期待してくれるなら頑張るね...お母さん...いつもありがと、大好き...』
「あぁもう、ハグくらいで泣くなよ...ほら、ずっと抱きついてきて良いから、早く泣き止んでくれ...ほら、ルチオが抱きしめて欲しいなら、アタシがずっと抱きしめてやるからさ...アタシも大好きだよ、ルチオ...ルチオが泣いてるところ見るの、アタシも辛いんだよ......今はまぁ...ママ呼びでも良いけど...落ち着いたらお母さん呼びにでもしとけよ、ルチオ。先に言っておくがアタシはお前の師匠になりきれなかったんだから、師匠呼びすんなよ?これからはお母さん呼びかアンダーボス様って呼びな、ルチオ。アタシは、幼いお前を路地裏で捨てた
本当に投稿遅れてすみませんでした。なるべく週一ペースで書きます。遅れてる時は難産だと思ってください。