原作のシュエン過去イベがこの二次創作の過去と大分違いますが、書き直すのも大変なのでまたシュエンかシエンの過去編を書く時に帳尻を合わせたいと思います。
いや〜キロとタロスが来てから見違えるほどに王国になったな!
キロがハーモニーキューブの操作と建築の基礎をタロスが自分に備わった3Dプリンター機能みたいな奴で材料さえ用意すれば物が出来上がるという完璧な布陣のお陰でクラウン王国は王国?部族の集落でしょw?から、おいおいアークが地上にあるじゃねぇか!?レベルにまで進化した。
「役に立てて嬉しいです!」
『電気のインフラは変わらず壊滅的ですがね』
「こ、こらタロス!」
そうなんだよなぁ、前は電気蓄えたクリスタルとかで賄えたけど、ハーモニーキューブが電気をかなり食うため、結局初期の遊園地稼働したら夜何も出来ないぐらいに戻ったんだよなぁ
「ですがここからの眺めは本当に国のようで………最高です」
「本当ですねお嬢様!ここまで長かったのだ!」
クラウンやチャイムが喜ぶのを見て、同じように窓から国の全体を見渡す。
広く、大きく、統一感もあって、城壁は立派でしっかり囲まれているし、前は無造作に並べていた建物もそれぞれしっかり意味を持たせて配置してある、防衛の観点でも城からこちらは見渡しやすく、逆に下からは狙い辛い構造に仕上げてある。
意味のある綺麗で大きな国、たしかに感慨深いものがある。
バラバラバラバラ
カウンターズの指揮官
[すまないが助けが必要だ、今から送る座標に来てくれないか?]
珍しくカウンターズの指揮官からSOSのメッセージが来た、どうしたんだ?
………無視したろ、こちとら王国の美しさを堪能してるんですよ。
バラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラ
指揮官
[行ってやるから次メッセージ送ったらお前の知り合い全員にアンダーソン副司令官とホテルに行っていたと広めるぞ]
「急用ですか?」
あぁ、フォービーストで行こうと思うから内容によっちゃ今日は帰れないかもしれないな。
「必ず帰ってくるのだ!今日は建国記念日なのだ!」
「こらチャイム、無茶を言ってはなりません………ですが夕飯までには帰ってくれると嬉しいです」
そう言われちゃ帰らないわけにはいかないな!
―――
「ね、ねぇ本当にこんなところにカウンターズいるの?」
あぁ、間違いなくカウンターズの指揮官のアカウントからの連絡だからな、もし何か間違ってたら絶対アークにあることないこと噂話でっち上げて広めてやる。
まぁ、どんな噂話を作るかは置いといて、随分と遠くまで来たんだな、こんな遠くまで来たことないからレヴィのダークマターワープ出来なくてジズに運んでもらってるし。
「ま、まだぁ?ずっと飛んで疲れちゃったよぉ」
もうちょっとだけ頑張ってくれ、そろそろ座標の位置だ………あれは森だな、あの中みたいだから念の為森の手前で降りてくれ。
ジズは指揮官に言われた通り森の手間で降りて、ベヒモス、レヴィ、バハムートを翼から外に出す。
「大分長かったけど、この森が目的地?」
「とてもカウンターズが居るようには見えないけどな」
「面倒いわたしは言うぞ、帰ろう」
賢いすらつけてないぞバハムート、ただ帰ってそれでカウンターズ死にましたじゃ後味悪いからな、さっさと座標まで向かって真意を確かめよう。
そうしてフォービーストは森を進んで、座標位置に辿り着くと血だらけのカウンターズの指揮官がそこにはいた。
こりゃ………本気にならないといけないみたいだな。
「た、助けないと!」
待て、他のカウンターズがいないのが気になる、獲物を一つに絞って助けようとしたところをって奴かもしれない。
「罠ってこと?だけどあの出血量じゃ早くしないと不味いよ」
ベヒモス、ジズ、バハムートはその場で周囲を警戒してくれ、レヴィはダークマターでここまでカウンターズの指揮官を引っ張れるか?
「楽勝よ」
それぞれが死角を無くすように立ちながらレヴィはダークマターをするりと伸ばしてカウンターズの指揮官下から持ち上げるようにして傷口を広げないようにゆっくりとこちらに連れてくる。
「見た目以上に重いわね着痩せするタイプ?」
重い?………レヴィ!捨てろ!!ニケだ!
指揮官の命令に一瞬の思考を挟むことなくレヴィはカウンターズの指揮官の見た目にされたニケを放棄する。
地面に触れたニケはその衝撃かバレたことでこれ以上接近は不可能と判断したのか、全身が熱をもったかのように光輝き始める。
光!?この光量戦略兵器レベル!自爆かよ!?この森まるまる包み込むぞこりゃ!
レヴィの移動じゃ間に合わないか!
ジズ!『自分ごと』翼に収納しろ!!
レヴィは指揮官をベヒモスはバハムートを抱き込み、ジズの翼に突進するように入り込み、そのままジズも自分の羽に自分の体を入れてさらに翼も器用にねじ込みその場から文字通り消え去った。
指揮官は翼に入る前、爆発寸前のニケの口が動いたのがわかった。
「に………げ………て」
光は威力に変わり、爆発した。
―――
いやぁ死にかけましたねぇ〜。
「呑気に言ってる場合?明らかに私達を狙った罠だったじゃない」
「そうだな、この感じじゃ王国も狙われてんじゃねぇか?」
「え、え、そうなの!?じゃあ急いでもどらないと!」
「とは言っても賢いわたしでもどこに出るかわからないものはどうしようもない」
指揮官はバハムートの発言に珍しく賛同しながら周囲を確認する、とはいっても上も下も右も左もわからない、今自分が立っているのか浮いているのかすらわからない真っ暗な空間ではあるが。
久しぶりに使ったなジズの奥の手、自分も巻き込んだダークマターへの収納、自身もその場から消えるからどう足掻いても相手は攻撃出来ない究極の回避だ。
問題はここから出る時どこに出るか一切わからないということ、前回は空の上、前々回は地面の中だっけか?
「次は海の底かしら?一応指揮官ダークマターで包んでおく?」
「マグマの中とかかもしんねぇぞ?そんときゃオレが先にでねぇと皆んな丸焦げだぜ?」
「地球という枠組みではないかもしれないぞ?宇宙かもしれない」
「ブ、ブラックホールとか、な、ないよね?」
「「「「………」」」」
「ひ、否定してよぉ」
いや入り口作る本人に言われちゃうとね、ありえそうだなと………とりあえず、とことん準備してから入り口作ろうか。
―――
フォービーストが座標へ向かってしばらくした後のクラウン王国。
「さて、建国記念日ですし皆んなで飾り付けといきましょうか」
「お嬢様、何処まで飾り付けするおつもりで?」
「それはもちろん王国全てですわ!」
「無理に決まってるでしょ、食堂とリビングね、とりあえず」
「ならあれやって欲しいのだ!折り紙切って作る奴!」
「はいはい切り絵ね、じゅあ切り絵はわたしとチャイムね」
それじゃあね〜と尻尾の刃をフリフリしながらインディビリアはチャイムと折り紙をとりに向かった。
「ならわたしキロとタロスのあの3Dの奴でソリ立つの作りたいです!」
『3Dプリンターですマリアン』
「も、もしかしてHなやつじゃないよね………?」
「………さぁ行きましょう!キロ!タロス!」
「ぜ、ぜったいHな奴だぁ〜」
マリアンはキロとタロスを引きずりながら3Dプリンターで作る材料が保管してある場所へと向かった。
「そ、それじゃぁ王国全ては無理ですがメインストリートを飾りますかぁ?」
「良いのですか!ならさっそく飾りに向かいましょう!」
「ま、まずは材料ね、何も持ってないでしょ」
早く行こうと急かすクラウンを嗜めながらフラジャイルはクラウンと大型の飾り付けが保管してある倉庫へと向かった。
「あれ?皆さんまだここに居たんですか、早くしないと王国全て飾り付けできませんよ!」
「だ、だから出来ないですぅ、で、でもなんで皆んな立ち止まっているんですか?」
「お、お嬢様、ま、街が」
何故か階段を降りる途中の窓の所で立ち止まっている皆んなをみてクラウンとフラジャイルは疑問を口にするが、チャイムの悲しそうな声と言葉で何が起きているか理解した。
窓の外を見る。
街が破壊されていた、大量のタイラント級に、アルトアイゼン、ウルトラ、グレイブディガー、ストームブリンガー、思いつく限りの戦力を集めましたと言わんばかりに何種類もいて複数いた。
綺麗な街になったからこそ、破壊されるさまはこの世の終わりのような情景に見えた。
「………襲撃ですか、誰かわかります?」
王は静かに尋ねた、先程までのどこかおふざけの入った性格と態度は無くなり、国の王としての立ち振る舞いになる。
「トーカティブが視認出来たからあいつの仕業ね」
「お互いを探知出来るのでは?」
「えぇ、多分ミラーが1枚噛んでるわね、一時的に探知できない何かをしたんでしょうよ、だからこそニヒリスターは居ないんでしょうね、アイツミラーが嫌いだから」
王は考える、防衛か撤退か、王国は確かに大事だが態々リスクを犯すほどではない、フラジャイル、キロ、チャイムなどの戦闘が苦手な子達のことを考えれば、宝物だけ持って逃げるのがベスト。
それに襲撃タイミングが完璧すぎる、確実にフォービースト側も何か罠が仕掛けられているはず、ならば尚更逃げてフォービーストと合流するのが良いだろう。
相手はマリアンを奪いに来てる、態々迎撃してマリアンを奪われる可能性は排除するべきだ。
………が、これは普通の王の考え。
クラウン王国の王は迷わず選ぶ、だからこそ民は慕う。
「迎撃します、インディビリアとチャイムはトーカティブをキロ、タロス、マリアンは小型と中型を、わたくしとフラジャイルは大型を倒します」
王に撤退はない、それは大切な王国を無くしたくないだけではない。
王は笑う、『この程度』の戦力で国を堕とそうなどと嘲笑するほかないと。
王に撤退はない、それは王国に勝てるものなど居ないからである。
―――
マリアンはキロ達と共に小型、中型のラプチャーを倒そうとしたがキロ達に止められた。
「マリアンはラプチャーと戦いたくないんでしょ?無理しなくて良いよ!」
『この程度キロとわたしなら1分もかかりません』
「さ、さすがに言い過ぎだよ、でもわたし達だけで大丈夫だからさ!」
正直、ありがたかった。
皆んなラプチャーは人類の敵だと何の躊躇いもなく倒すが、わたしにはラプチャーも人間も違いがわからなかった。
もちろん見た目も生態も全然違うがそれでもどうしてもわたしには人間はラプチャーに見えるしラプチャーは人間に見えてしまった。
「ッキャ!?」
マリアンがこの状況に自分の立ち振る舞いをどうすれば悩んでいる間にもキロとタロスは大群のラプチャーに攻撃の隙を突かれて突進され壁に激突してしまう。
「キロ!?タロス!?」
すぐさまキロ達に突進していったラプチャーを壊そうと肩のマシンガンで攻撃しようとするが大切な仲間がやられたというのにそれでも何処か躊躇いが出てしまう。
「マリアン!!わたしは大丈夫!ねぇタロス!」
『もちろんキロは大丈夫です、なんなら今から降りて戦えます』
「いや無理だよ!?」
キロ達はそんなわたしを見てか、すぐさま壁から這い出て大丈夫アピールをしてくれて、そのまま戦いに戻る。
そんな姿を見てわたしは………敵を倒さないとと自分に思い込ませようとする、そうでないとキロ達が今は大丈夫だけどこの大群ではやられてしまう。
でも体は動いてはくれない。
マリアンはどうすれば良いかわからなくなりながら、それでも必死にマシンガンの標準をラプチャーに合わせるが、人間を殺すような禁忌の感覚が全身を巡りどうしても撃つまでいかない。
なんで!わたしが殺さないとキロ達が!!
「マリアン!無理しちゃダメだよ!指揮官も言ってたでしょ?したくないならしなくて良いって!」
マリアンはそれは確かに言っていたけど、それで大切な人を失ったら元も子もないと軽くシエンに悪態をつきそうになるが、そう言えばその話しの後あることを言われたことを思い出す。
『え、でも皆んなを守りたい?うーん、皆んなを信頼しろって言いたいけどそれでもどうしようもない時もあるわな』
『………なら手伝ってあげなよ、自分でGを倒せないから人にお願いする時、叩く道具を持ってきてあげるとか、窓を開けて逃がせれるようにするとかみたいにさ』
―――
マリアン大丈夫かな?わたし達のせいでラプチャーを手に掛けることになったらきっと落ち込むよね。
『機体損傷大、修復が必要です』
不味い!胴体の右側をやられちゃった!このままだと全員倒す前にエネルギーがもたない!?
最悪、ここは放棄して一旦マリアンと逃げることもを考え始めたキロだったが急に上に何かが乗ったような衝撃がはしる。
「ッ!?タロス頭上!敵!」
『いえ、敵ではありません』
「わたしです!!タロスの中に私も入れてください!」
えぇ!?なんで!?
『真意はわかりませんが早く入れないと格好の的です』
「そ、そうだよね!?早く入って!!」
ハッチを開けるとマリアンは勢いよくタロスの中に入って来てわたしの後ろにピッタリと座る、そのせいか身長差もあって………その………胸が頭の上に。
「マ、マリアン!もうちょっと何とかならない!?む、胸が当たってるんだけど!」
「当ててます!」
「ふぇ!?」
ま、まさかHなことばかり言う子だと思ったけど手も出すタイプだったの!?
そんなキロのドギマギを他所にマリアンは急いでタロスの内部の板を外して充電ユニットが壊れた場合の緊急充電ケーブルを引っ張りだす。
「前、言ってましたよね?タロスの動力源はニケと同じだと!」
「そうだけど………ま、まさか!?自分を動力源にするつもり!?危険だよ!」
「それでも………やらせてください!!ラプチャーを撃つことはわたしには無理みたいです………だけどキロとタロスがただ黙ってやられるのを見るぐらいなら命を賭けます!!」
マリアンの目も声もどちらも覚悟が決まっていて、有無を言わせないほどのものだ。
だけど、いくらなんでも危険だとマリアンを止めようとキロは声を掛けようとすると。
『やらせてあげましょう』
「タロス!?」
『キロ、貴方と同じです、何も出来ず、自分は要らないじゃないか足手纏いなんじゃないかと悩んでいた王国に来る前の貴方です』
そ、それは………確かにここに来る前、タロスに乗る前からネームドなのに役立たずで部隊を転々としてタロスに乗るようになってからは今度はタロスだけでいいんじゃないかなって憂鬱になって。
結果的に王国に偶然これて、役目を貰えて、それでいて誰もわたしのこと役立たずなんて本当に思ってなくて。
だから命をはってでもこの国を守ろうと頑張っている。
「そっか………マリアンもこの国が大事なんだね」
「はい!」
「何も出来ない自分が悔しいんだよね」
「はい!!」
「だから命を賭けてわたし達のサポートをしてくれるんだね」
「はい!!!」
なら………決まりだね。
キロはマリアンが開けた場所からさらにケーブルを引きずりだしてそのまま強引に引きちぎる。
「何を!?」
「決まってるでしょ、わたしも命を賭ける、マリアンだけに良い格好させれないよ、ね、タロス」
『はい、3人揃って最高にかっこよくなりましょう』
「ッ!!はい!!!」
キロとマリアンは息を合わせたわけでもないのに同時にケーブルをコアの眠る場所、胸部中心へとめいいっぱい差し込む。
赤と黄色の電気が迸る。
『エネルギーの過剰入力と異常入力を検知』
『ナノコーティング活性化と異常化を確認』
『機体ダメージの完全修復を確認』
『異常数値は別出力へと変換します』
『別出力をオーバースペックと命名、オーバースペックの活動時間は約5分です』
5分!この大群相手に持つかな、いや持たせるんじゃない終わらせてみせる!
「行くよ!マリアン!タロス!」
「『はい!』」
「「『スタンドアップッ!!』」」
タロスはオレンジの電気を纏いながら、稼働を再開する。
拳を軽く振るう、衝撃が空気を揺らす、次に地面が割れ、割れたヒビの周囲にいたラプチャーが吹き飛ばされていく。
タロスは次にマシンガンを構えて放つ、1発1発がまるでレールガンで射出したような威力と速度でラプチャーを2、3体まとめて貫通して破壊していく。
こちらが攻撃している間ももちろん攻撃はラプチャーから受けているがナノコーティングの異常化により攻撃を受けた側から修復、威力を記憶する。
タロスはマシンガン中央の開口部から特殊グレネードを射出、ナノコーティングで貯蔵した威力を一気にグレネードの爆発に変換し放出した。
光が迸る、激しい光と爆発音と共にキロ達が相手していた大群のラプチャーを全て巻き込む大爆発が特殊グレネードから生じた。
目の前の敵を全て倒したが、マリアン、キロ、タロスの気分はあまり晴れやかではなかった。
コアを連結したことによりマリアンの感情がキロとタロスに流れ込んできたのだ。
何で?どうして?痛そう、苦しそう、死にたくないよね、ごめんね。
シンプルな疑問や感情が変に理屈っぽくないからストレートに心にくる。
キロとタロスはラプチャーは人類の敵、今でもそれは変わらないし現に今襲われていたのだからそう思わずにはいられない。
だけど、それはトーカティブという上の命令やさらに大元のクイーンの命令で動いているだけに過ぎないということをマリアンを経由して理解したのだ。
「………マリアン………全員は無理だけど、大きいお墓建てよっか」
「………はい、ありがとうございます」
『マリアンの容姿が変換していることを確認』
言われてキロはマリアンを見ると、ボディスーツから黒いドレスのような衣装に変わっていることがわかった。
マリアンも言われて気づいたのか、不思議そうに自分の体を眺める。
「これは……なんでしょう?」
マリアンがわからないならわかんないよ!?そう思いながらもキロはインディビリアがマリアンにはクイーンの素質があることを言っていたのを思い出す。
「きっと………ラプチャーも優しい女王が欲しくなったんじゃないかな?」
―――
チャイムとインディビリアはトーカティブを眼前にして余裕のある態度を崩さない、それがトーカティブの神経を逆撫でした。
「この戦力差で何故余裕で居られる」
流石にもうドラ○もんの声じゃなくなったのかな?とトーカティブがドラえもんの声だと聞いて出会うのを楽しみにしてたチャイムは少し寂しそうにしながら答える。
「そのセリフ、そっくりそのまま返すのだ、この戦力差で勝てると思ってるならバハムートより勉強が必要なのだ」
「何だと?自惚れが過ぎるな」
「そうかしら?ビビって手も足も出してこない誰かさんを見てるとその通りだと思うけど」
チャイムの言ったことに重ねるようにしてインディビリアが膠着状態を維持するトーカティブを煽る。
「………余程早く死にたいらしいな」
「さっきから自分達のことばっかり言ってるじゃない?ま、確認作業は大事よね」
トーカティブが吠える、どうやらもう会話は不要だと判断したらしい。
「うわ!?怖いのだ!」
「大丈夫よ吠えてるだけなんだから犬と同等よ、それより戦闘始まるからしっかり捕まってなさい?」
そう言ってインディビリアはチャイムを背中側から自分の首に掴まらせて手の支えがないおんぶのような状態になる。
「さぁわたし達の力、見せつけようかしら」
「見せつけるのだ!」
―――
何故だ、戦闘が始まった少ししたころにはまだ攻撃が当たっていた。
だが何故今一切当たらない!!
わたしの攻撃がワンパターンなどではない、なのに何故だ!
「硬い顔してるっていうのにわかりやすいわね」
「何をした!?」
「貴方には何もしてないわよ」
わたしには何もしていないだと、インディビリアは動きが早くなったわけでもない、ならば。
「その人間もどきか!?」
「ちゃんとチャイムって名前があるの次そう言ったら殺すわよ」
いったいどういうタネだ?あの人間もどきが何をしているというのだ。
「ま、別に隠すことでもないけど、チャイム」
「お前の動きを『覚えた』のだ」
「覚えた………だと!」
たかが1匹の人間もどきにその手の才能があろうと何万、何億にまでパターンがある生物のパターンを覚えるなど不可能だ!
「普通では無理なのだ、だから『集中』しているのだ頭部だけに」
集中?頭部だけに?意図的な感覚遮断が人間もどきができるのは知っているが、遮断するだけで完全にオフにするなどは出来なかったはずだ。
「高濃度のエブラ粒子をチャイムの頭部以外に散布したわ、濃度が濃ければ個体差はあるけど気絶するわ、それをさらに高濃度にすれば」
正気か、あの人間もどきは今、頭部以外仮死状態だというのか!?
「仮死状態なら、脳は死んだと判断し残っている器官をつまり脳自身を強化するのだ、そしてこれはお前のいう人間もどきなら何のデメリットも存在しないのだ、体は機械なのだから」
「嘘をつけ!人間もどきが人間に寄せているのは思考転換をするリスクがあるからだそんなことをすれば可能性は跳ね上がるはずだ!」
「思考転換する理由がないのだ………脳は………わたしはわかっているのだインディビリアが負けるなんてこと無いと、負けさせないと」
そんな理屈で思考転換しないとでも言うのか!?
「しないんだから、凄いわよね、きっと魂に力があるならわたしより強いわよ」
そう言いながらインディビリアはチャイムを尊敬の眼差しで眺めながら優しく撫でる。
クソッ、ならばわたし以外が相手をすれば良い!
トーカティブはコーリングシグナルを発してアルトアイゼンを呼び寄せる、音により地形を壊しながらアルトアイゼンが爆速でトーカティブの元へとやってきてそのままインディビリア達へとその巨体をぶつけようと接近してくる。
「来るのだインディビリア、王からの授かりものを見せつけるのだ」
「言われなくてもわかってるわよ」
インディビリアはエブラ粒子を生成、操れる、ならばと王は自分ではなくインディビリアが持つに相応しいと渡してくれた。
すっかりクラウン王国の一員だなと指揮官に笑われたりもしたが本当に信頼されているのだと目に見える形で知れたことでとても嬉しかったことを覚えている。
まぁ、それを口にすることはないけれど。
インディビリアは自身に高濃度のエブラ粒子を流し込む、エブラ粒子を操るインディビリアには濃度が濃いことになんの影響などありはしない、そして大量のエブラ粒子を浴びることで王から授かった拡張武装。
ネイキッドキングが起動する。
気づけばアルトアイゼンは消えていた。
トーカティブは何が起きたか理解できなかった、しかし本能的にインディビリアから距離を取った、そしてそれは正しかった。
トーカティブのいた位置が空間が抉れたかのように地面がなくなり、その表面が高温によりマグマに変換していた。
「あの一瞬で溶かしたと言うのか!アルトアイゼンを?!」
「えぇ、わたし達にぶつかろうとするなんて傲慢でしょ?罪だわ」
トーカティブはインディビリアがやったことだとわかり、すぐに撤退に切り替える。
自分の攻撃は人間もどきに読まれ、大型を呼び出してもインディビリアに一瞬で溶かされてしまう、どう足掻いても勝てないことを悟った。
判断が早かったのかインディビリアの攻撃範囲から一瞬で離れ、そのまま城の外へと跳んで逃げていった。
「あ〜あ逃げられちゃった」
「問題ないのだ、王は侵略者を逃さないのだ」
チャイムの発言に周りを見渡すと、既に大型は1匹残らず居なくなっていて王国は静けさを取り戻していた。
「あら、本当ね………にしても使うたびに裸になるのなんとかならないの?」
「王の武装なのだから受け入れるのだ」
「………王が裸になるのは良いの?」
「王の美を拝めるのだ感謝しかないのだ」
「わたしが貰ってよかった気がするわ………」
―――
むかーしむかし、あるところに孤独な王様がいました。
王様は王様になってほしいと言われてなった空っぽの王様でした。
だけど王様と従者は新しく獣と仲良くなってそれからも仲間が増えて空っぽではなくなりました。
そんな時、仕立て屋が王様のために透明な服を用意してくれました正直者にしか見えない服だと。
きっと王様は見えなくても見えると言ってそのまま外に出かけて大恥をかくでしょう。
しかしそれは仕立て屋と仲良く無い場合です。
仕立て屋は王様から信頼を貰いました。
だから仕立て屋も信頼をあげたのです。
仕立て屋は本当に透明な服を用意したのです。
それは王様の信頼する人しか王様が見えなくなる服でした。
王様は大変喜び、それに釣られてみんなも大喜び。
めでたし、めでたし。
―――
トーカティブは逃げた、心の中は屈辱に溢れていた。
ミラーに言われて元からマリアン奪還のため集めたラプチャーを引き連れ今回のフォービーストが居ないタイミングで襲撃をしかけたが結果は惨敗。
無様に逃走するはめになった。
だが、逃亡には成功した、ならばまたラプチャーを集めて今度こそ成功させれば良い。
パカラパカラパカラ
トーカティブは立ち止まった、謎の音が聞こえたからだ、これは………馬の蹄の音?
周囲を見渡すが何もいない。
パカラパカラパカラ
だが音は段々と近づいてきている。
トーカティブはどうにかして姿を捉えようと暴れ回るが殴った感触はしなかった。
ドスッ
音が変わった。
そして音は自分から聞こえた。
だがトーカティブは音の出所を確認することはできなかった。
自分の顔が、クラウンの槍に貫かれていたからだ。
ゆっくりとトーカティブは地面に倒れる。
もうお喋りなラプチャーは喋らない。
「ありがとうフラジャイル、貴方がいなければ追いつけませんでしたわ」
「そ、そうですね、あそこまで方向音痴だとぉ思いませんでした」
「え?………そんなにでした?」
「えぇまぁ、にしてもぉインディビリアも透明の技術があるなら自分で使えば良いのにぃ」
「目立ちたがりな彼女にはむしろ邪魔でしょうね」
「………指揮官達大丈夫ぅですかね?」
「わたくし達より強いのですよ?心配する方が失礼ですよきっと、さ、早く帰りましょう!飾り付けが待っています!」
フラジャイルはまだ飾り付けする気かこいつ?と思いながらも夕方には指揮官達が帰ってくると信じて疑わないクラウンに眩しさを感じながら再びトロンベに乗せてもらい案内を再開しようとする。
「………」
「ど、どうしたんですかぁクラウン?」
「いえ何でも、トロンベ、潰しなさい」
トロンベは後ろ右足を高く上げて、勢いよく地面に叩きつける。
僅かに赤かったトーカティブの光は消えた。
もうトーカティブは蘇らない。
オリジナル強ええ要素が増えていますが気に入ってくれてますか?
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はい
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いいえ