ラピがレッドフードだった?レッドフードがラピだった?それを知るため自分達フォービーストはアマゾンの奥地へと向かうのであった。
「ほ、本人いるんだから聞いたら?」
て、ことで貴方はラピ?それともレッドフード?
「えっと喋ってんのはレッドフードだが体はラピ?で良いのか?あたしにもようわからん」
わからんならしゃーないな、この現状は理解できてるか?
「うんやさっぱり、むしろあたしが聞きてぇぐらいだ」
ふーむ、二重人格?いや体つきや服装も変化しているから精神的な問題というわけではなさそうだ。
とりあえず、アニスとネオン………って言ってもわからんか、この二人のニケとこの気絶している指揮官をアークに連れて帰って治療してもらう、いいか?
「あぁ良いぜ、どうせやることねーし」
よし、ジズ、この数行けそうか?
「うん、重いけど行けるよ、あ、でもせっかくなら指揮官と一緒に飛びたいな!」
はいはい、それじゃ自分だけ手で引っ張ってもらうか、そうと決まればちゃっちゃかジズに収納しますかね皆んな。
「………なぁ、そのジズって子と出来てんのか?」
心におじさんも宿してる?もうちっと乙女な聞き方しなよ………出来てるっていうか家族みたいなものかな、あとそこのバハムートとここにいないレヴィ、ベヒモス、クラウン、チャイム、インディビリアっていうのが家族にいるぞ?
「おぉ!!見た目に反してプレイボーイなんだな!」
そう言うのでもないが、まぁそういう関係でも良いぐらいの気持ちではあるさ、さぁさっさと収納されてくれ、思ったよりカウンターズの指揮官の怪我が酷い、早くしないと間に合わないかもしれない。
「それ早く言えよ!?」
そそくさとジズのダークマターに入って行くレッドフードを見ながらカウンターズの指揮官も叩き込もうと担ぎ上げて運ぼうとするバハムートだったがカウンターズの指揮官に触れた瞬間、正確には血に触れたことで体が急に熱を持ち始めた。
「ッ!?体が!熱い!ッッダークマターが維持できない!」
ところで、フォービーストはダークマターを衣服の代わりに纏っている、本当にところでだよところで。
ちょ!?そういう関係でも良いとは言ったが外でしようとするのは違うだろ!?
「バ、バハムート!?い、いくらなんでもハレンチだよ!!」
「ち、違う!こいつに触ってから急に体が思うように動かないんだ!」
そ、そうか、てっきり話しを聞いて熱くなったのかと思ったぞ。
「賢いわたしを舐めるな!」
ご、ごめん、うーんカウンターズの指揮官に触れたらか………まさか………やっぱり、バハムートの手に血がついてる。
何かしら特別な力があるからトーカティブに狙われていたんだろうが、この感じだとヘレティック………いやニケにも影響があるのか?
「なんとか治ってきた、賢いわたしは説明を要求するぞ」
説明っつったってカウンターズの指揮官の血は危ないから触るなとしか言えんな。
「どんな血だと聞いているんだ」
えぇ、言ってもわかんないだろうに、そうだなぁ触ったら体が熱くなりダークマターの制御が効かなくなり服が溶ける………。
媚薬じゃないかこれ?カウンターズの指揮官はイケメンでハーレムで種馬で媚薬を生み出せるのか(偏見)。
「媚薬かわかった」
わかってないなこりゃ。
「ほ、本当に媚薬ならあとで分けてもらおうかな?」
………一応言うが自分には効かないぞ、さっき触ってみた、自分のダークマターには反応ないからあくまでニケにだけ効果があるのだろう。
「そ、そんなぁ」
原因もわかったのでカウンターズの指揮官に付着している血を拭って念の為ジズに触れないように翼収納に入れて、やっと出発する。
「い、急いだ方が良いんだっけ?」
いや、さっき血を拭き取る時に外傷を確認したが特に致命傷はなかったからゆっくりで良いぞ。
「やった〜、久々に一緒にお散歩だ!」
お願いだから高く飛ばないでね?寒いのやだよ?………あぁ高度上がっていく………今回もダメみたいですね。
お散歩ハイになったジズに高度もハイにされながら、カウンターズの指揮官について考える。
あまりにも外傷が浅かった、少し前に見た時は酷い怪我だったのに、あの短時間で治ったとでも言うのか?………単純に血が凄いってだけじゃなさそうだな。
指揮官はこのイケメンハーレム種馬媚薬製造が今後の渦中の中心にいそうなのをひしひしと感じた。
………捨てたらダメかな?
―――
「なぁプレイボーイ、このアークってのにはどうやって入るんだ?」
なんだレッドフード、知らないのか?家っていうのはインターホンを鳴らすもんなんだぞ?
「あたしを原始人だとでも思ってんのか!?そんなの知ってるよ!」
まるで知らずに玄関叩いていた自分らが原始人だと言いたいのかテメェ!?
「えぇ………皆んな揃ってなにやってんだよ、あたしでもパッと見でそこにあるってわかったぞ、押したら良いんだなこれを」
あぁそうだ。
ピンポーン………ピンポーン………ピピピピンポーン………。
「なぁ………これ使われてねぇんじゃねぇか?」
いや、そんなこと無いと思うが地上に行くエレベーターの一つだし。
「こ、今度こそ留守とか?」
「ありえるな、賢いわたしでも常に家で読書しているわけではないからな」
「いやいやいや、アークに留守とかないだろ!?うーんじゃあなんかここだけ使えないんじゃないか?事故かなんかでとか」
えぇテロだってだいぶ前だしなぁ、流石にリターがまだ現役なら治してるだろうし。
〈違う、お前達の対応をどうするかで手間取っていたんだ〉
うわ、急に声が………なんだ、このインターホン喋れるタイプか、でも対応って、なんで、来ただけだぞ。
〈ことの重大さを意識しろと、ずっと教えたはずだぞ?〉
うぅん?おぉ!!声がインターホン越しで変わってるからわからなかったがバーニンガムじゃん!そう言われてもなぁ………自分達は入らない方がいいってんならカウンターズと後このレッドフードだけでも入れたげてよ。
〈カウンターズにレッドフードだと!?〉
ジズが丁度話しに出たのでそう言えば出してないやと翼を広げて中身、カウンターズを地面に吐き出す。
〈………お前達がカウンターズを壊滅させたのか?〉
だったら連れてくるわけないでしょうが!むしろ命の恩人だよ!?
〈カウンターズにはラピがいたはずだが?〉
………スゥーーーーーーーーーーーーーーーーこいつです。
「あぁ………よろしく!」
〈…………ふざけているのか?レッドフードがラピだと?〉
そうなんだからしょうがないじゃん!!!!!
おいどうするレッドフード!?レッドフードのせいでなんか入れなさそうな雰囲気出てるぞ!せめてカウンターズだけでも入れないといけないのに!?
「そ、そう言われたってよ!ど、どうすりゃ良いんだよ!?」
も
「も?」
モノマネだ!!
「………………ラピです」
…あぁ………そのぉ……い、意外に似てるぞ、な、なぁジズ。
「う、うん、声だけ聞いたら、わ、わかんないかも、ね、ねぇバーニンガム……さん?」
〈え?………そうだな、それなりには……似ている〉
「いや、似てないだろ」
ばっか!?バハムート!!こっちが無理矢理やらせたのにそんなこと言ったら失礼やろがい!!!
「おめぇらのその反応もだよ!?だぁ!!まどろっこしい!この扉ぶっ壊して入ろうぜ!良いことしてんだからプラスマイナスはプラスだぜ!!」
うわぁ!?やめろレッドフード!流石にそれやったらアーク行くのしのびなくなっちゃう!!
〈許可が出た入って良いぞ〉
え?………そんな似てたか?
「やっぱお前似てねぇと思ってたんじゃねぇか!」
〈違う、対応に手間取っていたと言っただろう、許可取りなどに時間は掛かったが最初から入れるつもりだ〉
えぇじゃあ最初から言ってよ。
〈許可が降りるかは不明だったからな、こういったことも教えてきたつもりだったが地上に居て獣にでも還ったか?〉
アークなんて檻にいる飼い殺しの猿よりは地上暮らしの獣の方が個人的には好きですよ?来ます?
〈ふ、猿にはやることがある、行くのはそれを完遂してからだな〉
いったいいつになるのやらって感じですけどね。
〈エレベーターをそちらに向かわせたそれに乗って真っ直ぐ中央政府まで来なさい〉
しばらくすると本当にエレベーターはやってきてしっかりと乗れた。
エレベーターで移動している間暇だったのでモノマネ大会をした。
優勝は備え付けエレベーター通信から、バーニンガムのカウンターズの指揮官の真似だった。
―――
「レッドフード?本当にレッドフードなのですか?」
「本物ってどう証明したら良いんだよお嬢様、指揮官の真似すりゃ良いのか?………どうしたドロシーお嬢様」
「ふざけないでください!」
「ご、ごめんってちょっと前にモノマネしたせいでついやっちまった」
「指揮官はもっとふざけ倒しています!」
「お嬢様!?」
性格変わっちまったか?と逆にレッドフードがドロシーを疑いそうになりながらも再会を喜んでいる横でバーニンガムと指揮官がそれを眺めながら会話していた。
ゴッデスにも指揮官っていたんすねー、でもあの感じだと結構おちゃらけた感じなんだな。
「あぁ、もっと高貴な方だと思っていたがそうじゃなかったな」
………普通に話してるけどさ、なんでゴッデスがいること疑ったりしてないんだ?それにゴッデスの指揮官も知ってそうだし。
「お前は変に隠し事すると厄介ごとにしかならんからな言うなと伝えた方が楽だ」
了解、バーニンガムは知らんていで行くってことね。
「アンダーソン指揮官って結局リリスに告れたのか?」
「さぁ、リリスの埋葬はしましたが指揮官は現れず、結局アークガーディアン作戦以降見ていません、まぁもう歳で死んでるでしょうから真相はわからずですね」
「えぇ!?悲しいなぁそれ、結婚式とまでは行かずとも仲間内で祝福ぐらいやってると思ったのによ〜」
アンダーソン?確か副司令官の一人にそんな名前がいたような、子孫かなんか?
「ゔ、ゔん、ゔゔゔん」
………バーニンガムが必死に咳払いしてる、えぇなんか繋がってんのかよ、反応的にまさか本人か?
エターナルライフがあるせいでアークの住人の年齢マジでわかんないんだよなぁ、バーニンガムも当時のままだし、こちとらダークマターなかったらとっくにお爺ちゃんか死んでるっつうのに。
「そうか、せっかくだから先生や聖女様、おちびちゃんにも会いたかったんだが、もう一緒じゃないならしょうがないな」
「ですが、レッドフード、貴方が戻ってきてくれれば再びあの頃の、きっとあの頃のゴッデス部隊に戻れるはずです」
「もうあたしは死んでんだこの体だってラピのだしな、それに昔は昔だから良いんだ、同じになろうとしてもなれねぇんだ」
「………だけど!………大切な友人を失い、アークに裏切られたわたしにはあの頃が一番楽しかったんです………」
「………お嬢様が弱音なんて珍しいな、そんぐらい弱ってるってことだろうけど、愚痴なら聞くぜ?」
バーニンガム行こうぜ、これ以上聞くのはよくねぇよきっと。
「そうだな」
なんかついてくる雰囲気だしながら止まるなよ!?ほら行くぞ!!
「だがわたしは判断を任されているのだ!」
なんの!?そんなことより女神の愚痴を聞かないであげるのが大事だ!来いってば!
バーニンガムがフォービーストの指揮官に引きづられながら部屋を出て行くのを苦笑いで見送りながらレッドフードはドロシーに続きを促す。
「ほら、女神の愚痴だってよ、女神の愚痴は女神が聞くもんだろきっとよ」
長く、長く、長考しドロシーはゆっくりと話し始める、既に死んだはずの女神なのだきっとこの愚痴を墓場まで持って行ってくれるだろうと信じて。
―――
全てを話しました。
そんなつもりなどなかったのに。
レッドフードが居なくなった後のことピナのことアークに裏切られたこと月1の周回に行っていないことエデンのこと。
そしてアークに復讐しようとしてること。
わたしが思っていることを本当に全部喋ったと思います、気付けば外は薄暗く夕方になろうとしていましたから。
「なら………復讐するか?」
その言葉を聞いた時、自分の耳を疑いました、実はレッドフードではない偽物なのでは?それともここに来て侵食が再会したのか?と。
しかし俯いていた顔をあげてレッドフードの目を見ても赤くなっておらず、そこにあったのはいつもの、あの頃の空気を読んでないようで読んでいる明るいムードメーカーなレッドフードだった。
「つっても流石に殺しとかそういうのはやだから、えっと多分裏切ったその中央政府?のお偉いさん達を1発ぶん殴るとかだけどな!!お嬢様はしたがらないかもしんねぇけどムカついた奴は殴るに限るぜ?」
涙はでなかった。
もしわたしを説得するのを………たとえば指揮官だったら生きててくれたことと相まって泣いていたかもしれない。
だけど、わたしは笑った。
空気が読めるはずなのに読めない、がさつな古いカセット好きの古い友人のこれまた古くさそうな解決方法に思わず笑った。
そしてそんなもんで良いのかもしれないとも思った。
フォービーストの指揮官がサインを強請るたび、わたしは正当な評価を良くも悪くもされるのか?と思わされた、確かに多くの人を助け多くのラプチャーを倒した、しかし世界を救った英雄でも破滅に追い込んだ戦犯者でもないのだ。
そしてアークという箱庭の世界ではもしかしたら女神は劇物なのではないかと思う、この前のテロ事件やアウターリムという貧富の差、中央政府とそれに附属するように三代企業、という実質一本柱の体制に近いのにこの有様だ、女神という存在は混乱を招く代物でしかない。
「ごちゃごちゃ頭なかで言い訳してんのか?」
「言い訳?そんなことしてません」
「そうか?復讐するしない、許す許さない、どんだけ理屈並べてもよ結局自分がどう思うか、だろ?裏切られたのがムカついたんなら殴りゃ良い、そんで相手に訳があって納得したなら殴るのをやめて謝れば良いじゃねぇか!」
「………訳に納得しなかったらどうするのです?」
「そりゃおめぇ追加で殴るに決まってんだろ!」
本当に………この人は………なんでアークから裏切られるまで居てくれなかったのか。
居たらきっと………たらればはよしましょう………ただそう考えると目の前で突然蘇ってヘラヘラしてるこの人に腹が立ちますね。
「で、どうすんだお嬢ッブヘェ!!」
「侵食がなんですか!何故最後まで居てくれなかったのですか!!」
「侵食だからだよ!?!?」
ふぅ………確かにスッキリしますね。
「いきましょうか」
「なんで殴ったのかの説明………まぁいっか、それで何処に行くんだよ?」
「貴方が言ったんですよ?上のお偉い方、そうですね副司令官ぐらいからですかね」
1発殴りにいきますよ。
―――
バーニンガムは吹き飛んだ文字通り綺麗に回転しながら、その頬に拳型の腫れを浮かべながら。
ドゴォ。
壁に衝突したバーニンガムを眺めながらドロシーは自分の拳と殴った相手であるバーニンガムを交互に眺めながら最後にもう一度自分の拳を見て。
口を三日月のように綺麗に曲げて笑う。
いんや怖い!?えぇ!?何!?なんで!?バーニンガムの所で最新のゲームやらせてもらってる時に部屋に突然ドロシーとレッドフード入って来て有無も言わさずバーニンガム殴ったんだけど!?後変な快感目覚めてないドロシー!?
「いやすまねぇ復讐するならこれが手っ取り早いと思って提案したら採用されてな、とりあえず副司令官全員殴ることになった」
復讐?ドロシーがアークゆるさねぇ見たいな雰囲気だしてたのってやっぱ理由あるんだ………え、てか待ってなにその復讐面白そう。
「だろ、そういえばジズとバハムートいないけどどうしたんだ?」
あぁせっかくだからこっち来てからお金渡して好きに買い物させてるんだこういう贅沢って王国じゃ出来なくてな、それよりついてって良いか?映像撮りたいのが一人いるんだ。
「良いぜ、この施設の案内も頼む」
「あら、貴方もくるのですか?女神に相応しくないことをするのですよ?」
なぁに言ってんですかムカついたら殴る女神、親近感湧いて良いじゃないですか。
「そういうものですか?」
そういうものだと思っとけば良いんですよ、女神の前に一人の人間、じゃないなニケなんですから。
「フフ、なら思いっきり殴りにいきましょうか」
へへ!お供しますぜ!
―――
ドバンは理解不能だった。
突然アークに滞在しているというドロシーとかいうニケが自分の執務室に入って来た。
さらに左右には謎の赤髪のニケと忌々しいあの指揮官がニチャァっと笑いながら立っていた。
そこからさらに理解不能だった。
突然目の前にいたドロシーが姿を消したと思ったら眼前に拳が見えて、次の瞬間には壁に激突していた。
ドバンは僅かに残る意識の中で恨みがましくあの指揮官を睨みつけると何かを口パクしていることがわかった。
[ま・た・な]
ドバンはあまりに嫌な言葉すぎたのか殴られる前後の記憶がなくなっていた。
―――
アンダーソンは机に座り、紅茶を飲んでいた。
ドロシーが来たと報告を受けてから思い出したかのように紅茶を淹れることが増えた。
会いたい………大切な部下がアークへの復讐と自身の善性との板挟みに苦しんでいるのを理解して居ながらも会って慰めの言葉も冗談の一つも言えやしない、なんともどかしいことか。
だが合えばわたしは彼女に手を貸してしまうだろう、だからバーニンガムが判断するその時まで、しばし我慢だ。
ドォォォン⭐︎
………へ?
執務室の扉が吹き飛んだ、いや足が見えるから蹴り飛ばしたのか、ここまで賊が侵入してきたなら隠れるのはリスキーかこのまま平静を装い交渉の余地を見せた方がいいな。
「おっしゃ〜復讐者ドロシーお嬢様のお通りだ〜大人しく殴られろ〜」
「ちょっとレッドフード!?扉を壊すのはやり過ぎですよ!」
「あぁ大丈夫ですよドロシー、後で自分のせいにでもしときゃどうせドバンが自分のせいにしようと動くでしょうし」
レッドフード!?!?!?!?生きててくれたのか!?!?!?それにドロシーまで!結局復讐に飲まれてしまったと言うのか!?!?!?!?!?
後あれは!!!!!!!誰だ?
「よっしゃ、最後の殴られる副司令官はどんな顔かな………て、おいおい冗談きちぃぜ!」
「指揮官………生きて………居たのですか?」
「じゃ、ジャッジャジャーン、指揮官は副司令官になって生きていました〜」
「………」「………ジャッジしてもらっても良いですか?」
「事情きいてないのでわからないですが、多分ギルティです」
次の瞬間、わたしの前にレッドフードとドロシーが飛んできて両頬に重い重い拳が叩き込まれて気絶した。
―――
わたしは今、ベッドの上で延命装置の充電をしながら二人のゴッデスメンバーと顔を合わせている。
こうなっては隠し事も無理だとバーニンガムから禁書庫の書物を持って来てもらいどうしてアーク、いやオズワルドがゴッデスを地上に放りだすことにしたのかの事情を説明し、わたしがゴッデス部隊から離れた後のことも話した。
「そんな理由だったのも驚きだが指揮官が生きてるのも驚いたぜ、エターナルライフ?っつうの飲んでたのか?」
「VTCに眠らされてる時に注入されていたのだろう、一応今は個人的に服用してるがな」
「意外です、そういうの嫌がるかと」
「わたしのことを注射嫌いの子供にでも見えるのか?まぁ確かに目的が無ければ自然に老いて死ぬ方が好きだと使いはしないだろう」
「目的?なんだそりゃ?」
「地上奪還に決まってるだろ」
「に、似合わねぇ、いや、元から目的それなんだし間違っちゃいないんだろうけどよ」
「諦めていないのですね」
「諦められるか、リリスを失って人間は地上を追いやられ、一部を奪還するのも出来て居ない」
「揃いも揃って、真面目だね、あたしはもうラピに任せちまったよ」
「こちらとしてはそっちの方が驚きだVTCの仕業だろうがまさかラピの中にレッドフードがいたなんてなイングリッドめ隠していやがったな」
「良い判断では?中央政府が知ったら人権無視の悪いことに使いそうですし」
「これでも一応クリーンにはしたんだぞ、昔ほど融通が効かないってことはない、完全でもないが」
「信用できません!」
「まぁまぁ良いじゃねぇかドロシーも殴ってスッキリしたろ?それよりさこの体、ラピに返したいんだがなんとかならねぇのか?」
「イングリッドが多分知っているだろう、丁度カウターズも回復してここに来てもらう所だ、先にイングリッドの所に寄るよう伝えよう」
「サンキュー」
「………やはり死にに行くのですね」
「死ぬとは失礼な!過去の存在は過去に帰るべきなんだよ!お前達もいつまでも現役じゃなく後輩に譲って寝るべきだぜ?」
「………」
「ま、ドロシーお嬢様はレッドフードが大好きだからな、仕方ないさ」
「えぇ、あたし普通に男が好きだぜ?お嬢様も魅力的だけどよ」
「ち、ちが!!………もう………それでも良いから………いて欲しいです」
レッドフードは頭をガシガシかきながら何て言えば良いか考えて、結局平行線な考えの二人に答えなんてあるはずもなくレッドフードはやけっぱちに言う。
「ならよ、ラピと仲良くしてやってくれ、もちろん性格だって違う生きて来た環境だって考えだって違う、だけどな」
確かにあたしの意思を継いでるぜ。
―――
「じゃあな、あえて嬉しかったぜ、指揮官、ドロシー」
カウンターズからラピに戻る注射器を受け取って最後の別れの挨拶をする。
「さっさとしてください、じゃないとその注射器を壊してしまいそうです」
「そうだな、わたしもうっかり手とか滑らして弾丸を当ててしまうかもしれないな」
「おいおいこえぇな!ハハハ、やっぱり別れは笑いながらが一番だな」
じゃあな!!
………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………あれ?
「ねぇ早く注射器さしてラピに戻してよ!まさか注射怖いの?」
「いや…………そのぉ………そのラピが嫌がってて」
「はぁ!?なんでよ!!」
「な、なんでって何でだラピ〜!?恥ずかしいだろぉ〜がよぉ〜!?」
レッドフードが唸っているとレッドフードの右手がレッドフードの意思に反して勝手に動いて手近にあったメモ帳に字を書き始める。
[故郷で]
「も、もしかしてあたしの故郷で戻りたいってことか?」
右手がOKサインを出す。
レッドフードはカッコよく別れようとした直後にこんなことを言うのは情けないが1人じゃいけないし戻ったラピも困るので頼むしかなかった。
「………あたしの故郷に連れてってください」