小学校を卒業した6年生の春休みに入った直後、俺の童貞はすでに俺の知らない所で高値で売られていたと知った。
『……ああ!!』
『………』
まず最初の一発目だからか?あのクソジジイも多少は気を使ってくれたのか?まあ年の割には見た目の良い女の裸体の下で、俺は呆然とした状態で童貞を捨てた。
………余りにも突然の事過ぎて、性的な快楽などは全くもって追いついてこなかったのだ。
自分より遥かに巨大なナメクジに襲われたようなもんだ。
快楽よりも人肌の、口腔、舌の、股ぐらの熱とか汗とか匂いとか生温い体温に俺は威圧されて……呆気なく射精し、こうして俺の童貞は奪われた。
俺の名前は
俺の産まれた氷叢家の分家の子供。
……だから、こうして俺の童貞は簡単に売られた。
そりゃ無理も無い。
……後で知った話だけど、今も当時もNo.2であるあの有名で偉大なヒーローに、氷叢家の可愛い可愛い娘を金で売り払ってしまうような一族だ。
女性は、その身体の仕組み上、短期間で子供を多く産むことは出来ない。
……なら、男ならば?
この歪んで歪んで歪みきった個性社会。
強個性を持って産まれて、かつ顔も良ければ人生勝ち確ルートである。
……じゃあ、
……じゃあ、そんな氷叢家の分家に産まれて……かつ、強個性を持っていて、しかも顔まで良い俺の役割だなんて……そりゃ、決まったようなもんだよなぁ……
こうして俺は……氷叢家の種馬となった。
そうは言っても氷叢家の当主であるジジイも流石に老練ではあった。
未成年の俺を男娼のようにこき使うリスクはちゃんと把握していたようだ。
故に種馬として俺が相手をする事になる相手は、それなりの地位と身分……守秘義務契約などをキッチリ出来てちゃんと秘密も守れる女性ばかりとなった。
例えばそれは婚期こそ逃したが、子供だけはとりあえず欲しいと言う財閥の御令嬢であったり。
バリキャリウーマンとしてこれまでやって来たが、仕事だけでプライベートの相手が見つからず、でも子供は欲しいというシゴデキシングルマザー予備軍であったり。
プロヒーローこの年まで頑張ってきたけど……その所為で婚期逃した女性ヒーローであったりと……とにかく様々だ。
……まあ、とりあえずそんな感じの『社会的にもしっかりと自立しつつ、かつパートナーはいないしこれからも作る気ははないのだが、それはそれとして自分の子供は欲しい。秘密はちゃんと守るよ』ってな女性たちを、俺は抱き続けることになった、
……最初は、鬱になって死にたくもなった。
……小学校の友達に、悩みを打ち明けたくもなった。
でもジジイは確信犯で、だからこそ俺の童貞を奪うタイミングを小学校卒業後の春休みにしたのだろう。
……中学からは、俺は地元を離れた私立に入学が決まっていた。
悩みを相談する事すら出来ねえ……
こうして俺は一人孤立し中学に通い続け……その間、定期的に自分よりも大分年が上の女を抱きまくり……そして、どんどんと心が荒んでいった。
……いや、最初は……鬱になったよ?泣きたくもなったよ?
……でも段々と俺はやさぐれて来て……
『……ああ、今晩の相手は年の割にツラが良いアイツだっけか?』
『……まじか……今日はアイツか……顔ブスなんだよなぁ……その分テクはスゲエんだけど』
……そんなくらいに今日のお相手を論評出来るくらいには俺はやさぐれていた。
まあぶっちゃけ、中学男子くらいになれば性欲ってのは当然のようについて回る問題だ。だからこそ、ヤレる相手をとりあえずリスク無しで提供してくれるってのは……まあ……悪いことばかりでも無かった。
そんな感じで、日々の生活で年上の女を定期的に抱くのに慣れつつあった俺。そんな俺のマイブームは。
『ふふふ……こんな……こんなにも幼くて……ああ……可愛い可愛い男の子を押し倒して種付けさせるだなんて……ああ……なんて……なんて背徳感!!これこそ成功者だけが味わえる快楽!!!!ゾクゾク!!ゾクゾクするわ!!』
……とかなんとか調子に乗って騎乗位かまして来た綺麗系オバを、
『……ああ!!ダメ!!ダメ!!お尻!!お尻叩かないで!!お尻!!お尻をそんなに叩かないでぇえぇ!!』
……んな感じでわからせてやるくらいゴン攻めするのがマイブームになるくらいには……まあ、心身ともに余裕が出来てきた。
学校の同級生達が年相応の恋愛をする……そんな中で、ただ一人俺だけは年上の女共にわからせ!!をしていたのである。
そら性格も歪むわ。
まあ何だかんだで俺は顔も良くて、能力も高かったし、上記のとおりに女慣れもしている。
ぶっちゃけそれなりに同級生相手でも楽しんではいたよ。
それは否定しない。
こっちから口説いたりは欠片もしてないが、それでも『卒業前の最後の思い出作りに!!抱いて!!』とか来たら……まあ、よっぽどブスでもない限り抱くわ流石に。
これでも性的な快楽はちゃんとあるのだ。歪んではいるけど。
……これが、小学校を卒業してからの俺の中学生活だ、
年上の女に食われ、食い、たまに同級生などを食い……そんなどうしようもないクズの生活をしていた。
……でも、それでも俺には強い個性があった。
その力を生かすべく、ちゃんと努力もしていたのだ。
身体を鍛え、武術を磨き……個性の力を高める……
将来の為に、俺は俺なりに色々努力はしていだのだ。
……そして……
「氷叢零至くん……雄英高校に君を推薦入学で迎えたいと思っている。来てくれるよね?」
「え……普通に嫌ですけど」
「え?」
「え?」
「え?」
……中学卒業間近……
場所は氷叢家の応接間。
さも当たり前みたいに雄英高校進学を勧めてくる親族、教師……そしてこの話を持ってきた雄英高校のスタッフの前で、俺は否定の声を上げた。