氷叢家の種馬(ガチ)   作:のりしー

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雄英合格〜おいでませ母須恵砂町!!

「ふわぁぁ〜〜〜」

 

「はっはっは!!こりゃまた随分と大きなあくびだね零至くん!!」

 

「そらそーよ。こちとら朝早くからこんな遠くまでわざわざ来てんだぜ。そらあくびもしますわ……ふわぁぁ……」

 

「はっはっは!!たまの早起きもいいものさ!!ほら!!ご覧よ!!そのおかげで2人揃って緑谷少年がやり遂げた瞬間を見ることが出来るんだから!!」

 

「……まあね」

 

 

 

 

俺達2人が見守る中、出久が天に向かって吠えていた。

 

ゴミ一つ見えない綺麗な砂浜。

 

青い海は日の光を浴びてキラキラと輝いていた。

 

 

 

 

出会ってから数ヶ月。

トレーニングも兼ねて必死に取り組んで来たこの海岸の清掃活動。

最初に見た光景とは大違いだ。

今、俺達の目の前には本来の美しさを取り戻した海と砂浜が広がっていた。

 

雄英高校の入試の当日の早朝。

 

……緑谷出久はついにやり遂げたのだった。

 

 

 

とはいえ若干どころか大分眠い。

なのでこの後の会話とかはうろ覚えである。

 

 

感激する出久。

それを称賛するオールマイトと適当に褒める俺。

 

 

 

んで何かオールマイトの髪を出久が食ってた。

 

これ食ってワン・フォー・オール受け継げって?何それエンガチョじゃん。

 

何でやねん。まあウケるけど。

 

俺は眠すぎた所為でかなり適当に相槌とか打っていた。

……けれど。

 

 

 

「ふわぁぁ……んじゃ……試験頑張れよ出久」

 

「……はい!!」

 

 

 

 

……ま、取り敢えずこれだけはちゃんと伝える事が出来た。

早起きもたまにはいいもんだね。

 

……この後は帰って爆睡するけど。

パトロール?今日は知りまへん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん……あ……けっこー寝ちまったなぁ……」

 

 

例の海岸から自宅へ戻り、ビール一缶だけ飲んで爆睡。やっぱ休日ってのはこうじゃなきゃね、知らんけど。

 

 

 

時刻は夕暮れ時。思っていたよりも随分と寝てしまっていた。

 

「流石に……試験は終わってるよな?」

 

取り敢えず出久へLINE。

送ってすぐに既読はついたんだが……

 

 

「……むーん?何か出久きゅんのクセに生意気じゃね?既読ついたのに全然返事来ないのだが?既読スルーかしらあの童貞?」

 

 

 

しばらく待つ。すると『ポン!!』とLINEの通知が来た。

 

 

 

「お!!キタキタ!!どれどれ……って何だよ萌かよ。今はお前じゃねえっつーのに……大した用事じゃないし、既読つけちゃったけどめんどーだし返事は後でいいか。ん〜……お返事まだかねー出久きゅん?」

 

 

そして待つこともうしばらく。

 

〈ポン!!〉

 

「お?」

 

ようやく出久から返信が来た。

そこには……

 

 

『コーチごめんなさい……僕、ダメかもしれません……』

 

「…………」

 

と書いてあった。

んー……

 

 

どうやら。出久的には試験の手応えはイマイチのようだ。

元々悲観的なタチだからアテにならない所もあるけど……むーん。

 

……オールマイトからは何も連絡がない。確か試験官として参加してる筈だけど。

 

……まあ言えないか。そりゃそうだ。

 

どの道、結果が出るまで待つしかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、数日後、

 

〈ポン!!〉

 

「お!!出久じゃん」

 

スマホを見ると、そこには数日ぶりに出久からのLINEが来ていた。

 

 

 

『合格しましたよ!!コーチ!!』

 

 

それを見て、思わずほおが緩むのを自覚。

 

 

「……良かったじゃん。出久。おめでとう」

『良かったじゃん出久。おめでとう』

 

 

そのままポチポチと返事を返す。

すると、

 

〈ポン!!〉

 

「お?」

 

すぐに返事が来た。

 

『はい!!ありがとうございます!!それで約束!!約束してましたよね!?雄英に合格したらコーチのヒーロー事務所見学させてくれるって!!いつ行っていいですか!?』

 

「こーのヒーローオタクは……全く……」

 

『そーいや確かにそんな約束してたなー。お前がコッチに来れる日で何個か候補出してくんね?調整するわ』

 

そう返すとしばらく沈黙……

 

そして……

 

 

 

〈ポン!!〉

 

 

 

「どれどれ……何時こっちに来るんだい出久きゅんは?……って何だよ山女じゃねーのタイミング悪ぃ……『チームアップミッションのお誘い』とか何だよ面倒くせーなー返事は後々……お、今度こそ出久きゅんか。何々……はは!!どんだけ俺の事務所見てぇーんだか!!全く……」

 

 

返信にはもうほぼほぼ『何時でも良いです!!』くらいの勢いで几帳面にも多くの候補の日程が書かれていた。真面目か。

 

そこから数度やり取りをして、出久がコッチに来る日程が確定した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side出久

 

「ここが母須恵砂町かあ!!」

 

今日は待ちに待っていたコーチの事務所に行く日。

地元から電車に揺られてしばらく。ようやく着いた最寄り駅から出て街並みを見回す。

 

『ちょっと街のモブ連中が心配だから駅まで迎えに行くわ』

 

いくらなんでもそれはちょっと心配し過ぎでは?とは思ったけれど慣れない都内を一人で歩くのも正直心細かったので、取り敢えずコーチとは駅前で待ち合わせをしていた。

 

キョロキョロと周囲を見ていると。

 

 

 

 

『さ〜おや〜さおだけ〜〜〜』

 

 

 

 

 

うわぁ珍しいなあ。都内でも物干し竿の移動販売とかしてるんだなぁ……ちょっとセリフに違和感あったけど。

 

 

 

そんな声をスピーカーから響かせる移動販売の車。その車が駅前に停車。そして。

 

 

 

 

 

 

 

『さあ!!トッテモお得な移動販売のお時間ですわよ!!オイラ特選!!竿役おじさん系のエロゲコレクションの大特価セールの始まりだぁ!!』

 

 

 

 

 

 

「……って!?えええええええ!!!!!!!!!」

 

 

 

 

「竿役おじさん系のエロゲが大好き!!好きで極めしこの道一筋30年!!過去の名作竿役おじさんモノのエロゲから!!オイラ自作のインディーズエロゲの最新作『竿師ぬるはち』まで!!布教のために大特価の大サービスで販売だあ!!さあ!!エロゲ好きのみんな寄っといで!!買って損ない竿役おじさん系エロゲの大特価販売セールだよぉ!!!」

 

 

 

「「「「「わぁぁぁぁぁぁい!!!!!」」」」」

 

「結構大勢行ったぁ!!!」

 

 

駅近に停められた移動販売車のエロゲ大特価セールに食いつく住人達!!

え!!何これ!?どゆこと!?えええええ!!!

 

 

 

「……お、いたいた出久きゅん」

「……コーチ!?」

 

 

そんな駅前での超絶大騒ぎ!!

その喧騒の全てをスルーというか!!この位ならいつもの事だよ!!的な感じで涼しい顔して流しまくるコーチが混乱する僕へと近づいて来た!!

 

 

 

「あー、早速この街の洗礼浴びた感じね。ほれ行くよ出久きゅん。アレぐらいで一々足を止めてたら何時まで経っても俺の事務所には辿り着けないぞ☆」

 

「『アレ』ぐらい!?『アレ』ぐらいなんですか『アレ』が!?!?!?『アレ』で!?!?!?」

 

 

 

都内の駅前で竿役おじさん物のエロゲに大興奮する人々!!アレが!?アレぐらいなの!?マジで!?

 

 

「アレぐらいはアレぐらいだよ。ほれついて来い。さっさと行くぞ。もたもたしてると他のモブ共に見つかっちまうだろ」

 

「ええええええ!!!!!」

 

 

ウソでしょ!?ちょっとおかしくないかなこの街!?

 

いや絶対にちょっとじゃない!!!

 

混乱したまま、取り敢えず先を歩くコーチの背中を懸命に追いかけ駅前を離れる。ヤッバ!!この街ヤバ!!

 

 

「おーっとぉ!!アイスブレイドはっけーん!!」

「えー!!珍しーー!!男の子連れてるーー!!」

 

 

「あわわわわわわ!!」

 

そして駅前を離れてホッと一息……を!!つく間も無く!!

 

 

 

「ここで会ったが100年目だー!!!」

「我ら!!JKギャルズ四天王!!せーの!!」

 

 

僕とコーチの前に!!滅茶苦茶華やかで全員可愛い女子高生!!陽キャの極みみたいな女の子達が4人立ち塞がりそして!!

 

 

 

「「「「いぇーい☆パンツ見せたげるからそろそろ一回くらいはうまい棒でも奢ってよアイスブレイドー!?!?」」」」

 

 

 

「えーやだー」

 

「「「「やーん軽っる!!!!」」」」

 

「軽っる!!」

 

短いスカートを!!なんか僕らの目の前でかなり際どい感じでパタパタとしながら!!ものすごいエッチ!!エッチだ!!なんかカラフルな何かが気持ち見えた気がする!!しながら女の子達はコーチにうまい棒をおねだりし、このクズはそれを却下していた!!ウソでしょ!?僕もう何か鼻血出そう何だけど!!

 

 

 

 

「はは!!ウケるよなー出久きゅん。コイツらさーあまりにも自分らのパンツ安売りし過ぎて、最近だとパンツ見せたくらいじゃうまい棒すら奢ってもらえないらしーぜ。マジウケる。需要に対して供給が過剰過ぎるとやっぱモノの価値って大暴落するんだねーウケるよなー」

 

 

 

「パンツで学ぶ優しい経済学!!」

 

 

 

こんなに可愛い女子高生達がパンツ見せてるのに!!うまい棒すら買ってもらえない事とかあるの!?

いや!!当然それが良い事じゃないってのはわかってるけど!!

 

 

「……ふーん♫」

「おー☆なんか反応いいじゃーん!!」

「おっとぉ!!まさかの新顔!?」

「こーれはイケんじゃね!?」

 

「わ!わ!わ!」わ!わ!わ!

 

何かハミ出た気がする!!

 

コーチの反応が鈍いのを察した女の子達は!!何故か!!何で!!僕を4人で包囲しだした!!

 

「わぁ!!照れてる!!この子可愛い!!新鮮ー!!」

「お姉さん達のパンツ見たいのかなぁ!?かなぁーん!?」

「もーやめなよー女子ー!!でも見たいのかなー?見たいかなー?ん?」

「ほーら!!チラッ!!チラッ!!うまい棒奢ってくれるならガバっと行くぞー☆コロッケ奢ってくれるならガッツリ×2で行くぞー♫」

 

「アババババババ!!!!!!!!!」

 

取り敢えず僕は財布を取り出す!!!

正直!!頭が何も回ってない!!

でも何か!!何か!!出さなきゃ!!って!!アバババ!!!

おかしい!!おかしいよこの街!!

何かここに来てから僕の脳味噌が滅茶苦茶にショートしかけてる気がする!!おかしいよ!!おかしい!!

 

 

 

「やーあれだなー……需給バランス崩してこの街の住人達に対してのパンツの価値が暴落し過ぎたから、他の街のまだ高く売れる地域の住人達に高く売るって感じ?母須恵砂町でのパンツが暴落し過ぎたから他の街に輸出するってか?それで自分達のパンツの価値を高める訳ね。原始時代の物々交換かな?あーウケるウケる」

 

 

 

「Re:パンツで学ぶ優しい経済学!!」

 

 

 

 

だいぶ自分の頭が茹だっているのはわかるけど!!でも逆らえない!!男の子だもん!!

 

 

 

「「「「あんまボッタクるつもりもないからコロッケでいーよー」」」」

 

「優しいのか優しくないのかわからない!!」

 

 

でもほれほれーチラッチラッとかスカートをやられてしまうと!!肌色とか何かがもう僕の脳味噌を焼き尽くしてしまいそうで!!思わず僕は財布を!!

 

 

「これこれ。あんまこの街に慣れてない若い子をからかっちゃ駄目アルよ。おいちゃんが肉まん奢ったげるからその辺でやめとくがヨロシ」

 

……財布を広げようとしたところで!!怪しい感じの小太りの謎の中国人に止めてもらった!!

 

 

 

「「「「わーい!!オッサンの肉まん好きー!!!!」」」」

 

「ホッホッホ!!それは嬉しいアルね」

 

 

 

若干の寂しさを感じながら、僕から離れて肉まんを取りに行く女の子達を見る。うーん……、助かったのか?助かってないのか?

ま、でも……

 

「あ、ありがとうございます……謎の中国のお方」

 

「ホッホッホ!!気にしないでいいアルよ!!」

 

 

「騙されちゃダメだぞー出久きゅん……このモブはこのナリで純日本人だかんな」

 

 

「ウソでしょ!!どう見ても怪しい感じの謎の小太り中国人ですよ!!本当に日本人なら何でわざわざこんな格好してるんですか!?」

 

 

 

 

 

 

 

「……これくらいしないと……この街じゃ影が薄くて……」

 

 

 

 

 

 

 

「まさかの!!滅茶苦茶に頑張ってる人だった!!」

 

 

ごめんなさい!!これからも頑張って下さい!!

しょんぼりする謎の中国人のフリをしている純日本人を゙慰める僕!!本当に意味がわからない!!

 

 

「出久きゅーん♫出久きゅーん♫」

「パンツネタには飽きちゃったかな?お姉さん達の肉まんとかにはまだ興味ある?」

「わー!!すぐ顔真っ赤になるー!!」

「新鮮ー!!可愛いー!!」

 

 

 

「アバババ!!!」

 

肉まんを食べながらさっきの女の子達が僕を囲む。そしてからかってくる。近い!!近い近い近い近い!!なんか不思議ないい匂いがする!!

キャッキャウフフとしつつ、僕の頬を撫でたり手を握ったり!!滅茶苦茶遊ばれてる気がする!!でも逆らえない!!逆らえないよぉ!!!

 

 

赤面して固まる僕。そんな僕を4人で囲みからかう女の子達。

 

 

「へー……まーこのままでも面白いけどそれでいーの四天王は?」

 

 

そんな僕らを見ながらコーチが、

 

 

 

 

「ちなそこの出久きゅーんはね……この4月から雄英高校のヒーロー科への入学が決まってる超絶エリート君ですわよ」

 

「……あー!!もーー!!このクズ!!クズクズ!!クズコーチ!!」

 

 

 

 

 

なんか滅茶苦茶嫌な言い方されたぁぁ!!

 

「「「「……ほう……」」」」

 

「そんでこっちはこっちでガチ目の反応!!」

 

 

 

まさにギラリ!!って感じ!!女の子達の目の色が変わった瞬間を見たよ僕は!!

 

 

そして女の子達は僕から少し離れ、中心の一人がお尻の方のスカートを何故かめくり、残りの3人がペンを取り出しカキカキと何かをパンツに書く。それで書き終わったらそのパンツをその子が脱いで!!そして!!

 

 

 

「はい♡私達の連絡先だよ♡受け取ってね出久きゅん♡」

 

「受け取れる訳無いですよねえ!!!!」

 

 

女の子達の連絡先が書かれたパンツを゙差し出されました!!

差し出されました!!

差し出されました!!

 

受け取れるか!!こんなの!!

 

僕の渾身の叫び!!それを聞いた女の子達はコクリと頷き。

 

 

「「「「素晴らしい。そんな正直な者な貴方にはこれを」」」」

 

 

1人の女性が前に出ると胸のワイシャツのボタンを一つ二つと外し、カラフルなブラのすき間からすっと1枚の紙を取り出した。

 

 

「「「「私達4人の連絡先が書かれた手紙です。良ければ雄英高校のお友達と合コンを是非!!!!」」」」

 

 

「貴方が落としたのは金の斧ですか?それとも銀の斧ですか?風に連絡先渡してからの合コンを求めないで下さい!!」

 

 

「「「「やーん♡♡♡♡」」」」

 

 

なんか可愛い感じでハイタッチする女の子達!!

取り敢えず連絡先受け取っちゃったけど!!どうすればいいのコレ!!え!!!!

 

 

 

「えーもう!!コーチ!!コーチ!!何なんですかこの街は!!母須恵砂町は!!どう考えてもおかしい!!ヤバ過ぎですよ!!まだコーチのヒーロー事務所にすら辿り着けてない!!」

 

 

「んーまー……だから駅まで迎えに行ったんだよなー」

 

「ですね!!確かに駅前から迎えいるコレ!!僕が甘かった!!おかしい!!ヤバい!!何なんですかねコレ!!」

 

 

聞いてた以上にヤバいぞこの街!!

後半に続く!!

 

 

 

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