?????「この沼女どもは出来損ないだ、見てられないよ」
何だとぉ!!
?????「この下の文章を読んで下さい。本当の沼女ってヤツを見せてあげますよ!!」
……という訳で筆がのってしまい連日の投稿……山岡はん……
sideマンダレイ
(大丈夫なのかしらねこれって……)
通販で購入し届いたばかりの衣装。
自室でそれを試着した自分の姿を鏡で見て……思わずそんな感想が浮かぶ。
それは安っぽい生地の衣装。
生地が薄過ぎてブラの形がハッキリとわかってしまう。
しかも丈も短くておへそがチラチラと見えてしまっていた。
さらにサイズもギリギリでパッツパツと言うかムッチムチと言うか……正直に言えば胸がかなり窮屈!!
そして当たり前のように紺のスカートは短くて……
……うん、まあつまりはそういう衣装。
どうしようもない程にこれはセーラー服だった。
しかも言葉を選ばずに正直に言えば、その手のお店の女の子達……ぶっちゃけ風俗で働いている女の子達が着ているような、そんな安っぽいセーラー服であった。
……そう、30歳を過ぎたワタクシ送崎信乃。
明日の彼との逢瀬を控え、年甲斐も無くこんなはしたない衣装を試着してしまっていたのである。
……と言うのも、
『やーやっぱあれだよねー。若い子が着るんじゃなくて、アラサーくらいの女の子が恥じらいながら着てるセーラー服姿からしか得られない心の栄養素ってあると思うんだよねー俺はさー。あれ?コレって天才の発想じゃね?はは!!ウケる!!』
『もう……バカね……』
……言ったクズもバカかもしれないが、本当のバカはどう考えても私自身である。
LINEのそんなメッセージを本気にして即コスプレ衣装をポチッ!!としてしまった。
何なら『もう……バカね……』のバカねの後ろに
このやり取りが通話でなくメッセージだったのが幸いした。
もしも通話だったとしたら、後で自分がドン引きするくらいの甘ったるい声で、
「もう……バカね♡」
……だ、なんて言ってしまっていたと思う。そんなつまらない確信があった。
(まあでも試着も終わったし……とりあえず早く脱ぎましょう)
……こんな姿を他の人に見せられるワケがない。むしろ見られたら死ぬ。間違い無く。
……しかし、
……トントン、っというノックの音と同時にガチャっ!!と私の部屋のドアが開き!!って!!ちょっと待って!!私!!入っていいって返事してない!!
「信乃ーちょっと相談したい事が……って何よそのセーラー服!!うっわエッッッッッッロ!!!!エッッッロ!!ムチムチじゃん!!エロ!!エッッッッッッロ!!」
「ああ!!もう!!もういいから早くドアを閉めて!!」
返事をする前に部屋に入って来てしまったピクシーボブこと土川流子。そんな彼女にとりあえずドアだけは早く閉めるようにお願いをする。ガチャン、とそしてドアが閉まった。
「……あーそっかー……明日だもんね、年下のイケメンセフレくんと会う日って」
ドアを閉めると、流子はとても楽しそうにニヤニヤと笑いながら私に近づいて来た。
「はぁー……」
……まあ、見られてしまった以上は仕方ない。
「……そうよ。明日は久しぶりに零至くんと会う日なの。この格好については見逃してもらえると助かるわ」
「了解にゃー!!」
「……すぐ誰かに言っちゃいそうね。全くもう……」
頼むからコレだけは墓まで黙って持っていって欲しい……そんな私のささやかな願い。叶えばいいのだけれど。
私のそんな思いも知らず流子は、
「……でもまあやる気は無いけど一応ヒーローで、顔良しで背も高くて夜の相性も良いんでしょ?優良物件じゃないの!!ホントにセフレのままでいいの信乃?そりゃ確かに関係としては今の方が楽かもしれないけど……」
「いいのよ私はコレで」
彼女にそう返しつつ、私は明日会う約束をしている一人の男性の事を思い浮かべた。
氷剣ヒーロー・アイスブレイド
氷叢零至くん。
ふとした縁で知り合いとなり、それから数年来ズルズルズルズルと身体の関係だけが続いている……そう、いわゆるセフレだった。
歳は私より5歳くらい下。
最初になんでそういう関係になったのかは覚えてないけれど……よほど身体の相性が良かったのか?セフレというお互いに気楽な関係が何年も続いていた。
「……そんな訳だから明日は泊まってくるわね。流子、悪いんだけど……」
「わかってるわよ。洸太くんは任せなさい。信乃もたまの息抜き何だから楽しんできてね!!」
「うん……ありがとう」
出水洸太。
2年ほど前に引き取った従甥。
両親を失った洸太を引き取った事に後悔は無い。
洸太の事は自分の子供のように思っている。それに嘘偽りは無い。
でも恋人……もっと言えば結婚という事をリアルに考えた時に、男性の目線からすれば
……とはいえ私だって女盛りだ。性欲だって当然ある。
だからこそ零至くんとのセフレという関係は私にとって理想的だと思っていたし……そうは言っても彼はモテるし私より若い女の子が他にもたくさんいるのも知ってるけど……本命を作るつもりのない彼にとっても私は都合の良い相手だと思っている。
(……歳も離れてるし、今さら彼女にして欲しいとも結婚してとも言わないし……うん、いい関係よね私達って。彼にとっても、私にとっても……ね)
だから私はこれくらいが丁度いいのだ。
たまにお互いの都合がいい時に会って、その夜だけ存分に楽しむ。
年増の私と彼がいつまで遊んでくれるのかわからないけど……少なくとも私は、彼が私と過ごしてくれる間は、この関係を精一杯楽しみたいと思っている。
(そう……私は彼に対して本気じゃないもの)
……だからこれくらいの関係で丁度いいのだ。
たまに連絡して返事があると嬉しくて、夜だけ忙しい彼の空いてるスケジュールに自分を強引にねじ込む。
会える日はちょっと年上の女らしく気取った感じを出したくて、ちょっといいホテルの部屋を私のお金で取ったりもする。
どうせヒーロー活動が忙しくてお金なんて使う時間も無い。こういう時に使わねば損だ。
そして今回のセーラー服のコスプレみたいに、何かしら彼が喜んでくれそうなサプライズを考え……当日の彼との一夜を思う存分に楽しむのだ。
そう、私は彼に本気じゃない。
彼も、私に対し本気じゃない。
だから、せめて会える時だけは最高の時間にしたい。
私はそう思ってるし、きっと彼も私といる時だけはそう思ってくれていると信じてる。
これはそんな私の想い。
「……(どう見てもセフレのままでいいって自分に言い聞かせてるようにしか見えないけどね)ボソッ」
「……?何か言った流子?」
「んーん、べつにー」
「そう」
何か聞こえた気がしたけど、気の所為かしら?
「……あ、ねえ流子?」
「何?」
そう言えば、と……どうせもうすでにこの恥ずかしい格好を見られてしまったのだ。さっき気になって私だけでは答えの出なかった問題を彼女に聞いてみる事にする。
「……この服って、下着はどういうのを組み合わせるのが正解なのかしらね?」
「……ねえ待って……私にそれ聞いちゃうの?もしかして私が答えたらそれ着て明日彼に会う感じ?やば……」
「……セーラ服だし……やっぱ清楚な白?それとも黒で意表を突くのがいいのかしら?……あれ……?今スマホで調べたらセーラー服には縞パンなの?それが正解なの?どうしよう?今から頼んで明日の昼までに通販間に合うかしら?」
「……ねえちょっと待って……待って……頼むから私の脳にゴミみたいな情報を流し込まないでくれないかしら……」
「うーん……でもやっぱり普段から着てそうな感じが出る下着の方がリアルでいいのかしらね?」
「……あ、聞いてないぞコレ……自分から私に聞いて来たクセにもうすでに全く聞く耳持ってないぞコレ……もう帰っていいかな私……」
何故か死んだ魚みたいな目をし始めた流子。
でも明日は私にとって決戦なのだ。
こんな恥ずかしい格好を見られてしまった以上、彼女にも協力してもらわねばなるまい。
「……あ、そう言えば流子?」
「……ごめん謝る……謝るからもう勘弁して……」
……こんな感じで明日の事を考えつつ……夜が明けて朝になり、そして……
……そして翌日。
予約したホテルの受付に行くと、零至くんはすでにチェックインを済ませて部屋にいるようだ。
私は私で受付を済ませて鍵を受け取り、エレベーターに乗って部屋へと向かう。
そしてエレベーターを降りてホテルの廊下を歩き部屋へと辿り着いた。入口のドアを開けて中へと入る。
「……お、どもー信乃ちゃん」
「こんばんは零至くん」
室内にはすでにシャワーを浴びてリラックスした零至くんが待っていた。バスローブ姿でソファに座り缶ビールを飲んでいる。
「ふふ♫」
……そして、私はそんな彼の姿を見て嬉しくなってしまう。安い女だな、と自分でもそう思いながら。
「腹減ってる?ルームサービスで何か頼む?」
「……ううん大丈夫よ。おなかは空いてないわ。私もシャワー浴びて来るわね」
「りょー」
そう言って浴室の方へと駆け込んだ。
……ウソだ。
ぶっちゃけおなかは空いている。
……でも、
(……今!!何か食べたらおなかがふっくら出ちゃうじゃないの!!)
武士は食わねど高楊枝。
……いや違うか?
でもせっかくの一夜だ。なるべくなら綺麗な私を抱いて欲しい。
「あーなんかこの前信乃ちゃんおなか出てたよねー」とか思われてしまったらその瞬間に死にたくなる!!
こちとら30オーバーなのだ!!少しでも彼には綺麗に見られたい!!その為ならいくらでも我慢する!!
だから今は我慢!!我慢なのだ!!
何なら一通り楽しんだ後にシャワーを浴びてからホテルを出て近場のラーメンとか食べに行きたい!!
なんかそういう特別感が欲しい!!
そんな事を考えながら手早くシャワーを浴びる。軽く汗を流す程度だ。そもそも家を出る前に念入りにシャワーは浴びて全身綺麗に整えている。それから化粧などを準備万端にしての今!!
だから軽く汗を流し、持ってきたあのセーラー服に着替えてそして……
「……ふーん、えっちじゃん」
「もう……バカね♡」
……間違い無くバカは私だ!!
私こそがバカだった!!
……こうして私はニヤニヤと笑っている彼の膝の上に座る。
そして、怠け者という評判とは裏腹に逞しい彼の身体に抱きつく。そう、これはマーキングだ。久方ぶりに会えた零至くん。彼に私の匂いを染み付かせる。そんな行為。
うっすらと薫るタバコの匂いとアルコール。そして彼の匂い。
「………(す〜〜〜〜っう!!!)」
むせかえるような彼の匂い。私が興奮する彼の匂い。
私だけの、極上のマタタビ。
「どしたん?だいぶ甘えてくるじゃん?話聞こか?」
「……♡」
「……あ、痛って」
「ふふ♡」
……彼の首筋に、甘噛み。
そんな感じで首筋にすがる私を困ったような顔で見る零至くん。
いつもの光景だ。
よくある事。
(でも、これくらいいいじゃないの)
……私は、零至くんに本気じゃない。
だから、たまになら全力で甘えても良いと思うのだ。
彼もきっと私には本気じゃない。
これはそんな私達の大人の関係の話。
この後『バカね♡』って事をたくさんした。
……その後シャワーを浴びてからラーメンを食べに行った。
ラーメンを食べてから眠って、朝起きてからまあまた『バカね♡』って事をたくさんした。
……これは、そんな日の思い出の話。
三十路のバカな私の、そんな甘い思い出の話。
本気になってない彼との、そんなバカな一夜のお話。
誰だよぉ!!マンダレイに安っぽいセーラー服着せてムチムチのエロエロにした馬鹿は!!名乗り出ろぉ!!
はーい!!僕(作者)でーす!!(白目!!)
……まあ、連休前だし、こういうおバカな話があっても良いですよね!!(白目)