朝起きたらウマ耳と尻尾生えとるんやけど...!?!?!?   作:飽之七起

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第6R:ウマ娘

「寝玄さん、一つお聞きしたいのですが...」

 

「はい、なんでしょう?」

 

「トレーナー試験を受けられたことはありますか?」

 

「...昔、一度だけ受けました。まあ筆記試験だけで、面接は辞退しましたけど...覚えてらっしゃるんですか?」

 

「筆記試験が満点だったにも関わらず面接を辞退されたと、当時職員の間でも話題になってましたから...」

 

「それは...」

 

以前、トレーナー試験を受けたことはある。といっても自分の知識がどれだけ通用するのか確認したかったというのが主な理由で、まさか合格点どころか満点を取れるなんて思ってもいなかった。

筆記試験の結果を見て驚き、面接の案内があったものの、当時の自分にトレーナー業務に人生を捧げるほどの熱量があるわけではなかった為、勝手ながら辞退したという形だ。

 

「...ご迷惑をおかけしました。自分の知識が通用するか、試したかったもので...」

 

「うむ、半端な気持ちでトレーナーになるよりは辞退した方がいい。まあ、熱意が無ければそもそも面接は通らないがな!」

「色々聞きたい事も多いですが...そろそろ向かいましょうか」

 

「分かりました」

 

席を立ち、警備ウマ娘たちに別れの挨拶をして警備員室を出る。

 

「...あいつ、また来ねぇかなぁ...」ボソッ

「何?惚れたの?」

「あぁ!?ち、ちげぇよ!!!警備ウマ娘が力勝負で負けたまま終われねぇだろうが!」

「はいはい。そういうことにしとくわよ」

「お前だって手首掴まれた時ドキドキしてたクセに!」

「し、してないわよ!!!」

 

ギャーギャーと言い合う警備ウマ娘たち。

 

「...こんな事してる場合じゃないわ...早く始末書書きましょ...」

「...そうだな...」

 

────────────

 

病院に向かう車の中で必要書類への記入が終わった後、寝玄とたづなは話し合いを行なっていた。

 

「診察の前に見つかると面倒なので、とりあえずコートは着ておいてください。病院に着いたら私の後ろに付いてきてくださいね」

「はい。分かりました」

 

病院に着くと裏口に回り、中に通される。理事長が事前に連絡を入れているのですぐに診察室に入ることができた。

診察室でコートを脱ぐと、医者と看護師が信じられないものを見るような目でウマ耳と尻尾を見つめる。

すぐに検査が始まった。

 

(...あれ?これ耳とか触られたらやばくないか...?)

 

ふとそんな不安が頭をよぎったが、何故か医者や看護師にウマ耳や尻尾を触られても、くすぐったいくらいで学園の時みたいな事態は起きなかった。

検査が終わり、再度診察室に戻ってくると医者が口を開いた。

 

「理事長さんから連絡があった時は、何を言っているのかと思いましたが...まさか...こんなことが...」

 

医者の声が震えていた。

 

「ウマ耳も尻尾も、本物です...身体の作りも、すべてウマ娘と同じ...これは...世界を揺るがす大事件です...男のウマ娘など...悪い言い方にはなりますが、最高の実験体です...どこの機関も喉から手が出るほど欲しがるでしょう...最悪、命を狙われかねない...」

 

「えぇ...ですので、この事は内密にお願いします」

(めちゃくちゃ大事になっとるんやけど...)

 

「分かりました...寝玄さん。一番気にされていたヒト耳の件ですが、身体がウマ娘と同じになっているのでかなり違和感はあるでしょうが、検査の結果、何も問題はありません」

 

「本当に大丈夫なんですか...?」

 

「人間としてではなくウマ娘の身体として見たら、どこも異常はありませんでした。仰っていた走りたい衝動とやらも、ウマ娘なら当たり前にある欲求です。あなたの身体は、もう完全にウマ娘と同じになっています」

 

「そうですか...」

 

「いや...同じどころか、ウマ娘よりもさらに強靭な肉体になっています。人の男性と女性の違いのような、男性版ウマ娘、言うならば『ウマ息子』です」

 

「ウマ...息子...!?」

「............」

 

横にいるたづなが無表情になってることに、寝玄は気づかない振りをしてやり過ごす。

 

「寝玄さん、何か他に変わった点はありませんか?何でも構いません。少しでも気になる事があれば仰ってください」

 

「気になる事...あ〜...」

 

ウマ耳や尻尾を触られた際のものすごい気持ちよさ。触った相手の発情。検査ではそれが一切無かった。恥ずかしいが、隠しておいてまた問題が起きても嫌なので正直に話すことにする。

 

「あの、ウマ耳や尻尾を触られた時なんですけど、検査の時はなんともなかったんですが、トレセン学園で同じように警備の方に確認された時は...その...お互いにめちゃくちゃ気持ちよかったというか...その時となんか違うなぁと思いまして」

「」ビクッ!

 

一瞬たづなが震える。

 

「なるほど...その警備の方はどういった方でしたか?」

 

「ウマ娘2人ですね」

 

「ウマ娘...それは...」

 

医者が考え込む。そして、

 

「...駿川さんや理事長さんも、触られましたか?」

 

「」ビクッ!!!

「えぇ...その警備の方たちと同じようなことになってましたね」

「」プルプル

 

たづなが震えている。

 

「...ちょっと...」

 

医者が看護師に席を外すよう告げる。

診察室に3人だけになったところで、医者が話し始めた。

 

「さて...おそらくそれは、ウマ娘による『発情』の影響かと思われます。寝玄さんもウマ娘と同じ身体になっているので、ウマ娘同士、お互いに発情してしまった。私も看護師も人ですから、検査ではそれが起きなかったのでしょう」

 

「なるほ......ん?」

 

ウマ娘同士での発情、いや、おかしい。なら、何故...

 

「駿川さん、構いませんね?」

 

「............はい」

 

医者がたづなに問いかけ、たづなが衝撃的な事を話し始めた。

 

「私も理事長も......ウマ娘なんです」

「............は??????」

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