少しだけ、あなたの時間をいただけると幸いです。
「死んでいる人が羨ましい」と、しばしば思う。
不謹慎なのは重々承知であるが、どうもそう思わずにはいられない。
俺は、まだ子供ながら気づいたことがある。
「他人とは、人のことを考える時、ポジティブに捉えてしまう」
ということだ。
俺は「なんでも平均以上にできる」
「なんでもできるから、進路なんて沢山あんじゃん。なやむことないでしょ」と。
逆である。
「選択肢が多すぎて、どれを選べばいいのか分からなくなる」のだ。
まして、俺の性格ならまだしもだ。
自分で言うことではないのかもしれないが、俺は好きなことをとことんやる性格なのだ。
好きなことなら、趣味でもなんでも、極めたい。
そう、自負している。
そして、まだ俺は大人じゃない。だから、未来がある。
でも、自分の人生はひとつしかない。
だから、どれかひとつを選ぶなら、そのほかを捨てるしかない。
今している習い事を仕事にしたいのなら、そのほかの趣味を捨てなきゃならないし、趣味を仕事にしたいなら、習い事を捨てなきゃならない。
無論、両立出来ることもある。
上手く噛み合って、両立出来ることも。
でも、それでも選べるのはふたつだけ。
あとの沢山ある夢は?
ブランクは取れない。
そういう習い事をしているし、そういう趣味を持っているからだ。
ブランクがあると、衰えてしまう。
それだけは、絶対に避けたい。
あとひとつ、「俺の人生」が欲しい。
今の俺から始められて、別の道を選ぶことのできる、もうひとつの。
でかいものが欲しい。
称号が欲しい。
俺が俺を価値のある人間と思えるような、そんな。
目立ちたがり屋の面倒くさい人間であるため、悩んでいる、というのもあるだろう。
今なら性格を変えれるか?
嫌だ。
全てが違う、別の俺だろう、それは。
そして、「でかいものを得られる可能性が最も高いもの」は、習い事なのだ。
俺はスポーツの習い事をしている。
だから、勝てば、「勝利数」が増えていけば、みんなは嫌でも俺を名前を聞くことになる。
なんだ、気色悪い。
田舎者が、調子に乗るなよ。
上には上がいる。
それを知れ。
1度、死のうと思った。
その時ちょうどいじめられていたこともあったし、「どれかひとつを選ばなくていい」理由が欲しかった。
「死」でなくてもいい。
何か、「選べない理由」があってくれれば、それで。
事故にでも遭えばな。
脚が、使えなくなれば、腕が使えなくなれば。
でも、それは本当に、望まずそうなってしまった人への冒涜であることは分かっている。
自分で言うのもなんだか、俺には「才能がある」。
何にとっても。
他から見れば幸せに見えることだろう。
特に、馬鹿なクラスメイト達は。
誰が、分かってくれるだろうか。
「名言」としてこの世に残るものは、全て「綺麗事」である、と。
本当は、ドロドロして、ぐちゃぐちゃで、それが現実にあるとするのなら、そこでは歩くことすらままならないだろう、というくらいに。
子供の頃、親から殴られたりしたのなら、もちろん性格はひねくれる。
それが「名言」のような綺麗事の人生だろうか?
俺は違うと思う。
父親が怒る。
「死ね」と言われる。物を投げられる。
夏休みだった。
少し、反抗期らしいことをした。
呼ばれても返事はせず、部屋に篭もる。
「反抗期」とか、そんなことを好まない父親は、もちろんキレた。
キレたと分かったのは、父が出かけたあとの電話。
大声。
「家に帰ったら覚悟しておけよ」という。
家に帰るなり、無言。
「何もしてこないのか?」
と、部屋で課題をしていた。
すると、どん、と。重いものが扉に当たったような音がした。
後に確認したところ、それは握力を鍛えるためのあれだった。
父は幼少期野球部だったので、スピードはそれなりにあっただろう。
「やっべ」と思うなり、ドアを開け、水をかけてきた。
「は?」と思い、ぽかんとしていると、またキッチンで水を入れて、次は俺の夏休みの課題にまで水をかけてきた。
なんだ、これは。
ガキがする嫌がらせか?
ここからは長くなるので要点だけ話す。
まず、蹴られた。
そして、「死ね」と言われた。
無論、死にたくない。
というより、怖い。
父は、人に「死ね」とか「殺す」と言う割に、いざそうなると殺しきれない性格を知っていたので、「殺してください」と言った。
すると、まじに包丁を持ってきた。
でも、結果は腹に痛みが来ることなく、包丁を持っている方の手で殴ってくるだけだった。
根性なしめ。
次は、「死ね」と言われ、近くの橋から飛び降りろ、と言ってきた。
「俺、お前に殺せって言ったよな?」
と言いたかったが、言ったら余計ヒートアップさせるだけなので、やめておいた。
家の扉の前で止まった。
シンプルに怖い。
「死ねません」と言ったら、近くにあったファブリーズを投げつけてきた。
超至近距離で。
ちなみに、それで1ヶ月程たんこぶができた。
説教は終わって、一安心。
しかし、テストで1位を取らねばならないと、言われた。
無事1位をとったのであるが、「期待」はさらに強くなった。
現実に戻ろう。
期待されている以上、
「期待通り」ではならない。
「期待以上」でもなければならない。
そう出ないと、認められない。
子にとって親に認められるということは大事な事だ。
でないと、子は自分がこの世にいていい人間と思えなくなってしまう。
「できない者」から見ると、俺は羨ましいのだろう。
でも、俺の人生を経験してみろ。
殴られ蹴られ、挙句の果てには1年近くいじめられ。
「なんでもできる」ことも、いい事ばかりではないぞ。
あーあ、辛い。
今、ここで死んでやろうかなぁ。
死ねたらなぁ。
不謹慎であるし、冒涜でもあることを分かっていながらも、やはり思わずにはいられない
死んだ人が、羨ましいなぁ。
これは、執筆者の本当の出来事であり、体験です。
気持ちの悪いポエムのようになってしまい、本当に申し訳ありません。
「なんでもできると思っててこいつイタイなw」と、思っていただいても構いません。
ですが、これは今、執筆者の思いを小説にして書き綴ったものです。
どうか、どうか。
分かっていただけると、幸いです。