「今日は相談がありまして」
椅子に座った校長先生がそう私に言った。
グリンゴッツへ行った日から少し経ったある日、校長先生が教会を訪ねてきた。
なにやら私に話したいことがあるそうなので、教会の応接室へ案内した。
「何でしょうか?」
全く心当たりがない。杖も無事に受け取れたし。
校長先生からの相談は私にとって予想外の事だった。
「実は、留学のお誘いが来ていまして」
「え!?どこからですか?」
留学!?ってことは他所の学校に行くってことだよね?
留学っていうものがここにもあることも驚きだけど......。
その留学の誘いが何処からなのかが重要。有名な魔法学校ならいいけど......。
......それこそホグワーツとか。
まあ、流石に期待のしすぎかな?
「お誘いの手紙がダンブルドア校長から」
ダンブルドア校長!?これってつまり!!
「ってことはホグワーツに留学するんですか!?」
驚いて口をぽっかり開けた私に軽く笑いながら、
「ええ。そうです」
と校長先生が頷いた。
いや~これは全く予想してなかったよ......。
同じ世界で生きてるだけで夢みたいだな、なんて思っていたのに。
でも、ホグワーツに留学制度なんてあったっけ?転入生の受け入れはあるみたいだけど。
「でも、なんで急に留学の話が?」
そう言うと、校長先生は少し困ったような顔をした。
「まあ......。理由は色々あります。事前交流、という感じでしょうか」
事前交流??
これから先もホグワーツと何かイベントを計画しているのかな?
でも来年はシリウスが脱獄するし、その次の年は三大魔法学校対抗試合だし......。
その後は、何というか、闇の帝王が復活して大変だし?そんなことする暇あるのかな?
というかそもそも、私がホグワーツに留学するとは言われてないよね!?
え、嘘。ここまで来て報告だけは悲しすぎるよ?
「それを私に話すってことは、もしかして、私が行くんですか?」
恐る恐る聞いてみる。
「ええ。私は貴女とミスター・ヴァレンスを推薦しようかと考えているのですが......。どうでしょう?」
「勿論行きます!!あ、でも、セレステは行かないんですか?」
私とハロルドの2人が留学?
別にハロルドが嫌だとか頼りないとかそう言う訳じゃないんだけど、私を留学させるなら、セレステも一緒にさせる気がする。校長先生はそういうの気を使ってくれるし。
校長先生は頬に手を当てて、
「2人同時に学校を離れられてしまうと、その穴を埋めるのが大変なので」
と言った。校長先生は深くため息を吐いた。
「穴?」
私達2人がいなくなることで出来る穴なんてあるかな?
「貴方たちはゲルミナレスの中で大きな影響力を持っていますから。他の生徒たちも、貴方たちに質問するなどして、昨年度は成績を上げました。そして、寮の中で頼れる存在として貴方たちがいます」
確かに質問に答えたり勉強を教えたりはしたけど......。
「そうですか?頼られたことなんてないと思います」
今の学校はほとんどが上級生だし。頼られるなら同級生か下級生からかだよね。まだ去年は下級生はいなかったし、頼られる要素なんてどこにもないと思うんだけど......。
「頼れる、よりも、他の寮から守ってくれる、と言った方が正しいですね。他の寮の生徒から舐められずに済んでいるでしょう?舐められていると感じた事が無ければ、守っているということですよ」
「舐められていると感じたことは確かにありませんでしたけど......」
守ってるつもりもなかったな。まあでも、私達2人がいることで寮生を粗末に扱えば痛い目に遭いそうだから手を出さないって言うのは納得かも。もし私が他の寮の生徒だったら近寄らないし。月の魔女の弟子とか、怒らせたら何されるか分からなくて怖いもんね。
「そう言う訳ですから、ウィステリアとミスター・ヴァレンスにホグワーツに行っていただきます」
ホグワーツ!ホグワーツ!!
もう興奮してきたよ!待ちきれないな~!!
「期間はどのくらいですか?」
「丸々1年度分は」
つまり、大体1年間。留学なのだからそれくらいの期間が妥当だろう。
「何年生に編入するんですか?」
ここが重要!!私は今14歳で、2年生になる。ホグワーツ的には4年生のはずだ。
「あちらでは11歳で入学するそうなので、年齢を合わせると4年生に編入となるのですが、レベル的にも大変だろうということで、2年生に編入してもらいます」
「やったあ!」
思わず立ち上がって両手を高く上げた。
2年生なら、ハリーやロン、ハーマイオニーと同級生になれる!!
「何か喜ぶ理由があるのですか?」
校長先生が私の事を不思議そうに見る。
「ダイアゴン横丁で知り合った子が、来年2年生だと言っていたので!!」
「それは良かったですね」
「本当に良かったです!!」
と言う訳でホグワーツへの留学が決まった。
今私はホグワーツ特急に乗るためにキングズクロス駅に来たところだ。
今日は改札口でハロルドと待ち合わせることになっている。
柱の近くで立って待っていると、通りかかる人がちらちら私の方を見る。
荷物が山積みのカートは他の魔法使い達もいるから意外じゃないはずだけど......。
もしかして、注目されている原因は私?銀髪に藤色の目はこっちでは珍しいからかな?銀髪だけならまだいそうだけど、目はまあ普通ではないよね。
しばらく待っていると、遠くにハロルドの姿が見えたので、大きく手を振る。しばらくは辺りを見回していて気づかなかったけれど、ハロルドも私に気づいて手を振り返しながら小走りで近づいてくる。
私は校長先生と一緒に来たけど、ハロルドは家にある魔法具で来たらしい。
私も1人で出かけたいな~。教会にそんな高級なものを用意するほどのゆとりはない。別に生活がカツカツな訳でもないけど。
「お待たせ」
「こんにちは、ハロルド!」
「よろしく、メイベル」
と手を握り合う。ホグワーツでは仲間がお互いしかいないから、なるべく同じ寮だといいけど......。
カートを押しながら、目的の9・10番線ホームへ向かう。
「えっと、ハロルドはこれから4年生?」
私は2年生になるので、2つ上のハロルドは4年生かな?
「そう。4年生に編入することになった」
4年生ってフレッドやジョージと同級生?それも羨ましいな~。
主人公世代だって嬉しいけど!
「留学は楽しみ?」
私はとっても楽しみだけど、ハロルドが乗り気じゃなかったらどうしよう。と心配しながらハロルドを見上げると、
「ああ。ホグワーツで何を学べるのか楽しみだよ。メイベルの方がワクワクしているようだけど」
とハロルドは笑った。
「ええ!!私、本当に楽しみなの!ホグワーツを隅々まで見るつもりなのよ!それに呪文も!!私、杖を作ってもらったから、使いこなせるようになりたいと思ってるの」
「杖を“作って”もらったのかい?」
ハロルドが首を傾げた。確かに作るのは珍しいよね。
「ええ。あんまりにも私に合う杖がないから、私の髪を芯材にして、オリバンダーさんに作ってもらったの」
ハロルドがそれを聞いて驚く。私も驚きだよ!!
私は杖が欲しかったから杖を持ってるけど、あれ、ホグワーツって杖魔法の授業だよね?
「ホグワーツに行くってことは、ハロルドも杖が必要だよね?」
「僕は普通に買ったよ。留学が決まった後に、スペンシア校長に連れられてね」
どんな杖なんだろうか。気になる。
「芯材とか木とか教えてくれない?私は、芯材は私の髪で、木材はモミ。長さは13.25インチで、ほどよくしなる、だったよ」
「僕のはこれだよ」
とハロルドがローブから杖を取り出した。
私も今はローブを羽織っている。もちろんこっちの魔法界のローブを!
「芯材はドラゴンの心臓の琴線。木材はアカシア、長さは12インチ。少ししなる、だったよ」
アカシア!!
「アカシアに選ばれるってことは優秀な魔法使いってことね」
「光栄だよ。オリバンダーさんからもそう言われたよ」
ハロルドは確かに優秀だから、合ってるわ!!しかもアカシアはレアだから、ホグワーツでも注目されそう。
私のモミはマクゴナガル先生と一緒。変身術に向いているらしい。アニメーガスになりたいけど......。この短期間で習得は無理かな?
キングズクロス9番線と10番線のホームに着く。
「あれ?」
「どうしたんだい」
「9と3/4番線ってここのはずなんだけど、魔法使いが誰もいないみたい」
一般の人――俗に言うマグルは沢山いるんだけど、ローブを着ていたりカートを持っていたりする人はいない。
魔法使い達で溢れかえるはずなのに!!これは予想に過ぎないけどね。実際に見たことは無いから分からない。
「来るのが早すぎたんじゃないか?」
とハロルドが言った。確かにそうかもしれないけど......。
「でも、出発10分前よ?」
10分前で来るのが早過ぎたら、こっちの魔法界の時間管理の緩さに驚く。
「取り敢えずホームで待っていると怪しまれるから、中に入ろう」
とハロルドが顔を寄せて言ってくる。
駅員や乗客たちが、私達の事を不思議そうに見ている。荷物を山積みにしたカートを押す私達は、周りから見てかなり異常だ。原作でも、ホームに入った瞬間にそこに人がいたことを忘れるんだよね。
「そうね!私が先に行っていい?」
「もちろん」
よし......怖がらず、一直線に柱に向かって走るだけ!!
「うわあ......」
柱の先には、大きな赤い汽車がとまっていた。ホームは魔法使い達で溢れていた。
「大きな汽車だな」
と後からやって来たハロルドが言った。
「皆もっと早く到着していたのか」
「そうだったみたい」
2人でホームをうろうろ歩き回る。
そうすることしばらく。9と3/4番線の入り口に、ハーマイオニーとモリー、ウィーズリー家の子供たちが現れた。
「あ、ハーマイオニー!」
「ハーマイオニー?ああ、あそこにいるね」
とハロルドが言った。あれ、ハロルドもハーマイオニーを知ってるんだ。
どこかで会ったのかな?それとも、ホグワーツで有名だから?
「ちょっと行ってきてもいい?」
と私が言うと、
「僕はコンパートメントを探しに行くよ。またホグワーツで会おう」
と言ってハロルドは列車に入って行った。
2人でハーマイオニーに話しかけようと思ってたのに......。残念。
多分、気を使ってくれたんだろうけど。
ホームに取り残された私は、ハーマイオニーの元へ向かう。
「ミス・グレンジャー!」
と私が手を振りながら駆け寄ると、
「あ、えっと......。ミス・ウィステリア?」
と不思議そうな顔でハーマイオニーが私を見た。
多分、今の私はとっても笑顔だ。
「そう!本屋で会ったぶりね!」
「確か他の魔法学校に通っているって言ってませんでしたか?どうしてここに?」
「色々あって」
色々あったんだよ。詳しくはコンパートメントで話したいな。
「ところで、うちのロンとハリーを見ませんでしたか?」
と私達が話している間、終始辺りを見回していたモリーさんが不安そうに言った。
「見ていません。何かありましたか?」
「あの2人、俺たちのすぐ後ろにいたのに、全然やってこないんだ」
あー。ドビーに妨害されているのか。ドビーはマルフォイ家の屋敷しもべ妖精。屋敷しもべ妖精は大きな屋敷に仕える魔法生物。魔法生物......なのかな??詳しくはよくわからない。ドビーによってハリーはホグワーツへ行くことを妨害される。その一つとして柱と9と3/4番線への繋がりを消されてしまう。
そして、そのうち2人は空飛ぶ車に乗る。
「一回戻ってみましょうか?」
とハーマイオニーが提案したが、
「でも、もう列車が出ちゃうわ!」
とジニーが言った。確かにほとんどの生徒が列車に乗り込んでいる。
「取り敢えず、貴方たちは早く乗って!!」
とモリーさんに言われ、私達は列車に乗った。
「ハリーとロンったら、一体何をやらかしたのかしら......」
と座るなりハーマイオニーが呟いた。
私は、ハーマイオニーと同じコンパートメントに乗り込んだ。
フレッドとジョージはいつの間にかどこかに行ってしまっていたし、パーシーは友人の元へ行くと言っていた。ジニーは初年度なので友達作りをした方が良いんじゃないかしら?というハーマイオニーの提案で分かれた。
「何とかなるわよ」
なんてったって生き残った男の子だからね。そう簡単にはやられないわ。多分。
「あ、すみません。つい愚痴を言ってしまって」
とハーマイオニーが慌てて口を押えて頭を下げる。
「気にしないで!自己紹介しましょう?私はメイベル・ウィステリア。ヴェスパーティナ国立魔法学校から、ホグワーツに留学生としてやって来たの。よろしくね」
「留学生!?」
「そうなの。私も留学制度があることは初めて知ったわ」
「私はハーマイオニー・グレンジャーです。グリフィンドール寮の2年生です。ウィステリアさんは何年生ですか?」
「えっと、国立魔法学校では今年で2年生なんだけど、年は今年で15歳なの」
「入学の年齢が違うとかですか?」
流石。
「そう!でも、ホグワーツは2年生として過ごすの」
「じゃあ同級生ですね!」
ハーマイオニーが嬉しそうに言った。喜んでくれるなんて私もとっても嬉しい。
「同級生だから、ハーマイオニーって呼んでいい?」
せっかくなので名前で呼びたい!一年間一緒に過ごすわけだし、距離を縮めたいな。
「じゃあ私も、メイベル?」
「よろしくね!!」
「こちらこそ!」
「寮はどこに行くの?」
確かに。どうするんだろ?
「さあ......。組み分けをするのかしら?」
組み分け帽子を被れるのなら大歓迎!
「寮って、そっちの魔法学校にもあるの?」
「あるわ。ゲルミナレス、コルレウスヴェーテ、フォーレット、ニクスアンジェンテの4つで、私はゲルミナレスなの」
ハーマイオニーは何度か頷いて、
「こっちは勇猛果敢なグリフィンドール、機知と英知のレイブンクロー、忠誠心と誠実さのハッフルパフ、野心と狡猾さのスリザリンってかんじよ。それぞれ赤、青、黄、緑が割り振られているの」
とホグワーツの寮について説明してくれた。
「動物はグリフォン、鷲、アナグマ、蛇でしょ?こっちはフクロウ、カモメ、鷲、白鳥なの」
なんでこんなに鳥類?
「鷲は同じなのね!」
確かに!
「ええ!それに、フォーレットはとってもレイブンクローっぽい寮なのよ」
知的なところとかが似てると思う。でも、他の寮はそんなに似てないかも。
「色はホグワーツと同じ?」
「えっと、黄色、赤色、緑色、水色よ。ほぼ一緒ね!」
青色でよかったのに、わざわざ水色にした理由とかあるのかな?青でいいじゃんね。
「色はそこまで違わないのに、動物は大きく違うわね」
「ね。鳥で揃えてるけど、どうしてなのかは私にもわからないの」
「寮名の由来はどうかしら?ホグワーツは創立者の名字から来ているのだけれど......」
ゴドリック・グリフィンドール、ロウェナ・レイブンクロー、ヘルガ・ハッフルパフ、サラザール・スリザリンの4人がホグワーツの創立者。
うちは多分国王が1人で主導したのかな?
「うちは季節でつけられているの。春、夏、秋、冬、よ。でも、こっちではそういう言い方がないのよ」
言い間違えが1番多いのが季節。うっかり「春めいてきたわね」とか「夏休み」だとか言ってしまう。
新しく言語として広めていこうかな?
「春、夏、秋、冬じゃないの?」
「萌芽、緑彩、丹林、銀雪って表現をするのよ」
春夏秋冬でいいじゃん!!といつも思う。
「へえ、素敵ね!!」
とハーマイオニーは目を輝かせた。
私は春夏秋冬って言いたくてしょうがないけどね。
と、コンパートメントの扉が開かれた。
わあ、びっくりした。
廊下には女子生徒が2人立っていた。グリフィンドール生であることはローブを見たら分かったけど......。
どうしたのかな?
「あら、ハーマイオニー!急に開けちゃってごめん。私達、部屋を探していて」
と蜂蜜色の髪の毛の女子が言った。
「気にしないで。一緒に座る?」
「ありがとう。でも、そうじゃなくって、合流しようとしてるのよ。全然見つからなくて苦戦中なの」
「ねえ、そちらの方は?」
と後ろから黒髪の女子が私を見て聞いた。
「はじめまして。メイベル・ウィステリアと言います」
「はじめまして!私はパーパティ・パチル」
「私はラベンダー・ブラウンよ!!素敵な目の色ね!」
パーパティとラベンダーだ!!2人ともちょくちょく出てくるグリフィンドール生だ。
「ありがとう。こっちでは珍しい色でしょう?」
「銀色の髪に紫色の目......。お人形さんみたいね!」
とラベンダーがにっこり笑って言った。
お人形さんかあ!!言われたことないよ!嬉しい。
でも、私は藤色なんだよなあ......。
私は藤色が気に入ってるので指摘したい気持ちになった。
紫色ではあるよ?でも藤色って色名、素敵じゃない?和風だし。
和風なのに、この国にも表す言葉があるんだ。不思議。と思ったけど。
「新入生?じゃ、なさそうだけど......」
とパーパティが首を傾げたので、
「ここから先は組み分けまで秘密ってことで」
と答える。
「組み分けの時に何かするの?」
「楽しみにしてるわ!!」
と言って2人は去って行った。
2人が去った後、ハーマイオニーが
「留学生だって言わないの?」
と言った。
うーん。別に言っても良かったんだけどね。
「組み分けの時に留学で来ましたって説明するからね。なるべく多くの人に驚いて欲しくて」
せっかくだから、もっとなんか驚かせる演出でもしようかな?
「私には言ったのに?」
「だって、ダイアゴン横丁で他の学校ですって言っちゃったじゃない。それに、ハーマイオニーは口が堅いって信じてるから」
信じてるよ?割と言っちゃいそうな感じもあるけど。でもまあ、ホグワーツまでコンパートメントにいたら他の人と会う機会はあんまりないし。
「ほとんど初対面なのにそこまで信頼してくれるのね」
「うん。駄目?」
「ありがとう、嬉しいわ」
「ねえ、留学ってメイベルから言ったの?」
「ううん。先生たちで決めたみたい。私はダンブルドア校長からお誘いされてるからどうですか、って」
ダンブルドアからのお誘いとは光栄だ。でも、そこまで私の評価を上げないで欲しいよ......。プレッシャーがすごい......。
「でも、異国の魔法学校に留学するなんて不安じゃない?」
「全然不安じゃないわ!ホグワーツで沢山の経験を得たいと思っているの!!」
でも、知らない魔法学校だったらとっても不安だったと思う。ホグワーツだったから楽しみっていう気持ちしかないだけだと思う。
「去年じゃなくて良かったわ......。知らないかもだけど、去年はトロールを倒して、ケルベロスを眠らせて、悪魔の罠を通って、鍵を捕まえて、チェスをして、魔法薬クイズをして、ハリーがクィレルを......。ああ、いえ。何でもないわ。ハリーが戦ったのよ」
そのことはよく知ってる。
そういえば私も去年は大変だったな。
「私も去年は先生と戦ったわ。その前に暗闇を歩いて迷路を溶かしたわ」
「私達、よく似てるわね!どうしてかしら?」
どうしてかな??犯人間で、どこか裏でつながりでもあるのかな?
「あ、でも、犯人が狙ってたのは賢者の石じゃなくて、とある部屋の鍵だったけどね」
私がそういうとハーマイオニーは鋭い目つきになり、
「賢者の石だったことも知ってるのね」
と言った。私を怪しんでいる様子だ。
あー。やばいかも?みんな知ってると思ったんだけど、秘密事項なの?
「風の噂で」
と取り敢えず誤魔化しておく。
「去年が大変だったから、今年はゆっくりできるといいんだけど。せっかくメイベルもいることだし」
あー。それは無理かな??いや、もしかしたら何も起きずに終わるルートに行けるかもしれないけど。まあ多分秘密の部屋は開かれるだろうな。日記帳はジニーが持っているし。
「でも、メイベルも大変だったでしょ?」
「でも、そっちの方が大変そう。だって私は何でもできる、とっても優秀な魔女と一緒だったから......。あ、えっと、3人が優秀じゃないって言ってるわけじゃないよ?ハーマイオニーが学年一優秀だってことは分かってるから」
と慌てて付け加える。
「ふふっ。ありがとね。確かにロンはチェスで輝いていたし、ハリーは箒に乗った時と戦いの時にはとっても強いけど、それ以外ではあんまりだものね。何でも出来る人と一緒なら心強いわね」
「私の友達はセレステって言うんだけど、とっても優秀なのにいつもメイベルの方が凄いわよって言うの!!もっと自分の凄さを自覚してほしいわ!もちろんハーマイオニーもね!!」
「そんな、私なんてまだまだよ。闇の魔術に対する防衛術は苦手だし......」
「苦手って言うけど、そんなことないと思うわ」
「ありがとう......。なんだか照れるわね」
「私、ハーマイオニーと戦ってみたいわ!もちろん、こっちの魔法界の魔法だけで戦うから」
「私、すぐに負けちゃうと思うわ」
「そう?私だって別に強くないよ?」
「留学に選ばれるってことは優秀なんでしょう?」
「何を基準に決めたのかは分からないけどね」
「どうしたの、ハーマイオニー」
「あれ、何かしら?」
「あれって?」
「ほら、あそこ......」
「車に見えるわ」
「もしかして、ハリーとロン!?」
「空飛ぶ車に乗ってホグワーツに行こうと思ったのね」
「しばらく待てばモリーさんたちが外に出てくるのだから、それまで待ってればよかったじゃないの!!!アーサーさんとモリーさんはその車で来たのに!帰れなくなっちゃってるじゃない!!」
「まあまあ、落ち着いて。2人が無事って分かってよかったじゃない」
「それは良かったけど、でも、もっと他に方法があったはずだわ!」
それはそう。
「私は知りませんからね!貴方達が勝手に車で飛んできたんですから!私、何も知らないわ!!」
「これはお説教コースだね......」
「ああもう、どうしてこう、思いついたことをすぐにやっちゃうのかしら!」
「考えが浅いって?」
「そこまでは言わないけど......。でも、ホグワーツ特急に遅れたからって一貫の終わりではないでしょう?」
「うーん。でも、ホームに入れなくなったなら、出てくることもできなくなったって思ったんじゃない?」
「待てばいいのに......」
「あの2人の手綱を握るのは大変だね」
「ええ、本当に」
とハーマイオニーは深いため息を吐いた。