「何も起きない!!」
とメイベルが不満そうに叫ぶ。
図書室の襲撃から1か月。
メイベルたちは何事も起こらない平和な学校生活を送っていた。
「それが普通よ」
とセレステがため息を吐く。
「2人とも怪しい行動しないし、かといって犯人じゃないと言い切れるようなことも無かったし!」
マリーも不満そうに言った。
1か月間レクラースとダウストラを見張っていたが、何もおかしな行動はしなかった。
「犯行を諦めたとか?」
とアリスが言ったが、メイベルもマリーもあまり納得していない。
「禁書棚と立ち入り禁止の部屋って関係あるのかしら?メイベルは関係あると思ってるんでしょう?」
とセレステが言った。確かに、直接的な繋がりはあまり感じない。
「うん。例えば、禁書に部屋についての手がかりがあると思ったけど、そんな本は無かった、とか?私は本棚を荒らした犯人は立ち入り禁止の部屋に入ろうとしてると思ったけどね」
とメイベルが言う。
「立ち入り禁止の部屋って、どこにあるのかもどうして立ち入り禁止なのかも言われてないわよね?」
大まかにどこにあるのかは知ってるんだけどね......。とセレステとメイベルは顔を見合わせた。それでも、立ち入り禁止の理由は知らない。
「確かに、入るなとしか言われていないわ」
「中にある何かを守ってるのよ!!」
とメイベルが声を大にして言うと、
「そうなの!?」
とマリーは衝撃を受けて叫んだ。
「どうしてそう思うの?」
とアリスが聞く。
「人を入れたくないのは、防犯の為かなって」
メイベルが考えを言う。
「なるほど。でも、中に何があるんでしょうね?」
「ものが入ってるかもだし、重大な情報が入ってるかも知れないよね」
とマリーが言った。
メイベルは中にものがある場合しか考えていなかったので、情報があるかも、という考えに驚いたが、その可能性もあるなと納得した。
「ちょっと話を戻すんだけど、犯人は禁書の棚を探してる途中に見つかってしまって、本棚を探し切れてなかった、とかは無い?」
とアリスが言った。被害が何も無かったそうだし、その可能性は大いにあるだろう。
「なるほど、目的の本を見つけられなかったから何も盗まれなくて、まだ図書室に犯人が求めていた本が残ってるのかも!早速図書室へ!!もう開いてるよね?」
とメイベルが興奮した様子で立ち上がる。
事件から1か月が経ち、図書室も再び開かれるようになった。
「開いてるけど、禁書棚に行くだけじゃなくて、中身も見るんでしょう?禁書を読むには先生からの許可が必要なのを忘れてない?」
どうせ中を読むだろう、とセレステは思った。禁書棚で目的の本を見つけ、読みたい!となるも許可を貰っておらず読めない、となるのが目に見えている。
「私がランベート先生から貰ってくるわ」
とアリスが言った。ランベートはニクスアンジェンテの寮監なので話しかけやすく、また、許可も取りやすいだろう。そして、魔女なので犯人の恐れも無いだろう、ということでアリスはランベートから許可を貰おうと考えた。
「私も一緒に」
「私達は先に図書室に行ってるわ!図書室で合流しましょう!」
アリスとマリーが許可を貰いに行き、メイベルとセレステは先に図書館へ行くことに決まった。
「こんにちは」
銀髪に紺色の瞳の女性が、カウンターの内側から2人に声をかけた。
「こんにちは。あの、お時間ありますか?」
とセレステが声をかけると、
「大丈夫よ」
と女性は頷いた。
「あの、私達、事件の時のことを知りたいんですけど......」
そうメイベルが口にすると、女性の表情が引き締まる。
「事件って、禁書棚荒らしの?」
「はい。そうです」
頷いたセレステを見て、女性が黙り込む。
2人が顔を見合わせていると、
「それじゃあ、あんまり深掘りしないであげてね」
と後ろからメネトリエがやって来た。
「メネトリエ先生!」
「カトリーはあの後しばらくの間は、魔法使いを見るだけで怯えていたから」
と女性に向かって笑いながら言った。
「ちょっと、言わないでよ!だって、誰もいないはずの真っ暗な図書室に人がいただけで怖いのに、犯人が私を睨んできたのよ!!」
と女性が頬を膨らませて言う。
「でも、詳しく状況を話してくれたっていいんじゃない?」
「そうね......。犯人が早く捕まって欲しいし」
と女性が頷き、2人の方を見る。
「あの日、私は図書室の戸締りを済ませて、身支度を済ませた後、図書室の隣にある自室で寝ころんでいたの。そうしたら、警報音がして」
「警報音?」
とメイベルが首を傾げる。
「禁書棚から禁書が私の許可なしに取り出されると、私の持っている魔法具が鳴るようになっているの」
「一応警報は教員の元にも届くようになっているから、私達もすぐ駆け付けたんだけど、隣に部屋があるカトリーと比べてかなり遠いから」
とメネトリエが言った。
先生たち全員で駆け付けたなら、先生に犯人はいないのかも?とセレステは思った。
「それで図書室に向かったら、床に何かが落ちる音がして。どさどさどさって感じかな。書架の間を歩いて、禁書棚の所に着いたら、そこに真っ黒いローブの人が立っていて、棚から本を落としていて。私に気づいたその人は私を睨んで逃げて行ったの」
「睨んだのが分かったんですか?暗闇の中で」
「その人は手に光る魔法具を持っていたの。それで顔が見えたの」
そういえばアリスが、犯人は手に光を持っていたって言ってたな、とメイベルは思った。
「顔が見えたのなら、犯人が誰か分かるのでは?」
とセレステが聞く。顔が分かれば犯人はすぐに捕まえられるはずだ。
「いや。変装していたり、目の色を変えたりしていたのかも知れないわ」
とメネトリエが答えた。
「そっかあ......」
そんなこと言ったらこの国では犯罪し放題になっちゃうんじゃない?とメイベルは不思議に思った。
「でも、犯人は魔法使いだと噂で聞きました」
「私が書架の間を歩いているときに、声が聞こえたの。多分、声を変えていたんでしょうけど。でも、一人称が俺だったから。それで、魔法使いじゃないかって思ったの。多分ぽろっと言ってしまったとかだと思うし」
女性の証言に2人は納得した。それは確かに魔法使いであったと決める決定的な証拠になるだろう。
「あと、背が高かったんですよね?」
「そう。私と比べて結構大きかったわ」
女性は150㎝くらいの身長である。結構大きかった、のならば、やはり190㎝ほどあるレクラースとダウストラが疑わしいだろうか。
「背格好を変えていたってこともありませんか?」
とセレステが言った。
「背格好を変えると普段と目線や距離感覚が変わるから、もし私が犯行するなら、慣れている自分の背格好のままするわ」
メネトリエが答えた。
「確かにそうかも......」
でもやっぱり、魔法界って犯罪が多そうだし、犯人を捕まえるのが大変そうだな、とメイベルは魔法界の治安が心配になった。
「私に当時の状況を聞きに来たってことは、2人が犯人探しをしてくれるの?」
と女性が2人に聞く。
「はい!!」
とメイベルは頷いた。セレステも頷いた。
「2人は、ネアセリニさんとウィステリアさんでしょう?ノアの話によく出てくるわ。優秀だって毎日のように言ってるのよ」
ノアはメネトリエのファーストネームだ。
「ありがとうございます」
メネトリエが担当している魔術学では、2人とも優秀な成績を修めている。
「カトリーも自己紹介したら?」
とメネトリエが女性に言った。
それをうけて女性が頷いて自己紹介をした。
「私はカトレア・シルヴァーナー。図書室の司書をしているわ。今年で5年目かな?」
「実は、私とカトリーは同級生だったの」
カトレアの愛称がカトリーというわけだ。
「メネトリエ先生は去年からここで教えていると聞きましたけど、シルヴァーナー先生は5年前からなんですね」
同級生でも教師歴が違うのだ。
「カトリーは卒業してすぐに学校側からスカウトされたのよ。てっきり教師になるのかと思ったんだけど......」
とメネトリエが言った。
司書のスカウトはかなり珍しい。というのも前任者が長い間司書を務めていたので、スカウトの必要が無かったのだ。
「教えるよりは司書の方が向いてるし」
「でも、少なくとも私よりは優秀だったのに」
そういうメネトリエも優秀だった。けれどシルヴァーナーはその上をいっていた。入学当初から学年一位をキープして卒業した才女だ。
「優秀さと教える上手さは違うでしょう?それに、司書の方が私の性に合っているから気にいっているの」
「カトリーがそう言うならいいけど」
図書室の扉が開かれた。
アリスとマリーが先生から許可を貰ってきたようだ。
「2人ともお待たせ。あれ、メネトリエ先生」
アリスがメネトリエを見て驚く。
「どうしてここに?」
そんなにみんな驚くのね、とメネトリエは思った。
「教員も図書室を利用することがあるのよ」
アリスはなるほど、と頷いた。
2人がやって来たので、本題の説明をメイベルがする。
「シルヴァーナー先生、私達犯人が荒らしていた禁書の棚には、まだ犯人が盗もうとした本が残ってるんじゃないかと考えていて。なので、もし本が見つかった時の為に貸し出しの許可を頂きたくて」
アリスがランベートから貰ったサインをシルヴァーナーに見せる。
「グローリアから貰ったのね。許可を差し上げましょう」
シルヴァーナーは紙から顔をあげて、4人の事を見た。
「4人で犯人探しをしているの?」
「はい」
とメイベルが頷く。
「才女ばかりね」
メネトリエがそう言い、皆少し照れながら笑った。
「私はアリス・コンスタンシアと申します」
「私はマリー・アッシュフォードです」
2人が名乗る。シルヴァーナーとは初対面になるので。
「アリスとマリーもよろしくね。詳しい当日の事は2人にさっき話したから聞いてね」
「ちなみに、犯人は最後にどの禁書棚を見ていたか分かりますか?」
と禁書棚に向かいかけたセレステが聞いた。
シルヴァーナーは少し考えるように手を頬に当てた。
「確か棚の側面に3って書いてあるところよ。主に植物についての本が集まっているところね」
「じゃあ、3の本棚は調べる必要が無いわね」
「植物が関係あるとは思えないし」
マリーがメイベルに頷く。
「それじゃあ、どんな本を探していたんだろう?」
「『闇の魔法具』とか?」
とアリスが傍にあった本を手に取る。
分厚く、装丁が真っ黒な本だ。いかにも禁書らしい。
「『魔法界の黒い歴史』とかかしら?」
「ここには『魔法学校の暗い歴史』があるわ」
と別の棚を見に行っていたアリスが言った。
「あー。なんかそれっぽいかも?」
とメイベルが本棚へ向かう。本棚の下の方にある本なので、アリスはしゃがんでいる。メイベルも近づいてしゃがんだ。
アリスはメイベルに本を手渡した。
先ほどよりも禁書らしい装丁では無い。表紙は青く、白くタイトルが書かれている。
暗い歴史なのにタイトルは白で書くのね、とメイベルは思った。
「本棚を荒らした犯人が禁じられた部屋について情報を集めようとしているのなら、魔法学校関連の本かも」
「でも、禁じられていて、何にも情報がない部屋なんでしょう?本に書かれているなら情報があるじゃない」
とセレステが言った。情報がないから犯人は禁書棚で情報を探していたのだろうか?
「確かに......」
「情報が不自然に無いところを探してみるとか?」
アリスの提案にメイベルは弾かれたように立ち上がった。
「なるほど!!じゃあ、地図を見た方が良いわね」
「情報がないところを探すの?」
マリーは腑に落ちていないようで首を傾げた。
「ええ。禁じられた部屋は情報が一切ない。ということは地図に載っていないってことじゃない?」
「確かに?」
「どこにあるのか知られていないってことは、地図に部屋が無いってことでしょう?だって、地図に載っていたら場所が分かるじゃない。不自然にここがどういう部屋なのか書かれていない場所が怪しいんじゃないか、ってこと」
とセレステが説明した。
「なるほど!!」
とマリーも理解したように頷いた。
「えーっと、これがいいかしら?」
魔法学校の地図が見たい、とシルヴァーナーに言うと、一冊の分厚い本を持って来た。
皆でお礼を言って、本を開く。
「へえ。見取り図があるのね」
本には、魔法学校を建てるときの設計図も、完成した後のことも書いてあった。
「でも、これ、建てた時のやつみたいよ?禁じられた部屋は新しく追加された部屋かも知れないわ」
アリスの言葉にメイベルが頷いて、
「そうね。私は最近のやつがないか探してみるわ」
と本棚へ向かって行った。アリスも付いて行く。
「私達はこっちの地図でおかしいところがないか確認しましょうか」
とセレステが言い、セレステとマリーの2人は引き続きこの本を読むことにした。
「ここ怪しくない?2階には部屋があるのに1階は途中で廊下が切れてる」
「ここも怪しいわ。この空きスペースに部屋が1つぐらいはつくれるわ」
と2人はどんどん怪しいところを指していく。
「ここも......。あ、でも、ここは違うわ」
「どうして?」
怪しいのに候補から外そうとしたセレステの方を不思議そうに見るマリー。
「だってここ、今は教室のはずだから」
「そうなの?」
「たまにこの教室で授業があるの」
と訂正しながら怪しい場所をあげていく。
「そっちはどんなかんじ?」
とどうやら調べ終わったらしいメイベルとアリスが2人の元に近づいた。
「駄目ね。怪しいところが多すぎて......」
「全部の部屋が怪しく見えてきちゃうわ」
と2人はため息を吐いた。
対照的にメイベルは
「こっちは結構絞れたわ」
と明るい表情で言った。
「本当!?」
「ええ。えっと、3階のこことこの塔の地下」
と地図を広げながら説明していく。
2か所しかないの!?と2人が驚いていると、
「あとはこことここと......」
と横からアリスが付け足していった。
「結局多いじゃないの!!」
「ちょっと、叫んじゃ駄目よ。ここでは静かにしなくちゃ」
とアリスがマリーに言った。
「だって、候補地を絞れたって言ってたのに多いんだもの」
「じゃあ、まずは西の塔を探してみましょ」
「賛成!」
塔は校舎の西の外れにあった。
手入れが行き届いていないのか、外壁には雑草が生い茂っている。
「ここの地下だっけ?」
とセレステが問うと、
「うん」
とメイベルが頷いた。
「上の階は?」
「上は授業してるみたいね」
「じゃあ、静かに探しましょ」
とアリスが言って、4人は階段を下り始めた。
地下には廊下が広がっていた。
「部屋が1つあるとかかと思ってたわ」
「これ、どこに続いているのかしら」
真っ暗な石造りの廊下を歩いていく。
「そもそも立ち入り禁止の部屋を見つける必要って無いわよね?」
とアリスが言った。
「いいえ、あるわ!部屋を見つけて、監視したりしてすぐに中を守れるようにするのよ!!」
「先生たちも何か対策をしてるんじゃないの?」
とマリーが言う。
「それでも防ぎきれないかもよ?そういう時に私達が部屋を把握しておくことで、ただの普通の部屋に入ったんじゃなくて、犯行に及ぼうとしてるって気づけるわ」
「確かにね。犯人が現れないのが一番だけど」
とセレステが言った。
「3人はさ、暗いの気にならないの?」
「気になってるわ」
「じゃあ明るくしていい?『光よ』」
メイベルが指先に小さな光球をつくりだす。
アリスとマリーはぎょっとしてメイベルを見た。
「え、どうかした?」
といきなり見てきた2人に驚きながらメイベルが言った。
「光魔法をこんな軽い用途に対して使わないで頂戴!」
「光属性ってとっても貴重なのよ?」
どうやら2人は、光魔法を廊下を明るくするため程度のことでつかったメイベルに驚いたらしい。
「えー。だって便利じゃん」
ルーモス的なものじゃないの?とメイベルは疑問に思った。
「別にいいけど、基本的には回復とかに使うのよ?あんまり光っているのを利用している人はいないわ」
じゃあみんなどうしてるんだろう?暗くて不便じゃないのかな?とメイベルは思った。
「ここには燭台もないし、それで行きましょ」
とセレステが言って歩くのを再開した。
石造りの廊下を、カツンカツンと足音を鳴らして4人が歩いていく。
「なんだか地下牢みたいね」
しばらく歩いていると不意にメイベルがそう言った。
「学校に牢獄?」
さすがにないでしょ、とセレステが呆れたようにメイベルを見た。
マリーも首を傾げた。しかしアリスは、
「あるかもね。悪いことをした生徒を閉じ込めておくために」
と言った。
「そして、獄中死した生徒たちの亡霊が、授業を受ける私達の事を羨ましがって見つめているのよ」
とメイベルが笑って言った。
メイベルの言葉に、
「ひえ......」
とセレステから声にならない悲鳴が上がり、
「そ、そういう話止めようよ......」
とマリーはセレステの右腕にしがみついた。
2人とも怯えながら今いる空間を見回す。
「あら、私は楽しいわ」
とアリスが2人に笑いかけながら言った。
身を寄せ合って震える2人を笑顔で見つめるメイベルとアリス。
メイベルとアリスの目の奥にはいたずらっ子の光が見える。
「ほ、ほら、もうこの先には何も無さそうだし、戻りましょ」
と声を震わせながらセレステが提案した。
「うーんそうだね」
とメイベルが残念そうに言って、4人は戻ることにした。
地下へと続く階段から出てくる4人を、授業終わりと思われる学生たちが不思議そうに見る。
地下へは普段誰も行かないようだ。明らかに目立っている。
「次からの探索は人目に付かないようにやりましょ」
「まだ探索するの!?」
メイベルの言葉にマリーが驚く。
「ええ!怪しいところは全部確かめなくちゃ!」
ひとまず今日の所は解散となった。
それぞれ寮に戻る。
「何してるの?」
メイベルがシャワーを浴びて部屋に戻ると、セレステが机に向かっていた。
セレステは振り返って、
「怪しいところをまとめていたの。あと、昔の地図と今の地図で変わったところがないかも確かめてる」
と答えた。
「グラーネが西側にあるって言ってたから、取り敢えず東側にあるところは除外ね」
「ええ」
「ねえ、私達、立ち入り禁止の部屋を探しているけど、中に入ったら怒られない?」
今更それを気にするの?とセレステはため息を吐いた。
「そりゃあ怒られるでしょうね」
「何か事件が起きなきゃ、私達はただの規則を破った生徒になっちゃわない?」
「事件が起きるまで待ってもいいけど?」
「なんかそれは負けな気がする。目の前で事件が起きるのを見過ごせないわ!!」
「じゃあ怒られに行くしかないわね」
「そういうことになるよね~。はあ。平和の為なんだから許してほしいな~」
と言いながらメイベルはベッドに飛び込んだ。
「逆に立ち入り禁止の部屋に入ることで平和を破ってない?」
寝そべっていたメイベルは勢いよく起き上がり、
「いやいや!!もっと大きな陰謀を阻止してるのよ!」
と言い切った。
「はいはい。分かってるから」
「ほんとに?」
「ええ。本棚荒らしの犯人と部屋に隠されてるものを狙っている人が同じ人かは分からないけどね」
「その場合、魔法学校の治安は相当悪いわね」
そう考えたらホグワーツって相当やばいな、とメイベルは思った。
「そもそも、何で本棚を荒らした犯人が立ち入り禁止の部屋に入ろうとしてると思ったの?」
「一番は何となく、かな。でも、荒らしていた棚の近くに魔法学校の本があったっていうのも判断材料の一つにならない?」
「そうかも?でもやっぱり、言い切るには材料が少ない気がするわ」
とセレステは犯人は別にいるんじゃないかと思っているようだ。
「取り敢えずは部屋探しをしましょ」
「そうね。本棚荒らしの犯人は、まあ、同時進行な感じで行きましょうか」
ルーモス
光を出す呪文。派生でルーモス・マキシマ(強い光)、ルーモス・ソレム(太陽の光)、がある。